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名古屋高等裁判所 昭和57年(ネ)88号 判決 1985年4月12日

判決

目次

当事者

第一当事者目録(控訴原告)

第二当事者目録(不控訴原告)

第三当事者目録(被告)

主文

事実《省略》

(当事者双方の申立て等)

(控訴原告らの主張)

第一 騒音振動暴露量の認定について

第二 身体的被害について

第三 日常生活妨害について

第四 睡眠妨害について

第五 精神的被害について

第六 環境被害について

第七 被害が防音防振工事によつては解消しないことについて

第八 被害が列車の減速によつて軽減されることについて

第九 東海道新幹線の瑕疵について

第一〇 騒音対策について

第一一 振動対策について

第一二 小山総合試験線における技術開発試験について

第一三 名古屋七キロ区間における減速走行について

第一四 東海道新幹線の公共性について

第一五 障害防止対策について

第一六 差止請求について

第一七 国賠法二条一項の適用について

第一八 後住原告の請求について

第一九 一律請求方式について

第二〇 将来の損害賠償請求について

第二一 請求金額の相当性について

第二二 主として控訴審段階における原告らの死亡、移転について

第二三 被告の民訴法一九八条二項の申立について

(被告の主張)

第一 本件損害賠償に対する国賠法二条一項の適用について

第二 東海道新幹線の建設工事の瑕疵について

第三 被告の発生源対策への努力について

第四 暴露値の認定について

第五 被害認定における諸問題について

第六 新幹線鉄道の騒音及び振動に関する行政指針について

第七 障害防止対策及び関連諸施策について

第八 原告ら居住地域の特性(暗騒音の存在)について

第九 後住原告らについて

第一〇 慰謝料について

第一一 民法七〇九条に基づく請求について

第一二 当審における予備的請求について

第一三 個々の原告らに関する事情について

第一四 民訴法一九八条二項の申立について

(当審における証拠関係)

理由

第一書証の成立について

第二原告らについて

一 原告らの居住地域

二 原告らの居住開始時期、権利関係、敷地の範囲

三 転出原告について

四 死亡原告とその相続関係

第三東海道新幹線について

二 東海道新幹線の建設及びその列車走行の概略

三 原告ら居住地域における軌道構造、走行速度等

第四新幹線騒音・振動について

一 新幹線騒音の発生源、伝播及び一般的特徴

二 原告らの各居住敷地における代表騒音値

三 新幹線振動の発生源、伝播及び一般的特徴

四 原告らの各居住敷地における代表振動値

第五被害について

一 列車走行に伴う騒音・振動によつて生ずる被害について

1

2 会話妨害

3 通話妨害

4 テレビ、ラジオ等の聴取妨害

5 思考、勉強、読書等の妨害

6 睡眠妨害

7 身体的被害

8 精神的被害

9 その他の被害について

10 慣れについて

二 列車走行に伴う騒音振動以外の原因によつて生ずる被害について

1

2 日照、通風阻害について

3 落水、落石、粉塵被害について

4 保線工事被害について

5 テレビ、ラジオの受信障害について

第六差止請求について

一 差止請求の適法性

1 主位的差止請求について

2 予備的差止請求について

二 差止請求の法的根拠

1 環境権について

2 人格権について

三 本件新幹線騒音振動の受忍限度(違法性)判断の考慮要素について

(総説)

1 新幹線の公共性について

2 いわゆる発生源対策(減速を含む)について

3 障害防止対策及び関連諸施策について

4 行政指針について

5 地域性について

6 他の交通騒音との比較

四 差止請求の当否

第七損害賠償請求について

一 国賠法二条の適用について

二 損害賠償請求に係る受忍限度判断において考慮すべき事情

(総説)

1 代表騒音振動値の修正について

2 原告らと被告との折衝の経過等

三 受忍限度について

四 損害賠償責任の成否

五 被告の抗弁について

1 一部請求、一律請求について

2 消滅時効について

3 後住原告について

4 障害防止対策受入れ原告について

六 損害賠償額の算定

1 慰謝料

2 弁護士費用

3 訴訟承継原告について

七 将来の慰謝料請求について

第八民訴法一九八条二項の申立について

第九結論

(別表関係)

(主)第一表 (損害賠償認容額一覧表(一))

(主)第二表 (損害賠償認容額一覧表(二))

(主)第三表 (損害賠償請求棄却原告氏名一覧表)

(主)第四表 (損害賠償請求当審分棄却原告氏名一覧表)

(主)第五表 (仮執行分返還金額一覧表)

A第一表 (転出・死亡原告一覧表)<省略>

A第二表 (一時転出原告一覧表)<省略>

A第三表 (訴訟承継原告一覧表)<省略>

A第四表 (代表騒音・振動値及び修正値一覧表)<省略>

A第五表 (代表騒音値修正期間等一覧表)<省略>

B第一表 (差止及び賠償請求原告一覧表)<省略>

B第二表 (賠償請求のみの原告一覧表)<省略>

B第三表 (訴訟承継原告等一覧表)<省略>

B第四表 (損害賠償請求金額一覧表)<省略>

B第五表 (仮執行金額一覧表)<省略>

B第六表 (転出原告ら一覧表・追加分)<省略>

B第七表 (障害防止対策処理状況表・東京〜博多間)<省略>

B第八表 (障害防止対策処理状況表・名古屋七キロ区間)<省略>

B第九表 (障害防止対策名古屋市対象家屋処理状況表)<省略>

B第一〇表 (未対策原告一覧表)<省略>

B第一一表 (原告別被告主張一覧表)<省略>

第一当事者目録(控訴原告)

昭和五五年(ネ)第四九二号事件控訴人

同年(ネ)第四八七号事件被控訴人

昭和五七年(ネ)第八八号事件被申立人

(ただし※印の者を除く。)

安達邦彦(ナ4)

外四五六名

右四五七名訴訟代理人

山本正男

花田啓一

青木仁子

浅井得次

石川康之

岩崎光記

内河恵一

打田正俊

梅沢和夫

加藤郁江

小出正夫

郷成文

斉藤洋

清水政和

高木輝雄

田口哲郎

成瀬欽哉

野田弘明

野呂汎

長谷川正浩

長谷川正幸

林光佑

二村豈則

三浦和人

村松貞夫

石川貞行

谷口和夫

冨島照男

村田武茂

同訴訟復代理人

片桐勇碩

長屋容子

竹内平

木村保男

久保井一匡

鳥生忠佑

豊田誠

中本源太郎

安藤巌

渡邉澄雄

岩月浩二

津留崎直美

篠原義仁

三宅信幸

第二当事者目録(不控訴原告)

昭和五五年(ネ)第四八七号事件被控訴人

竹内一子(亡竹内綱助(ナ42)訴訟承継人)

外六六名

右の◎印を附した二〇名訴訟代理人

山本正男

花田啓一

青木仁子

浅井得次

石川康之

岩崎光記

内河恵一

打田正俊

梅沢和夫

加藤郁江

小出正夫

郷成文

斉藤洋

清水政和

高木輝雄

田口哲郎

成瀬欽哉

野田弘明

野呂汎

長谷川正浩

長谷川正幸

林光佑

二村和人

三浦和人

村松貞夫

石川貞行

谷口和夫

冨島照男

村田武茂

同訴訟復代理人

片桐勇碩

長屋容子

竹内平

木村保男

久保井一匡

鳥生忠佑

豊田誠

中本源太郎

安藤巖

渡邉澄雄

岩月浩二

津留崎直美

篠原義仁

三宅信幸

第三当事者目録(被告)

昭和五五年(ネ)第四八七号事件控訴人

同年(ネ)第四九二号事件被控訴人

昭和五七年(ネ)第八八号事件申立人

日本国有鉄道

右代表者総裁

仁杉巖

右訴訟代理人

西迪雄

佐治良三

井関浩

水野祐一

鵜澤秀行

後藤武夫

右訴訟代理人(被告職員)

本間達三

外九名

(以下第一、第二当事者目録記載の当事者を「原告」、第三当事者目録記載の当事者を「被告」という。)

主文

一  原判決主文第一ないし第三項を次のとおり変更する。

1  被告は、別紙(主)第一表記載の原告らに対し、それぞれ同表合計欄記載の各金員及びその内同表慰謝料額欄記載の金員に対する同表遅延損害金起算日欄記載の日から、その内同表弁護士費用欄記載の金員に対する昭和五五年九月一二日から各支払ずみにいたるまで年五分の割合による金員を支払え。

同表記載の原告らの昭和五四年六月二二日以前の損害にかかる賠償請求のその余の部分及び別紙(主)第三表記載の原告らの右賠償請求の全部を棄却する。

2  被告は、別紙(主)第二表記載の原告らに対し、それぞれ同表合計欄記載の各金員及びその内同表履行期別慰謝料額欄記載の各金員に対する同欄記載の各履行期から、その内同表弁護士費用欄記載の各金員に対する昭和六〇年四月一三日から支払ずみにいたるまで年五分の割合による金員を支払え。

同表記載の原告らの昭和五四年六月二三日以降同五九年七月一三日以前の損害にかかる賠償請求のその余の部分及び別紙(主)第四表記載の原告らの右賠償請求の全部を棄却する。

3  別紙B第一表記載の原告らの騒音振動の侵入禁止を求める請求及び当審における減速を求める新請求をいずれも棄却する。

4  右B第一表記載の原告らの昭和五九年七月一四日以降に生ずべき損害の賠償請求(いわゆる将来の請求)にかかる訴えを却下する。

5  右B第一表記載の原告らの右差止請求に関する弁護士費用の賠償請求を棄却する。

二  被告に対し、別紙(主)第五表記載の原告らは、同表第一次執行分返還金欄記載の各金員及びこれに対する昭和五五年九月一二日から支払ずみにいたるまで年五分の割合による金員並びに同表第二次執行分返還金欄記載の各金員及びこれに対する昭和五五年九月一四日から支払ずみにいたるまで年五分の割合による金員を支払え。

被告の右原告らに対するその余の申立を棄却する。

三  訴訟費用(後記申立費用を除く。)中、(主)第三表記載の原告らと被告との間に生じたものは第一、二審を通じ同原告らの負担とし、その余の原告らと被告との間に生じたものは第一、二審を通じこれを五分し、その三を同原告らの連帯負担とし、その余を被告の負担とする。

被告の民訴法一九八条二項による申立によつて生じた費用は、これを五分し、その三を被告の負担とし、その余を(主)第五表記載の原告らの連帯負担とする。<別表省略>

事実《省略》

理由

第一  書証の成立について

一  原審において当事者が提出した書証(甲号証については甲第七六二号証まで、乙号証については乙第五五八号証まで)の成立については、当裁判所の判断も原審と同一であるから、これに関する原判決理由記載(原判決J一九頁九行目からJ二〇頁初行<編注・判例時報九七六号二二八頁一段一二行目〜一三行目――以下、判例時報同号のページ数で示す>まで。ただし、J一九の四頁一一行目に「巻木一彦」とあるのを「原告巻木一彦」と訂正する。)を引用する。

二  当審において当事者が提出した書証の成立についての判断は次のとおりである。

1  <証拠>により、それぞれの成立(ただし、写しであるものについては原本の存在及びその成立、写真については被写体、撮影者、撮影年月日が提出者主張のとおりであること、以下において「成立」という場合も右に同じ。)を認める。

2  <証拠>により、それぞれその成立を認める。

3  当事者らが当審において提出したその余の甲号証及び乙号証は、その成立について当事者間に争いがない。

三  以上のとおり、成立に争いのある書証についてはすべてその成立を認めることができるので、以下理由の説示において書証を引用する場合には、成立につき争いがないこと又は成立を認定し得る旨及びその理由をその都度記載することはしない。

第二  原告らについて

以下本判決において「原告ら」とは、現に本件の原告たる地位にある者を指す場合と、これらから訴訟承継人たる原告を除外し、死亡した原告を加えてという場合とがあるが、そのいずれの意味であるかは、特に必要と認められる場合においてのみ示すこととし、逐一これを示すことはしない。

一原告らの居住地域

原告らのうち丹羽耕一郎(フ39)、川津秀夫・敬子(チ13・14)、浅井義則(ト44)を除くその余の原告らはいずれも東海道新幹線沿線のうち名古屋市南区三新通りから同市熱田区を経て同市中川区西宮町に至る約七キロメートル(新幹線東京起点332.89キロメートル付近から同339.833キロメートル付近まで。以下「本件七キロ区間」ともいう。)の軌道の両側それぞれ約一〇〇メートル内に位置する肩書住所地(ただし、転出・死亡原告についてはA第一表「従前の住所」欄記載の住所地)に現に居住し、あるいはかつて居住していた者であることは、当事者間に争いがない。

そして、丹羽耕一郎(フ39)が肩書地と別に自宅を有し、肩書地に存する店舗兼住宅は昼間自己の主宰する個人会社の営業や生活の用に供し、毎日夕方自宅に帰つていること、川津秀夫・敬子(チ13・14)が、後記昭和五五年四月七日川津秀夫死亡にいたるまで、A第一表記載の従前の住所地に存する南一番センター市場内の店舗において、夫婦で寿司屋を営み、午前中から午後一〇時半ころまで(敬子は午後八時半ごろまで)その営業に従事し、その後は別に所有するアパートに帰り生活していたこと、浅井義則(ト44)が朝及び夕方の数時間は肩書地の住居で生活するが、日中及び夜間は近くの浅井製作所工場建物に警備等勤務のため居住していること等については、当裁判所の認定は原審と同一であるから原判決理由記載(原判決J二二頁三行目から同二五頁二行目<同二段一一行目〜三段未行目>まで)を引用する。してみると、右原告らもまた沿線居住者である(あつた)と認められる。

二原告らの居住開始時期、権利関係、敷地の範囲

原告らの居住開始時期については原判決理由第一、二、2の判示(原判決J四一頁末行から同四九頁六行目<同二三〇頁四段二行目〜二三一頁三段二二行目>まで。原判決添付(ハ)目録を含む。)、権利関係については原判決理由第一、二、1の判示(原判決J二五頁五行目から同四一頁一二行目<同二二八頁四段四行目〜二三〇頁四段一行目>まで。原判決添付(ハ)目録を含む。)、敷地の範囲については原判決理由第一、二、4の判示(原判決J九六頁初行から同一一行目<同二三七頁四段一四行目〜二行目>まで。原判決添付(ニ)目録を含む。)のとおりであるからこれをいずれも引用する。ただし、鷲見大治(ナ2)、小里正郎(チ77)、後藤公三(ト57)の三名は当審において訴えを全部取下げたので、同人らに関する記載部分を削除する(以下において原判決の記載を引用するときも同様である。)。

三転出原告について

原告らのうち、本訴提起後に従前の住所から転出(本件七キロ区間沿線地域内での転居を含む。)した者及びその時期は左記1のとおりであり、一時転出していた者及びその時期は左記2のとおりである。

1安達邦彦(ナ4)、白井律子(ナ7)、木村満記男・敏子(ナ18・19)、藤田道彰・トキコ(ナ27・28)、山下伸幸・耕二(ナ34・35)、藤田勇・しづえ・和弘・操(ナ60ないし63)、奥村浩二・秀子(ナ70・71)、萩原鉦彦・由広(ノ13・14)、水谷ゆき江・裕(ノ18・19)、秋田かよ子(ノ33)、斉藤充(ノ40)、加藤裕二(ノ51)、永井見司(ノ56)、越後広代(ノ63)、佐藤省吾・登志子(タ8・9)、夏目源吾・瑳智代(タ28・29)、坂野正行・美智代・正彦・勝己(タ73ないし76)、広田政志(タ91)、杉本昌子(タ95)、浅井正義(フ30)、福本初子(フ56)、猿渡憲吾(フ60)、金子ナツ・恒利(フ76・77)、大嶽愛子(チ8)、木戸あや子(チ9)、内藤悟(チ16)、錦さだ子(チ17)、横田利彦・喜久江(チ38・39)、水野栄佑(チ41)、伊藤鈴子(チ63)、石原貞男・ゆき江(チ62・63)、石原慶一(チ68)、渡辺道子・敏彦・タミ子・富子(チ71・72・73・74)、金沢広昌・守(メ1・2)、池山茂(メ5)、甲斐貞臣(メ6)、池山捷彦(メ7)、鈴木ひさえ・清美(メ21・22)、中居三千男(メ38)、水野茂一・やえ子(メ39・40)、水野末吉(メ41)、前田繁・香代(メ76・77)、鈴木琴世(メ80)、野呂保(ト15)、朝山義彦(ト18)、柴田清人(ト21)、可児薫(ト23)、加藤浩子(ト27)、小林嘉代子(ト48)、坂本真佐子(ト49)、加藤とめ(ト74)の各転出時期がA第一表「転出年月日」欄記載のとおりであることは当事者間に争いがない。

右A第一表記載の転出原告らのうち、右争いのない原告ら及び左記加古行雄(タ41)、服部惣一(フ36)、大橋美代子(メ34)を除くその余の原告らについては、<証拠>により、その転出時期が同表記載のとおりであることが認められる。

(一) 加古行雄(タ41)について

<証拠>によれば、加古行雄は昭和三四年九月ころから名古屋市熱田区古新町一丁目一一五番地の自宅に住み、斉藤カヨ子(タ42)を同居せしめていたが、同人が昭和四七年六月ころ同町一丁目一一八番地に転居するや、昭和五三年四月ころ右斉藤方に移転入居し、現在にいたつていることが認められる。

(二) 服部惣一(フ36)について

<証拠>によれば、服部惣一は昭和二一年五月ころから名古屋市熱田区六番町三丁目九七番地の自宅に居住して不動産業を営んでいたが、新幹線列車の騒音振動が苦痛であるとして、昭和四三年ころから同区八番町所在の弟宅の一室を間借りし、同所において午後七時ころから翌朝七時半ころまで生活するようになり、昭和五三年六月肩書住所地へ転居したことが認められる。

(三) 大橋美代子(メ34)について

<証拠>によれば、大橋美代子は従来名古屋市熱田区一条町二丁目九四番地の自宅で両親と共に生活していたが、昭和五一年三月高校卒業と同時に豊明市所在の前原外科病院へ住込看護婦となるため右自宅から転出したことが認められる。

2新幹線の営業開始後に従前の住所から一旦他へ転出し、再び従前の住所に転入してきた原告ら(ただし、再転入以後の請求をしていない原告を除く。)の氏名及びその転出・再転入年月日は、A第二表備考欄記載の各証拠及び弁論の全趣旨により、同表各該当欄記載のとおりであることが認められる。

3なお、被告は森田つる・愛作(ト60・61)が昭和五〇年三月ころから従前の住所より事実上転出している旨主張するので検討するに、<証拠>を総合すると、森田愛作は市バスの運転手をし、同人の母つる、妻良江、子供らと共に肩書住所地の市営住宅(戸部下住宅)において生活していたものであるが、昭和五〇年三月春日井市玉野町九二一番地の四六に妻良江と共同で一階七九平方メートル、二階四〇平方メートルの二階建居宅を新築した(敷地所有者良江、家屋共有持分良江一〇分の九、愛作一〇分の一)こと、新幹線列車の騒音振動を苦にする妻良江が同月六日から右自宅に入居し愛作と別居生活を始めたこと、ついで次女由美も守山高校入学を機に昭和五一年三月二四日から母のもとに移つたこと、その後長女直美が結婚し、右市営住宅には愛作と母つる、長女直美とその夫匠の四人が、春日井市の自宅には妻と次女の二人が住んでいたこともあつたが、昭和五九年四月二日ころ右長女夫婦及び同年三月二六日生れた同人らの子類の三名が春日井の居宅に転居したこと等の事実を認めることができるが、右証拠によつてもさらに進んで原告愛作自身及び同つるが住居を右居宅に移したとまでは認めることができない。そして、春日井の右居宅と勤め先(地下鉄妙音通下車)との地理的関係、同原告が本訴原告団において重要な地位を占めている事実を参酌すると、同原告が春日井市の新居に入居しないで母つると共に戸部下住宅の現住所にとどまつて現在にいたつているのは、主として通勤の便及び本件をめぐる被告に対する諸活動遂行の便を考えたことによるものと認められる。

四死亡原告とその相続関係

本訴提起時に原告であつて、その後死亡した伊藤一郎(ナ15)、竹内こ志よう(ナ41)、竹内綱助(ナ42)、江口春二(ナ49)、鈴木千之助(ナ53)、大矢種一(ナ55)、岡田あさの(ナ74)、水谷鉱太郎(ノ17)、松井源之助(ノ20)、小倉甚右衛門(ノ34)、斉藤三次(ノ38)、尾崎吉雄(ノ44)、山北一男(タ6)、川津利左衛門(フ8)、恒川喜代二(フ21)、田口亮太郎(フ27)、秋山ヨシエ(フ31)、武藤キイ(フ50)、、猿渡義治(フ59)、日比野よ志の(フ72)、川津秀夫(チ13)、中野いさの(チ19)、山脇陽惟(チ26)、米田キミコ(チ42)、下里岩次郎(チ79)、鈴木ふく(メ14)、若尾とり(メ55)、千草恒男(メ73)、早川兼吉(ト11)、加藤孝子(ト25)の死亡年月日がいずれもA第一表「転出(死亡)年月日」欄記載のとおりであることは当事者間に争いがなく、本件記録中の各戸籍謄本によれば、右死亡原告らの訴訟承継人(訴訟承継原告一二九名。ただし、訴えを取下げた者を除く。)及びその相続分がいずれもA第三表記載のとおりであることが認められる。

第三  東海道新幹線について

一被告が日本国有鉄道法に基づく公法人であり、その業務の一部として東京・大阪間に延長515.4キロメートルの東海道新幹線鉄道を設置し、昭和三九年一〇月一日旅客列車の営業運転を開始し現在にいたつていることは、当事者間に争いがない。

二東海道新幹線の建設及びその列車走行の概略

1  東京大阪を結ぶ東海道区間においては、昭和一三、四年ごろから当時の鉄道省においていわゆる弾丸列車計画が立案され、同区間四時間五〇分運転の構想の下に終戦時までに一部用地買収、隧道工事の着工まで進んでいたこと、昭和二四年以来東海道線の輸送量が年々増加の一途をたどり、同三一年ころからはこれに対する根本的対策を樹立する必要が認識され、その結果被告本社に東海道線増強調査会が設置されたこと、その後運輸省に設置された日本国有鉄道新幹線調査会の最終答申として東海道新幹線計画が成立し、交通関係閣僚協議会の審議を経て昭和三四年四月着工の運びにいたつたこと、右新幹線建設工事の経過、建設基準、いわゆる広軌別線・高速運行の必要性等については、当裁判所の認定も原審と同一であるので以下削除・付加するほか原判決理由記載(K一頁三行目からK三八頁末行<同二三七頁四段三二行目〜二四三頁二段一三行目>まで)を引用する。

(一) 証拠として当審証人深田彰一の証言を付加する。

(二) 原判決K五頁六行目から一〇行目<同二三八頁三段一〇行目〜一六行目>まで、同K一三頁四行目からK一五頁八行目<同二三九頁三段二七行目〜二四〇頁一段五行目>まで、同K二二頁六、七行目の「そうであるとすれば、」から同八行目<同二四一頁一段一行目〜四行目>まで、同K二五頁五行目から一三行目<同二段二五行目〜三段四行目>まで、同K三一頁六行目から同K三二頁一〇行目<同二四二頁二段六行目〜三〇行目>までを、いずれも削除する。

(三) 原判決K二〇頁一一行目に「識者の見」とあるのを「識者の意見」と訂正する。

2東海道新幹線は昭和三九年一〇月一日営業を開始したが、その後現在までの東京・新大阪間の所要時間、編成車両数の増加、走行間隔の短縮、走行本数の推移、特に原告ら居住地域における走行本数の現況等については、当裁判所の認定も原審と同一であるので、次に付加するほか原判決理由記載(原判決K九七頁八行目からK一〇六頁九行目<同二五一頁四段二二行目〜二五三頁一段三一行目>まで)を引用する。

(一) 原審係属時においては、「ひかり」の一部が東京・新大阪間において名古屋・京都以外に停車するのは米原のみであつたが、当審口頭弁論終結時においては、新横浜・小田原・静岡・浜松・豊橋・岐阜羽島のうち一又は二の駅に停車する「ひかり」も設定されている。この場合一の中間駅に停車することによつて所要時間が五分程度増加する。

(二) 従来は、「こだま」・「ひかり」とも全列車一六両編成であつたが、当審口頭弁論終結時においては一部の「こだま」に一二両編成のものがある。

(三) 当審口頭弁論終結時において原告ら居住地域を走行する列車本数は一日上下合せて一八五本である。ただし、右は不定期列車一七本を含む(不定期列車の走行本数は日によつて異なり、八月一五日のいわゆる旧盆の前後においては四〇本を超える。)。始発は名古屋発六時二七分の上り「ひかり」であつて、六時台にはその外に走行する列車はない。また、終着は二三時一六分名古屋着の下り「ひかり」であつて、二一時台の走行本数下り五本、上り五本、二二時台の走行本数下り三本、上り一本、二三時台の走行本数一本(右下り「ひかり」)である。

(四) 右(一)ないし(三)に認定した事実は公知である。

三原告ら居住地域における軌道構造、走行速度等

1原告ら居住地域(以下において「本件七キロ地域」ということもある。)における東海道新幹線の軌道構造、列車の計画運転速度、原告ら居住敷地と新幹線軌道との距離等については、当裁判所の認定も原審と同一であるので(ただし、原判決K九〇頁一行目<同二五〇頁四段九行目>に「移転済のもの、」とある次に「訴えを取り下げたもの、」と加入する。)、原判決理由記載(原判決K八八頁二行目からK九七頁六行目<同三段八行目〜二五一頁四段二〇行目>まで。原判決添付(ホ)目録を含む。)を引用する。

2<証拠>を総合すると、以下の事実を認めることができる。

国鉄動力車労働組合(以下「動労」という。)は昭和四九年二月原告らに対する訴訟支援等を目的として本件七キロ区間を時速約一〇〇キロメートル前後に減速して走行する方針を決定し、同組合所属の運転士(新幹線列車運転士の約四割)は同月二一日から減速走行を実施した。また、この頃から国鉄労働組合(以下「国労」という。)所属の運転士の一部も右に同調して時速一〇〇ないし一五〇キロメートル前後に減速して走行するようになつたため、その後継続的に、本件七キロ区間を通過する列車の約半数が時速一一〇キロメートル前後で走行するにいたつた。しかし、昭和五八年五月二五、二六日の当裁判所の第三回検証を契機として被告が減速走行の中止を要求し、動労が同月二七日所属運転士に対し減速中止の指令を発したため、本件七キロ区間の列車走行状況は同年六月ころから昭和四九年二月以前の状態に立ち戻つているものである。

第四  新幹線騒音・振動について

一新幹線騒音の発生源、伝播及び一般的特徴

新幹線列車の走行による騒音が、いわゆる転動音、集電系音、車体空力音及び構造物音として発生伝播すること、右騒音の一般的特徴並びに本訴提起前における本件七キロ区間周辺における新幹線騒音の測定結果については、当裁判所の認定も左に補足、訂正するほか原審と同一であるから、原判決理由の記載(原判決L一頁五行目からL三三頁八行目<同二五三頁三段二〇行目〜二五八頁二段二五行目>まで)を引用する。

1原判決L二七頁三行目に「乙第一八号証の一」とあるのを「乙第一八五号証の一」と証正する。

2証拠として、当審証人庄司四郎の証言を追加する。

3原判決L三頁四行目<同二五三頁四段一九行目>の次に、

「しかしながら、架線、パンタグラフ、軌道等に従来開発された音源対策を実施し吸音材付逆L型防音壁を併用した場合においては、騒音エネルギーの量が減少するに伴い、全体の騒音に対する集電系音の寄与が著しく増大することを認めさせる試験結果も存在する。」と付加する。

4原判決L二一頁一一行目<同二五七頁一段一行目>の次に、

「また、一二両編成の場合には、列車速度毎時二〇〇キロメートルであれば騒音継続時間約5.4秒、同じく毎時一〇〇キロメートルであれば約10.8秒であると推認される。」

と付加する。

二原告らの各居住敷地における代表騒音値

1新幹線騒音の暴露量は当該測定点までの距離、軌道構造の種類、列車速度、地形、建物の配置等の諸条件によつて左右され、また同一場所においても測定される列車の近側・遠側の別、さらに同一編成列車においても乗員人員の多少、車両整備状況の良否等によつて異なるのである。従つて、原告ら各居住敷地に到達する騒音を一個の数値をもつて表現することは困難なことというべきであるが、本件のごとき事案の処理のためには右騒音の実態を表現する手段として原告ごとの代表騒音値を評定するのが便宜である。しかして、そのためには新幹線騒音の右特質上、等量線図(コンター)に基づいて騒音値を推認するよりも各原告につきこれを個々に測定する方がより正確であること勿論であり、本件においては後記原、被告の各測定データが存在するのでそれらを検討し、代表値評定の目的に照して個別的数値を決定するのが相当である。

2本件にあらわれた原告ら及び被告による騒音の測定、その測定方法並びに環境基準等において定められている騒音の測定方法について当裁判所の認定するところは左に補足訂正するほか原審と同一であるから、原判決理由記載(原判決L三四頁八行目からL五七頁一〇行目<同二五六頁三段一一行目〜二六一頁三段二二行目>まで)を引用する。

(一) 原判決L四〇頁二行目に「ナ2、」、同七行目に「チ77」とあるのを削り、同九行目の「ト50ないし」の後に「56、」を加入する。

(二) 原判決L四二頁一一行目<同二五九頁三段一九行目>に、「ただし、タ42、チ56、58、メ42、43、ト53、55、58方においては前記地質計測において測定ずみであつたが再度測定した。」と付加する。

(三) 原判決L四三頁末行<同四段一〇行目>の「右」の前に、「ただし、メ73ないし77方については隣地における測定である。」と加入する。

(四) 原判決L四四頁一行目<同一一行目>の次に、

「右乙第三九三号証の二ないし四の測定当時は、前記のように動労・国労の運転士により本件七キロ区間において減速運転がなされていたものであるところ、前掲証拠及び甲第四〇一号証の八によれば、右測定当日については原告から右各組合に対し減速走行を取り止めるよう要請されたため、右乙号証における測定列車は概ね計画運転速度(これを若干超えたものもある。)で走行していること、他方、前記イ及びロの測定(甲第六七七号証、乙第三二八号証、第三二九号証)に際しては原告らから組合に対し右のような要請がなされなかつたため、その測定列車中には時速一一〇キロメートル程度の列車が約半数存在していることが認められる。」

と付加する。

3原告らは、測点側通過列車(以下「近側列車」ともいう。)三本の測定値(ピークレベル)のうち最大値をもつて原告ら居住敷地の代表騒音値とすべき旨主張する。原告らが右のごとく主張する重要な理由は、新幹線騒音による被害の有無程度はより大きな音によつて支配され、かつ右の最大値は相当高い頻度をもつて生ずるものであるというにあり、一般に間欠音の場合において騒音のうるささの程度はピークレベルの高いものに左右される傾向が強いともいわれている。しかしながら、新幹線騒音は列車によつて相当の差違のあることは前述のとおりであり、前記原、被告の騒音測定の結果を通覧しても、何本の列車の測定を評価の基礎として採用するか、最大値を採用するか、複数の測定値につきパワー平均、算術平均のいずれを採用するかにより結果に相当の差違を生じ得ること、また測点側通過列車三本の測定値中の最大値が一日中の全通過列車の測定値中に高い頻度をもつて出現するとはにわかに断言できないことが看取できる。従つて、原告らのいうような最大値をもつて直ちに原告ら居住敷地における騒音代表値とすることは相当ではない。このことは前認定の各種環境基準、規制基準等における測定方法において、最大値をもつてただちに評価値とする手法を採用しているものが存在しないことによつても是認し得るものであると考える。

ところで、前記新幹線騒音に係る環境基準における測定法の定めは、連続して通過する二〇本の列車につき騒音を測定し、その値(ピークレベル)の上位半数のパワー平均をもつて代表値とするというものであり、右はその採用された根拠に照しても原告ら主張の最大値による評価法に比し合理性の高いものということができ、従つて、本件においても、他に支障なき限り右測定法に準拠した被告測定により代表値を定むべきである。

4次に、原告らは、測定場所の選定につき当該原告宅が二階建である場合は二階で測定するのを本則とすべきであると主張し、被告は右環境基準の測定法に従いすべて地上1.2メートルにおける測定に基づくべき旨反論する。

おもうに、原告ら居住地域のごとく、軌道に近接して存する住宅ないし商工業地域においては地上1.2メートルにおける騒音値が他の家屋の遮音効果その他の原因により二階部分におけるよりも低くなる可能性が存することは容易に理解し得るところであり、原告らの測定(甲第二三三号証)と被告の測定(乙第三九三号証等)の対比によつてもこれを看取するに難くない。しかして、二階建家屋においては、一階が店舗、工場等に専用されている場合でなくても、二階部分が一階と同様日常生活必須の用に供されていることは否定し難いところであるから、二階において一階におけるより大きな騒音を受けている原告らの存在を無視することは妥当ではない。元来環境基準に定める測定方法は、新幹線騒音の状態を地域として把握することを目的とし、軌道を見通すことのできる開放された場所で測定するものとされているから、建物等による遮音の影響を受けないように配慮せねばならず、当然地上での測定となり、原則として二階での測定を問題とする必要がないわけである。従つて、この点を本件のごとき具体的被害救済が争われている場合にまで固執することは正当ではない(環境基準自体も、線路に近接した高層住宅等高い場所において新幹線騒音が問題となつている場合には、障害防止対策等に資するため、当該の高さにおいても測定を行つておくことが望ましいとしていることを考え合せるべきである。)。それ故、当該原告居宅が二階建であり、二階における測定値が地上値より大なる場合には、右二階が日常生活において使用されていない等特段の事情の認められない限り、二階における測定に基づき代表値を定めるのが相当である。

原告らは、さらに進んで、地上1.2メートルで測定する場合の測定場所についても、環境基準等のように軌道側において当該家屋から一メートル離れた地点にこだわる必要はなく、当該居住敷地のうち最も騒音の大きいと認められる地点を選んで測定場所とするべきであると主張する。

しかしながら、本件における新幹線騒音の測定は、戸外においてなされるものではあるが、その終局の目的は人間生活に対する影響のいかんが重要であることはいうまでもないから、当然居住敷地内において日常生活の中心となつている家屋を基準となすべきものである(このことは、居住敷地のうち住家の存在していない部分が広い場合を例にとつて考えれば直ちに理解し得ることである。)。それ故、環境基準等の定めが新幹線に面している家屋の外壁から建物による反射音の影響を排除するに足る一定の距離(原則として一メートル)を置いた地点で測定するものとしていることは合理的であるということができ、原告らの右主張は採用できない。

5原、被告の各測定のなされた時における列車の走行状態についてみるに、被告の乙第三二八号証、甲第六七七号証(以上は昭和五一年五月七日から同月二六日にかけて測定)及び乙第三二九号証(昭和五一年一一月から同五二二年九月にかけて測定)の測定時には動労・国労の運転士によるいわゆる減速走行が行われ、原告らの測定(甲第一三三号証は昭和四九年七、八月に測定、甲第二三三号証は昭和五一年一二月から同五二年二月にかけて測定)時及び被告の乙第三九三号証の測定(昭和五三年五月から同年六月にかけて測定)時には右減速走行が行われていなかつたことは前認定のとおりである。右減速走行が前後約九年間にわたつて続けられた後、昭和五八年六月ころから全く行われなくなり現在にいたつていることは先に認定したとおりである。

しかして、新幹線列車の走行状態としては、右のような減速走行が行われていないこと(計画運転速度による走行ということもできる。)が本則であり、当審口頭弁論終結時においても減速走行が行われていないことを考え合せれば、本件における騒音代表値評定の基礎とすべき測定としては、減速走行時における測定を採用すべきではないのである。かくいうことは、被告の減速走行時になした測定を採用しないことに帰し、その結果右測定の対象となつた原告らについては甲第二三二号証の測定が残るにすぎないものであるところ(甲第一三三号証は後記のように採用できない。)、同号証は前述のように環境基準の測定法に準拠しておらず、各人ごとの測定本数が少ないことから、これを採用して評定した結果の妥当性について問題なしとはしない。しかしながら、被告の乙第三二八号証、甲第六七七号証及び乙第三二九号証の測定結果につき、異なる走行状況の下に測定された乙第三九三号証の測定との間に整合性を保たせるため操作を加え、裁判所において適宜緩速列車の測定結果を捨て去つて平均値を算出するごときことは、なお更相当とはいえないと考える。そこで、当裁判所は右原告らについては、甲第二三三号証の測定を採用し、その測定値の上位半数のパワー平均によつて騒音代表値を評定することとした。

6なお、原告らに対する騒音値の測定としては、その外甲第一三三号証があるが、右はたんに各人ごとの騒音最大値が記載されているのみであり、その余のデータを全く欠いた簡単なものであるので資料として採用しがたい(従つて、甲第一三三号証においてのみ測定され、甲第二三三号証において測定されていない原告らについては、被告測定すなわち乙第三二九号証によらざるを得ない。)。また、後に認定するように原告ら方の多くについてもいわゆる障害防止対策としての防音工事が施工されており、その際別個に被告の手により騒音の測定が行われたことが窺われるが、これについてはそのデータが証拠として提出されていないので、右測定結果も参酌することができない。さらに、原審及び当審における検証に際し騒音の測定がなされている原告宅が存するが、その戸数は比較的少数であるところ、かかる測定条件の統一されていない資料の混入はできる限りこれを避けるべきであるから、右検証結果については前記原、被告の測定データによることができないときはじめてこれを採用するものとする。

7以上説示にかかる観点を原則とし、特別の事情ある原告についてはそれぞれに考察を加えることとし、次のように原告らの居住敷地(転出原告、死亡原告については従前の居住地)における騒音代表値を認定する。

(一) ナ43、45、46、51、ノ22ないし24、タ12、13、30、フ45、46、チ41、79、80、82、83、メ17、62ないし65、ト1、2、19、以上二五名の原告らについては、A第四表「代表騒音値」欄記載の騒音値について当事者間に争いがないので、これをもつて右原告らの騒音代表値(小数点以下一位において四捨五入する。以下同じ。)とする。

(二) 原告らにより甲第二三三号証において、被告により乙第三二八号証及び甲第六七七号証において測定結果の与えられている原告らについて

(1) 前記減速走行(及び二階建居宅につき地上で測定)の事由により甲第二三三号証を採用した原告らは、ノ44、45、タ42、フ6、20、24、25、49、50、78、79、チ15、24、51、52、メ38、ト3、4、28ないし31、50、53、54、58(以上二階値)、ノ5、38ないし40、タ2、3、15、16、49、71、72、96、フ35、44、47、51、66、67、チ12、42、56、58、78、メ39ないし43、ト5、6、8、11、12、15、51、52、55、56、60ないし63、74である。右原告らの各代表値はA第四表記載のとおりである。

(2) タ97の原告については、甲第二三三号証及び弁論の全趣旨によると、同号証の測定はその測定場所が同人宅敷地と異なつていることが明らかであるから、これを採用できないので、右原告については乙第三二八号証の測定を採用し、その代表値はA第四表記載のとおりである。

(3) メ68の原告については、当審における検証の結果(第二回)によると同人宅は三階建であり、主として一階を店舗、二・三階を住居に使用していることが認められるところ、甲第二三三号証及び乙第三二八号証による測定結果は地上測定値のみであるから、右検証時の二階における測定を採用し、その代表値はA第四表記載のとおりである。

(三) 被告により乙第三二九号証において、原告らにより甲第一三三号証、甲第二三三号証において測定結果が与えられている原告らについて

(1) 甲第一三三号証により測定結果として最大値のみが与えられている原告ら(すなわち、チ47ないし50、メ21、22、32ないし34、58、59、66、67、71、72、81、82)については、甲第二三三号証において測定がなされておらず、しかも甲第一三三号証の採用できないことは前記のとおりであるので、右原告らについては乙第三二九号証の測定を採用し、その代表値はA第四表記載のとおりである。

(2) 前記減速走行(及び二階建居住につき地上で測定)の事由により、乙第三二九号証を採用せず甲第二三三号証を採用した原告らは、タ45ないし48、50、85ないし、チ68、70、メ35、36、52、53、ト59(以上二階値)、ナ41、42、タ28、29、41、52、53、チ62、63、71ないし74、メ5ないし7、ト14、38、39、69ないし73、75ないし78である。右原告らの各代表値はA第四表記載のとおりである。

(四) 原告らにより甲第二三三号証において、被告により乙第三九三号証において測定結果の与えられている原告らについて

(1) 二階建居宅につき地上で測定がなされているため乙第三九三号証を採用せず、甲第二三三号証を採用した原告らは、ナ12ないし14、18、19、23ないし25、27、28、32ないし35、55、60ないし63、72、73、ノ3、4、15ないし20、30ないし33、43、49ないし52、57、58、61ないし63、タ4ないし7、34ないし36、68ないし70、78ないし81、フ17、18、22、32、40、41、53、61、62、72ないし75、チ5、25、32ないし37、53、54、59ないし61、69、メ18、73ないし77、ト23、32、33、46、47である(なお、チ32、33についての甲第二三三号証記載の測定値は甲第一一七号証の二、当審における第二回検証の結果によれば二階での測定値であると認められる。)。右原告らの各代表値はA第四表記載のとおりである。

なお、右のうちメ73ないし77の原告らは被告の測定に際し敷地立入を拒否し、隣地における測定値が乙第三九三号証の二に記載されていることが同号証により認められるが、およそ、騒音値は測定場所によつて異なる値を示し、近隣であるからといつて、必ずしも同一ないし近似した値を示すとは限らないところ右原告らについては同人ら居宅において測定された甲第二三三号証の値が存するのであるから、当然これによるべきである。

(2) 右(1)記載以外の原告らについては、さきに述べた理由により乙第三九三号証の測定を採用し、その代表値はA第四表記載のとおりである。

三新幹線振動の発生源、伝播及び一般的特徴

新幹線列車の走行による振動が、主として車両によるレールへの荷重列によつて発生し、軌道、構造物、基礎から地盤へ、さらに建物へと減衰あるいは増幅しながら複雑に伝播していくこと並びに右振動の一般的特徴については、左に付加するほか原審と同一であるから、原判決理由の記載(M四五頁六行目からM六四頁末行<同二八一頁一段二四行目〜二八三頁四段二行目>まで)を引用する。

1原判決M四七頁一一行目<同二八一頁二段二八行目>の次に、「また、一二両編成の場合には、列車速度毎時二〇〇キロメートルであれば振動継続時間約5.4秒、同じく毎時一〇〇キロメートルであれば約10.8秒であると推認される。」と付加する。

2原判決M五〇頁三行目<同四段二行目>の次に、「また、乙第六一〇、六一一号証によれば、名古屋市公害対策局のした昭和五一年度及び昭和五六年度の各調査においても、振動レベルと列車速度との間には良い相関が得られなかつたとしていることが認められる。」と付加する。

3原判決M五〇頁一〇行目<同一一行目>の次に、

「ニ 甲第九〇〇号証によれば、名古屋市公害研究所の津田豊彦らは、昭和五五年九月九日、一〇日に名古屋市南区一条町及び熱田区六番町で低速運転走行時の振動を測定した結果に基づき、上下線中央より二五メートル地点において、時速二〇〇キロメートルから七〇キロメートルに走行速度を低減すれば、振動レベルで八ないし一六デシベルの低減効果を期待することができる旨述べていることが認められる。

ホ 甲第九四二号証によれば、名古屋大学医学部助手中川武夫は、名古屋市公害対策局から提供を受けた昭和五六年度の資料により、列車ごとの振動レベル及び列車速度の測定値を解析の対象として測定地点ごとの列車速度と振動レベルから回帰直線を求め、これによる合計四八測定点の時速二〇〇キロメートル走行時と一〇〇キロメートル走行時の振動レベルの差の平均は6.4デシベル、標準偏差は2.27デシベルであつたとしていることが認められる。

ヘ 当裁判所における検証(第三回)の結果によれば、原告松井源之助(ノ20)宅(軌道側壁から五メートル)における振動レベルは、時速一七六ないし二〇〇キロメートルの列車八本(平均時速一八六キロメートル)の平均が六八デシベルであるのに対し時速一〇二ないし一〇八キロメートルの列車一〇本(平均時速一〇五キロメートル)の平均が六一デシベルであり、また、原告村上幸子(フ20)宅(軌道側壁から二五メートル)における振動レベルは、時速一七六ないし二〇六キロメートルの列車八本(平均時速一九一キロメートル)の平均が六二デシベルであるのに対し時速一〇一ないし一〇九キロメートルの列車九本(平均時速一〇六キロメートル)の平均が五九デシベルであることが認められる。」

と付加する。

四原告らの各居住敷地における代表振動値

1新幹線振動の暴露量は、騒音の場合と同様軌道から測定点までの距離、軌道構造物の種類等に左右され、同一測定点においても列車速度、近側・遠側の別、車両の整備状況その他の条件によつて差異を生じ、さらに騒音とは異なつて地盤の性状に大きく影響されるものであるから、騒音の場合以上に各原告居住地における個別測定によつて原告ごとの代表振動値を評定することが要求される。

2本件にあらわれた原告ら及び被告による振動の測定、その測定方法並びに新幹線振動に関する緊急指針等において定められている振動の測定方法について当裁判所の認定するところは、左に補足訂正するほか原審と同一であるから、原判決理由記載(M六五頁末行からM七九頁九行目<同二八三頁四段二〇行目〜二八五頁四段二行目>まで)を引用する。

(一) 原判決M六六頁五行目に「前記四1(四)(1)イ」とあるのを「甲第一三三号証の二」と改め、同M七〇頁八行目及び同七二頁二行目に「チ77、」とあるのをいずれも削除し、同七一頁末行の「ト51・52」の後に「ト56」を加入する。

(二) 原判決M七二頁五行目<同二八四頁四段六行目>の「右測定」の前に、「ただし、メ73ないし77方については隣地における測定である。」と加入する。

(三) 原判決M七二頁六行目<同七行目>の次に、「右乙第三九三号証の測定当日については原告から前記動労・国労の減速走行を取り止めるよう要請がなされたため、右乙号証における測定列車は概ね計画運転速度で走行しているが、前記イの測定(乙第三二九号証)列車中には時速一一〇キロメートル程度の減速列車が半数近く存在していることについては、騒音値認定について述べたところと同じである。」と付加する。

3原告らは、振動の場合も騒音と同様近側列車三本の測定値のうち最大値をもつて代表値とすべきであり、また測定場所についても当該居住敷地のうち最も振動の大きいと認められる地点を選んで測定場所とすべき旨主張するが、さきに騒音値認定に関して述べたところと同様の理由により、右主張はいずれも採用することができない。

そして、前記新幹線振動に関する緊急指針における測定法の定めは、原則として連続して通過する二〇本の列車につき振動を測定し、その値(ピークレベル)の上位半数の算術平均をもつて代表値とするというものであり、右はその採用された根拠に照しても原告ら主張の最大値による評価法に比し合理性の高いものということができる。従つて、本件においても、他に支障なき限り右測定法に準拠した被告測定により代表値を定むべきである。ただし、被告の減速走行時になした測定(乙第三二九号証)を採用せず、右測定の対象となつた原告らについては甲第二三三号証の測定を採用し(甲第一三三号証は最大値が記載されているのみであり採用しがたい。)、その測定値の上位半数の平均(振動については算術平均とする。)によつて代表値を評定するのが相当であること等については騒音に関して説示したところと同様である。

4以上説示にかかる観点を原則とし、特別の事情ある原告についてはそれぞれに考察を加えることとし、次のように原告らの居住敷地(転出原告、死亡原告については従前の居住地)における振動代表値を認定する。

(一) ナ41、42、卜28、29、60、61、75ないし78、以上一〇名の原告らについては、A第四表「代表振動値」欄記載の振動値について当事者間に争いがないので、これをもつて右原告らの代表振動値(小数点以下一位において四捨五入する。以下同じ。)とする。

(二) 被告により乙第三二九号証において、原告らにより甲第一三三号証、甲第二三三号証において測定結果が与えられている原告らについて

(1) 甲第一三三号証により測定結果として最大値のみが与えられている原告ら、すなわち、チ47ないし50、メ21、22、32ないし34、58、59、64ないし67、71、72、81、82については、甲第二三三号証において測定がなされておらず、しかも甲第一三三号証の採用できないことは前記のとおりであるので、右原告らについては乙第三二九号証の測定を採用し、その代表値はA第四表記載のとおりである。

(2) 前記減速走行の事由により、乙第三二九号証を採用せず甲第二三三号証を採用した原告らは、タ28ないし30、41、42、48ないし50、52、53、87、88、チ5、62、63、68、70ないし74、メ5ないし7、42、43、52、53、ト14、19、38、39、53ないし55、58、59、69ないし73である。右原告らの各代表値はA第四表記載のとおりである。

(三) 被告により乙第三九三号証において、原告らにより甲第二三三号証において測定結果の与えられている原告らについて

(1) フ23、55、74、75、ト48、49の原告らについては、乙第三九三号証の測定値はいずれも右原告ら宅敷地のうち建物の新幹線軌道と反対側で測定されたものであることが同号証により認められ、かかる測定場所における測定値をもつて当該敷地の代表値とすることは妥当でないので、右原告らについては甲第二三三号証の測定を採用し、その代表値はA第四表記載のとおりである。

(2) メ73ないし77の原告らについては、騒音値認定の際述べたように、乙第三九三号証の測定値は隣地において測定されたものであつてこれを採用し難いので、右原告らについては甲第二三三号証の測定を採用し、その代表値はA第四表記載のとおりである。

(3) 右(1)(2)記載以外の原告らについては、さきに述べた理由により乙第三九三号証の測定を採用し、その代表値はA第四表記載のとおりである。

(四) タ8、9、メ38、68、ト15、50ないし52、56、以上九名の原告らについては、原告らにより甲第二三三号証において測定結果が与えられているが、被告の測定結果が存在しないので、右原告らについては同甲号証の測定を採用し、その代表値はA第四表記載のとおりである。

第五  被害について

一列車走行に伴う騒音・振動によつて生ずる被害について

1新幹線列車の走行により発生し、原告らに到達する騒音・振動の数値がいくばくのものであるかは、前に認定したとおりである。そして、原告らは、原判決添付(ト)目録において個別に右騒音・振動によつて被る被害を主張している。しかしながら、騒音・振動は社会生活上四六時中また到る所で人に感知されるものであつて、その相当部分は人に有形無形何らの影響をも残さないものであるから、原告らに被害ありや否やを判断するについて、以下騒音・振動の暴露量とこれが人の生活行動に対して及ぼす妨害の程度の関連を考察することとする。

騒音・振動の人体に及ぼす影響の機序については、原判決がO一頁二行目からO三頁二行目<同三〇九頁四段六行目〜三一〇頁一段一三行目>まで及びO三頁四行目からO六頁八行目<同一五行目〜三段一二行目>までにおいて説示しているとおりであるから右記載をここに引用する。

伝達距離(メートル)

0.5

1

2

3

4

5

許容騒音レベル

デシベル(A)

普通の声の場合

72

66

60

56

54

52

大きな声の場合

78

72

66

62

60

58

NR数

40

45

50

55

60

65

70

75

80

85

デシベル(A)

45

50

55

60

65

70

75

80

85

90

会話了解可能

距離(メートル)

普通の話し方の場合

7

4

2.2

1.3

0.7

0.4

0.22

0.13

0.07

大きな声の場合

14

8

4.5

2.5

1.4

0.8

0.45

0.25

0.14

0.08

被害項目

正反応の割合

三〇%

五〇%

会話妨害

七三ホン

七七ホン

通話妨害

七四〃

七九〃

テレビ・ラジオ

聴取妨害

六二〃

六八〃

睡眠妨害

七九〃

八四〃

うるささ

六七〃

七四〃

被害項目

被害反応が現われる確率

三〇%

五〇%

会話妨害

七一  ホン

七六・五ホン

通話妨害

七一  〃

七七・五〃

放送受聴妨害

六三・五〃

七三  〃

総合判断(うるささ)

七二・五〃

七八  〃

2会話妨害

(一) 騒音のエネルギーは耳によつて人体に受容され、内耳の感覚細胞で神経の信号に変換され、大脳皮質の聴覚域に達し音としての感覚を成立させるが、必要とする信号と騒音の信号が同時に到達すると会話妨害などの聴取妨害が起ることは右に述べたとおりである。

会話妨害は音声言語による情報伝達という人間が社会生活を営むための最も基礎的な行動を阻害するものであり、各種アンケート調査においても騒音による生活妨害として訴えの極めて多いものの一つである。

(二) 会話妨害は騒音のため正しく聴取することができなかつた割合を調査することによりある程度これを数量化して把握することが可能であり、このことから騒音レベルと被害との定量的関係を明らかにした実験的研究もいくつか存在する。

(1) <証拠>によれば、小林陽太郎らは、小学校の教室において音節明瞭度に関する実験をなし、教師の声を七〇デシベル(C)に設定した場合八〇ないし八五パーセントの明瞭度を得るための許容騒音レベルは五〇ないし五五デシベル(C)であり、教師の声を八〇デシベル(C)とした場合八五パーセントの明瞭度を得るには許容騒音レベルが六〇デシベル(C)以下でなければならないという結果を得たことが認められる。

(2) <証拠>によれば、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)は一九七四年に公表した「公衆衛生と福祉を適切な安全限界によつて保護するため必要な環境騒音レベルに関する資料」と題する報告書の中で、屋外における会話が九五パーセントの章句了解度を得るための許容騒音レベルを、伝達距離別に次のように示していることが認められる。

EPAの右報告書にはそのほかに、屋内でのくつろいだ会話において一〇〇パーセントの章句了解度を得るための騒音レベルは四五デシベル(A)以下でなければならないこと、騒音レベルが上昇しても当初は聞き取り努力や話し声の調節によつておぎなわれるため章句了解度の低下はゆるやかであり、六五デシベル(A)のときなお九五パーセント強の水準を保つているが、この程度が限界で右値を超えると章句了解度は急速に低下すること、同一室内での会話については室内反射の効果があるため対話者間の距離が1.1メートル以上であれば伝達距離の違いについては殆んど考慮を要しないこと等の知見を紹介している。

(3) <証拠>によれば、国際標準化機構(ISO)が一九六一年に発表したドラフトには、当時ISOが騒音評価基準として提唱していたNR数と、デシベル(A)による騒音レベルの双方を併記して、騒音別の会話可能距離が次のように示されていることが認められる。

(三) 以上のような実験的方法による研究とは異なり、被害を住民反応量によつて把握したうえ、統計的手法を用いた解析により被害と騒音量との定量的関係を求める調査研究も存在する。

(1) <証拠>によれば、東北大学教授二村忠元らは昭和四七年七月ころ東海道新幹線沿線(京都、清水、静岡)において列車騒音等に関する住民反応調査を実施し、さらに右調査結果を統計的に解析して列車通過時の騒音レベルと住民らの被害に関する反応との量的相関を明らかにしたこと、それによると会話妨害等の被害の存在を肯定する者の割合(右調査においてはこれを「正反応の割合」という。)三〇パーセント及び五〇パーセントに対応する屋外騒音レベルは次表のとおりであることが認められる。(会話妨害以外の被害項目に関するものも、後に利用する関係上便宣ここに一括して示す。)。

(2) <証拠>によれば、環境庁は新幹線鉄道騒音に係る環境基準設定のための基礎作業として、昭和四七年ころ東海道新幹線沿線(神奈川、静岡、愛知、岐阜各県下。ただし、名古屋市を含まず。)において騒音の実態調査を行つたうえその結果の統計解析を行つたこと、それによると被害が許容限度を超す旨の反応が現われる確率三〇パーセント及び五〇パーセントの場合(前記東北大調査における正反応の割合三〇パーセント及び五〇パーセントの場合に相当する。)に各対応する屋外騒音レベルは次表のとおりであることが認められる。

なお、東北大調査として示した騒音レベルは、測点側通過列車のピークレベルと反対側通過列車のピークレベルとの平均値であるが、環境庁調査におけるそれは測点側通過列車のみの平均値である。また、環境庁調査において用いられた騒音計の動特性はファーストである。

(四) 新幹線騒音は間欠音であるから現実に会話の阻害が生ずるのは会話と列車の通過が競合したときだけであり、このような場合の被害の評価には騒音の持続時間や発生頻度も影響すると解すべきところ、前記実験的研究における被害の把握はこの面を捨象しているのに対し、住民反応を対象とした研究においてはこの面からの評価も加えられたものとして被害が把握されている。このことは後に各研究の成果を用いて本件における被害の検討をするに際し留意されるべきである。

また、住民反応によつて被害を把握することに関連し、<証拠>によれば、どのような騒音に対しても苦情を言わない人が一〇ないし二〇パーセントいる反面、どのような騒音に対しても苦情をいう苦情常習者ともいうべき人が一〇パーセント前後存在することが認められることにも留意すべきである。

(五)  前記の諸研究において示されたところを総合すれば、原告ら居住敷地に対する新幹線騒音の暴露が原告らに対し会話妨害として無視し得ない影響を与えるのは、屋外騒音レベルで七〇ホン前後からであること、騒音レベルが高くなるに従い妨害の程度も当然増大するが、七五ホン程度までの被害の実質は会話行動に緊張、努力を強いられることにあり、屋内での会話の情報伝達機能は窓を開いた状態でもおおむね維持されていることが認められる。しかし、屋外騒音レベルが七五ホンを超えた場合には会話の情報伝達機能自体が急速に低下し始め、被害は質的にも深刻化するものと推認される。

(六) 甲第一五号証、第二〇、二一号証、乙第一八八号証、第三三七号証等本件にあらわれた他の資料は必ずしも右認定に矛盾するものではなく、他に右認定を動かすに足る資料はない。

3通話妨害

(一)  騒音による聴取妨害の一つとして電話による通話の妨害がある。電話が社会生活を支える重要な情報伝達手段であることから、通話妨害はさらに種々の社会生活上の不利益につながる可能性をはらんだ被害として軽視し得ないものである。

そして、近時における電話の普及状況及び日常生活への滲透度に鑑みると、通話妨害は特定の職種あるいは一部の階層においてのみ生ずるものではなく、原則として何人にも生ずる被害というべきである。

(二)  電話においては、通話者が騒音による妨害を受けて通話中断、了解不能等の状況に陥つた時も相手方はこれを知り得ないため思わぬ誤解等を生ずるおそれがある一方、電話器の操作、設置場所の工夫によつて騒音被害を緩和できるなど直接対話に対する特殊性を有するが、前記東北大及び環境庁の住民反応調査によれば、直接対話であつても電話による通話であつても住民の被害反応の現われ方に大差なく、結局総合的には騒音暴露量と被害との間の定量的相関は通話妨害も会話妨害とほぼ同様にみて差支えないものと認められる。

(三) 甲第六一七号証(高槻市の委託による京都大学柴田助教授のアンケート調査)も右結論と矛盾するものではなく、他に右認定を左右するに足る証拠はない。

4テレビ、ラジオ等の聴取妨害

(一)  騒音がテレビ、ラジオの音声の聴取に対して妨害的に作用することは経験的に明らかである。そしてテレビ、ラジオが社会に豊富な情報・娯楽を供給し日常生活に欠くことのできないものとなつていることに鑑みると、その聴取妨害は、人の居住敷地に対する騒音暴露に一般的に伴う重視すべき妨害ということができる。

(二)  人がテレビ、ラジオの音声から得ようとするものは、単に音声言語による情報に尽きるものではなく、実況音や音楽と組み合された報道、娯楽、ときには音楽のみによる楽しみをも含むものであるから、一般にテレビ、ラジオの聴取妨害は会話妨害よりも低い騒音レベルのもとにおいても生ずると考えなければならない。このことは専ら音響そのものを楽しむことを目的とするステレオ鑑賞の妨害においては一層明らかである。

テレビ、ラジオの聴取妨害はこのように多面的であり、かつ趣味、娯楽などの主観的な要因と関連するため、被害自体を数量として把握することは困難であり、従つて被害の定量化は被害反応の統計的解析の方法に頼らざるを得ないところ、前記東北大調査にみられる右被害についての訴え三〇パーセント及び五〇パーセントに対応する騒音レベルは六二ホン及び六八ホン、前記環境庁調査におけるそれは63.5ホン及び73ホンである。

(三)  以上によれば、原告ら居住敷地の騒音暴露に伴うテレビ、ラジオ聴取妨害は、屋外騒音レベル六〇ホン程度から生じはじめ、騒音レベルの上昇に伴つて無視し得ない被害となるということができる。なお、言語情報の伝達の面のみを取り上げれば、会話妨害について述べたところが、ここでもほぼ妥当する。

5思考、勉強、読書等の妨害

(一) 騒音・振動が精神の集中を妨げ、思考、勉強、読書等精神活動を主とする作業に対して妨害的に作用することは、経験的に一応の推認が可能である。<証拠>によれば、騒音が作業能率に及ぼす影響についての各種実験的研究においては、騒音は必らずしもあらゆる作業に妨害的に作用するとは限らず、単調なくり返し作業などではむしろ促進的に作用する旨報告されているが、作業がある程度複雑であれば騒音は妨害的に作用するという点では一致していることが認められる。

しかしながら、右研究によつても騒音と作業能率との定量的相関は充分明らかにされてはおらず、定性的な考察として、間欠音は定常騒音に比し妨害度が高い、その頻度が増せば妨害度が高まる、現実音は非現実音に比し妨害度が高い、高周波成分を含む騒音は低周波騒音に比し妨害度が高い、作業能率の低下は作業の量より作業の正確さの面に現われる、等の見解が示されているに止まる。

(二) 居住敷地の騒音・振動暴露に伴う一般的被害として精神作業妨害を考える場合、学問研究のような高度の精神的作業はしばらくおき、一般の職業生活、家庭生活、学業、教養活動等に伴う中等度の精神的作業であれば、具体的な態様に違いがあるにせよ何人もこれに従事しているとみるべきであり、原告らの場合においても特に異るところはない。

そして<証拠>によれば、授業妨害が五五ホンから生ずるという研究報告があることが認められるが、これは主として聴取妨害を念頭に置いた研究結果であると考えられ、また同第三二号証(東北大学アンケート調査)によれば、正反応の割合三〇パーセントの子供の勉強妨害は東海道新幹線では八一ホン、正反応の割合五〇パーセントのときは同じく八六ホンであることが認められるが、右アンケート調査の回答者は受音者である子供自身ではなくその親である点に難点があり、右調査の結果はにわかに採用しがたいものである。以上のとおりで、精神的作業に対する騒音の妨害についてはその数量的相関を充分に把握しうべき資料がない。

(三) <証拠>によれば、住居振動に関する住民反応調査において、精神作業についての訴え率が26あるいは36.7パーセントを示したことが窺われるが、振動と精神作業妨害との定量的相関については本件にあらわれる程度の振動を対象とした研究はまだ存在しない(<証拠>によれば、振動の作業及び作業能率に及ぼす影響についての研究はあるが、本件振動よりも高いレベルのものが対象とされている。)。

6睡眠妨害

(一) 騒音・振動が就眠を妨げ、覚醒をもたらすなど、睡眠に対して妨害的に作用することは経験的に明らかであり、自覚的な睡眠妨害がない場合にも騒音・振動が睡眠の深度に影響することは、<証拠>によつてこれを認めることができる。

騒音・振動による睡眠妨害が生ずるのは、騒音・振動の神経信号が大脳皮質に伝達される途中、一部が大脳皮質の活動レベルを制御している脳幹網様体を刺激し、それによつて大脳皮質が活性化されることによると考えられている。

人間にとつて睡眠は、生命を維持し、活動力を再生するうえで欠くことのできないものであるところから、人は主として昼間種々の活動に従事した後夜間の一定時間を睡眠に当てるという生活を二四時間周期で反覆しているのであるが、外部的要因によつて平常の睡眠のリズムを著しく攪乱され、又は睡眠時間の短縮を強いられたりすることは、生命体としての人の基本的な営みが阻害されることであり、人の居住敷地に対する騒音・振動の暴露は右のごとき重要かつ一般的な妨害を及ぼす可能性ありといわなければならない。

(二) 騒音・振動による睡眠妨害の有無、態様、程度等を考えるに当つては、まず睡眠のために当てられる時間帯と当該騒音・振動の暴露が生ずる時間帯との関係についてみなければならない。

<証拠>によれば、昭和四八年の調査において日本人の平日の平均睡眠時間は七時間五五分、休日のそれは八時間四八分であること、就床時刻については午後一〇時より前に就床する者が全体の約二〇パーセントであるが、午後一〇時から一一時の間に就床する者が最も多いため午後一一時三〇分までには約八〇パーセントが就床していること、起床時刻については午前六時までに約四〇パーセントの者が起床しており、午前六時三〇分までに約六〇パーセント、午前七時までには約八〇パーセントの者が起床していることが認められる(以上いずれも平日)。

一方、新幹線列車の早朝及び夜間における運行状況をみるに、昭和五九年七月現在において、原告ら居住地域を早朝通過する列車は午前六時二七分名古屋駅発上り列車が最初であり、次が七時〇二分同駅発上り列車であつて、七時台は上下あわせて七本であること、午後九時以降の列車は、九時台があわせて一〇本、一〇時台が四本、一一時台は一一時一六分名古屋駅着の下り列車一本であり、これが最終列車であることが認められる。

右に認定したところによれば、原告らが午後一〇時に就床して午前六時に起床する場合及び午後一一時に就床して午前七時に起床する場合を想定すれば原告らの睡眠に及ぼす新幹線騒音・振動の影響の一般的な形態を明らかにすることができると解されるところ、前の場合においては就床後約一時間三〇分の間に五本の列車が通過することになるから、その騒音・振動が一般的にみて原告らの睡眠に何らの影響も与えないということは考えられず、騒音・振動レベル如何によつては入眠を妨げられ、あるいは寝入り端を覚醒させられ、ときにはそれ以後目が冴えて再度の入眠が困難になることもあり得ると思われる。また後の場合には就床後に通過する最終列車及び翌朝の始発列車による影響を受けることになり、騒音・振動レベルによつては寝入り端をおびやかされ、また、明け方の快い眠りを奪われることもあり得るし、いずれの場合においても、休日の朝は七時台の列車により影響を受けることがあり得ると考えられる。

(三)  次に睡眠妨害と騒音の大きさとの関係についての実験的研究についてみるに、<証拠>によれば、大島光正らが行つた被験者の入眠時に持続三秒の間欠音を種々の騒音レベルで聞かせて入眠までに要する時間の変化を観察した実験において、三〇ホンの場合に比べて四〇ホンの場合は入眠までの時間が四〇パーセント延長し、五〇ホンの場合は八〇パーセント延長したこと、同人らが同様の方法で覚醒までの時間の変化を観察した実験でも四〇ホン以上において覚醒までの時間の短縮がみられたこと、斉藤和雄らが行つた脳波の変化から睡眠深度の変化を観察した実験の結果では、中等度の深さの眠りを覚醒させる音圧レベルは低周波音の場合六〇デシベル、高周波音の場合五〇デシベルであること、長田泰公らが行つた睡眠中の被験者に種々の騒音を聞かせたうえ脳波及び血球数の変化から睡眠の深度の変化を観察した実験においては、四〇ホンで血球数に有意な変化が現われ、五〇ホンから脳波の変化が観察され、六〇ホンではそれが明確になり、七〇ホンでは自覚的睡眠妨害が現われたこと、などが報告されていることが認められる。

また、睡眠妨害と振動の大きさとの関係についてみるに、<証拠>によれば、山崎和秀らが環境庁の委託により行つた振動が睡眠に及ぼす影響についての実験的研究においては、人体に加えられる振動のレベルが六〇デシベルのときは右実験において深度一とされる浅い眠りの場合でも覚醒は生じないこと、右一度の眠りにおいては六五デシベルで七一パーセント、六九デシベルで一〇〇パーセントが覚醒すること、右実験において深度二とされる中等度の眠りにおいては六九デシベルで二四パーセント、七四デシベルで七四パーセントが覚醒すること、同じく深度三とされる深い眠りでは七四デシベルのときわずかに覚醒が生じ、七九デシベルでも覚醒する者は半数以下であること、いわゆるレム睡眠は深度二の眠りと深度三の眠りの中間程度の影響を受けること、などの結果が得られたことが認められる。

これらのうち前記大島らの研究における騒音レベルと入眠時間等との相関関係は、実験に用いられた間欠音がその持続時間から推測してかなり高頻度の間欠音であると思われるので、前記運行回数のもとでの新幹線騒音における騒音レベルと睡眠妨害との関係にそのまま妥当するものではない。

また、前記長田らの研究のうち覚醒を生じさせない程度の低レベルの騒音の睡眠深度への影響に関する部分についても、前記のとおり原告ら居住地域においては二三時一五分ごろから翌朝六時三〇分ころまで夜間の約七時間は列車騒音・振動の暴露はなく、睡眠妨害が問題とされるのは主として就寝時と起床直前であることに鑑みると、右研究の結果が本件における睡眠妨害の有無、程度の判断において大きな意味を持つとは考えられない。

結局、本件における睡眠妨害については夜の寝入り端に、または早朝に列車走行によつて目を覚まさせられるとの点が重要であるが、右各研究の結果からも明らかなように、騒音・振動による覚醒の促進は睡眠の深さと騒音・振動レベルとのいずれとも相関する。そして振動については前記山崎らの研究においてこの点がある程度定量的に解明されているが、騒音に関しては必ずしも明らかでない。しかし、右各研究の結果を総合すれば、新幹線列車の騒音については屋内値で六〇ないし七〇ホン(屋外値としては七〇ないし八〇ホン程度)において覚醒が生じ得ると判断して大過ないものと思われる。

前記東北大調査における住民反応の解析結果によれば、睡眠妨害については正反応の割合三〇パーセントに対応する騒音レベルが七九ホン、五〇パーセントに対応する騒音レベルが八四ホン、(いずれも屋外値)であつて、住民の被害の訴も実験的研究の結果からの推測とかなり良く斉合している。

(四)  以上認定の事実を総合すれば、本件七キロ区間における現在の列車運行の状況の下において、列車の騒音・振動が騒音七五ホン(屋外値)、振動六〇デシベル(地表値)を超えるときは、原告らにつき社会生活上睡眠妨害というに足る影響が生ずるものということができる。

7身体的被害

(一) 原告らの主張する身体的被害は、これを細分すれば(1)頭痛、(2)胃腸障害、食欲不振、(3)血圧変調、(4)自律神経失調症、(5)疾病準備状態、(6)病気療養の妨害、病状の亢進であり、(乳幼児の発育阻害については後に「子供の心身に与える影響」の項で判断する。)、それぞれの区分の訴をしている原告らは原判決添付(チ)目録に記載してある(疾病準備状態を除く。)とおりである。

(二) 騒音の身体に及ぼす影響が種々な意味において間接的であること、すなわち、騒音は自律神経のうち交感神経を介して呼吸促進、脈搏数増加等を生じ、また、一方ホルモン分泌に影響を与えること、これら一連の反応はいわゆる非特異的反応であつて騒音のみでなく他の物理的刺激、精神的緊張によつても生じ得ること、振動も身体に作用した場合、心―血管系、呼吸器系、消化器系、内分泌系その他に種々の影響を及ぼすこと、騒音・振動の人体に及ぼす影響については多くの研究、所見が発表されていること及びその詳細、右研究、所見に基づいての騒音・振動と疾病との因果関係についての判断、以上の諸点については、当裁判所の認定判断も原審と同一であるから、左に補足・訂正するほか原判決Q五三頁六行目からQ九〇頁八行目<同三四〇頁一段三行目〜三四五頁一段二五行目>までの記載を引用する。

(1) 原判決Q七三頁五行目の「被告は」から同一二行目<三四二頁四段一六行目〜二六行目>の「当を得ない。」までを削除する。

(2) 同Q八一頁一一行目に「家庭の振動増幅量とし」とあるのを「家屋の振動増幅量として」と、同Q八二頁六行目に「五cm/sec」とあるのを「五C/S」と、同Q八六頁一〇行目に「VL」とあるのを「VAL」とそれぞれ訂正する。

(3) 同Q八八頁六行目の「騒音・振動」から同一〇行目<同三四四頁四段一六行目二一行目>の「できない。」までを「騒音・振動が一つのストレス作因として、自律神経系の緊張あるいはホルモン分泌増加を介して種々身体的影響を生ずることは、現在では定説となつているものと認められる。」と改める。

(4) 同Q八九頁初行に「身体的変化」とあるのを「症状」と訂正する。

(5) ストレスに対する人体の生理反応は、元来生体の防衛本能に基づく一過性のものというべきであつて、疾病とはいえず、人体にとつて望ましい状態ではないにしても直ちに不健康の徴表とみるべきものでもない。もつとも、刺激が反覆持続するときは特定の疾患に移行する可能性がないとはいえないが、これを示唆する実験、研究報告は動物実験によるもの、または本件におけるより高レベルの騒音振動の集中的暴露によるものであつて、本件にあらわれた程度(ことに現在において)の騒音振動の暴露に起因して疾病が発生することを認めるに足る資料はないのである。

(6) 原審証人長田泰公の証言によれば、騒音に暴露されている胃潰瘍、心臓疾患、高血圧症等の個々の病人につき騒音が原因であるか否かを医学的に診断することは困難であること、病理学的に騒音が当該疾病の原因であることを解明することは不可能であること、臨床医が騒音による身体的被害がある旨の診断を下すことはできないことが認められる。

(7) 後出水野調査(甲第五一号証)によるも、なんらかの疾病を訴えていた沿線住民24.8パーセントについて疾病を距離別にみると新幹線軌道に近づくにつれて増加する傾向はみられず、各疾病別にみても一定の傾向がみられなかつたことが認められる。

(8) 甲第二七号証の二によれば、岡田晃教授の行つた住民反応調査の結果として、振動公害の苦情は身体的影響よりも睡眠妨害、不快感、日常生活への影響が主であつて、身体的影響についての訴は2.5パーセントの低率を示したことが認められる。

(三) 次に、健康被害の統計学的研究について検討する。

<証拠>によれば、名古屋大学公衆衛生学教室の水野宏らは名古屋市の委託により名古屋市内の新幹線沿線において新幹線騒音・振動が沿線住民の健康に及ぼす影響の調査を行つたこと、調査の方法は、まず調査対象として在宅時間の長さ及び均一性の観点から家庭の主婦を選び、本件原告らの居住地域とほぼ同一の地域のほか市内緑区を加えた地域の沿線住民の中から無作為に抽出した一三〇〇名余りに対してCMI健康調査表(ただし項目の一部につき追加・削除を施したもの)を用いたアンケート調査を実施して各質問項目について自覚症状の有無についての回答を得、次いで右調査における自覚症状ありとする回答(以下これを「愁訴」という。)の現われ方と回答者の住居の新幹線軌道からの距離及び居住敷地における騒音・振動レベルとの相関を統計的方法により解析したこと、その結果、愁訴数は全体としてみた場合にも、また自律神経失調性愁訴及び精神性愁訴に着目した場合にも新幹線に近づくほど増加し、また騒音レベル、振動速度が上昇するに従つて増加する傾向を示していることが認められる。

<証拠>によれば、右名大調査のメンバーの一人である山中克己は右アンケート調査の解析をさらに進め、自律神経失調性愁訴を一一個以上示す者(多自律神経失調性愁訴者)が住民中に占める割合を騒音別、振動別及び両者の組合せにおいて検討したところ、健康者と疾病者では傾向を異にし、(1)騒音別にみた場合健康者においては騒音八〇ホンを超すと多自律神経失調性愁訴者が急激に増加し、疾病者では七〇ホンを超すと段階的に増加する、(2)振動別にみた場合健康者においては0.30mm/sec(六〇デシベル)を超すと右愁訴者が段階的に増加するが、疾病者では0.30mm/secを超すと急激に増加する、(3)騒音と振動を組合せた場合、健康者では騒音値にかかわらず振動値0.29mm/sec以下において愁訴者が低率となることが特徴的であり、高騒音、高振動(騒音八〇ホン以上、振動0.50〜0.99mm/sec及び騒音八〇ホン以上、振動1.00mm/sec以上)下においてはこれが有意に高率となる、他方疾病者は低騒音、低振動(騒音六九ホン以下、振動0.29mm/sec以下)下において愁訴者が最も低率であり、騒音振動が増加するに従つてその割合が増加し、高騒音、高振動下においては約半数を多自律神経失調性愁訴者が占めるようになる、という結果が得られたことが認められる。

なお、以上において、自律神経失調性愁訴とは、東邦大学医学部の阿部達夫らがCMI調査表の質問項目の中で自律神経機能の異常に基づく愁訴として現われやすいものとして選び出した四三項目と同一又は同趣旨の質問の項目についての自覚症状の訴えをいい、精神性愁訴とはCMI健康調査表の質問区分M項からR項までの神経症的傾向に関する項目についての自覚症状の訴であつて、これは阿部においていわゆる本態性自律神経失調症とその他のタイプの自律神経失調症との判別に役立つとするものである。また、自律神経失調性愁訴一一個以上をもつて多自律神経失調性愁訴者か否かの選別基準とするのも阿部の研究に負うものである(<証拠>)。

原告らは右水野宏らの調査及びその解析結果によつて新幹線騒音・振動が原告らに身体的被害をもたらしていることが明らかにされた旨主張する。

たしかに右調査解析の結果及び弁論の全趣旨によれば、新幹線騒音・振動が沿線住民の間における自律神経失調性愁訴ないしは多自律神経失調性愁訴者の増加にある程度の寄与をしていることが推認されなくもない。

しかしながら、自律神経失調性愁訴を増加せしめる要因は単一ではなく、精神的ストレスがその一つに数えられるにしても、そのストレス自体騒音、振動以外の人が生活を営む上で一般に避けることのできない多くの不快や障害によつても生ずるものであり、しかも人の体質、性格等にも影響されるものであるから、統計的観察において新幹線騒音・振動が沿線住民の間の自律神経失調性愁訴の増加にある程度寄与していることが推認されるからといつて、そのことから直ちに個々の自律神経失調性愁訴あるいは原告らの主張する個々の自律神経失調性疾患(かりにそれが認められたとして)が新幹線騒音・振動によつてもたらされたものとの判断はとうていなし得ない。まして、右以外の疾患あるいは症状については、新幹線騒音・振動との間に個別的因果関係を認め得ないことはもちろんである。

しかしこのようにいうことは、前記水野らの調査解析の結果によつて示された自律神経失調性愁訴ないし多自律神経失調性愁訴者の増加に対する新幹線騒音・振動の寄与の事実を個々の原告らに対する関係において全く無視するということではない。すなわち、騒音・振動には物理的なストレス作因としての性質のほか、生活妨害等を媒介とした精神的なストレス作因としての性質もあると認められることと右統計学的調査研究の結果とをあわせ考えると、新幹線騒音・振動はその軌道の附近に居住する住民に対し多少とも自律神経失調性疾患に罹患する危険を及ぼしているとみることができるのであつて、この状態は疾病そのものではなく疾病にいたるおそれにすぎないが、これを身体が精神的ストレスによる負荷を受けている状態(原告らのいう疾病準備状態とはこのような状態を指すものと解される。)とみることにより単なるおそれとは異る一種の無形損害が生じていると把握することが可能である。

なお、前掲各証拠によれば、水野らの調査が実施されたのは昭和五〇年三月であることが認められるので、右調査の結果から推認されるところの新幹線騒音・振動に起因した自律神経失調性疾患のおそれないし右身体的負荷は、右調査の時期の前何年かにわたる騒音・振動暴露の累積による影響と考えられるところ、後記のとおり、被告が実施した音源対策の主要部分は昭和四九年の秋頃以後に施工が完了しており(中川地区におけるレール波状摩耗の削正、古新架道橋防音工事の完了は昭和四九年秋、津島街道架道橋、名港線乗越橋梁、豊代架道橋、山崎川橋梁の各防音工事完了は昭和五一年、第2六番町架道橋第二次防音工事の完了は昭和五二年)、これらによつて騒音値九〇ホンを超えるような激しい暴露地域は極く一部の例外を除いて消滅し、またこれら特定の高騒音地域についての対策以外にも、パンタグラフ碍子、トロリー線、車輪研摩子の各改良、重量レールへの更ママ換、防音壁の設置(防音壁は早い地区では昭和四七年中に設置されているが、七キロ区間全域にわたつて完成したのは昭和五二年である。)等種々の対策の累積効果によつて全般的に昭和五二年頃以降の騒音値はそれ以前の値に比べてかなり低減しているとみることができ、さらに、後記のとおり、昭和五二年以降被告の助成を受入れて家屋防音工・防振工を施工する住民が増加し、これによる屋内騒音・振動の低減がみられることなどを勘案すると、沿線住民らが現在においてもなお前記水野らの調査の時点におけると同様に新幹線騒音・振動に起因する身体的負荷を受けているとはにわかに認め難い。

(四)  以上を要するに、新幹線騒音振動と個々の原告らの疾病という形での身体被害との間の因果関係はこれを肯認することができない。右騒音振動及びその暴露に伴う不快感等物理的・精神的刺激が原告らの身体に対しストレスとして負荷されていたことはこれを認め得るが、原告らの訴えている個々の頭痛、胃腸障害、血圧変調等のいわゆる自律神経失調性の身体的症状とそれとの間の因果関係を個別に確定するに足る資料はない。

当審証人山田信也の証言によるも右認定を左右するに足らず、他に右認定を動かすに足る新たな証拠はない。

(五) 病気療養の妨害、病状の亢進について

騒音振動が病人に対し健康人以上に身体的負荷として作用し、療養の妨害となることは経験則からも推認し得る。ただ、これについては個別に因果関係を確定し得ないことはもちろん、一般的にも騒音振動暴露との定量的相関を明らかにし得る資料は存しない。

8精神的被害

(一) 既に述べた各被害の検討においても、当該被害から派生する精神的苦痛は被害の実質的内容として常に考慮の内に置かれてきたのであり、例えば会話や通話が円滑を欠くことから生ずるいらだち、テレビの聴取が妨害されたときの不快感、仕事に際し精神の集中が妨げられることへの怒り、睡眠不足から生ずる頭重感、疲労感などは、あらためてとり上げるまでもなく前記各種被害に一般的に随伴する精神的被害として当然視野に入つていたものである。

(二) ところで原告らは、新幹線列車の騒音・振動により、「ドキッとする」、「イライラする」、「怒りつぽくなる」、「もの忘れがひどい」、「いたたまれない気持になる」と主張し(原判決添付(ト)目録該当欄に○印を記載した原告ら)、これを精神的被害の名で一括している。この精神的被害は前記各種被害を媒介としない直接的感覚的な不快感ないし苦痛であり、特に騒音によるものが問題である。振動に関しては、本件にあらわれた程度の振動による不快感は、他の各種被害について検討する各種の行動阻害や自己の領域を侵害されたという意識に基づくものが主であつて、感覚的な苦痛にまで至つていることはないと思われるが、後に「住み心地の悪い家」としてあらためて取り上げることとする。

(三)  騒音のエネルギーが人間の感覚に対して過剰な刺激となるときは、それが聴力を損傷するほどのものでない場合でも一種の不快感としての「うるささ」、「やかましさ」の感覚を生ぜしめる。騒音の人体に対する影響の機序につき述べたところから明らかなように、それは単に騒音を過大なものとして知覚するだけでなく、神経の信号が大脳の古皮質にも刺激を与えるところから、怒り、焦躁感のような情緒的な感覚をも含むものとして現われる。その場合不快の程度は騒音の大きさだけでなく、騒音の質、受音者側の健康状態、心理状態、受音者と音源との利害関係等、種々の要因によつて影響されるが、およそ被害というに値するか否かは、基本的には騒音レベルによつて規定されるとみてよいと解される。そして前記東北大調査(乙第三二、三三号証)においては「うるささ」という被害項目について被害を肯定する者の割合が三〇パーセントになるのは六七ホン、五〇パーセントになるのは七四ホンであることが認められ、また前記環境庁調査(乙第一五四号証)においては、「総合判断(うるささ)」という被害項目について被害を肯定する者の割合が三〇パーセントになるのは72.5ホン、五〇パーセントになるのは七八ホンであることが認められる。住民反応調査においては感覚的なうるささと聴取りに対する妨害感とを厳密に区別した回答を求めることは困難であるから、東北大調査における数値もそのまま感覚的なうるささのみに関するものとはいえず、環境庁調査におけるそれは当初から厳密な区別をなし得ないものとして処理されているとみられるが、これらのいわば総合的うるささ判断に係る数値は、感覚的なうるささを考えるうえで参考に値するものといえる。

一方<証拠>によれば、騒音四〇ないし四五ホンにおいて既に情緒的影響をとらえる見解のあることも認められるが、右は行政的に非常に良好な環境の達成を眼中において論議されているものであると解されるから、この場合の判断に採用するには適切とはいえない。

結局、原告らのいう精神的被害を肯認し得る下限の値として七二ないし七三ホンを採用するのが相当である。

(四) 原告らは、前記のように記憶力の激しい減退を(ト)目録において主張するほか、性格の変容までを精神的被害として主張し、これに沿う原告らの供述、書証(陳述書)も存在するが、およそ、このような重大な、しかも因果関係について相当の医学的解明を要する事項を右のような証拠によつて認定することは容易になし得ないところであり、本件においては他に的確な証拠は存在しない。かえつて、さきに身体的被害の項でふれた各医学的実験研究の結果を考え合せると右被害はこれを否定するのが相当である。

9その他の被害について

(一) 住み心地の悪い家

原告らは「家全体が揺れる」、「地震と間違えたことがある」、「電灯、壁かけが揺れたりする」、「ガラス、戸などがガタガタする」、「棚の物が落ちたりする」、「ドアが自然に開閉することがある」等の被害を原判決添付(ト)目録該当欄に○印を記載して主張し、これを住み心地の悪い家という項目で一括している。原告らが主張する右被害は、家屋振動そのものもしくは振動から派生する騒音によつて受ける不快感又はこれらに対し何らかの対策を強いられることの不快感であると解され、広義においては前記精神的被害の一種とみることができる。右のような被害と新幹線振動を含むいわゆる公害振動との数量的相関関係については、乙第一九八号証、第四四二号証により若干の研究調査が存在することが認められるが、その内容結果は原判決P六頁四行目からP一六頁九行目<同三一九頁一段一一行目〜三二〇頁三段八行目>までに記載してあるとおりであるからこれを引用する。

しかして、右各書証によれば、人が振動を感じはじめるのは六〇デシベル(地表値五五デシベル)であるが、ISO基準などではより高いレベルでの快感減退境界あるいは疲労・能力減退境界などが主として問題とされていること、また環境庁が昭和四九年度に実施した新幹線鉄道振動に関する住民反応調査において、振動をよく感じるという訴えの出現率が三〇パーセントとなるのは地表値で六五デシベル、五〇パーセントとなるのは七五デシベルであつたことが認められ、これらを総合して考えれば、新幹線振動の場合精神的被害というに値するものが発現するのは地表値で六五デシベルを超えるあたりからであると認められる。

もつとも<証拠>によれば、日本鉄道技術協会の「振動騒音の生理的影響に関する研究報告書」において列車振動六九ないし七九デシベルの範囲においては沿線居住者に不快感をほとんど与えず、生理・心理上の影響もみられないとされていることが認められるが、右は振動の人体への有感限度が前記のとおりであることに照し、いささか寛容に失する見解というべく、にわかに採用できない。

(二) 家屋損傷

原告らの大部分は、「屋根瓦がずれたり雨漏りがする」その他家屋損傷が新幹線の振動によつて惹起されたと主張する。しかして、原告らは、これによつて主張する被害は物損ではなく、家屋の損傷に伴う生活の場の破壊及びこれによる精神的苦痛であるというが、右は結局、自己の所有物件又は使用権を有する物件が毀損されたことによる精神的苦痛、それによつて生ずる不便さ、補修を強いられることのわずらわしさ等に帰着するものといわざるを得ない。しかるところ、家屋損傷のごときいわゆる物損においては被害は原則的に財産的損害として評価されるのであつて、物損に伴つて生ずる精神的損害が財産的損害と別個独立に認容される場合はほとんど存在しない。しかして、原告らのいう家屋損傷が右のごとき例外的な場合に該当するものでないことは、その主張自体から明らかであるから、本件において家屋損傷をもつて慰謝料請求の原因であるという原告らの主張は失当である。また、振動侵入の禁止ないし減速を求めるいわゆる差止の請求においても、原告らの請求の根拠となつているのは環境権、次いで人格権であり、建物所有権ないしこれに基づく物上請求権の主張をしているわけではないから、家屋損傷は該請求の基礎たる事実とはならない。いずれにせよ、家屋損傷は、その事実の確定に立入るまでもなく、本件における「被害」の主張としては失当である。

(三) 家庭での休養妨害

原告らは、前記(ト)目録において、「休日に家庭で休養できない」と主張するほか、家庭での休養妨害についてるる強調する。しかしながら、右「休養妨害」なるものは、既に個別に検討した会話妨害、テレビ、ラジオ等の聴取妨害、読書妨害、睡眠妨害、住み心地の悪い家などの被害が競合して現れる典型的な一場面であるというにすぎず、別個の利益侵害となるものではない。ひつきよう、原告らの右主張は、家庭における休養という場面をとり上げることによつて前記諸被害の実態を敷衍説明した趣旨と解するほかはない。

(四) 子供の心身に与える影響

原告らは、新幹線の騒音振動が子供の心身に深刻な悪影響を及ぼす旨主張する。

騒音振動が成人に被害を与えるのであれば、共に生活する幼児に対しても幼児としての生活形態に応じた形において被害が生ずるであろうことは容易に推認し得るところであり、幼児なるが故により強い影響を受ける場面のあることも否定できない。

しかしながら、原告らは、右被害を受けている原告を特定していないのみならず、右被害は慰謝料請求の関係においては民法七一一条に準じて子の被つた精神的苦痛に対して親が慰謝料を請求することとなるが、かかる準用をなすについては特段の事情の存在することが必要であると解すべきである。しかるに、本件においてはかかる事情の存在は認められない。また、右被害は差止請求の関係においても原告らの該請求の根拠が原告らの人格権である(後記のように環境権の主張は採用できない。)以上、本件における被害としては直接の関連性を欠くものといわざるを得ない。

(五) 人間関係への影響―家族団らん等の妨害

原告らは、新幹線の騒音振動によつて原告らの人間関係が希薄化し、破壊されていくと主張する。しかしながら、原告らのいうところは、「家庭での休養妨害」におけると同じく、他の被害についての主張に別の表現を与えた(ここでは精神的被害、性格の変化)ものにすぎず、前同様被害として特に取り上げる必要がないものと解される。

(六) 営業妨害

原告らは、前記(ト)目録において原告らに営業妨害が生じている旨主張する。しかしながら、原告らの右主張は「家庭の休養妨害」におけると同様別に検討した会話妨害、電話妨害、思考作業妨害等の被害が営業者たる原告らについて営業妨害なる形態で具体的に発現することを指摘したに止まるものと解すべく別個の利益侵害を認める必要はない(会話妨害を例にとつて考えても、会話妨害の項において抽象的に会話妨害が考えられているわけではなく、会話は常に何らかの目的のためになされているものであり、会話が妨害されることによりその目的が妨害されることになることは当然視野に入つているわけである。)。

10慣れについて

慣れについての被告の主張及び慣れの現象に関するアンケート調査の結果、諸学者の所見は当裁判所の認定も原審と同一であるから原判決の説示R四九頁一〇行目からR六〇頁一行目<同三五二頁三段一九行目〜三五四頁一段一五行目>まで。ただし、R五三頁一三行目に「功罪を云為すること」とあるのを「存在について学問上問題」と改める。)を引用する。

以上の認定によれば、騒音による影響のうち聴取妨害及び睡眠妨害については慣れの効果が生じにくく、精神的心理的影響については室内レベル五〇ないし六〇ホン程度までの騒音に対しては個人的差異はあるものの、慣れが生ずるものと考えることができるが、右レベルを超える高騒音に対しては慣れが生ずるものとは容易に断定できない。

しかして、室内レベル五〇ないし六〇ホンに対応する屋外騒音レベルは木造建物の場合六〇ないし七〇ホンであるから、本件の場合においても、騒音六〇ホンを超える木造建物居住の原告らについては慣れの効果を特に考慮する必要はないものと考える。

二列車走行に伴う騒音振動以外の原因によつて生ずる被害について

1原告らは、以上検討した列車走行に伴う騒音振動によつてもたらされる被害のほかにも、軌道構造物の存在自体から生ずる日照、通風阻害、その管理が問題とされる落水被害、列車の走行によつて生ずるものではあるが騒音振動とは関係のない落石、粉塵被害、騒音等が問題とされるが列車走行そのものから生ずるのではない保線工事被害、テレビ、ラジオに関する騒音振動に関係のない妨害としての電波受信障害などをも、本件における被害として主張する。よつて、以下前記各被害の有無につき順次検討を加えることとする。

2日照、通風阻害について

一部の原告らは前記(ト)目録記載のごとく新幹線軌道の構造物により日照妨害を受けていると主張する。しかして、右原告らの陳述書及び原審における本人尋問においてこれに沿う記載、供述の存することについては、当裁判所の認定も原審と同一であるから、この点に関する原判決理由記載(原判決R一頁三行目からR八頁二行目<同三四六頁四段三行目〜三四七頁二段二九行目>まで)を引用する。

原審及び当審における各検証の結果ならびに弁論の全趣旨によれば、新幹線軌道構造物が多くの原告らの居住敷地の日照条件に悪影響をもたらしたであろうことは容易に推認し得るところである。その影響の態様及び程度は、原告ら居住敷地と新幹線軌道との距離、位置関係、構造物の種類、高さ、原告ら住居の構造、附近の道路、近隣の建物の状況等によつて区々であると考えられ、本件に現われた証拠から個別にこれを確定することは困難である(日照妨害があることを訴えるのみで、それ以上の立証のない原告らも存在する。)が、原判決別紙(ニ)目録(添付図面を含む)によつて認められる原告ら居住敷地と新幹線軌道との位置関係、同(ホ)目録記載の軌道側壁と原告ら居住敷地ないしは家屋との距離及び既に述べた軌道の構造等の事実によつてある程度の類型的考察は可能である。

中川地区においては、新幹線軌道はほぼ南北に走つており、同地区の原告らはすべてその西側に居住しているので午前中の日照のみが問題となる。同地区において構造物の高さは四ないし六メートルと比較的低いが、直擁壁構造であるため高架橋と異なり軌道下に空間がなく、日の出から暫くの間の日照は完全に遮断され、軌道に近い原告らについては正午近くまで影響が残ることが推測できる。

野立地区以南の軌道構造はスラブ高架橋であり、乙第三九三号証の二ないし四によつてそのおおよその高さをみるに、野立、大宝、船方地区は六ないし七メートル、千年地区は八ないし一〇メートル、明治地区は一一ないし一三メートル、豊田地区は一三ないし一五メートルである。

野立地区においても軌道はほぼ南北に走つているので、日照の影響は軌道の西側において午前中の一定時間、軌道の東側において午後の一定時間生じ、当然のことながら軌道に近接するほど影響を受ける時間は長く、また二階よりも一階の方が影響を受け易い。

大宝地区から船方地区に進むにつれて軌道は東向きに方向を転じ、それにつれて日照への影響は軌道の北東側により強く現われるようになる。そして、千年、明治、豊田地区において軌道がほぼ北西から南東に走るため、軌道南西側では極く近接したところで朝方短時間の影響が生ずるほかは問題とするほどの影響は生じなくなる反面、北東側では長時間影響を受けるところが生じ、なかには午前一〇時頃に既に影響が現れはじめそれが終日に及ぶ場合もあると認められる。

通風阻害についてみるに、前記のとおり中川地区においては軌道が直擁壁構造であるため、軌道に近接した場所では多少とも風通しが悪くなつていることを推認できる。しかし、その他の地区はスラブ高架橋であるから、通風が阻害されるとは認められず、いずれにせよ日常生活に支障を来たす程の被害とは認め難い。

3落水、落石、粉塵被害について

一部の原告らは、前記(ト)目録記載のごとく新幹線軌道による落水、落石、粉塵による被害を受けていると主張する。そして、右原告らの陳述書及び原審における本人尋問においてこれに沿う記載、供述の存することについては、当裁判所の認定も原審と同一であるから、この点に関する原判決理由記載(原判決R三一頁一〇行目からR三九頁七行目<同三五〇頁三段二八行目〜三五一頁三段六行目>の「訴が多い。」まで)を引用する。

既に述べたように、新幹線軌道においては、バラストが細粒化し、降雨により粉泥化する現象が存在するので、列車通過の際の風圧により軌道から右粉泥が塵となつて舞い上り、軌道に近接した原告らの居住敷地に降下することがあることは容易に推認し得る。また、前記本人尋問によれば、原告山下(ナ32)、同神谷(フ17)方に落石があり、瓦やビニールトタンを破損したことがあつたことが認められる。次に、右原告山下、同松山(チ47)の供述(いずれも原審)によれば、高架橋上に貯溜した雨水が排水設備の不備あるいは高架橋スパンの継目から、右原告ら居住敷地内に落下したことがあつたことを認めることができる。

4保線工事被害について

一部の原告らは前記(ト)目録記載のごとく新幹線軌道の保線工事により被害を受けた旨主張する。

東海道新幹線の軌道設備に対する保守作業の内容、作業の行われる頻度、その際発生する騒音等の程度、これらの低減のために講じられた対策、その効果等については、当裁判所の認定も原審と同一であるから、この点に関する原判決理由記載(原判決P九三頁一三行目からP九九頁初行<同三三一頁二段二七行目〜三二二頁一段二二行目>まで)を引用する。

5テレビ、ラジオの受信障害について

原告ら主張のテレビ、ラジオ視聴妨害の被害には、騒音による音声聴取の妨害のほかに、テレビの画面がちらつく、テレビ、ラジオの音声に雑音が入るなどの電波受信状態の悪化による被害が含まれると解すべきことは、原判決O四一頁一一行目からO四四頁初行にかけて掲記されている原告らの陳述書、原審における原告ら本人尋問の結果を通覧すれば明らかである。

しかして、新幹線列車の走行及び軌道構造物の存在がテレビ、ラジオの電波の受信障害をもたらすことは経験則上明らかであり、後記「原告らと被告との折衝の経過等について」の項で認定するように、この被害は新幹線による被害のうちでも極めて一般的なものとして沿線住民の間に広範に発生し本件紛争のそもそもの端緒となつたものである。

被告が右被害を解消するための対策をNHKに依頼し、その結果個人アンテナ方式及び共同アンテナ方式による対策が実施され、一応の効果を挙げていることについては、当裁判所の認定も原審と同一であるから、原判決理由記載(原判決h二三頁三行目から二四頁一〇行目<同三九八頁四段一三行目〜三九九頁一段五行目>まで)を引用する。

第六  差止請求について

一差止請求の適法性

1主位的差止請求について

被告は、騒音及び振動の差止を求める主位的請求は訴訟物たる請求が特定されていないから不適法として却下されるべきである旨主張する。

また、被告は、請求の趣旨第一項において原告らの求める給付の内容が被告によつて実現されるべき結果としてのみ示され、右結果を実現する手段方法としての作為または不作為が特定されていないこと及びその結果代替執行による給付の実現が許されず、原告らは右請求を認容されてもこれに基づき強制執行をなし得ないことを主張する。

しかしながら、実体法上は、一般に債権契約に基づいて、(手段方法は問わず)結果の実現のみを目的とする請求権を発生せしめ、これを訴求し得ることは疑いないところであるから、被告のいうようにある結果の到達を目的とする請求が常にその手段たる具体的な作為・不作為によつて特定されなければならないものではない。そして、まさに、作為または不作為義務の強制執行につき代替執行により得ない場合に備えて間接強制がみとめられているのであるから、代替執行が許されないからといつて直ちに執行が不可能であるというのは正当ではない。要するに、代替執行が可能であるように請求を構成しなければ訴訟上の請求として特定しないというべき根拠はないのである。

被告は、さらに、たとえ請求の趣旨第一項を認容する判決がなされたとしても、被告としてはいかなる債務の履行を命ぜられたことになるのか理解し得ないとも主張する。

右主張の趣旨が、実現されるべき結果のみをもつて示された給付請求というものは、およそ実体法上の請求権として観念し得ないということであるならそれが正当といえないことは前述したとおりであり、またそのいわんとするところが、具体的に本件に即して、差止の手段方法によつて個別化され特定されないまま、単に騒音及び振動の低減という結果の実現のみを求める請求が、実体法上いかなる根拠を有するのか理解しえないというにあるならば、それはもはや本案前の問題としての請求の特定に関する主張ではなく、請求の当否を争う本案の主張であるといわなければならない。

以上要するに、本件のごときいわゆる抽象的不作為判決は間接強制の方法によることができるから、かかる判決を求める申立も不適法ということはできず、(原告らの申立は不作為義務の内容の特定については欠けるところはない。)、被告の主張は採用できない。

2予備的差止請求について

被告は、新幹線列車の減速走行を求める予備的差止請求は大阪国際空港事件の最高裁大法廷判決の趣旨に照し不適法なものである旨主張する。すなわち、被告は、本件新幹線鉄道の運営は国の総合施策の一環である運輸行政の一部を構成し、これと密接な関連を有するものであるところ、原告らが民事裁判手続により、新幹線鉄道の機能の達成実現に直接かかわる最高運転速度の低減を求めることは、現行運転速度の基礎として存在する規則、規程、換言すれば運輸行政上設定された事項の取消又は変更を求めることと同旨に帰し、民事上の請求としてかかる私法上の給付請求は不適法として許容さるべきでない旨主張する。

右大法廷判決は、航空機の離着陸のためにする国営空港の供用は運輸大臣の有する空港管理権と航空行政権という二種の権限の総合的判断に基づいた不可分一体的な行使の結果であるとみるべきであるから、民事上の請求として空港周辺の住民が一定の時間帯につき国営空港を航空機の離着陸のために使用させることの差止を求めることは、不可避的に航空行政権の行使の取消変更ないしその発動を求める請求を包含するものであつて許されない旨判示しているものである。

ところで、被告は日本国有鉄道法により設立された公法人であり、その業務の管理及び運営は理事会が決定する(同法九条)。国営空港においては、その設置・管理者である運輸大臣が同時に航空行政権の主管者でもあるのに対し、新幹線鉄道の場合には、その設置・管理者は被告であつて運輸行政権を主管する運輸大臣ではないのであるから、新幹線鉄道の管理及び運営が同一の機関によつて新幹線鉄道の管理権と運輸行政権という二種の権限の総合的判断に基づき不可分一体的に行使されるということはない。従つて、本件における原告らの被告に対する予備的差止請求は、右の点において大阪空港事件における国(運輸大臣)に対する差止請求とは同視し難いものがあり、右大法廷判決の趣旨をにわかに本件に推及することは許されないのである。

もつとも、新幹線鉄道の運営は被告の主張するように国の総合施策の一環である運輸行政と密接な関連を有しており、新幹線鉄道建設の基本計画及び整備計画は運輸大臣の決定事項とされており(全国新幹線鉄道整備法五条、七条)、また一般的に、被告は運輸大臣の特別な指示ないし監督に服するものである(日本国有鉄道法五二条、五四条)。そして、運輸大臣は新幹線鉄道の運転に関し運輸省令をもつて規制しており、新幹線鉄道運転規則は、その第三条において「日本国有鉄道は、この省令の実施に関する規定を定めて、あらかじめ運輸大臣に届け出なければならない。」と規定し、また運転速度に関しては、「列車の最高速度は、線路及び電車線路の状態、車両の構造並びに列車保安方式の種類ごとに定めなければならない。」としている。しかし、右規定の趣旨は、新幹線列車の運行速度の最高限度を規制することにより列車運行の安全を確保しようとするものであつて、右最高運転速度の届出(これは私鉄におけるごとく運輸大臣の認可であつても同様である。)があるからといつて、被告が新幹線列車を右最高運転速度以下で走行することまで制限するものではない。従つて、被告が右最高運転速度以下で列車を走行させることとその届出の変更とは直接の関連を有するものではないと解される。また、被告が右最高運転速度以下で新幹線列車を走行させること自体を運輸行政権の行使と同視することも困難である。

以上により、新幹線列車の減速走行を求める本件予備的差止請求は運輸行政権の行使の取消変更もしくはその発動を求める請求を包含するとはいえないから、これをもつて不適法ということはできない。被告の右主張は採用することができない。

二差止請求の法的根拠

原告らは、平穏にして健康な生活と環境を享受すべき利益は本質的かつ基本的な価値として人格権及び環境権と把握すべく、これらは他に優越する絶対的権利であるところ、原告らが新幹線騒音振動により被つている被害は右人格権及び環境権の侵害であるから、これに基づき被告に対し本件差止請求をする旨主張する。これに対し、被告は、人格権又は環境権なるものは実定法上明文の規定を欠くばかりでなく、その権利概念の内容・性格が不明確であつて、いまだ排他的効力を有する私法上の権利として承認することはできず、到底差止請求の根拠となし得ない旨主張するので、以下判断する。

1環境権について

原告らは、環境権とは人間が健康な生活を維持し、快適な生活を求めるため良き環境を享受し、かつこれを支配しうる権利であつて、それは私法上の排他的支配権としての側面を有し、住民に直接具体的な被害が発生する前に環境汚染者の行為の違法性を追及することを可能とし、また、それは個々の住民が自己の権利侵害と同時に広汎な地域的被害を直接自己の権利侵害の内容として主張することができるものであると主張する。

しかしながら、人の環境は一般に地域的広がりを有する自然的・社会的諸条件を含むものであり、しかもそれは人により立場によつて認識、評価を著しく異にし得るものであるから、そのいうところの権利の対象となる環境の範囲及びこれに対する支配の内容は極めて不明確であり、ひいてはその権利者の範囲も確定し難いものである。従つて、実定法上何らの根拠もなく、権利の主体、客体及び内容の不明確な環境権なるものを排他的効力を有する私法上の権利であるとすることは法的安定性を害し許されないものといわなければならない。環境の破壊行為と目される行為が住民の具体的権利を侵害するおそれが生じたときには、当該権利侵害のおそれを理由として侵害行為の差止を請求することができるのであるから、これによつてある程度環境保全の目的を達することもできるのである。もともと地域的環境の保全については人の社会的経済的活動の自由との調和がはかられねばならず、本来民主々義機構を通じ終局的には立法をもつて決定されるべき問題である。原告ら主張のごとき具体的被害の発生をはなれ、あるいは、個人の被害を超えた地域的被害をもつてその内容とし得る環境権なる私法上の権利を構成し、これによる差止を認めることにより直接環境の保全を企図するごときは、自然環境の破壊を未然に防止するという社会的目的を達成するための即効的な手段を求めるに急な余り、個人の私権の保護を中心に発達してきた民事裁判制度に対し、その本来の役割を超えて、社会的、経済的、文化的な価値判断を含む広範な裁量に基づく公権力発動の可能性を求めようとするものであり、法解釈の限界を超えるものといわざるを得ない。

よつて、環境権を私法上の権利として認めることはできず、本件差止請求の法的根拠とはなし得ないものであり、環境権に基づく原告らの請求は失当である。

2人格権について

次に、原告らが人格権の名のもとに主張しているところについて検討する。騒音振動は新幹線軌道において発生し、空気中または地中を通過して原告ら居住敷地に到達し、直接または家屋を経由して原告らの身体に伝達される。これが原告らのいう侵害行為の本体であつて、身体に対する物理力(騒音・振動エネルギー)の侵襲である点において、暴行、傷害等ありふれた有形力の行使と本質的に異なるところはない。騒音振動も充分強大な場合にあつては人の身体を物理的に損壊することもある(例えば爆発音による鼓膜の破裂)のである。

しかしながら、騒音振動の物理的エネルギーは多くの場合そのように大きなものではなく、身体に到達しても何らの痕跡を止めることなく消え去り、また、身体の機能を妨害することもない。従つて、通常の傷害行為が常に身体を毀損し、その機能を妨害する結果を生ずるのと異なり、騒音振動の侵襲はそのエネルギーの程度により身体に対する影響も皆無から身体損傷にいたるまでいろいろの段階があり得るわけである。すなわち、騒音振動の侵襲は、社会生活上認容される程度の身体機能への妨害ないし影響を与えるものから、これが認容されない程度の強大なものを経て、身体傷害を惹起するにいたるものまで種々あり得るということになろう。

このように見てくると、騒音振動による静穏の妨害、日常生活の妨害等といわれているものは、これに対応する権利(静穏権、快適な生活を営む権利)が存在し、これが侵害されていると解すべきものではないと考えられる。騒音振動によつて侵襲されているのは身体であつて、日常生活に対する妨害、静穏に対する妨害はその結果として生じたものに外ならないからである。このことは、あたかも、傷害により人が四肢の一つを失つた場合と同様である。手足を失つた人はその結果日常生活の万般にわたつて不便を感じ日常生活をいわば妨害され、精神的苦痛を受けるであろうが、このような場合、快適な生活をする(人格)権を侵害されたとはいわないのである。

会話妨害を例にとれば、新幹線騒音は音波として人の耳に到達し騒音の感覚を発生せしめる(侵襲)。この騒音がたまたま聴取しようとする他人の発言(または自己の発言)と同時に到達すれば、聴取(発言)が妨害される(侵襲の結果)。この妨害も軽度の場合法律上無視されるが、これがある程度をこえ多数回にわたるに及んで法律上無視し得ないもの(被害)となる。このように、会話妨害は、騒音の人体に対する侵襲の結果として生ずるものであり、会話を妨害されない権利などというものが存在してこれが騒音によつて侵害されているわけではないのである。

以上要するに、原告らが人格権の侵害という名の下に主張するところは、騒音振動による身体の侵襲をいう限りにおいて正当であるが、その余の所論はにわかに採用することができないものである。しかして、ここにいう身体の侵襲は、前記騒音振動の特質から、その質または(及び)量によつて社会通念上画される一定の限界を超えた場合においてはじめて法律上許されないものとなる(従つて、その結果に対しては損害賠償を認容すべきこととなる。)。この一定の限界がいわゆる受忍限度である。それ故、騒音振動の(事実上の)侵襲が、(法律上)侵害行為となるためには、前に述べた鼓膜破裂のごとき特殊の例を除き、そこにすべて受忍限度判断を経由することを必要とする。

進んで、身体なる法益(身体権といつてもよい。)に対する侵害がいわゆる差止請求権を発生せしめるか否かについて考える。一般に従来法律上問題とされた生命ないし身体に対する侵襲の行為は極めて短時間内に終了するものが多かつた。法律が物の占有権について妨害排除、妨害予防請求権等のいわゆる物上請求権を規定しながら、身体に対する危害についてこれに対応する規定をおかなかつたのも、通常身体危害に対しかかる請求権を論ずる実益が存しなかつたことによるものと察せられる。しかしながら、身体に対し痕跡を残さないで妨害ないし影響を及ぼし、比較的長期に亘りうる騒音振動にあつては、条理上からも(身体はもとより物よりも重しとしなければならない。)また身体侵害に対し正当防衛なる排除行為が法律上認められていることからするも、当該騒音振動の侵襲につき、原因を与えている者に対しこれを排除(場合により予防)する請求権が被侵襲者に与えられるものと解しなければならない。そして、この請求権については法律上何ら明文がないから、その内容効果については可能な限り物上請求権に関する規定を類推するのが相当である。

以上の次第により、本件において、原告らはその身体の保持者として(身体権に基づきといつてもよい。)、新幹線列車の運行により現に毎日原告らに到達しつつある騒音振動の一定限度(騒音六五ホン、振動六〇デシベル等)以上の排除を求めるため、物上請求権に準ずる妨害排除請求権の行使を主張しているものということができる。

三差止請求における受忍限度(違法性)判断の考慮要素について

本件新幹線騒音振動が原告らの身体に到達することにより、ただちに原告らのもとに救済せられるべき権利ないし法益の侵害が発生するわけではなく、原告らの受けている影響・妨害の程度範囲との関連において該騒音振動の大きさが社会生活上原告らの受忍すべき程度を超えた場合にはじめて原告らが身体権に基づきその排除を求め得べきものとなると解すべきことは右に述べたとおりである(もつとも、差止請求の場合の受忍限度は損害賠償請求の場合の受忍限度よりも更に厳格なものでなければならないと解すべきである。けだし、差止は、過去に生じた損害の賠償と異なり、加害事業に対する直接の規制を内容とするものであるから、それに対応した高い程度の違法性の存することが必要だからである。)。元来、被告が新幹線列車を運行すること自体は適法行為であつて何ら非難せらるべき行為ではないのであるから、右に述べたところに別の表現を与えれば、被告は本件七キロ区間における現在の新幹線列車の走行状況から生ずる騒音振動につき原告らに対し受忍限度内のものであることを主張し得るかというに帰着する。これを肯定すべきときは、原告らのいわゆる差止請求は棄却さるべきこというまでもないが、否定すべき場合においても右請求がただちに全部認容されることになるわけではなく、例えば昼間において騒音七〇ホン、振動毎秒0.6ミリメートルを超える騒音振動侵入を禁止するというような(中間的)結論をとり得ないかどうかについて更に判断を進めることが必要となる。

右受忍限度の判断については、原告らの拠つて立つ法益が人身であるに対し加害行為とされる被告の列車運行も公共性ある行為であつて、何れか一方が社会的に非難排斥せらるべきものというのではないから、必然的に当事者双方の側の諸事情を考慮すべきこととなる。かかる考慮を要すべき主要な事項は次のとおりである。

(一) 侵害行為の態様・程度

(二) 被侵害利益の性質・内容

(三) 侵害行為の公共性

(四) いわゆる発生源対策

(減速を含む。)

(五) いわゆる障害防止対策

(六) いわゆる行政指針

(七) 地域性

(八) 他の交通騒音との比較

右(一)及び(二)については既に説示したところであり、(三)ないし(八)について以下検討する。

1新幹線の公共性について

被告が公法上の法人であり、本件新幹線鉄道の運営が高度の公共性を有することについては、当裁判所も原審と見るところを同じくするので、左に加除、追加するほか原判決理由記載(原判決C一頁二行目からC三九頁末行<同三五八頁一段二四行目〜三六五頁四段二六行目>まで)を引用する。

(一) 原判決C一頁一三行目の「原則的には」から同一五行目<同三五八頁二段七行目〜一〇行目>の「高率割引等」までを、

「国鉄法五一条、財政法三条の特例に関する法律及び国有鉄道運賃法の適用と国会、関係官庁の強い指導を受け、また、通学定期旅客に対する割引等」と改める。

(二) 原判決C二頁一三行目<同二八行目〜二九行目>「輸送網を有し、」とあるのを、「輸送網を有し、公知のように最近数年間被告の損失増大による経営合理化のため事業縮小の傾向にあるとはいえ、現在なお」と改める。

(三) 原判決C五頁一一行目<同段二〇行目>の次に、

「昭和五九年七月一三日の当審口頭弁論終結当時において、東海道新幹線に運行されていた列車本数が定期列車上り九二本、下り九〇本、不定期列車上り三四本、下り三四本であることは公知の事実である。なお、右全列車が本件七キロ区間を通過するわけではないことは前にもふれたとおりである。」と加える。

(四) 原判決C二五頁一一行目から一三行目<同三六一頁四段六行目〜九行目>にかけて「新幹線に対し、在来線は約4.2倍の高速バスは約1.9倍の、航空機は二二一倍のエネルギーを消費している」とあるを「新幹線よりも、在来線は約四二〇〇キロカロリー、高速バスは約一九〇〇キロカロリー、航空機は約二二万キロカロリーのエネルギーを多く消費している」と改める。

(五) 原判決C三一頁七行目<同三六二頁三段一九行目>の次に、

「なお、上記工事中の新幹線のうち、東北新幹線(大宮・盛岡間)、上越新幹線(大宮・新潟間)が既に竣工開通し、東北新幹線上野・大宮間が現に工事中であることは公知の事実である。」

と加える。

(六) 原判決C三五頁一三行目<同三六三頁二段一二行目>の後に、

「なお、昭和五三年度以降の運休列車本数等については、これを認めるべき正確な資料がないが、甲第一〇七九号証によれば、昭和五八年から翌年にかけての冬期降雪により新幹線の遅れが連続三四日に及び、その間の運休列車三二本、遅延列車四四五四本を数えたことが新聞により報道されたことが認められる。」

と加える。

(七) 原判決C三八頁九行目<同三段三二行目>の次に、

「なお、当審口頭弁論終結時においては、ひかりの中に浜松あるいは岐阜羽島に停車するものもあり、こだまの一部が一二輌に編成替されたことは前にも述べたとおりである。」

と加える。

原告らは、公共事業の公共性の要件として必要ないし積極的に規定すべき事項として、周辺住民の基本的人権を侵害しないこと及び周辺住民の同意・参加その他民主主義的手続が保障されることを挙げ、当審証人宮本憲一の証言及び甲第九四四号証を援用する。

しかしながら、原告らのいわんとするところが、国・公共団体等公共事業の主体が事業周辺住民の基本的人権を尊重する責務を負うというのであれば、右は当然の指摘にすぎないのであり、もし、右が公共事業により周辺住民の人権が侵害されるような場合には該事業の公共性が滅却されるとの趣旨であれば、かかる見解には容易に賛成しがたい。けだし、公共事業の公共性はその事業の内容自体から必然的に帯有される性格であるから、その事業遂行の過程において周辺住民の権利侵害等の事例が発生したとしてもそれは全く別個の事柄というべく、これがために該事業の公共性が失われたり、公共性が低減したりするものではないからである。また、周辺住民の同意参加等の手続を必要とするとの所論については、東海道新幹線設置当時においてかかる手続をとることが法律的手続としてはもちろん、社会的ないし行政的慣行としても要求されていなかつたことが明らかなのであるから、本件において右手続がとられなかつたからといつて東海道新幹線の公共性が失われるというものではない。

さらに、原告らは、東海道新幹線のごとき高速鉄道はわが国においてはその必要性が乏しく、むしろ環境破壊、地域開発のひずみ等の弊害をもたらすについての尖兵としての役割を果したにすぎないと主張する。しかしながら、わが国においては既に全国新幹線鉄道整備法が制定せられ、主要区間を時速二〇〇キロメートルをもつて走行し、全国重要都市を結ぶ新幹線網を整備すべきことが法律をもつて定められているのであるから、右新幹線網の一部をなす東海道新幹線もその必要性が法律的、社会的に承認されているものということができる。原告ら主張のごとき見解も、もとより傾聴すべき多くの点を含むことは疑いがないが、右は現時点においてはひつきよう文明批評、人生観の問題の域を出でず、裁判所の判断にはなじまない。原告らの右主張は採用できない。

その他、当審において原告らが提出した<証拠>によるも前記当裁判所の認定判断を左右するに足らず、他にこれを動かすに足る証拠はない。

2いわゆる発生源対策について

(一) 東海道新幹線開通前、被告が、昭和三五年九月東海道本線藤沢・辻堂間において、同年一一月同じく金谷・藤枝間においていずれもこだま型試験車により、昭和三七年四月新幹線綾瀬・鴨宮間モデル線区において試運転電車によりそれぞれ騒音調査をなし、次いで昭和三八、九年ころ日本鉄道技術協会に対し騒音・振動の研究を委託したこと、これらの調査・研究に先だちわが国においても鉄道騒音が関係者により着目研究されていたこと、また、これが住民の苦情の対象となつた事例の存すること等については、当裁判所の認定するところも左に補足・訂正するほか原審と同一であるから原判決d一頁六行目からd六頁九行目<同三六四頁一段二行目〜四段五行目>までの記載を引用する。

(1) 原判決d一頁一一行目、d三頁一三行目及びd四頁一一行目にそれぞれ「前記の如く」とあるのを削る。

(2) 証拠として甲第七九四号証を追加する。

(3) 原判決d五頁六行目<同同二段一四行目>の後に、

「(5) 昭和三八、九年ころ以前においても、列車及び鉄道建設機械の発する騒音・振動に対して沿線住民から苦情が出て、工事計画の・補償のやむなきに至つた事例が存在する。」

と加入し、同七行目冒頭の「(5)」を「(6)」と改める。

右認定によれば、被告は、綾瀬・鴨宮間モデル線区における新幹線試運転電車の騒音試験により、高架橋から10ないし12.5メートル離れ、地上約一メートルの地点で騒音値八七ないし八八デシベルという結果を得ていたものである。一方、原審証人坂芳雄、西亀達夫、高橋浩二の各証言によれば、被告は東海道新幹線建設にあたり、その騒音をいわゆる在来線のそれと同程度にとどめることを目標とし、これを八〇ホンから八五ホンの間に志向していたものであること、しかして前認定の各試験により得られた結果を参酌し、車両・保線関係に考慮を払えば、前記目標を達成し得るものと判断したうえ、在来線に対比し軌道・車両・電気関係に後記のごとき改良を加えて開業に至つたものであることが認められる。

(二) 東海道新幹線が、営業開始時において在来線に対比し、車両、軌道及び電気関係につき有した特徴ないし改良に係る諸点については、当裁判所の認定も原審と同一であるから、原判決d七頁一一行目からd一四頁一二行目<同四段二八行目〜三六五頁四段二九行目>までの記載を引用する。

(三) 東海道新幹線における高架橋、鉄桁等構造物の建設基準、工事の実施、特に本件七キロ区間における無道床鉄桁建設の経緯及び高架橋の基礎工法等の諸点については、左のとおり訂正・補足するほか当裁判所の認定も原審と同一であるから、原判決d一四頁一三行目からd二一頁一四行目<同三〇行目〜三六四頁四段二二行目>まで及びd二三頁一五行目からd二五頁一四行目<同三六七頁一段二九行目〜三段二行目>までを引用する。

(1) 原判決d一九頁二行目<同三六六頁三段二行目>の「前認定の如く」を削り、d二〇頁一四行目冒頭からd二一頁一行目<同四段三行目〜五行目>の「一4(九))。」までを「ロ 古新架道橋も名古屋市との設計協議により無道床鉄桁となるに至つたところ、」と、d二五頁一四行目<同同三六七頁三段一行目〜二行目>を「地下六メートル余り打込まれているにすぎない。」とそれぞれ改める。

(2) <証拠>によるも原審の認定を動かすに足らず、他に右認定をくつがえすに足る新らたな証拠はない。

(3) <証拠>によれば、いわゆる在来線においても、無道床鉄桁においては二五メートル離れまでの地点で一〇〇ホンないし一一〇ホンの騒音が発生していたことが認められるから、被告としては、本件七キロ区間の無道床鉄桁から、新幹線開通後右騒音値と同程度ないしこれを超える騒音が発生すべきことを予測し得たものといわなければならない。

(4) 原告らは、右のように騒音・振動被害の発生が予測可能であつたことに基づき被告がなした線路選定、無道床鉄桁の採用、軌道構造物の設計などについての技術的選択を非難する。しかしながら、人格権に基づく差止請求においては現在の被害の大きさが基本的に重要であり、過去の行為の非難可能性は差止の認否と無関係とはいえないにしても本質的なものではなく、またそれ自体独立した要件事実でもないから、結局、原告らの右の点の主張に対する応答は後述の受忍限度判断において総合的に与えられるところに帰着する。よつて、右主張について個別に判断を加えることは必要がなく、適当でもない。

(四) 東海道新幹線開業後、まず無道床鉄桁付近の住民から騒音に対する苦情が出始め、これを受けて被告が昭和四〇年五月ころ「騒音研究会」を発足させ、これが新幹線建設委員会の「騒音・振動対策小委員会」へ引継がれ、次いで、同四七年八月「騒音・振動防止技術委員会」が設置され、爾来ここで騒音・振動防止対策のための研究開発が推進されていること、現在までに車両、軌道、電気及び構造物について騒音・振動防止のためとられた種々の対策については、当裁判所の認定も原審と同一であるから、原判決d二八頁六行目からd四七頁末行<同四段一九行目〜三〇七頁三段一九行目>までの記載(ただし、d二八頁一一行目<同三六七頁四段二五行目〜二六行目>に「前記1(一)(4)記載の」とあるのを削り、d三三頁三行目<同三六八頁三段一〇行目>に「終了することになつている。」とあるのを「終了した。」と改める。)を引用する。

以上認定の事実関係を要約すれば、騒音については、本件七キロ区間における殆んど全域にわたる防音壁の設置、昭和五〇年から同五二年ころにかけての無道床鉄桁に対する防音工事の実施、一部レールの波状摩耗の削正、摩耗レールの交換等が行われ、その外パンタグラフ碍子、トロリー線、車輪研摩子の改良等の結果、開業当初無道床鉄桁付近において一〇〇ホンを超える値を示した新幹線騒音が昭和五二年ころ以降高架橋付近で平均的には八〇ホン、無道床鉄桁区間でも八五ホン程度に低減するにいたつたものということができる。

しかしながら、前出乙第四四四号証によれば、現在新幹線騒音を音源である車両・線路等の改良により低減せしめることは二五メートル離れ八〇ホンのレベルが一つの大台であることが認められる。また、<証拠>によれば、新幹線振動については、地盤振動発生の機序は複雑で、地盤の性質による振動値のばらつき幅が大きく、建物に共振作用がある等のため、決定的な振動対策はまだ見出されていないこと、被告も東海道新幹線開業後、地盤、構造物の性質、構造と振動伝播の関係につき調査、試験を行い、これに基づき桁支承部の弾性化、沿線地盤にシートパイルを打込む遮断工法、バラストマット工法等の試行をしたが、効果判別の段階に至らなかつたこと、そして、東海道新幹線は高架橋の基礎の重量強度が新設の新幹線に比し劣つており、深度も浅いため、現状では高架橋から二〇メートル程度の距離を保つほか有効な振動の防止対策はない(家屋の防振工については後に述べる。)ことが認められる。

(五) <証拠>を総合すれば左の事実が認められる。

被告は、東海道新幹線開業後、騒音について前記のごとく発生源対策を実施し、相当の成果をあげたが、爾後の技術開発に当つては、多くの騒音発生源(集電系音、空力音、転動音、構造物音等)に対する対策を並行して進めること、右対策の総合効果の確認をすること、対策実施の結果走行の安全性、施設の耐久性に問題を生じないかの確認をすること等が必要となつてきたところ、かかる試行、テストは営業線において実施することが困難であるため、建設中の東北新幹線の小山付近に約四三キロメートルの総合試験線を設置し、昭和五三年八月から二年間にわたり他の試験とあわせて騒音・振動対策試験を実施した。

右試験線の目的、施設の規模・内容・人員・費用の概要、実施された試験の内容、経過、現在までに明らかになつた成果等は被告が当審において主張したとおりである(本判決事実摘示B二〇頁四行目からB四〇頁三行目<判例時報一一五〇号一三九頁二段末行〜一四二頁三段三一行目――本誌では省略した個所>までを参照)。

右試験は、建設中の東北新幹線に使用する予定の構造物を利用して行われ、もとより東海道新幹線におけると同一条件下にあつたものではなく、また、その試験の範囲も騒音・振動対策に限られたものではなかつた。しかして、得られた測定もなお今後の解析・研究を必要とする部分が少なくない。従つて、小山総合試験線における試験・研究により東海道新幹線のための万全の騒音・振動低減方策が確立されたというわけではなく、被告において現在実用化が可能と考えている対策は左の範囲に止まる。

(1) 架線を重量化するとともに、ハンガー及びドロッパーの間隔を短縮すること。右は、防音壁等転動音対策が進むに従い集電系音が相対的に卓越し来たる傾向を参酌し、離線アークの発生頻度を低下させるため考案されたものである。既に東北新幹線においてはH三・五D(現行標準架線のハンガー間隔一〇メートル、ドロッパー間隔五メートルをそれぞれ6.6メートル、3.3メートルに短縮)が採用されているが、東海道新幹線においてもこれを施工しあわせて架線の重量化をはかる。名古屋地区においても近く実施の予定である。

(2) 架線の改良と関連して、将来車両の取換えに際しパンタグラフの改良を実施する。パンタグラフはPS九〇二〇型のA、B、Cが現に開発されており、右(1)の対策とともにスパーク音の低減に有効なものである。

(3) 本件七キロ区間において、バラストマットの敷設は一〇〇〇メートル施工し、沿線住民の反対により中止したが、可能となり次第これを続行する。

(4) ラムダ型防音壁は、その試験が小山総合試験の後開始されたが、東北新幹線における試用の結果効果が認められたので、東海道新幹線の現存防音壁に設置可能か否かが被告の内部で検討されている。

(六) 東海道新幹線において実施可能であると原告らが主張する諸対策について考察する。

(1) 逆L型防音壁及びデルタ型防音壁について

<証拠>を総合すれば、逆L型防音壁及びデルタ型防音壁はいずれも直立型防音壁に比し遮音効果において優れていること、しかしながら、逆L型防音壁はその重量が一メートル当りかつ線路片側当り2.2トンであり、デルタ型防音壁はデルタブロック本体のほか一メートル当りかつ線路片側当り0.8トン(基礎コンクリートは別)の直立壁から構成されているため、現在の東海道新幹線の高架橋には設置することができない(構造物が荷重にたえられない)こと、ことにデルタブロックはレールに近く設置するためバラスト区間においては爾後の線路保守上に支障が多く、この点からもデルタ防音壁の採用に困難があること等が認められる。

なお、東海道新幹線におけるごときラーメン高架橋においては、新らたな重量物を載荷するため一部分に補強等工作をするときは構造物内部の応力のバランスが崩れ、従前の部分と補強部分との一体性を回復することが困難であり、高架橋に補強工作をなして前記各防音壁を設置することもできないことが認められる。

(2) 独立防音壁について

当審証人加藤邦興の証言によれば、独立防音壁は、高架橋に補強を加えるという難点をさけるため、高架橋と独立の支柱等を立てその上に逆L型防音壁を設置しようとするものであることが認められる。しかしながら、<証拠>によれば、かかる防音壁は、構造物自体の大きさ、支柱等の設置間隔等から見ても相当大がかりな工事とならざるを得ず、これに用地の取得、工事中における作業用地として沿線土地の確保(地上構築物の一時撤去を伴う。)の困難さと費用を考え合せれば、その設置により得られる効果と費用とが相償うものではないことが認められる。

(3) 無道床鉄桁の有道床化について

本件七キロ区間において、第2六番町、古新、豊代及び山崎川の四箇所の無道床鉄桁があることは前記のとおりであり、<証拠>によれば、無道床鉄桁の列車騒音が九五ないし一〇五ホン程度であるに対し、有道床の場合にはこれが七六ないし九三ホン程度となるので、有道床化することは騒音防止に有効であると考えられる。

しかしながら、昭和四四年から同五二年にかけて行われた右無道床鉄桁に対する被告の防音工事によつて、その騒音値は高きは第2六番町の九一、二ホンから低きは山崎川の七五ないし七八ホンまで低減し、有道床鉄桁に比しさまで遜色なきにいたつたことは、すでに引用した原判決記載のとおり(d四四頁一四行目からd四七頁末行<同三七〇頁一段二九行目〜三段八行目>まで)である。

しかして、<証拠>によれば、被告は昭和五〇年代初頭鉄桁に亀裂が生ずるという問題が発生したことと関連し、一時無道床鉄桁を有道床化することを技術的に検討したこともあつたが、その後右亀裂の問題も大事に至らず解決し、他方無道床鉄桁の防音工事が前記の如き効果をおさめたため、営業中新幹線の鉄桁の有道床化に伴う多大の技術的困難を考慮するときは現在のところ有道床化の実現可能性は薄いとしてその計画・研究を打ち切つていることが認められる。かかる事情の下においては、被告の右判断は必ずしも非難さるべきものとはいえない。

(4) 車両の軽量化について

<証拠>によれば、被告の鉄道技術研究所においてANDESと呼ばれる軽量・小型の車両の研究が行われたことを認め得る。しかしながら、<証拠>によれば、右ANDES等車両軽量化の研究は、現在車両に搭載されている変圧器、整流器等各種機器を車両から排除する等現行車両構造の大幅な変更を前提とする新システムの採用が条件になつており、現行車両にそのまま応用し得るものではないこと、現在の東海道新幹線の車両(一両六〇トン)にアルミ合金等を使用して軽量化をはかつても低減し得るのは三トン前後にすぎないと概算されていることが認められる。

(5) 軌道関係防振対策の開発について

軌道関係の防振対策としては、防振レール(甲第一〇八三、一〇八四号証)、レール製造用の新合金(甲第一〇八五、一〇八六号証)、弾性まくら木(甲第八八一号証)、まくら木パッド(甲第一〇八七号証)、フエライト複合まくら木材(甲第八八九、八九〇号証)、有床低ばねレール締結方式(甲第八八二号証)、イソリフトフレックス(フランスで開発されたバラストマットの一種。甲第八九一、八九二号証)、ラブロック式防振ユニット(甲第一〇八八号証)等を原告らは指摘する。

<証拠>によれば、右防振レール、弾性まくら木、まくら木パッド、有床低ばねレール締結等はいずれも被告自身において開発したものであるが、なお実用化されるにいたつていないものであるか、または、他の対策が既にとられていることにより併用しても効果がないもの(まくら木パッド)であると認められる。

<証拠>によれば、レール用合金、フエライト複合まくら木材の開発がなされていることが認められるが、これが充分な実験研究を経たもので、実用に供し得ると認めるに足る資料は存在しない。

<証拠>によれば、フランスにおいてイソリフ型マット、ベルギーにおいてはラブロック防振ユニットが開発されたことが認められる。しかして、右庄司四郎の証言によれば、イソリフ型マットは既に被告の鉄道技術研究所軌道研究室においてこれを取寄せ、試験検討したが、結局新幹線のごとき高速走行下の苛酷な条件に堪え得ないという結論に達したことが認められる。また、ラブロック防振ユニットについては、右甲第一〇八八号証のみによつては、これが東海道新幹線の軌道に応用可能なりや否やにわかに判定し難い。

(6) その他原告らは、いわゆる低バネ軌道(甲第八九一号証)及びレールの重量化(甲第一〇八三号証)について主張するが、低バネ軌道は原告ら自身現行新幹線に応用し得ないことを認めているものであり、アメリカ・ソ連の鉄道において七五キログラムレールが採用されているからといつて、車両の重量、編成、駆動方式、軌道、構造物等諸般の条件を異にするわが国の新幹線に同様の措置を構すべきか否かは、今後なお検討を要するものと思われる。

(7) 振動防止のための構造物の補強について

原告らは、振動防止のため新幹線の高架橋を補強しその質量を増加させる工事をなすべきであると主張する。当審証人小林芳正の証言によるも、純理的には高架橋脚の質量、剛性と地盤振動との間に相関々係の存在することは認め得るが、他面前記半谷証人の証言によれば、振動防止のための補強においては、多大の質量を現存構造物に付加し、別個に基礎を打設する等の必要があり、相当大規模な工事となるため、新たな用地の取得、運行中の列車に対する危険等を考慮すると、右は容易に実施し得ない工事であることが認められる。のみならず、高架橋に補強付加すべき質量、工事の地盤振動減少に対する効果の具体的数値等は、これを認めるに足る資料が存在しない。

(8) 振動遮断工について

さきに述べたように、被告は小山総合試験線において、各種振動遮断対策の試験をなし、四型式の地中壁(発泡ウレタン壁、コンクリート壁)、四型式の支持材付空溝(満水及び砂充填のものを含む。)を高架橋中心から八メートル離れ、延長四三メートルとして振動減少の効果を測定した。しかして、<証拠>によれば、右空溝、地中壁の振動遮断の効果は比較的局限されたものであり、深さ五メートルの遮断工において背面五ないし七メートルの距離から既に効果を失うこと、遮断の効果の場所によるばらつきが大きく振動が増幅する例もあること、遮断工は高架構造物に近接し、これとほぼ平行的に設置せざるを得ないが、かかる位置には家屋・道路等が存在するのが通常でその用地確保は極めて困難であること、右のような事情から被告としては遮断工の採用には消極的であること等の事実が認められる。

さらに<証拠>によれば、振動対策としては、高架橋の両側に地中壁を構築し上部をタイロッドで結ぶ工法、高架橋のフーチングをコンクリート地中壁で囲い込む工法が考えられることが認められる。しかしながら、小林の着想にかかる右工法は、右証言の内容から窺われるように、いまだ充分な土木工学的検討を経ていないものであり、前記半谷証人の証言によるも高架橋基礎に余りに接近して地中壁を設置するにおいては構造物の沈下等別の危険の発生も考えられるのであるから、右両工法もまたにわかに実施可能であるとはいい難い。

(9) 地下化について

原告らは、騒音振動対策の一つとして本件七キロ区間の新幹線軌道を地下化すべきであると主張する。本件七キロ区間の地下化は、新線の建設であつて、それ自体重大な案件であるが、七キロメートルの地下化はその前後に相当の長さの地下区間の設定を必要とするから、その延長は当然七キロメートルに止まるものではない。原審証人竜沢俊文の証言によれば、七キロ区間の地下化のためには十数キロメートルの地下化工事を必要とすることが認められる。しかるところ、本件においては、右地下新線の経路・構造その他の細目さらには技術的可能性について何ら具体的主張立証がない。わずかに、費用の点につき前記竜沢証人が、地下化に要する工事費は昭和五三年の時点において一メートル当り一五〇〇万円程度を要する旨の概括的見積りを与えているに止まる。これによれば、地下工事の延長を一〇キロメートルとしても工事費として一五〇〇億円を要することとなる。これに名古屋地下新駅の建設費その他付帯の費用、現在路線廃止に伴う損失、さらに従来被告の支出した障害防止対策費用等無駄に帰する金額を加算すれば、結局地下化のために被告の負担すべき費用は極めて巨大なものとならざるをえない。地下新線の建設もまた実施可能な対策であるとはいい難い。

(七)  以上説示のとおりであつて、新らたな発生源対策の採用は、単に理論的に考え得るというのみでは足らず、まず列車運行の安全性、次いで、保守、耐久性、費用その他諸般の関係を考慮したうえで決定されねばならないものである。ことに、その費用の支出が終局的に国民全体の負担に帰する被告の立場としては、効果の必ずしも明らかでない対策に対して巨額の費用を投入して試行錯誤をくり返すなどということが許されないこというまでもない。かかる観点から被告の従来とり来つた発生源対策に対する態度を検討すれば、原告らの主張するごとく被告が公害防止義務を懈怠しているとまでは到底論結し得ないものである。

(八) 騒音・振動対策としての減速について

(1) 減速運転の方法

新幹線列車がATC装置による自動速度制御方式により運転されていること、ATCによる信号現示の実際及びATC現示改良工事の内容並びに新幹線列車を減速走行させる方法及び本件七キロ区間における減速運転方法については、左に付加補正するほか当審の事実認定も原審と同一であるから、原判決の記載(f一頁八行目からf一四頁一四行目<同同三七六頁三段一八行目〜三七八頁三段四行目>まで)を引用する。

ア 原判決f六頁一四行目の「各証言」の次に「甲第八三七号証、第八四一号証、当審証人押田敏雄の証言」を追加する。

イ 原判決f七頁末行<同三七七頁三段七行目>の「完成したものとみられる。」とあるのを「完成した。」と訂正し、その後に行を改めて、

「右ATC現示改良工事が完成した結果、約三キロメートルの一信号区間がそれぞれ約1.5キロメートルの軌道回路単位に二分割され、また、三〇信号と一六〇信号との間に一一〇又は七〇信号が加えられたため、例えば従前の三〇信号区間(三キロメートル)を1.5キロメートルの三〇信号現示区間と1.5キロメートルの一一〇又は七〇信号現示区間とに二分することによつて、従前の一信号区間における列車走行時間を短縮することが可能となり、また先行列車と後続列車との間隔を短縮することも可能となつた。」と付加する。

(2) 減速の効果

ア 騒音低減効果について

新幹線の列車速度と騒音レベルとの関係が列車速度の二乗ないし三乗の対数にほぼ比例する(従つて、例えば列車走行速度を時速二〇〇キロメートルから時速一〇〇キロメートルに減速すると、二乗則では六ホン減、三乗則では九ホン減となる。)こと及び本件七キロ区域における減音効果等については、当裁判所の認定も原審と同一であるから、原判決の記載(f一八頁一〇行目からf二三頁七行目<同三七九頁一段七行目〜四段一〇行目>まで)を引用する。

イ 振動低減効果について

列車速度と地盤振動との関係については、先に新幹線振動の一般的特徴について検討した際触れたところであり、列車が減速走行した場合の振動測定事例等についても同所で認定した。

右認定事実と認定に際して採用した各証拠に<証拠>を総合すると、振動の大きさは新幹線列車の走行速度と大きな関係があり、走行速度が増すと振動も増大するが、その程度は構造物の種類、地盤の構造・性質等により大きく影響されるため、騒音の場合に比してその相関々係の法則性を確定し難いこと、ただし、列車速度が時速七〇キロメートルから時速一五〇キロメートル前後に加速するまでは列車速度の増加とともに振動レベルもほぼ比例的に増加し、それ以上高速になると振動レベルの増加の程度が少なくなる傾向があること、また、列車速度と振動との関係を調査した具体的測定事例を検討すると、測定地点によりあるいは列車によりその振動レベルの差にばらつきが存するけれども、列車速度を時速約二〇〇キロメートルから時速約一〇〇キロメートルに減速すると概ね五ないし八デシベル、同じく時速約七〇キロメートル程度に減速すると概ね八ないし一二デシベル減少する場合の多いことが認められる。原告らは、列車速度と振動レベルとの関係は単に相関々係があるというにとどまらず、振動レベルは概ね列車速度の二乗ないし三乗の対数に比例して変化することが明らかである旨主張し、<証拠>を援用する。しかし、当裁判所の前記認定結果も右に述べたように概括的な傾向を窺わせるに止まり、前掲各証拠に照すも、原告らが右法則性主張の根拠とした測定事例はその数が少なく、右程度の調査結果の解析によつては、未だ二乗則または三乗則と呼ぶに足るべき正確な法則が存在するとまでは認め難いものである。

(3) 減速の影響

ア 一一〇キロ減速による増加時分

<証拠>によれば、次の事実を認めることができる。

本件七キロ区間(東京起点332.893ないし339.833キロメートル)を列車が時速一一〇キロメートルで減速走行する場合、下り列車では、下四Tないし下一Tの信号区間に一一〇信号を現示することになるが、その手前の下五Tの信号入口(本件七キロ区間の始点より約6.5キロメートル東方地点)でまず一六〇信号を受けて減速を開始し、下四Tの入ロ(同じく約3.5キロメートル東方地点)で一一〇信号を受けてさらに減速し、時速約一〇四キロメートルで走行しながら下三Tの信号区間にある本件七キロ区間の始点に進入して行くことになる。この減速走行をした場合における下り列車の運転線図上の所要時分の増加は二分四〇秒である。また、上り列車では、名古屋駅を発車してから本件七キロ区間を通過し終るまで減速走行を続ける必要があり、四LTないし上二〇Tまでの信号区間に一一〇信号を現示することになるが、列車が本件七キロ区間を出て上一九Tの信号区間に入ると二一〇信号を受けて加速し、同区間を約7.5キロメートル過ぎた時点で時速二〇〇キロメートルに達することになる。この減速走行をした場合における上り列車の運転線図上の所要時分の増加は二分一一秒である。以上の増加時分は被告の運転線図に基づく計算上の数値であるが、本件七キロ区間を手動操作により減速走行する方法、すなわちATC信号は二一〇信号現示のままで、手動制御により右区間を時速一一〇キロ走行する方法によると減速走行区間を短縮することが可能となり、右減速方法による実績では、所要時分の増加は下り列車一分四七秒、上り列車一分五六秒であり、前記計算上の数値より少なくなつている。

また、列車走行の実際においては余裕時分なるものが規定されており、東海道新幹線の余裕時分表によると、ひかりの余裕時分は名古屋・豊橋間下り一分三〇秒、上り四五秒、こだまは同区間で下り二分三〇秒、上り三分であり、また、ひかりの豊橋・浜松間の余裕時分は下り一分四五秒、上り一分一五秒である。従つて、本件七キロ区間の減速走行による前記増加時分は、ひかりの下りとこだまは名古屋・豊橋間で、ひかりの上りも浜松まででいずれも余裕時分に吸収されてしまい、列車に遅延を生じさせないことができる。昭和四九年二月から同五八年六月の九年余にわたり、本件七キロ区間において動労所属の運転士により継続的に時速一一〇キロメートル程度の減速運転が実施されてきたが、右減速運転により列車の遅れはほとんど現われなかつたものである。

しかし、<証拠>によれば、ひかり東京・新大阪間の余裕時分は昭和五五年一〇月現在において下り一三分四五秒、上り一二分四五秒であるが、右余裕時分は、元来線路の保守作業等により必要となる徐行運転から生ずる列車の遅れを調整する目的で定められているものであり、仮に徐行区間がないため余裕時分を消化しきれない場合には全体としての運転速度の中に運転士の裁量で調節していく性質のものであることが認められるから、右余裕時分を予め一定区間の減速のために充てることには限界があるし、本来予定されていないことであるといわねばならない。

なお、<証拠>によれば、本件七キロ区間を列車が七〇信号を受けて走行する場合には、実際の速度は時速六五、六キロメートルとなり、下り列車の増加時分は約六分であり、上り列車の増加時分は約四分四〇秒であることが認められる。

イ 減速走行の運転間隔に及ぼす影響

<証拠>によれば、次の事実が認められる。列車がある信号区間を減速して走行した場合、その区間の通過時間が増加するので、その後方の信号区間に現示される信号(三〇信号)が上位の信号(一一〇又は七〇信号)に変るまでの時間も増大する。従つて、列車間隔が詰つていれば、後続列車が三〇信号を受ける機会が増加し、後続列車の低速走行区間が長くなると、先行列車と後続列車の運転間隔も長くならざるをえないことになる。しかし、信号現示改良工事が完成して列車の運転間隔をつめることが可能になつたため、現在の五―五パターンの列車ダイヤの下では、本件七キロ区間を時速一〇〇キロメートル程度に減速走行しても、後続列車に影響を与えることはなく、列車の運転間隔及び運行本数に影響することはない。

ウ  被告は、東海道新幹線においては、本件七キロ区間につき減速による騒音振動の減少をはからねばならぬとすれば、これと同様に減速せざるを得ない他の区間が二七〇箇所延長三七〇キロメートル、少なく見積つても五一箇所延長二〇〇キロメートル存在すると主張するので、右区間を減速することによる増加時分について検討する。

a  <証拠>によれば、東京・新大阪間において、後述の新幹線騒音に係る環境基準に定める地域類型Ⅰに該当する区間は二七〇箇所延長三七〇キロメートルであり、この類型Ⅰに該当する区間を時速七〇キロメートルで走行するとすれば、東京・新大阪間の到着時分はひかり八時間二〇分、こだま九時間二〇分となることが認められる。

b  <証拠>によれば、次の事実を認めることができる。

被告は、東京・新大阪間における都市計画法上の第一種、第二種住居専用地域及び騒音規制法に基づく住居相当地域を主体とし、航空写真上の判断をも参考として、本件七キロ区間と同様に騒音。振動を規制しなければならない地域として五一箇所、延長約二〇〇キロメートルを選定した。この区間を時速七〇キロメートルで走行するとすれば、東京・新大阪間の所要時間はひかり六時間五〇分、こだま七時間五〇分となり、時速一一〇キロメートルで走行するとすればその所要時間はひかり四時間四五分(増加時分九五分)、こだま五時間三一分(増加時分九一分)となる。また、東海道新幹線の列車設定可能本数は現在ひかり六二本、こだま三五本(片道)であるが、右約二〇〇キロメートル区間を時速一一〇キロメートルで走行する場合には、その本数はひかり約五二本、こだま約二四本に減少し、五七年度の乗客数実績を基礎に算出すると、繁忙期の週末の一日平均乗車効率は現行九六パーセントに対し一一六パーセントとなり、その日の列車の約七割が定員を超えた乗車となるものである。

エ 右に対し原告らは、仮に本件七キロ区間以外の区間において減速するとしても、被告主張のごとき長区間である必要はないと主張するところ、<証拠>によれば、次の事実が認められる。

名古屋大学工学部助教授吉村功は、国勢調査の地域メッシュ統計、国土地理院発行の二万五〇〇〇分の一地図、同院企画にかかる航空写真を主として利用し、統計的手法により東海道新幹線の沿線各地の人家の密集状況を数量的に表現することによつて各地の騒音振動被害の量を比較する作業を行つた。これによると、一位東京から一四位三島まで人口高密度の地区一四箇所が存在し、長い区間にわたり人口高密度の状態が連続するという点で、本件七キロ区間は東京に次ぎ、大阪を上回るという結果となつている。そして、右一四箇所のうち小田原地区のように沿線の特殊な状況から被害を受ける人口の少ない箇所及び本件七キロ区間を除外し、残りの一二箇所の区間において時速一一〇キロメートルの減速走行をした場合の増加時分は、ひかりの場合下り二三分八秒、上り二六分二四秒、こだまの場合下り一三分三二秒、上り一七分一二秒となる。また、本件七キロ区間以外に東京・新横浜間及び新大阪付近を減速走行する場合には、東京駅から多摩川付近までは曲線による速度制限のため従来から時速一一〇キロメートル以下の低速運転区間であるため、その増加時分はひかりの場合下り二分五三秒、上り三分四五秒となるものである。

3障害防止対策及び関連諸施策について

(一) いわゆる緊急指針以降昭和五四年四月までの障害防止対策

被告が新幹線騒音に係る緊急指針に基づく障害防止対策を実施するため、昭和四九年六月から第一次処理要綱を実施し、騒音八五ホン以上の住宅につき防音工事、移転等の助成をなし、またいわゆる二〇メートル対策を実施したこと、次いで新幹線騒音に係る環境基準及び新幹線振動に係る緊急指針に基づく障害防止対策として昭和五一年一二月から第二次処理要綱を実施し、防音工事、移転助成対象家屋を拡大し、防振工事の助成をこれに加えたこと、さらに、南方貨物線の建設に伴う移転対策が本件七キロ区間のうち約2.3キロメートルについて新幹線の移転対策助成と重複して実施されるにいたつたこと、これら各対策の具体的内容及び昭和五四年四月一日現在までの進捗状況等の事実については、当裁判所の認定は原審と同一であるからその理由記載(h一頁二行目からh二二頁四行目<同三九五頁三段一六行目〜三九八頁三段三二行目>まで。原判決添付第2、第3表を含む。)を引用する(ただし、h六頁一〇行目に「前認定」とあるのを「乙第四三号証記載」と、h一八頁九行目に「南方貨物」とあるのを「南方貨物線」と訂正する。)。

(二) 昭和五四年四月以降の障害防止対策

(1) 防音工関係

<証拠>によれば次の事実を認めることができる。

被告は、従来第二次処理要綱に基づき騒音八〇ホン以上の区域を対象として前記騒音対策を実施してきたところ、昭和五五年度中に既設新幹線の全線において右八〇ホン対策がほぼ完了する見通しが得られたので、同五六年三月から、第二次処理要綱の一部を改正して、騒音対策の対象範囲を七五ホンを超え八〇ホン未満の地域に所在する住宅に拡大した。これにより、防音工の種類も、従来は騒音八五ホン以上の住宅を対象とする一級工法と、騒音八〇ホン以上八五ホン未満の住宅を対象とする二級工法の二種類であつたところ、これに騒音七五ホンを超え八〇ホン未満の住宅を対象とする三級工法が追加されて合計三種類となつた。右一級ないし三級工法は、屋内においてそれぞれ三〇ホン、二五ホン、二〇ホンの減音効果を目標として設計されたものである。

新しく追加された三級工法の概要は、被告が定めた設計施工標準(いわゆる標準工法)によるが、これにはコンクリート系住宅工法と木造系住宅工法とがあり、後者は、家屋全体の外壁及び対象室の内壁をいずれも隙間のないよう穴埋め及び補修をしたうえ塗装で仕上げ、対象室の開口部の外部は防音型アルミサッシに取り替え、内部は建具類のビビリ振動を防止するため防振パッキングを取り付け、かつ対象室に防音効果の得られる換気装置を取り付ける、対象室以外の開口部はアルミサッシに取り替え、出入口ドアはアルミドアに取り替え、かつ対象室以外の部屋には消音付換気装置を取り付けるというものである。なお、対策の対象建物を昭和五一年三月九日現に所在する建物とし、対象室数を家族一人一室、最高四室までとすることは従前と同様である。

(2) 防振工関係

<証拠>によれば次の事実を認めることができる。

被告は昭和四八年ころから家屋防振工法の研究開発を進めてきたが、それが実用段階に達したとして、昭和五五年七月一日第二次処理要綱の一部を改正し、家屋に対する防振工の具体的仕様を定め、これまで移転を主にして実施してきた振動対策に防振工の実施を加えることとした。

右防振工法を実施するため、被告は設計施工標準を定めたが、これによれば標準工法は七〇デシベルを超える地域に所在する既設の木造住宅に適用され、その基本的考え方は、第一に一階の床下にコンクリートを打設して地盤から建物の中に入つてくる振動を抑える、第二に一階及び二階の床組を構成している部材を増強して床を振動しにくくする、第三に振動伝播経路の各部を補強して、家屋振動増幅を抑制しようというものであり、結局、家屋内振動を地盤振動と同程度になるように減少(すなわち、約五デシベル減少)させることを目的とするものである。

なお、障害防止対策としての防音・防振工助成は対象家屋の所有者と施工業者が各個に工事請負契約を締結し、被告は当該家屋の前記標準工法に合致すると認めた工事に要する費用を支払う方法により行われるものであつて、被告が直接防音・防振工事の施工にあたるわけではない。

(3) 移転補償関係

<証拠>によれば、移転補償の関係については昭和五四年四月以降もその内容に変りがなく、第二次処理要綱及び南方貨物線の移転対策にもとづいてその対策の実施が進められてきたものであることが認められる(従つて、本件七キロ区間については、新幹線軌道の両側二〇メートル内に住居がある場合、騒音八五ホン以上の地域で防音工事によつては屋内値六〇ホンに達しないと認められる場合、新幹線軌道に接する一列目の建物のうち七四デシベル以上の振動に暴露されている場合及び南方貨物線の両側二〇メートル内に土地がある場合に移転補償の対象となる。なお、新幹線軌道より二〇メートル以内に住居を有する者が移転を希望しないときは、防音・防振工助成を受けることができる。)。

(三) 障害防止対策の実施状況

<証拠>によれば、次の事実を認めることができる。

(1) 昭和五四年四月一日現在までの障害防止対策の進捗状況は前記(原判決引用)のとおりであるが、その後被告の助成を受け入れた戸数は著しく増加し、昭和五九年三月一五日現在の進捗状況は、新幹線の東京・博多間全線においてB第七表記載のとおりである。すなわち、八〇ホン対策については対象戸数一万四七二三戸に対し一万四五三七戸(九九パーセント)、七五ホン対策については対象戸数二万四〇〇〇戸に対し一万三一一四戸(五五パーセント)、振動対策については対象戸数三〇五〇戸に対し一四八二戸(四九パーセント)がいずれも完了している。

(2) 本件七キロ区間における昭和五九年三月一五日現在の障害防止対策の進捗状況はB第八表記載のとおりである。すなわち、八〇ホン対策としての防音工については対象戸数七八〇戸(うち原告六四戸)に対し契約済七六九戸(九九パーセント、原告については九一パーセント)、七五ホン対策については対象戸数五七四戸(うち原告四五戸)に対し契約済四八一戸(八四パーセント、原告についても同率)であり、振動対策については対象戸数八〇五戸(うち原告一四一戸)に対し移転契約済四二〇戸、防振工契約済二五四戸(合計八四パーセント、原告については七五パーセント)である。以上を合計すると、対象戸数は二一五九戸(うち原告二五〇戸)、対策済戸数は一九二四戸(うち原告二〇二戸)、進捗率は八九パーセント(原告については八一パーセント)となる。ただし、本件七キロ区間においては、軌道の両側二〇メートルの範囲内の全家屋につき振動対策としての移転対策がとられているので、騒音対策と振動対策の両者に重複計上されている家屋がある。その重複計上戸数の内訳はB第九表に記載のとおりであり、右重複分を一戸として計算すると、結局、原告らに対する障害防止対策は要対策戸数一九六戸のうち一五七戸(八〇パーセント)につき対策ずみであつて、未対策の原告戸数は三九戸(二〇パーセント)ということになる(もつとも、右は昭和五九年三月一五日現在の戸数であつて、同月末現在においては、三級防音工助成対象家屋の二戸増加により、未対策原告戸数は四一戸となつている。)。

右によれば、昭和五四年四月一日現在において移転契約済原告七五世帯、防音工助成契約済原告三世帯であつたのに比し、現在は被告の障害防止対策を受け入れた原告数は大巾に増加したものということができる。

(3) 昭和五九年三月三一日現在における原告らごとの障害防止対策の実施状況(対策内容、対策時期、対策費等)はB第一一表の障害防止対策欄記載のとおり(ただし、同一覧表一七四頁の「防音工(2級)」とあるのを「防音工(1級)」と同二〇六頁の「三四、四五一、〇〇〇円」とあるのを「三四、五四一、〇〇〇円」とそれぞれ改める。)であり、未対策原告をその理由別に分類するとB第一〇表記載のとおりである。

(4) 被告が右障害防止対策に要した工事費、補償費は、本件七キロ区間については八四億円(内訳、騒音二二億円、振動分六二億円)、東京・博多間全線については七五四億円(内訳、騒音分六三四億円、振動分一二〇億円)であり、このほか被告は防音壁、鉄桁防音工の音源対策のための工事費として五四七億円(うち本件七キロ区間分は一二億円)を支出している。以上を合計すると被告が東海道山陽新幹線鉄道列車の走行による沿線環境の悪化を防止するために負担した工事費の総額は約一三〇〇億円である。

(四) 学校、病院等に対する障害防止対策

乙第六七四号証の一ないし四、原審証人竜沢俊文の証言によれば次の事実を認めることができる。

本件七キロ区間における防音工の対象学校は、明治小学校、千年小学校、千年保育園及び童子保育園の四校であるが、そのうち前二校については昭和五四年四月までに防音工が完了していたものである。そして、千年保育園に対する防音工は昭和五四年五月一日に完了し、童子保育園については昭和五二年ごろから協議中であるが、同保育園の建物改築問題とも絡み、なお結論が出るにいたつていない。

対象病院は田口産婦人科病院のみであり、同病院とも被告は昭和五二年一一月から協議中であるが、これもいまだ結論が出るにいたつていないものである。

(五) 家屋補償、テレビ受信障害対策

(1) 家屋補償につき、被告は昭和四六年以降沿線住民から家屋損傷の申立てがあつた都度協議し、原則として復旧費の半分を支払うという処理をなし、昭和五二年一月末現在原告のうち一八名につき補償金の支払がなされたこと、テレビの受信障害については、被告はNHKにその対策を依頼し、その結果共同アンテナ方式による対策が広く実施され、原告についても昭和五二年二月現在これを辞退している七世帯を除きすべてこの対策を受け入れていること等の事実については、当裁判所の認定も原審と同一であるから原判決の理由記載(h二二頁六行目からh二四頁一〇行目<同三九八頁四段一行目〜三九九頁一段五行目>まで。原判決添付第5表を含む。)を引用する。

(2) 乙第六七五号証の三によれば、原告永井勉(ノ53)から被告に対し、便所と風呂場のコンクリートに亀裂が生じたとの申出があり、被告は昭和五七年三月三一日金三万四〇〇〇円の補償金を支払つて解決していることが認められる。

(六) 障害防止対策の効果

(1) 防音工について

ア  一般住宅に対する一級ないし三級防音工の標準工法はそれぞれ三〇ホン、二五ホン、二〇ホン程度の減音効果を予定していること前述のとおりであるが、<証拠>によれば、本件七キロ区間における一例として、熱田区四番町一丁目所在の一級防音工を施工した木造二階建住宅においては室外九一ホンに対し室内五三ホンで三八ホン減、同区切戸町所在の二級防音工を施工した木造二階建住宅においては室外八〇ホンに対し室内五六ホンで二四ホン減の各防音効果の存したことが認められ、また豊橋市所在の被告豊橋職員集会所の防音工も室内約五五ホン(室外八〇ないし九〇ホン)となる遮音効果が認められている。

イ <証拠>、当審における検証(第二、三回)の結果によれば、防音工を施工した原告ら宅の減音効果について次のとおり認めることができる。

a 一級防音工を施工した堀之内鉎子(フ42)宅における屋外(地上値)と二階屋内(窓を閉めた状態)との騒音値の差は平均約二五ホンである。

b 二級防音工を施工した長野貫一(タ22)宅における家屋内外の騒音値の差は平均約二六ホンであり、同じく浅井サイ子(フ29)宅におけるその差は平均約一九ホン、加藤実(非原告)宅における差は平均二二ホン、鬼頭常雄(フ15)宅の二階における差は被告測定で平均約二五ホン、原告ら測定(屋外は地上値)で平均約二四ホン、松井源之助(ノ20)宅における差は被告測定で平均約二一ホン、原告ら測定で平均約二〇ホンである。

c 三級防音工を施工した横井敬三(タ52)宅における家屋内外の騒音値の差は平均約二二ホンであり、同じく村上幸子(フ20)宅の二階における差は被告測定で平均約二〇ホン、原告測定(屋外は地上値)で平均約二一ホンである。

d 二級防音工・防振工施工と同時に新築した内藤八男(フ70)宅の二階における家屋内外の騒音値の差は一重窓の場合平均約二六ホン、二重窓の場合平均約三〇ホン(原告ら測定による二階室内と地上値との差は一重窓の場合平均約二一ホン、二重窓の場合平均約二七ホン)であり、同じく二級防音工施工と同時に新築した石黒三郎(フ48)宅の二階における差は被告測定で平均約二〇ホン、原告ら測定(屋外は地上値)で平均約二一ホンである。

ウ 右によれば、防音工施工家屋の減音効果については、家屋により多少の差異のあることは否定できないが、おおむね被告の予定した値に近い減音効果のあることが認められる。

(2) 防振工について

木造住宅の標準工法は屋内振動を地盤振動と同程度に低減(約五デシベル減)させることを目的とするものであることは前述のとおりであるが、<証拠>によれば、防振工を施工した長野貫一(タ22)宅においては屋内(一階床板上)振動値は地表値(地盤振動)よりも平均約四デシベル低減し、同じく横井敬三(タ52)宅では平均約八デシベル、浅井サイ子(フ29)宅では平均約三デシベル、加藤実(非原告)宅では平均約二デシベル、鬼頭常雄(フ15)宅では平均約五デシベル(原告ら測定による二階畳上では地表値より平均約一デシベル増)それぞれ低減しており、松井源之助(ノ20)宅においては屋内振動値と地表値との差は平均〇デシベル(原告ら測定による畳上でも同じ。)であること、防振工施工と同時に新築した内藤八男(フ70)宅においては原告ら測定による二階畳上の振動値は地表値より平均約七デシベル増加している(一般に二階での振動は一階より大きく、また畳上で振動値を測定すると、計器の接置共振等の理由により床板上の測定値よりも二、三デシベル程度高い振動値となる。)ことが認められる。

右によれば、防振工施工家屋の振動低減効果については、被告の目標値とほぼ同じかそれをやや上廻る程度の低減効果のあることが認められる。

(3) なお、<証拠>によれば、右中川武夫らは障害防止対策を受けた原告五二戸の騒音・振動を測定(二階のある家は二階で、振動は座席用ピックアップを畳上で使用。)したところ、防音工を施工した五二戸中六一ホン以上が一一戸(約二一パーセント)、六〇ホンないし五六ホンが一九戸(約三パーセント)、五五ホン以下が二二戸(約四パーセント)であり、これらの騒音値は屋外騒音値に比し一五ないし三〇ホン減少していること、防振工を施工した二五戸の屋内振動の状況は七〇デシベル以上が一一戸(四四パーセント)、六九ないし六六デシベルが一〇戸(四〇パーセント)、六五デシベル以下が四戸(一六パーセント)であつたことが認められる。しかし、これらの測定は測定方法、測定場所等も前記と異なり、しかも右測定結果は前認定の測定結果とかならずしも矛盾するものではないから、防音工・防振工の効果についての前記認定判断を左右するものではない。

(七) 障害防止対策の評価

原告らは、被告の障害防止対策は多くの難点があり不十分であるから、合理的な公害防止対策というに値しない旨強調するので、以下この点について検討する。

(1) 防音工・防振工助成について

ア  原告らは、被告は防音工・防振工についてそれぞれいわゆる標準工法を定めてはいるものの、工事施工にあたりその内容どおりの工事がなされているか否かを監督せず、施工後も外観検査をなすに止まりその効果の事後的確認もしていない、また、被告の定めた標準工法や助成限度金の範囲内では対象家屋によつては十分な効果があがつていない旨主張する。なる程、防音工・防振工助成は対象家屋所有者と施工業者間において工事請負契約をなし、被告が家屋所有者に対してその費用を助成するものであるから、不十分な工事がなされる可能性を全く否定することはできないとしても、反面当該家屋所有者の意図に副つた内容の工事とする可能性も存し、右方式は家屋改築工事の性質上ある程度やむを得ないものと考えられる(なお、家屋の老朽化がはなはだしい場合には、防音工・防振工助成と同時に家屋を新築する方法も認められている。)。また、その支払われた助成金額も一戸当り数百円であつて決して少額とはいえず、標準工法による工事施工の一般的・標準的な効果についてはおおむね目標を達成しているものといいうるものであること前認定のとおりであるから、原告らの右主張は当を得たものとはいい難い。

イ  原告らは、防音工は家屋の密閉構造を前提としているが、そのための生活上の不便についての対策がなされておらず、対象室数の限定も合理的根拠がないと主張する。確かに、窓を閉め切つていることにより不快・不便を感ずることがあり、クーラーや換気扇を使用するについても時間的に限界があるうえ、その使用に要する電気代等の維持費も軽視し難いこと、対象室限定による不便、クーラー・換気扇など器材の劣化・消耗などいまだ解決されるべき問題点がない訳ではない。しかし、現代の都市生活においてはクーラー等も普及してきておりその利点もあること、またそれを使用しなくても、一般に窓を閉じて生活する時間帯もかなり存在し、その場合には相当の減音効果の認められること等を考慮すると、被告の防音工助成は十分評価しうるものというべきである。この点に関し、原告らが当審において提出した各陳述書の内容はその短所のみを強調して、有する長所を軽視しているきらいがあり、にわかに措信することができない。

ウ 原告らは、名古屋地域のように地盤が軟弱で振動の激しいところでは地域の条件に合つた防振工法を開発すべきである旨主張する。しかし、家屋内振動を地表値並みに抑制するという標準工法の目的は本件七キロ地域においてもほぼ達成されていること前認定のとおりである。もとより振動は家屋によつて差が著しいものであること、また、防音工による振動の影響の相対的増大の問題、二階振動の激しさを訴えている原告らの多いことなどを考慮すると、なお将来は防振工助成の対象家屋を確定するにつきその振動値の測定を家屋内や二階測定値をもつてするなどの配慮がなされる必要があるようにも思われる。

エ また、原告らは、原告が借家人の場合家主の承諾がなければ対策を受けられず、さらに被告の助成契約には一旦対策を受けるとその後移転補償を受けることができない旨のいわゆる解決条項が付されており不当であると主張する。原告らのうちには右のごとき事情によりその対策の受け入れが遅れた者もあることは容易に推認されるところではあるが、先に認定した未対策原告一覧表(B第一〇表)記載のとおり、現在関係人との権利関係調整中のため対策を受け入れていない原告家屋は五戸にすぎないものである。また、右解決条項は将来移転希望を生じた者との話し合いの余地まで一切否定した趣旨のものではないと解される。

(2) 移転補償について

ア  原告らは、被告の補償価格が不十分であり、特に跡地の買取補償額が低廉である旨主張する。しかし、<証拠>によれば、移転助成の補償額は「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」(昭和三七年閣議決定)に準じ、土地については正常な取引価格、建物については移転費用が補償され、原則として不動産鑑定士の評価に基づいて補償額を定めていることが認められるのであつて、その補償額は適正なものであると推認される。原告らは、被告の跡地買収補償額は新幹線公害によつて低下した地価を前提としてなされており、補正あるいは是正された正常な取引価格でなされていない旨主張し、<証拠>によれば、新幹線沿線地域においては新幹線の騒音振動に起因してその価格が低下している宅地が存することを推認することができるけれども、前記要綱七条三項には「一項の正常な取引価格を補償する場合において、土地を取得する事業の施行が予定されることによつて、当該土地の取引価格が低下したと認められるときは、当該事業の影響がないものとしての当該土地の正常な取引価格によるものとする。」と定められているのであつて、右のごとき地価の低下の事情はその補償額決定に際して当然考慮されているものと考えられる。原告ら主張のごとく低く補償額が定められた事例を認めるに足りる証拠はない。もつとも、<証拠>によれば、移転者の中には、被告の補償金以外に多額の自己資金や借入金を要した者も相当数いることが認めるれるけれども、これは、当審における原告川端弘子本人尋問の結果からも推認しうるように、移転に際し、家屋を新築したり面積を拡げるなど従前に比してより良い住宅にしたためと考えられる(借地人・借家人が新規に不動産を取得する場合も同様である。)のであつて、その補償額が格別低廉であつたとは認められない。本件七キロ区間における昭和五九年三月現在の移転対策の進捗率が八六パーセントに達していることからも原告らの主張するように補償額が不当に低いとはいえないことを窺うことができる。

イ  とはいえ、原告らが、当審において提出した陳述書によれば、高齢者や資力のない者あるいは自営業を営んでいる者などにとつては、事実上、永年住み慣れた土地家屋から離れ、生活の本拠を他に移すことに相当の躊躇があることが窺われ、転居にはそれ相当の不便・負担を伴うことにも容易に思いを致すことができる。また、空港周辺の場合のような譲渡所得税の優偶措置等の施策が講ぜられていないことも原告ら主張のとおりである。そして、現在原告らが本件訴訟において居住敷地に対する騒音振動の侵入禁止を求めて係争中であること等を考慮すると、被告が主張するような移転補償の提供を受け入れないことをもつて被害回避の可能性を自ら放棄したものとまで評価することは到底できないものではあるが、移転補償はこれを受け入れた者にとつて騒音振動を回避する抜本的対策となることはいうまでもなく、被告の補償内容も一応合理的なものといいうるのであるから、右対策の実効性は相当高く評価されるべきである。

4行政指針について

(一) 騒音に関する行政指針

公害対策基本法九条に基づき一般の騒音に係る環境基準が昭和四六年五月閣議決定されたこと、航空機騒音に係る環境基準が昭和四八年一二月環境庁告示第一五四号をもつて定められたこと及び右各環境基準の内容、新幹線騒音について、昭和四七年一二月、中央公害対策審議会の「環境保全上、緊急を要する新幹線鉄道騒音対策について、当面の措置を講ずる場合における指針について」と題する中間答申に基づき、環境庁長官から運輸大臣に対し右答申と同趣旨の勧告(いわゆる緊急指針)がなされたこと、さらに昭和五〇年七月二九日、新幹線鉄道騒音に係る環境基準が環境庁告示第四六号をもつて定められたこと及び右緊急指針、環境基準の各内容、根拠等の詳細については、当裁判所の認定するところも原審と同一であるから原判決g一頁三行目からg三二頁一〇行目<同同三八四頁四段二〇行目〜三八九頁四段二一行目>までの記載を引用する。

右新幹線騒音に係る緊急指針及び環境基準の内容を要約すると以下のとおりである。

(1) 緊急指針は、新幹線鉄道騒音の騒音レベルが住居等の存する地域において八〇ホン以下となるような音源対策を、八五ホン以上の地域内に存する住居等について障害防止対策を講ずること、学校、病院等については特段の配慮をすることを主たる内容とするものであり、運輸大臣の被告に対する指示は、今後おおむね三年以内に防音壁を整備し、鉄桁橋梁についての防音工の開発をなし、障害防止対策を整備するよう求めたものである。

(2) 新幹線鉄道騒音に係る環境基準は、その基準値を地域類型ごとに定め、Ⅰ地域は七〇ホン以下、Ⅱ地域は七五ホン以下とした。各類型をあてはめる地域は都道府県知事が指定するものとし、類型Ⅰをあてはめる地域は主として住居の用に供される地域、類型Ⅱをあてはめる地域は商工業の用に供される地域等Ⅰ以外の地域であつて通常の生活を保全する必要がある地域と定めた。そして、その達成目標期間として、八〇ホン以上の区域は三年以内、その他の区域は七年ないし一〇年以内を目標として達成するよう努めるものとし、また、騒音防止のための施策を総合的に講じても所定の基準値を達成することが困難と考えられる区域においては、家屋の防音工事等を行うことにより、環境基準が達成された場合と同等の屋内環境が保持されるようにするものとしている。なお、右基準値の設定については、主として沿線住民反応の調査結果、地域補正及び時間補正、他の環境基準との斉合性の三点につき検討が加えられて基準値が定められたものである。

(二) 振動に関する行政指針

各地方公共団体が振動規制法の制定前においても公害防止条例により工場振動に関する規制を実施していたこと及びその内容、振動に関するISOの指針、日本産業衛生学会の基準及びその内容、昭和五一年六月振動規制法が公布され、愛知県知事が「同法三条一項の規定に基づく地域の指定」をなし、かつ「特定工場等において発生する振動の規制基準」を定めたこと及びその内容、新幹線振動について、中公審が環境庁長官の諮問に対し昭和五一年三月六日「振動規制を行うに当たつての規制基準値、測定方法及び環境保全上緊急を要する新幹線振動対策について、当面の措置を講ずる場合のよるべき指針について」と題する答申を行い、環境庁長官が同月一二日運輸大臣に対し右答申と同趣旨の勧告をなしたこと及びその内容、根拠等の詳細については、当裁判所の認定するところも原審と同一であるから原判決g三二頁一二行目からg五一頁一〇行目<同二三行目〜三九三頁四段三一行目>までの記載を引用する。

右新幹線振動に係る緊急指針は、要するに、振動が七〇デシベルを超える地域について、緊急に振動源及び障害防止対策を講ずるよう勧告するものであるが、右は、主として沿線住民の生理的、心理的影響及び睡眠影響等に関する研究資料、住民反応調査結果等に基づき検討されたものであり、右指針達成のための振動対策として、構造物の振動源対策等の措置を講ずること、これを講じても現在の技術では振動の低減が困難な場合もあるので、早急に技術開発を図り、更に障害防止対策として、既設の住居等に対する建物の移転補償、改築及び補強工事の助成等の措置を振動が著しい地域から実施することとしているものである。

(三) 環境基準、振動指針の位置付け

右新幹線騒音の環境基準は人の健康を保護し生活環境を保全するための公害行政上の具体的目標値であり、これが当然に私法上の受忍度を画するものではないが、それが設定されるに至つた過程及び根拠等に鑑みると、その基準値策定の手法は私法上の受忍限度判断の手法と軌を一にするものがあり、環境基準は本件においても重要な受忍限度判断上の資料の一つとして考慮すべきであること、また新幹線振動に関する緊急指針は、環境基準ではなく振動規制を講ずるに当つて依拠すべき基準であるが、その指針値も騒音における環境基準と同じく本件における受忍限度の判断において参酌すべき重要な資料であること、さらに右環境基準及び指針の設定に関する原告らの主張に対しての当裁判所の判断も原審と同様であるから、原判決g五一頁一二行目からg六二頁四行目<同三九三頁四段末行目〜三九五頁三段一四行目>までの記載(ただし、g五五頁一三行目に「利益衡量要素」と、g六一頁四行目から五行目にかけて「利益衡量」とあるのをそれぞれ「重要な受忍限度判断上の資料」と訂正する。)を引用する。

5地域性について

(一) 本件七キロ区間の地域性

原告らの居住する本件七キロ区間の沿線地域が都市計画法上の用途地域からみても、現実の使用状況からしても、ほぼ三分の二は商業地域、近隣商業地域、準工業地域、工業地域であり、その余の約三分の一は住居地域として右商工業地域の中に混在している地域であること、新幹線騒音に係る環境基準に基づき愛知県知事が昭和五二年四月三〇日指定した類型別に各原告居住地を分類すると、B第一一表に記載のとおりであり、これによると原告らの約三分の一強が類型Ⅰ、その余が類型Ⅱに属しており、本件七キロ区間の地域特性を概括すれば、住居地域というよりも、むしろ主として準商工業地域に該当すること及びその詳細については、当裁判所の認定も原告と同一であるので、左に訂正するほか原判決理由記載(ⅰ一八頁八行目からⅰ三一頁六行目<同四〇七頁二段一〇行目〜四〇九頁一段三二行目>まで)を引用する。

原判決ⅰ三〇頁四行目から一一行目<同四〇八頁四段三一行目〜四〇九頁一段二〇行目>までを次のとおり改める。

「これによると、中川地区は類型Ⅰが七世帯、類型Ⅱが一七世帯、野立地区は全二〇世帯が類型Ⅱ、大宝地区は全四〇世帯が類型Ⅱ、船方地区は四六世帯が類型Ⅰ、一一世帯が類型Ⅱ、千年地区は全四一世帯が類型Ⅱ、明治地区は一九世帯が類型Ⅰ、一二世帯が類型Ⅱ、豊田地区は二三世帯が類型Ⅰ、一三世帯が類型Ⅱで、全二四九世帯中九五世帯が類型Ⅰ(約三八パーセント)、一五四世帯が類型Ⅱ(約六二パーセント)である(ただし、転出原告、死亡原告については従前の住居による。)。」

(二) 本件七キロ区間における家屋新増築の状況について

(1) 昭和五三年六月現在で同四九年四月以降に本件七キロ区間の沿線区域(軌道の両側それぞれ約一〇〇メートル以内)に新築ないし新築中の家屋及び原告らのうち昭和四〇年以降家屋を新築又は増改築しあるいは家屋を取得したものについての当裁判所の認定は原審と同一であるからその理由記載(原判決ⅰ三二頁一〇行目からⅰ三六頁三行目<同三段二行目〜四段五行目>まで。原判決添付第7表(1)(2)(3)を含む。)を引用する。

(2) <証拠>によれば、昭和五三年六月以降も本件七キロ区間の沿線区域において家屋が新築されており、被告の調査によると昭和五八年四月現在で五十数箇所に一般家屋やアパート、マンションが新築されており、原告らについては、タ97、メ15、メ35の原告らが家屋を新築し、ナ21、ノ16、ノ23、タ12、タ19、タ35、フ4、フ19、フ48、フ51、フ64、フ69、フ70、フ71、チ42の原告らが被告の防音工、防振工の助成を受けるのと同時に家屋を新築したことが認められる。

(3) 以上の事実に当審における検証(第一ないし第三回)の結果を総合すると、本件七キロ区間の沿線区域においても、一般住宅及びコンクリート造りの集合住宅が新築されて、他の商工業地域、住居地域と同様に住宅の密集化及び家屋の建て替えが進んできており、ただ新幹線の軌道に近接した地域において家屋の移転跡地が点在し、未だこれが整備されていない状態にあるとはいえ全体として荒廃状況にあるとは認められない。<反証排斥略>。

(三) 原告ら居宅における暗騒音・暗振動について

(1) 被告は、本件七キロ区間においては新幹線の騒音・振動のほかいわゆる暗騒音・暗振動が存在し、特に、ナ31ないし35、49、51、タ6、7、15、16、19ないし25、28ないし30、34ないし36、45、46、49、50、55ないし58、63、68ないし72、77ないし81、85ないし97、フ19ないし21、23、29ないし40、42ないし46、48ないし51、53ないし60、63ないし67、72、73、チ8、32ないし37、51、52、71ないし74、82、メ1、2、5ないし7、14ないし16、ト1、2、8、21、58、62、63、74ないし78の原告らについてこれが高レベルである旨主張する。よつて、以下本件七キロ地域において行われた暗騒音・暗振動の測定について認定する。

(2) 名古屋市公害対策局、ニュージャパンコンサルタンツ株式会社及び東建地質株式会社のなした各測定及びその結果については、当裁判所の認定も原審と同一であるから左に補足訂正するほか原判決理由記載(原判決M一四四頁四行目からM一五六頁一三行目<同二九四頁三段三一行目〜二九六頁四段一六行目>まで)を引用する。

ア 原判決M一四四頁四行目の「前記の如く」を削り、同九行目「南区道全町」を「南区道全町(ただし、同所は本件七キロ区間には属しない。)」と改める。

イ 同M一五六頁一三行目<同一六行目>の次に、

「右認定の測定の位置及び方法に鑑みれば、右暗騒音・暗振動の測定値は、そのまま付近原告ら居宅の暗騒音・暗振動値として利用することはできないが、右原告ら居宅近傍地域における暗騒音・暗振動のおおよその状況を推認せしめる資料とはなり得るものということができる。」

と付加する。

(3) 名古屋鉄道管理局職員による原告ト63宅付近市道浮島線における道路騒音の測定、原告ト58方における工場騒音の測定及びその各結果、原審のなした原告ト9(ただし、原審において訴取下)、同フ32、36各居宅前における道路騒音の測定及びその結果については、当裁判所の認定も原審と同一であるから原判決理由の記載(原判決M一五八頁二行目からM一六二頁三行目<同二九七頁一段六行目〜三段一七行目>まで)を引用する。

なお、原審における検証(第二回)の結果によれば、原告ト76居宅において、検証当時常に同家北側の牧兼木材合板木工所から機械の駆動音がきこえ、短い音の繰返しは最高六〇ホン、三〇秒足らずの連続音は最高七〇ホンであつたことが認められる。

(4) <証拠>によれば、前記のように、訴外地質計測株式会社は被告の依頼を受けて一部の原告らの新幹線騒音を個別に測定し、その際列車通過前後の記録から暗騒音レベルを推定し調査表に記入したが、右推定による各原告ら居宅における暗騒音値は原判決理由M一七一頁五行目からM一七五頁五行目<同二九八頁四段二七行目>までに記載してあるとおり(ただし、各原告につき括弧内記載の新幹線騒音の数値を除く。)であると認められるので、右記載を引用する。

なお、右測定は、昼間(九時三〇分すぎから一七時まで)に行われたものである。

(5) <証拠>によれば次の事実が認められる。

被告の岐阜工事局新幹線環境対策室職員は、昭和五七年八月一九日、同年九月一三日、一四日の三回にわたつて本件七キロ区間において工場騒音、道路騒音の測定をなした。

ア 八月一九日、原告タ22、23方居宅と隣接の中部鉄塔工業との境界上で右居宅の壁面から道路側一メートル離れ、高さ1.2メートルの位置において一〇時二五分から約二〇分間工場騒音を測定(近隣の原告はタ24、25である。)。上端値八〇ホン、中央値七二ホン。

イ 原告タ96居宅壁面から道路側一メートル離れ、高さ1.2メートルの位置において八月一九日一〇時二五分から約二〇分間、九月一三日一四時五分から約三〇分間工場騒音を測定(近隣の原告はタ28、29、30、89ないし92である。)。後者の上端値七九ホン、中央値六九ホン(前者の測定は新幹線騒音を含むので掲記しない。)。

ウ 原告タ78ないし81居宅壁面より一メートルの坂野正行(タ73)移転跡地と歩道との境界上高さ1.2メートルの位置において九月一三日一五時二〇分から約四〇分間、同月一四日一〇時五〇分から約三五分間工場騒音を測定(近隣の原告はタ15、16、68ないし70である。)。前者の上端値七五ホン、中央値六四ホン。後者の上端値七五ホン、中央値六五ホン。

エ 原告フ32方壁面より道路側一メートル離れ歩道上、高さ1.2メートルの位置において八月一九日一一時四〇分から約四〇分間、一六時五五分から約三五分間主として道路騒音を測定。前者の上端値七九ホン、中央値七一ホン。後者の上端値八二ホン、中央値七五ホン。

オ 原告フ42、43方居宅壁面より道路側一メートル離れ歩道上高さ1.2メートルの位置において八月一九日一一時四〇分から約四〇分間、一七時五分から約四五分間(中断あり)主として道路騒音を測定。前者の上端値八〇ホン、中央値七四ホン。後者の上端値八一ホン、中央値七二ホン。

カ 原告フ40方居宅壁面より道路側一メートル離れ歩道上高さ1.2メートルの位置において八月一九日一一時四〇分から約四〇分間、一六時五五分から約五五分間(中断あり)主として道路騒音を測定(近隣の原告はフ37、38、39である。)。前者の上端値七九ホン、中央値七二ホン。後者の上端値八〇ホン、中央値七三ホン。

キ 原告チ71ないし74居宅移転跡地と歩道との境界上で高さ1.2メートルの位置において八月一九日一三時五五分から約三五分間主として道路騒音を測定。上端値八一ホン、中央値七二ホン。

ク 原告チ32、33方居宅壁面より道路側一メートル離れ高さ1.2メートルの位置において八月一九日一三時五五分から約三五分間主として道路騒音を測定(近隣の原告はチ34ないし37である。)。上端値八二ホン、中央値七三ホン。

ケ 熱田区六番町三丁目白木屋前附近国道一号線歩車道境界上高さ1.2メートルの位置において八月一九日一一時四〇分から約四〇分間、一六時五五分から約三五分間道路騒音を測定(近隣の原告はフ36である。)。前者は上端値八一ホン、中央値七一ホン。後者は上端値八五ホン、中央値七七ホン。

ロ 南区豊田町氷室道東二〇五六地先玉川賢治宅前国道二四七号線歩車道境界上高さ1.2メートルの位置において八月一九日一五時二〇分から約三〇分間道路騒音を測定(近隣の原告はト1である。)。上端値七六ホン、中央値六六ホン。

右各測定については、普通騒音計リオンNA―〇九、レベルコーダーリオンLRO―三、LRO―四を使用し、「騒音に係る環境基準について」(昭和四六年五月二五日閣議決定)に準拠し、JIS Z 八七三一の「騒音レベル測定方法」の「騒音値が不規則かつ大幅に変動する場合」により、測定時間は連続二〇ないし四〇分間、騒音計の周波数特性A、レベルコーダーの動特性フアスト、記録紙送り速度毎秒三ミリメートルとしたものである。

右データの処理としては、記録波形図の任意の点から始め、レベル値を五秒間隔で読み取り、新幹線の走行音を含む場合と含まない場合の測定値の度数分布及び累積度数分布表並びにその累積度数曲線を作成し、環境基準(昭和四六年五月二五日閣議決定)の評価方法に準拠して中央値及び九〇パーセント・レンジ上、下端値を判定した。なお、前記測定につき下端値はいちいち掲記しなかつたが、五六ホンから七〇ホンまでの間である。

(6) 名古屋市公害研究所は、昭和五七年一一月一八日の当審検証(第二回)に際し、原告ら代理人の依頼により原告チ32、33方居宅において暗騒音の測定をした。右測定は、リオン騒音計NA―六〇、レベルコーダーLR―〇四を使用し、JIS Z 八七三一「騒音レベル測定方法」―一九六六に準拠し、九時三二分から約四〇分間右居宅裏側で建物から2.4メートル離れの位置において行われたものである(新幹線軌道側で道路には面しない。)。動特性はフアスト、五秒間隔の瞬時値を読み取り、データ処理をしたが、上端値六一、中央値五三、下端値四五である。

(7) 原審における原告橋本春一の本人尋問の結果によれば、同原告居宅付近には、中部鉄塔工業、三井精砥、寺西機械、伊藤ダイカスト作業所等中小工場が存在し、右原告自身も金属プレス加工業を営んでいること、原告工場はプレス機械一一台、ボルト盤四台を備え作業は午前八時半から午後五時(残業時午後六時)までであり、工場内騒音は最高九〇ホンに達すること、同人方居宅と工場とは接続していること等の事実が認められる。

(8) 原告山下虎男(ナ32)、同坂口よ志子(タ34)、同大矢浄子(タ86)、同大嶽愛子(チ8)の原審における各本人尋問の結果によれば、同原告ら居宅には近隣工場からの騒音が到達し、また、原告神野守種(タ49)、同武藤礒松(フ49)、同永田まち子(フ65)、同石黒正也(フ66)、同巻木一彦(チ51)、同池山茂(メ5)の原審における各本人尋問の結果によれば、同原告ら居宅には近隣道路からの交通騒音(チ51については振動も)が到達することがそれぞれ認定できるが、これら工場騒音、交通騒音・振動の具体的数値を確定するに足る資料はない。

(9) なお、被告が暗騒音、暗振動が高いと指摘する原告らのうち前記(3)ないし(8)において述べた原告ら以外の原告らについても、暗騒音、暗振動の具体的数値を確定するに足る資料はない。

6他の交通騒音との比較

(一) 東京都が昭和四八年五月に発表した環状七号線の沿線環境騒音の状況、東京都公害研究所が昭和四九年六月に発表した都内二三区全域の騒音マップによる環境騒音状況、及び名古屋市が昭和四七年一〇月から四八年七月にかけて行つた同市内の新幹線以外の主要鉄道の運行に伴つて発生する騒音・振動の実態調査の測定結果、同じく名古屋市が昭和五二年一〇、一一月に行つた在来線鉄道沿線における騒音・振動の実態調査の測定結果並びに名鉄電車の昭和五二年三月現在の電車運行状況(本数)等についての当裁判所の認定は原審と同一であるからその理由記載(原判決N一頁一三行目からN五頁一〇行目<同三〇一頁四段末行目〜三段一一行目>まで及びN七頁初行からN一七頁一〇行目<同四段三行目〜三〇四頁四段二九行目>まで)を引用する。

右によれば、昭和四八年ころの東京都内環状七号線の昼間の沿線騒音は道路端において七〇ないし八〇ホン程度、裏通り(約三五ないし五〇メートル離れた地点)において五〇ないし六〇ホン程度(これらの騒音値は騒音に係る環境基準に比し一〇ないし二五ホン程度高い値となつている。)であり、昭和四九年ころの東京都区部全体の測定点の平均騒音は昼間五八ホン夜間五三ホンであり、道路ぎわ測定点の平均騒音は昼間六五ホン、夜間五七ホン、道路から離れた地点での平均は昼間五二ホン、夜間四六ホンであつたものである。また、名古屋市が昭和四七、八年に行つた主要鉄道付近の騒音振動調査から近側列車、二五メートル離れの騒音をみると、国鉄在来線の平坦地構造において八〇ホン、盛土高架構造において八三ホン、名鉄線の平坦地構造において八六ホン、鉄橋において八九ホン、近鉄線の平坦地構造において八五ホンの騒音値を示す箇所があり、同調査地点における振動速度は国鉄在来線の平坦地構造において毎秒0.2ないし2.5ミリメートル、盛土高架構造において毎秒0.3ないし0.5ミリメートル、名鉄線の平坦地構造において毎秒0.3ないし1.0ミリメートル、鉄橋において毎秒0.3ないし1.0ミリメートル、近鉄線の平坦地構造において毎秒0.4ないし1.5ミリメートルであり、名古屋市が昭和五二年に行つた同市八九地点の鉄道沿線調査による全調査地点の平均騒音値は民地境界において九一ホン(最高一〇〇、最低六九)、二五メートル地点において八五ホン(最高九四、最低六八)、五〇メートル地点において七九ホン(最高八九、最低六四)、一〇〇メートル地点において七三ホン(最高八二、最低五七)であり、同調査による平均振動値は民地境界において六二デシベル(最高八〇、最低四八)、二五メートル地点において五七デシベル(最高六八、最低四三)、五〇メートル地点において五二デシベル(最高七一、最低三七)であつたものである。

(二) <証拠>によれば、次の事実を認めることができる。

名古屋大学医学部平識善盛外三名は昭和五〇年八月愛知県岡崎市内の国道一号線沿線における自動車騒音の実態と沿線住民の健康把握調査を行つた。その騒音測定結果によると、道路端(〇メートル地点における一昼夜にわたる騒音レベルの中央値は七三ないし八二ホン(平均八〇ホン)、上限値は八五ないし九三ホン(平均八九ホン)であり、道路より五〇メートル地点における一昼夜にわたる騒音レベルの中央値は五六ないし六九ホン、上限値は六六ないし七五ホン(平均七一ホン)であつて、右騒音値は騒音に係る環境基準のB地域の基準値(朝、夕、昼間共に六五ホン以下、夜間六〇ホン以下)をはるかに上回つており、また、自動車交通量については、普通自動車の交通量は朝・夕のラッシュ時には約二五〇〇台/hとなり、深夜には激減し、一日で約三万四〇〇〇台が通過しており、大型自動車の交通量は一日中あまり大きな変化はみられず、五〇〇ないし八〇〇台/hであり、一日でおおよそ一万七〇〇〇台が通過しているものである。もつとも、右調査に係る国道沿線は大型自動車による交通騒音が同県下で最も激甚なところといわれている地域であり、右調査者は右道路に近い住民ほど身体的愁訴が多いとしている。

(三) <証拠>によれば、交通機関による騒音のうちで航空機(特にジェット機)による騒音が最も大きく、ジェット機の音は直下において一二〇ホン程度に達し、その到達する範囲は数キロメートルに及ぶものであることが認められる。もつとも、各地の空港周辺の住民がその騒音量の減少等を求めて訴えを提起していることは公知の事実である。

(四)  右認定事実によれば、大都市の市街地域、幹線道路の周辺、既設鉄道の沿線及び飛行場の周辺地域においては、環境基準の基準値を大幅に上回る高い騒音に暴露されている箇所が多数存在し、また振動についても鉄道沿線地区において高レベルの振動に曝されている箇所も存在しているのであつて、新幹線以外の交通機関による騒音振動もまた相当に激しいことが認められる。もつとも、他にも大きな騒音・振動に暴露されている地域、家屋が存在することのゆえに、ただちにこれと対比して新幹線騒音・振動の受忍を期待し、あるいは受忍を強制し得べきものでないことは新幹線とそれ以外の交通機関との相異点、それぞれの騒音・振動の特徴、立地条件、沿線家屋との先後往の関係その他の諸事情に違いの存することを考慮すれば明らかである。しかし、いわゆる受忍限度判断は現代の社会生活一般の状況下において決せられるべきものであるから、他にも広く存在する騒音・振動を全く無視し去ることは妥当でなく、特に新幹線と同様の交通機関である他の鉄道、自動車、航空機等の交通騒音・振動の実情も本件における受忍限度判断に当つて当然斟酌すべき事柄であるということができる。

四差止請求の当否

以下において、受忍限度判断において考慮すべき諸事項を要約概観し、差止請求の当否について判断する。

1本件侵害行為の態様、程度

(一) 本件紛争の核心は、被告が東海道新幹線列車を運行し、その沿線に存する原告ら居住敷地内に走行による騒音振動を到達せしめている事実である。東海道新幹線は、昭和三九年一〇月一日営業を開始し、爾来、工事または事故の場合を除き現在まで毎日運行している。走行本数は営業開始当初五六本であつたが、昭和四〇年一一月一〇〇本、同四八年一〇月二一一本、同五四年五月二二〇本(以上いずれも上り下りの合計数)というように増加した。不定期列車を考慮し、現在本件七キロ区間においては一日平均上下合計二〇〇本程度としてよい(当審口頭弁論終結時には不定期列車を含め上下合計一八五本)。一日のうちにおいては、六時台、二三時台のように一本しか走行しない時間帯もあるが、昼間は上下合せて一二本ないし一七本を数える(ただし、以上は不定期列車を含み一日二二〇本走行の場合であるから、通常は昼間の走行でも右のように濃密ではない。)。編成車両は当初一二両であつたが、昭和四八年頃に一六両となり、現在再び「こだま」の一部に一二両のものが現れている。

本件七キロ区間は全列車が停車する名古屋駅に近いため、その駅寄りの地区では、下り列車は停車のため速度をおとし、上り列車は発進したばかりで高速に達しないという関係上、七キロ全域にわたつて時速二〇〇キロメートルの計画運転速度が設定されているわけではない。上下線とも一九〇ないし二〇〇キロメートルに達するのは千年、明治、豊田の三地区である。中川地区は上り下りとも比較的低速であるが、レールの波状摩耗のため昭和四九、五〇年ころレール削正が行われるまで高い騒音にさらされていた。軌道遠側を通過する列車の騒音は近側列車のそれより低下するので、上下とも同程度の速度で列車が走行する地区でも半数の列車は他の半数の列車より騒音が低い。また、本件七キロ区間には、豊代、山崎川、第2六番町、古新の無道床鉄桁四箇所が架設され、防音工による対策がとられるまで直下において一一四ホンに達する騒音が測定された。

以上によれば、原告ら全員に対し時速二〇〇キロメートル走行による騒音振動が五分おきに終日襲つて来るというような状況ではなく、列車速度にも走行間隔にも場所により時間帯により相当の幅があり、遠側列車の騒音は同速度でも近側列車のそれよりも低いこと、一日中の全列車による騒音振動暴露時間の合計は三〇分程度であること、夜間においても七時間全く列車の走行しない時間帯が存在すること等の事情が認められる。

(二) 新幹線騒音は、転動音、集電系音、空力音、構造物音等から成るが、物理的にはいわゆる衝撃的な音ではなく、ジェット機の騒音のように金属的な音でもない(ただし、高速走行の場合軌道近傍の家屋に風圧がかかることがあるが、その影響の及ぶ範囲は比較的限られたものである。)。騒音レベルは、列車速度とともに増大し、軌道から離れるに従つて減衰するもので、これには一定の法則性も認められるが、軌道構造、建物による遮音その他多くの条件により差異を生じ、必ずしも理論値と合致せず、個々の原告らの騒音レベルはその居宅で実地測定してはじめて正確にこれを知り得る。この点において上空からの暴露である航空機騒音の場合と著しく様相を異にする。騒音レベルの測定は原則として屋外において行われ、本判決にあらわれる騒音値も概ね屋外測定によるものであるが、騒音被害の実態把握にとつては屋内における騒音レベルももとより重要である。本件七キロ地域に多い旧来の木造建物においては家屋内外の騒音レベルの差は約一〇ホン程度とするのが相当である。

本件においては、原告らに到達する騒音の実態を把握する方便として代表騒音値なるものを認定せざるを得ないが、原告らの代表値騒音値はA第四表記載のとおりであり、低きは六六ホンから高きは九九ホンに及ぶ。ただし、原告らによつては、右代表値認定の基礎となつた測定の時点より後に新幹線騒音を低減せしめる事情の発生した者もあり、右代表値は必ずしもそのすべてが現在における暴露状況を示すものではない。また、本件七キロ区間においては昭和四九年から約九年間にわたり、原告ら支援のため列車運転士による約半数の列車の減速が継続的に行われて来たものである。

以上によれば、原告らの暴露されている騒音のレベルは大多数の者が七〇ホンないし八四ホンであり、八五ホン以上の暴露を受けているのは第2六番町架道橋の防音工完成前においても九世帯一三名(ただし、差止請求原告)にとどまる。

(三) 新幹線列車の振動は、車両によるレールへの荷重列その他の原因によつて発生し、軌道、構造物、基礎から地盤へと減衰あるいは増幅しながら伝播する。振動の伝播は騒音より複雑で騒音ほど明確な法則性を示さない。しかし、距離減衰により、おおむね二〇メートルないし三〇メートル離れると七〇デシベル以下の値となる。列車走行速度は振動レベルと大きな関係があり、列車速度が増大すると振動値も高くなるが、その程度は種々の条件によつて異なり騒音におけるほど明確な相関は得られない。一列車ごとの振動継続時間は騒音の場合と同様で列車の通過時間にほぼ等しい(時速二〇〇キロメートル一六両編成で7.2秒)。

振動においても騒音の場合と同じく、あるいはそれ以上に、個々の原告の居宅で実地測定しなければ正確な振動レベルを知り得ない。振動レベルの測定も屋外において行われることが原則であるが、騒音が屋内において減衰するのと異なり、建物の振動は土地の振動より大きい(増幅)のが通常である。この関係もすこぶる複雑であつて木造家屋においてすら地表振動が屋内で減衰する場合が存するが、本件七キロ地域における目安としては屋内における振動増幅量を約五デシベルとみるのが相当である。

振動についても騒音におけると同様代表振動値を認定したが、原告らの代表振動値はA第四表記載のとおりであり、低きは四八デシベルから高きは八一デシベルに及ぶ。振動レベルが七〇デシベル以上を示す差止請求原告らは三三世帯五二名(七五デシベル以上は八世帯一五名)である。

2被侵害利益の性質・内容

(一) 騒音振動は、物理力たる音波、振動波が人身に到達して知覚されるものであるから、騒音振動の侵襲の対象は人の身体であり、騒音振動は人の身体の機能を妨害してその行動に影響を及ぼす。身体に対する侵襲であつても、傷害等の場合には、身体に残された創傷等によつて被害を特定することができるが、騒音振動にあつては殆んどの場合身体に何らの痕跡を残さないから、これによる被害というものが、もしあれば、それは身体の機能を妨害(例えば聴取妨害)されて、行動に影響を受けた結果をもつてはかる外はない。ここに、本件において被侵害権利は原告の身体であるという簡単な事実構成であるにかかわらず、侵害の結果としての広範な事実(その中には極めてとらえ所のないものもある。)を検討せざるを得ないという困難に逢着する契機が存在する。従つて「被侵害利益」という標目を掲げたにもかかわらず、以下においては侵害の結果すなわち被害について述べるわけである。本件に現われたレベルの騒音においては被害は、日常生活の妨害、睡眠妨害、精神的、身体的被害に大別することができる(なお、用語の問題であるが、本来、法律的には差止または損害賠償が認容される強度の侵襲に対応する被害のみを被害と指称すべきであろうが、本判決においては右程度に達しないものも便宜上被害と呼んでいることが多い。)。

(二)  日常生活妨害においては、騒音のレベルとその影響との間に定量的な関係(その認定も性質上決して容易ではない。)を認め得るものとしからざるものとがある。まず、会話に対する騒音の妨害は屋外騒音レベル七〇ホン程度から始まるが、七五ホン程度までは開窓状態においてもおおむね伝達機能を維持している。しかし、七五ホンを超えると妨害が深刻化するのであつて、この関係は電話による通話においてもそれほどかわるところがない(なお、ここで注意すべきことは、右に七〇ないし七五ホンという騒音レベルを認定したが、この数値がただちに受忍限度を画するという意味をもつものではないことである。新幹線騒音の継続時間は一日中を合計しても三〇分前後であり、列車の通過によつて会話が常に妨害されているわけではないから、列車騒音が七五ホンを超えれば、それだけで受忍限度を超えるという結論にはならない。右の数値はその名に価する妨害を社会生活上無視し得る妨害から区分する機能をもつにすぎない。)。

テレビ、ラジオの聴取妨害は、会話と異なり趣味、娯楽等の主観的要因と関連するため、会話妨害より低く屋外騒音レベル六〇ホン程度から生じはじめ、騒音レベルの上昇に伴い無視し得ないものとなる。ただし、テレビ、ラジオも言語情報の伝達の面のみ取り上げれば会話妨害と同様に考え得る。

騒音振動が思考、勉強、読書等精神作業に妨害的に作用することは一応考えられるが、その定量的相関々係はこれを認定し得るに足る資料がない。

(三)  睡眠妨害については、本件七キロ区間においては、午後一一時一五分ころから翌朝午前六時三〇分まで列車の運行がないからその間の睡眠妨害は存在しない。問題とし得るのは、午後九時台上下一〇本、同一〇時台上下四本、同一一時台一本の夜間列車、午前六時台一本、同七時台上下七本の早朝列車のいずれかによつて寝入り端を、あるいは早朝のまどろみを襲われることであろう。しかして、列車の騒音レベルが七五ホン、振動レベルが六〇デシベル(いずれも屋外)を超えるときは一応睡眠妨害というに足る影響が生じ得る。

原告らは、夜間勤務者が昼間自宅において睡眠する際における睡眠妨害について主張するが、昼間は一般に人が活動している時間帯であるから、人はかかる例外者の存在を考慮し、夜間におけると同様の気配りをしながら行動しなければならないというものではない。従つて、かかる事由は被告に対し受忍限度をより厳しく画定する根拠とはならない。

(四)  身体的被害についてみるに、本件新幹線騒音振動と原告ら主張の自律神経失調症その他疾病との因果関係の存在は認定できない。原告らの訴える頭痛、胃腸障害、食欲不振、血圧変調等の個々の症状も騒音振動以外の多くの原因から生じ得るものであり、本件騒音振動との間に因果関係を肯定し得るにいたらない。原告らは疾病準備状態にある旨主張するが、その用語自体から疾病でないことが明らかであるのみならず、その具体的なあらわれが右の頭痛等の症状というのであれば、本件騒音振動との間に直ちに因果関係を認めがたいこと前記のとおりである。

もつとも、騒音振動が直接・間接に人の身体にストレスを負荷することは認められるが、諸学者の所見によるも本件にあらわれた程度の騒音振動を原因とするストレスの負荷によりこれが疾病に転化するということは容易に肯定しがたいのである(本件にあらわれた騒音レベルについて一例を挙げるに、原告堀之内方(フ42)は第2六番町架道橋に近接し最も騒音代表値の高い原告居宅の一つであるが、当審第二回検証の結果によれば、時速一九二キロメートルの近側列車の通過による騒音は屋外八一ホン、閉窓室内五五ホンであつた。なお同原告住宅は一級防音工の助成を受けている。)。

なお、騒音振動は病人にとつて通常人より鋭敏に感受されるから、新幹線騒音振動が療養妨害として作用し得ることは認められるが、定量的相関々係はもとより明らかにし得ない。

(五)  精神的被害は屋外騒音レベル七二、三ホンから顕著になるものと認められる。振動に関しては、本件にあらわれた程度のレベルでは感覚的な苦痛にまではいたらない。

(六) 原告らは、新幹線振動に基づく家屋振動、これから派生する建具、家財の振動、これに基づく騒音等を「住み心地の悪い家」と表現する。右は、もとより当該家屋の材質構造その他の条件にかかり一概にいうことも困難であるが、七〇デシベルを超えた振動の場合において無視し得ざる侵害となると認められる。

(七) 原告らのいう休養妨害、家族団らんの妨害、営業妨害等は、会話妨害その他既に述べた被害の競合してあらわれる場面に外ならず、別個の被害を指定する必要はない。

3侵害行為の公共性

被告は公法上の法人であつて、国家機関による種々の規制を受け全国的規模で鉄道事業を経営している。本件東海道新幹線は在来線の輸送力の行詰りを根本的に打開するという国家的要請と東京、大阪間を日帰り圏内におさめたいという社会的要求のもとに生れたもので、その建設及び高速性につき必要がなかつたということはできない。

東海道新幹線は、その後完成した山陽新幹線その他の新幹線とともにわが国鉄道輸送の根幹をなし、在来線の輸送網も新幹線を基盤として築かれているといつても過言ではない。東海道新幹線は、わが国の三大都市圏を連結する路線として、その重要性は現在運行されている四新幹線の中でもきわだつた地位にある。一日の走行列車本数が上下合わせて二〇〇本を超える日もあることは前にふれたとおりであり、開業以来昭和五四年二月までの運送旅客数累計が一三億五九〇〇万人に達したことによつても、ひとり鉄道のみならず全陸上交通体系中に占める東海道新幹線の重要性を窺うことができる。

現在陸上交通においては、自動車、航空機も大きな役割を演じているが、新幹線鉄道は東京、大阪程度の距離であれば航空機にさまで劣らぬ高速性をもち、大量輸送性、安全性、経済性において右両者の追随を許さぬ優越性を示す(当審証人半谷哲夫の証言によれば、東京大阪間旅客の占有率は航空機一三パーセントに対し東海道新幹線八七パーセントであることが認められる。)。

東海道新幹線が開通してから二〇年を経過し、新幹線はわが国社会に定着し、高速かつ安全な交通機関として年々一億以上の乗客に利用され、社会生活のうえに占めるその重要性はおおうべくもないのであり、その公共性は極めて高度のものであるといわざるを得ない。

しかしながら、東海道新幹線が沿線住民に対し種々の不利益をもたらしたことも否定することはできない。その最も大なるものは、いうまでもなく騒音振動の被害であつて、これが東海道新幹線全沿線に亘り非原告である沿線住民にも軌道からの距離その他の条件に応じ原告らと同様に及んでいるわけである。また、列車走行速度に関係ないにせよ、日照妨害、落水粉塵等の被害も存在する。これらは、新幹線の社会生活上有する消極的側面であつて、新幹線の公共性の主張に対し抑制的に働く因子である。

4いわゆる発生源対策

(一) 東海道新幹線は、その建設当時世界最初の時速二一〇キロメートルによる営業運転を志向したため、かかる高速走行を可能ならしめるため、軌道、車両、電気、構造物等全般の関係にわたつて多くの新規な考案が現実化され、第一次的には安全、保守を主眼として採用された新機軸が結果として騒音振動の防止にある程度まで役立つことになつたのである。

しかして、新幹線建設にあたり被告はその騒音をいわゆる在来線並みに止めることを目標とし、具体的には八〇ホンないし八五ホン程度を志向していたものである。しかしながら、本件七キロ区間においては在来線においてすら一〇〇ないし一一〇ホンの騒音を発していた無道床鉄桁が四箇所も架設されていてこれは当然苦情の対象となるべきものであつた。また、在来線の場合には古い時代に人家の少ない場所に鉄道が敷設され、その後になつて軌道近傍まで都市化するという経過をたどつた場合が多かつたのに、本件七キロ区間においては繁華街とはいえないにせよ、名古屋市の区部の中に後から新幹線軌道が建設されたことが問題を深刻にした。

かくて、新幹線開業後、特に無道床鉄桁付近の住民からの苦情が出始め、被告は新幹線騒音振動の対策に取り組まざるを得なくなつたのであるが、現在までに、本件七キロ区間において実施した発生源対策を要約すれば次のようになる。

(1) バラストマットの敷設

(2) 防音壁の設置

(3) 波状摩耗の削正

(4) レールの重量化、トロリー線の改良

(5) レジン系研摩子の採用及びパンタグラフ碍子の改良

(6) 無道床及び有道床鉄桁の防音工

右対策の実施の結果、新幹線騒音は昭和五二年ころ以降高架橋付近では平均的に八〇ホン、無道床鉄桁付近でも平均的には八五ホン程度に低減するにいたつた。被告が将来に向つて発生源対策として計画しているのは、目下のところ、架線を重量化するとともにハンガー及びドロッパーの間隔を短縮すること、車両の取換えに際しパンタグラフの改良を実施すること、バラストマットの敷設の続行、ラムダ型防音壁の採用等であるが、これら対策の努力にもかかわらず、新幹線騒音を音源である車両、線路等の改良により低減せしめるについては二五メートル離れ八〇ホンのレベルが一つの大台であると考えられているのである。

また、新幹線振動については発生の機序が複雑であり、諸般の対策も極めて困難な現状では高架橋から二〇メートル程度の距離を保つほか有効な発生源対策はない。

(二) 原告らは、騒音振動対策の一つとして本件七キロ区間における減速を主張し、その実行が比較的容易であつて、いわば即効的方策ともいうべく、新幹線列車運転士による本件訴訟支援活動として実行された経験があるため、本件差止請求の中核としているものである。

おもうに、被告は一応国とは別個の法人格を与えられてはいるが、その実質は国に準ずる存在あるいは広い意味における国の機関である(被告設立の根拠法である日本国有鉄道法を通覧すれば明らかに看取されることである。)。かかる法律的地位にある被告が、国民(本件においては沿線住民)との間に生じている差止あるいは損害賠償の対象となるような法律的事案の処理において右住民を一律的平等的に取り扱うべきことは、国民の法の下の平等の理念に照しても当然の要請であるといわなければならない。

しかして、原告らが差止請求の根拠とするところは、身体なる法益に基づく妨害排除請求権であり、本訴は、原告各個の右請求権に基づく訴が通常の共同訴訟として併合されているものである(厳密には、原告各自が七キロ区間全域に亘る減速を請求する権利はなく、軌道上自己に及ぼし得る限りの距離の走行について減速を求め得るにすぎない。)。それ故、多数原告が一の訴に併合されていることによつて、単独で訴を提起した場合よりも強力な権利を被告に対し主張し得ることにはならないし、また、大都市の人口密集地区に居住しているからといつて各自の身体権の保護以上のものを主張し得る筋合でもない。原告らは本件七キロ区間が人口密集地域であることを理由に沿線他地域の住民と異なり、優先して減速を求め得るようにいうが、法律上そのように解すべき根拠は存しない。本件七キロ区間の原告らも、他地区の沿線に住む住民も新幹線により同等の騒音振動被害を被つている限り同等の権利を有し、同様の対応を要求し得るものと解さざるを得ないのである。

ところで、東海道新幹線沿線において現在人家のたち並んでいる状況は公知の事実といい得るが、東海道メガロポリスなる言葉の存在が端的に示しているように、その沿線においては人家の列に切れ目のあることがむしろ珍しい程になつてしまい、軌道からの距離が原告らと同程度であつて少くとも騒音被害が原告らと同程度であると推認される家屋は極めて多数存在する(原告らが人口高密度地区として指摘する箇所でも本件七キロ区間以外に一二地区存在する。)。原告らに対し被害軽減の措置として実体法上被告に減速の義務があるのであれば、地域類型Ⅰの地域あるいは右指定前の被告選定五一箇所延長約二〇〇キロメートルの区間に限られず、原告らと同等の被害条件下にある右以外の区間の住民に対しても被告において同様の減速の義務を負つていることを否定するわけにはいかない。かかる場合において、訴訟を提起していないから、あるいは、裁判外で減速の要求をしないからといつて、原告らには減速による被害軽減の利益を与え、同じ義務を負う他の住民に対しては口を拭つてこれを無視し去るというごときは国に準ずる立場にある被告として許さるべきことではない。まして、裁判所の判決により原告らのために減速すべきことを命ぜられたとするならば、私人以上に国権の判断を尊重すべき被告の立場として、同様被害条件下にある他住民に対してはこれらから訴訟を提起されるまでもなく、事実上右判決に示されたと同様の減速措置をとることを余儀なくされるであろう。

このようにして被害を受けている住民に対し減速による騒音振動対策を実行するならば(もとより実効性ある減速として原告らも主張する時速一一〇キロメートル程度への低減を考えねばなるまい。)、少なくとも前記五一箇所の区間延長約二〇〇キロメートルにおいて減速を必要とする。かくて、形式的には、主要区間につき時速二〇〇キロメートル以上での走行をうたう全国新幹線鉄道整備法の立法の趣旨に反し、実質的には、わが国陸上交通体系に由々しい混乱を惹起し、社会的経済的にも重大な結果に逢着せざるを得ないこととなる。

以上の次第で、新幹線騒音振動の被害に対応するにつき、対策の画一性・一律性を主張し、特定地域に限つての個別対策をしないことを前提として減速を不可とする被告の態度は少くとも法律的にはやむを得ないものとしてこれを是認し得るものであり、減速を極めて容易な発生源対策であるとする原告らの主張にはにわかに賛成し難い。

5いわゆる障害防止対策

(一) 被告は、昭和四九年のいわゆる第一次処理要綱により騒音八五ホン以上の住宅につき防音工事、移転等の助成をなし、かつ、振動対策として二〇メートル対策を実施した。次いで、昭和五一年にいわゆる第二次処理要綱を実施し、防音工事、移転助成対象家屋を拡大し、さらに同五六年その一部改正により騒音対策の対象を七五ホンを超える住宅に及ぼした。また、これより先、昭和五五年に右第二次処理要綱の改正により、防振工の実施による振動対策を加えた。

(二)  現在実施されている家屋防音工の種類は、一級工法(騒音八五ホン以上の住宅を対象とする。)、二級工法(騒音八〇ホン以上八五ホン未満の住宅を対象とする。)及び三級工法(騒音七五ホンを超え八〇ホン未満の住宅を対象とする。)である。右一級ないし三級工法は、屋内においてそれぞれ三〇ホン、二五ホン、二〇ホンの減音効果を得ることを目的とする。

家屋防振工は、振動七〇デシベルを超える地域所在の木造住宅に適用されるもので、屋内振動を地盤振動と同程度に減少させる効果を得ることを目的とする。

移転補償は、被害住民の沿線からの離脱を目的とするから最も徹底した対策であり、主として二〇メートル対策及び南方貨物線の建設に伴う移転対策として実施された。その補償額は「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」に準じて定められる。移転を希望しない者に対しては、防音工、防振工の助成をもつてかえることができる。

防音工、防振工を施工した結果は、おおむね所期の効果が得られているものと認められる。移転の場合の補償額も低廉であるとは認められない。

(三)  障害防止対策の昭和五九年三月一五日現在の進捗状況は、新幹線の東京、博多間において、八〇ホン対策については対象戸数の九九パーセントが、七五ホン対策については対象戸数の五五パーセントが、振動対策については対象戸数の四九パーセントが被告の助成を受け入れ、移転または工事を完了している。

右同日現在の本件七キロ区間における進捗状況は、八〇ホン対策防音工対象戸数七八〇戸(うち原告六四戸)に対し契約ずみ七六九戸(九九パーセント、原告らにつき九一パーセント)、七五ホン対策防音工対象戸数五七四戸(うち原告四五戸)に対し契約ずみ四八一戸(八四パーセント。原告らにつき同率)であり、振動対策対象戸数八〇五戸(うち原告一四一戸)に対し移転契約ずみ四二〇戸、防振工契約ずみ二五四戸(合計八四パーセント、原告らにつき七五パーセント)である。

結局、原告らのみについていうと、要対策戸数一九六戸のうち一五七戸(八〇パーセント)につき対策ずみであつて、未対策の原告戸数は三九戸(二〇パーセント)となる。未対策原告の理由別分類はB第一〇表記載のとおりである。

また、被告が障害防止対策のため支出した費用は、東京、博多間全線で七五四億円、本件七キロ区間で八四億円である。

(四)  障害防止対策ももとより完全無欠なものではなく、例えば防音工においては、開窓により著しくその効果を減損するという欠点を有する。しかしながら、防音工において閉窓室内約五五ホンの状態がおおむね達成され、防振工において屋内振動を地盤振動と同程度に減少させることもでき、移転補償においてもその金額は不当に低いとはいえないこと右に述べたとおりであるから、被告の障害防止対策の実施ないし原告らに対する提供は、受忍限度判断において被告に有利な事情として充分評価されなければならないものと考えられる。

また、東海道新幹線は、その有する高度の公共性の反面に、主としてその騒音、振動により沿線住民に被害を与え、これを被告の公共性主張につき抑制的因子として参酌すべきことは前にふれたが、山陽新幹線を含む東京、博多間の全沿線において被告の障害防止対策が広範に実施され、特に実害の大きいと思われる八〇ホン以上の対策戸数につきその九九パーセントまでの対策完了により、右被告に不利益な事態は著しく改善されるにいたつたものというべきである。

6行政指針

昭和四七年一二月新幹線騒音について、環境庁長官から運輸大臣に対し勧告がなされ、これによつて、右騒音のレベルが住居等の存する地域において八〇ホン以下となるよう対策を講ずべきものとされた。その後、昭和五〇年七月「新幹線鉄道騒音に係る環境基準」が環境庁告示をもつて定められ、これによる基準値は地域類型ごとに定められ、Ⅰ地域は七〇ホン以下、Ⅱ地域は七五ホン以下とされた。環境基準は総合的施策によるも目標期間内に所定基準値を達成することが困難な場合には家屋防音工により基準達成と同等の屋内環境が保持されるようにするものとしている。

また、新幹線振動については、昭和五一年三月環境庁長官から運輸大臣に対し勧告がなされ、これによつて右振動のレベルが七〇デシベルを超える地域について緊急に振動源及び障害防止対策を講ずべきものとされた。

新幹線騒音の環境基準は、公害行政上の具体的目標値を示すものであり、公害対策基本法九条にその法的根拠を有している。これに対し、右振動指針は環境基準ではないが、当面の振動規制を講ずるに当つて依拠すべき基準である。

被告は、騒音については種々の音源対策を講じたが、無道床鉄桁周辺において九〇ホン、高架橋近傍においても八〇ホンを超える騒音が残存し、振動については顕著な効果をおさめうべき地盤振動対策がないので、障害防止対策として、前者については家屋防音工により基準達成と同等の屋内環境(五五ないし六〇ホン)の達成、後者については二〇メートル対策及び家屋防振工により七〇デシベルの基準の達成に向けて努力し、現在までに相当の成果を収めたことは前項において説示したとおりである。

なお、環境基準は、国の環境行政上の施策の目標として設定されるものであるから、それが当然に私法上の受忍限度を画する値とはならない。しかしながら、環境基準の設定においては、人の健康と生活環境の保全を第一義としながらも、公害に関連する種々の利益との衡量、施策の現実的可能性への配慮も不可避であり、これらを調整して具体的現実的目標値を策定する手法は、私法上の受忍限度判断のそれと共通するものがある。しかも、前記環境基準及び緊急指針の設定に当つては、環境庁長官から中央公害対策審議会への諮問がなされ、わが国における最高水準の専門家を含む専門委員会において検討がなされているのである。かくて、私法上の受忍限度判断においても環境基準、緊急指針上の数値は、その法律上の性質の差違にもかかわらず重要な参考資料たることを失わないものである。

7地域性

(一)  本件七キロ区間の沿線地域は、ほぼ三分の二は商業地域、近隣商業地域、準工業地域、工業地域であり、その余の約三分の一は住居地域として右商工業地域の中に混在している。新幹線騒音に係る環境基準に基づき愛知県知事が指定したところによれば、原告らの約三分の一強が類型Ⅰ、その余が類型Ⅱに属しており、本件七キロ区間の地域特性を概括すれば住居地域というよりも、むしろ準商工業地域に該当するものである。

(二) 暗騒音、暗振動は、いわば地域的特性の具体的(場所的、数値的)表現ともいうべきものである。本件七キロ区間においては大道路、工場周辺において中央値七五ホンを超える暗騒音を記録する場所もある(上端値で騒音八三ホン、振動六三デシベル)。また、原告らの中には、自己の営業活動により相当の騒音を発しているものもある。右暗騒音の状況は、本件七キロ区間が全体として準商工業地域に該当するとの前記所見を支持するものである。

8他の交通騒音との比較

名古屋市が昭和四七、八年に行つた新幹線以外の愛知県内主要鉄道についての騒音振動調査によると、近側列車、二五メートル離れの騒音振動値(振動値は以下かつこ内に示す。)は、国鉄在来線の平坦構造において騒音八〇ホン(振動速度毎秒0.2ないし2.5ミリメートル)、盛土高架構造において八三ホン(毎秒0.3ないし0.5ミリメートル)、名鉄線の平坦構造において八六ホン(毎秒0.3ないし1.0ミリメートル)、鉄橋において八九ホン(毎秒0.3ないし1.0ミリメートル)、近鉄線の平坦構造において八五ホン(毎秒0.4ないし1.5ミリメートル)であつた。また、同市が昭和五二年に行つた同様の調査によると二五メートル離れの騒音振動値(振動は以下かつこ内に単位デシベルで示す。)は、国鉄東海道線八一ホン(五七デシベル)、同中央線八七ホン(五七デシベル)、同関西線八七ホン(六二デシベル)、名鉄名古屋線八六ホン(五九デシベル)、常滑線八六ホン(五八デシベル)、犬山線九〇ホン(六二デシベル)、瀬戸線七八ホン(五〇デシベル)、小牧線八二ホン(六一デシベル)、近鉄線八三ホン(五九デシベル)であつた。なお、名鉄名古屋線の走行本数についてみると、早朝深夜においてその頻度は新幹線よりも遥かに高い。

鉄道騒音振動のほか、大都市の市街地域、幹線道路の周辺、飛行場周辺地域等においては環境基準の基準値を上廻る高騒音あるいは振動に暴露されている場所も多く、現在のわが国の都市騒音ことに新幹線以外の交通機関による騒音振動も相当に激しいものということができる。

9結論

以上本件において当事者双方の側に存する諸事情を簡潔に要約再掲したが、当裁判所は、一方において、本件新幹線騒音振動の態様・程度、原告らの受けている被害の性質・内容、他方において、東海道新幹線のもつ公共性の内容・程度、被告に対する差止によつて生ずる影響を比較衡量し、新幹線営業開始後の騒音振動暴露量の変動、被告がこれに対しとり来つた発生源対策、障害防止対策及びその将来の予測、行政指針、原告ら居住地の地域性、新幹線騒音振動の他の交通騒音振動との比較等を総合考慮した結果、東海道新幹線の現在の本件七キロ区間における運行状況(従つてこれに基づく騒音振動の暴露)は、差止の関係において原告らが社会生活上受忍すべき限度を超えるものでない(違法な身体権の侵害とならない)と判断する。

よつて、被告の東海道新幹線の現在の運行状況により、これに基づく騒音振動をもつて原告らに対しその権利ないし法益を違法に侵害していることを前提とする原告らの第一次の差止請求及び当審において新らたに提起された予備的差止請求は、その請求の一部認容の当否につき判断を進めるまでもなく、いずれも失当として棄却を免れないものである。

第七  損害賠償請求について

一国賠法二条の適用について

被告が国賠法二条一項にいう「公共団体」に該当し、東海道新幹線鉄道の施設及び車両が一体となつて「公の営造物」に該当することについては、当裁判所の判断も原審と同一であるから、原判決理由記載(k一頁三行目からk三頁六行目<同四一九頁四段二五行目〜四二〇頁二段九行目>まで)を引用する。

原告らは、新幹線列車の走行に伴つて発生する騒音振動による原告らの被害の賠償の請求につき第一次的に国賠法二条一項を援用するところ、被告はこれに対し、右法条にいう設置又は管理の瑕疵とは営造物自体に存する「物理的欠陥」を意味し、設置・管理者の意思に基づく活動(本件においては列車の運行)を含まない、しかるに、本件新幹線鉄道には何ら物理的欠陥はないし、原告らが被害を被つたという列車の運行は被告の意思に基づく活動である、また営造物の本来具備すべき安全性とは営造物の利用者に対する安全性を意味し原告らのような第三者に対する安全性を欠く場合を含まない、それ故原告らは国賠法二条一項によつてその主張する損害の賠償を請求することはできないと反論する。

国賠法二条一項の営造物の設置又は管理の瑕疵とは、営造物が有すべき安全性を欠いている状態をいうところ、右安全性の欠如は当該営造物を構成する物的施設自体に存する物理的外形的な欠陥ないし不備によつて一般的に右のような危害を生ぜしめる危険性がある場合のみならず、その営造物が供用目的に沿つて利用されることとの関連において危害を生ぜしめる危険性がある場合をも含み、また、その危害は、営造物の利用者に対してのみならず、利用者以外の第三者に対するそれをも含むものと解すべきである。すなわち、当該営造物の利用の態様及び程度が一定の限度にとどまる限りにおいてはその施設に危害を生ぜしめる危険性がなくても、これを超える利用によつて危害を生ぜしめる危険性がある状況にある場合には、そのような利用に供される限りにおいて右営造物の設置、管理には瑕疵があるというを妨げず、したがつて、右営造物の設置・管理者において、かかる危険性があるにもかかわらず、これにつき特段の措置を講ずることなく、また、適切な制限を加えないままこれを利用に供し、その結果利用者又は第三者に対して現実に危害を生ぜしめたときは、それが右設置・管理者の予測しえない事由によるものでない限り、国賠法二条一項の規定による責任を免れることができないと解される(最高裁大阪空港事件大法廷判決民集三五巻一〇号一三八一頁参照)。

本件において、東海道新幹線の物的施設自体には物理的外形的な欠陥ないし不備があつたわけではないが、新幹線列車は時速二〇〇キロメートルの高速をもつて運転される構想の下に建設されたのであり、被告による営業開始前の走行テストにおいても騒音が無道床鉄桁において一一〇ホン、その他の軌道構造においても八五ホンに達することがあることは避け難い状況にあつたこと、しかして一日の走行回数も開業後五年にして二〇〇回に達したこと、かかる状況下にあつて本件七キロ区間の周辺には原告らを含む利用者以外の第三者の居宅が密集しており列車走行に起因する騒音振動がこれら第三者に影響を与えることは必至であつたこと等の諸事情が認められるにかかわらず、被告は右騒音振動の侵襲による日常生活妨害等多様な被害の発生を防止するのに十分な措置を講じないまま、高速多数回の列車運行を継続してきたものである。してみると、被告の右侵害行為につき違法性の認められる限り(差止請求に対する判断において述べたとおり、騒音振動による被害については受忍限度判断による違法性の有無の確定が必要である。)、東海道新幹線の設置、管理には瑕疵があつたものといわざるをえない。

被告は、過失責任主義を基調とする現行法体系のもとにおいて無過失責任を前提とする国賠法二条は例外的規定であるから、これを安易に拡張すべきでないとして前示のごとき解釈を非難するけれども、その説くところは独自の見解に立脚するものであつて、当裁判所はこれを採用することができない。

二損害賠償請求に係る受忍限度判断において考慮すべき事情

損害賠償請求における受忍限度判断につき考慮すべき諸事情は大部分差止請求におけるそれと共通であり、(一)侵害行為の態様・程度、(二)被侵害利益の性質・内容、(三)侵害行為の公共性、(四)発生源対策、(五)障害防止対策、(六)行政指針、(七)地域性、(八)他の交通騒音との比較については既に差止請求に対する判断において述べたので、此処では繰返さないこととし、以下追加及び補充すべき点において検討する。

1代表騒音・振動値の修正について

損害賠償請求においては、さきに認定した原告ごとの代表騒音・振動値を一部修正して利用する必要がある。これは、さきの代表騒音・振動値が昭和五一、二年ころの測定値を基幹として認定されているところ、その前後において各種発生源対策、減速等無視し得ない状況の変化が存在するので、これを参酌する必要があることによる。

(一) 動労及び一部の国労運転士が本件訴訟の支援行動として行つた減速運転により、昭和四九年二月二一日から昭和五八年五月末頃までの間本件七キロ区間を通過する列車の約半数が計画運転速度を下まわる時速一一〇ギロ前後の速度で走行していたことは前記のとおりである。従つて、この期間中の騒音、振動被害を考える際には前記代表騒音・振動値をそのまま被害評価の基準として用いることは相当でなく、然るべき修正を施さなければならない。

ところで、代表騒音・振動値を連続測定値の上位半数の平均値として求めることを前提とすると、通常走行のもとにおける測定値から半数の列車が減速した場合の代表値を推認することは必ずしも容易でない。しかし、多くの場合は通常走行のもとでの連続測定値の全部の平均値によつてこれに近似させることができると考えられる。なぜならば、無作為に選ばれた半数の列車が減速している状態のもとで連続測定をすれば、一般的には測定値の半数が減速列車のものとなり、かつそれらが測定値の下位半数を占め、残りの上位半数を占める通常速度の列車の測定値には、通常走行下における連続測定であれば上位半数に属すべきものと下位半数に属すべきものの双方が均等に含まれると考えられるからである。

しかしながら、中川地区の名古屋寄りの部分のように計画運転速度がもともと時速一五〇キロメートル程度であるため減速走行による騒音・振動値の低減効果も大きなものとならない地域では減速列車の値が下位半数を止めるとは限らない。例えば、乙第三九三号証の四によつて認められる安達邦彦(ナ4)の騒音測定値は、、、68、67、、66、、67、、、、67、、66、68、67、66、、65、(単位ホン、○印が上位半数)であるところ、試みに奇数番目の列車につき減速による騒音低減効果を五ホンとして修正を加えてみても、各列車の上位半数又は下位半数への帰属関係に変化はなく、また偶数番目の列車について修正を加えても二列車が入れ替るだけである。このような場合の代表値の修正は通常走行時における上位半数の平均値(すなわち代表値)とそこから減速による低減効果値を差引いた値との平均値(右安達の場合についていえば代表値七三ホンとそこから五ホンを差引いた六八ホンとのパワー平均七一ホン)の限度に止めるのが相当であると考える。

そこで、当裁判所は、代表値認定の資料とした測定値を中心に代表値認定には用いなかつた測定資料をも参酌して通常走行時における全測定列車の騒音・振動値の平均値を推認し、一方代表値とそこから弁論の全趣旨によつて推認される減速走行時の低減効果値を差引いた値との平均値をも求め、両者のうちの高い方の値をもつて修正代表値とすることをもつて基本とし、近隣原告との対比等による若干の修正を加えて原告ごとの修正代表値を認定した。A第四表の「減速修正値(騒音)(振動)」欄記載の数値は認定した修正代表値と本来の代表値との差をマイナス記号を付して示したものであり、従つて、代表値から右数値を差引いたものが修正代表値となる。

なお、代表騒音・振動値の認定の際に述べたとおり、若干の原告らについては通常走行時の測定値が存しないため、減速走行時の測定である乙第三二八号証及び乙第三二九号証の測定値によつて代表値が認定されており、これらの原告については他の原告らと同じ意味における減速修正を必要としない。しかしながら、その反面として減速期間以外の時期の被害を考える場合これらの原告について前記代表騒音・振動値に何らの修正も加えないとすると公平を欠くことになるので、個別に検討した結果その代表騒音・振動値に減速走行の影響が明白に現われていると認められる場合には、減速走行期間以外の時期の代表騒音・振動値に逆にプラスの修正を施すこととした。A第四表の減速修正値欄にプラスの記号を付した数値が記載されている場合がそれであり、代表値に右数値を加えたものが修正代表値となる。

(二) 被告が東海道新幹線開業後に騒音被害軽減のため実施した音源対策の多くは本件損害算定期間の始期である昭和四六年三月三〇日(後に消滅時効について述べるところを参照)より後で、かつ前記代表値認定の基礎となつた各測定がなされるよりも前に実施されている。従つて、これらの音源対策実施前の騒音被害の状況は、前記代表騒音値によつては的確に表現されていないことになり、損害賠償の基準値として用いるにはこれに修正を加える必要がある。

とり上げるべき主な音源対策は、防音壁の設置、山崎川橋梁及び豊代架道橋の防音工事、第2六番町架道橋第二次防音工事、古新架道橋防音工事、名港線乗越橋梁及び津島街道架道橋防音工事、ナゴヤ球場附近における波状摩耗の削正である。

右各工事はそれぞれ関係する原告を異にするし、工事完了後における騒音値の減少の程度は工事の内容により、また工事地点との方向、距離、近隣建物の状況等諸関係によつても異るから、以下工事別に、関係する原告、修正を要する期間、修正の内容につき検討する。

(1) 防音壁について

<証拠>によれば、既設の一メートルの高欄ブロックの上に一メートルの防音壁を継ぎ足した場合、防音壁の直下においては効果は殆んど現われないが、上下線中心から12.5メートル(軌道側壁から約7メートル)以上離れると約三ホンの減音効果を生ずることが認められる。従つて、防音壁設置前の状態を示す騒音値としては、軌道側壁から建物の軌道に最も近い部分までの距離が七メートル以上の原告については前記代表騒音値に三ホンを加えた値、七メートル未満の原告については軌道側壁からの離隔の程度及び代表値が地上値であるか二階値であるかに応じて一ないし三ホンを加えた値(プラス修正)が相当である。

<証拠>によれば、防音壁工事が完了した時期は、船方地区については昭和四七年四月頃、明治地区及び豊田地区の北部(ト1ないし6、8の原告ら居住地域)については昭和四八年二月頃、野立・大宝地区については同年四月頃、中川地区については昭和四九年一一月頃、千年地区及び豊田地区南部(前記以外のト原告ら居住地域)については遅くとも昭和五二年九月頃であることが認められる(ただし、極く一部の区間、すなわち熱田区四番町及び同区南一番町の山側部分に延一七一メートルの未施工部分がその後も残存した。)。

右工事完了時期と代表騒音値の認定に用いた各書記載の騒音値の測定時期の関係にてらすと、被害の評価の基準となるべき騒音値は、昭和四六年三月三〇日から工事が完了した月の末日までの間については、左記例外を除き、代表騒音値に対して軌道側壁からの距離等に応じた前記のプラス修正を施した値とすべきである。

例外は次のとおりである。

ア 前記熱田地区の一七一メートルの未施工部分付近に居住する原告ら(乙第三九三号証により石黒正也・静子(フ66、67)、中島東七(チ5)、川津秀夫・敬子(チ13、14)、中野いさの(チ19)、権田寛(チ21)らであることが認められる。)については修正を要しない。

イ 千年地区及び豊田地区南部の原告らで甲第二三三号証によつて代表値が認定された者(防音壁の存しない状態で測定がなされた)については右修正の必要はなく、逆に工事完了後の期間につきマイナス修正を施すことになる。

ウ 後記の架道橋、橋梁の直近に居住する原告らのうち騒音値の低減の殆んどが架道橋、橋梁の防音工事によるものと認められる者については防音壁工事を理由とする右修正はしない。

以上による修正値(右イのマイナス修正を含む。)を原告らの世帯ごとに示すとA第四表の「音源対策前・後修正値(防音壁)」欄記載のとおりである。

(2) ナゴヤ球場付近のレール波状摩耗の削正について

<証拠>によれば、波状摩耗の削正による効果は程度の違いはあつても中川地区の原告らのほぼ全員に及んでいると認められる。

弁論の全趣旨(原審第二回検証の際の被告指示説明)によれば、中川地区における右削正作業は昭和四九年九月までに完了したことが認められるので、昭和四六年三月三〇日から昭和四九年九月末日までの期間の被害の評価に関しては代表騒音値に対して摩耗による騒音増大(それが削正により減音効果として現われたものと認められる。)の程度に応じたプラス修正をなすべきものである。

右削正による減音効果の程度についてみるに、前記中川証人の証言によれば、同証人が昭和四八年一二月から昭和四九年一月にかけて測定した際の騒音値に比べて三年後の昭和五一年一二月から昭和五二年二月にかけて測定した際のそれは、ナゴヤ球場付近において約一〇ホン、牛立町一丁目付近において約五ホン低減しているというのであるが、右の低減効果には防音壁によるものも含まれていること、昭和四八、四九年の測定は騒音計の動特性ファーストによるものであることを勘案すると、レールの削正のみの騒音値低減効果は、ナゴヤ球場付近において約五ホン、牛立町一丁目付近において一〜二ホン程度であるとみることができ、これを符号ナの原告らの世帯別に示すと、A第四表の「音源対策前・後修正値(レール削正)」欄記載のとおりである。

(3) 津島街道架道橋防音工事について

<証拠>によれば、右工事は昭和五〇年工事として施工されたというのであるが、実際の竣工は遅れて昭和五一年一〇月である。

<証拠>によれば、右工事による減音効果は架道橋に最も近い杉山秀男(ナ51)、江口春二(ナ49)宅付近において約一〇ホン、これらに次いで近い水野摩利子(ナ44)、永尾みつ江(ナ43)宅付近において約五ホンであると認められる。

従つて、右原告らの昭和五一年一〇月以前の期間の被害の評価に関しては、代表騒音値に対し右減音効果に応じたプラス修正がなされるべきである。

(4) 名港線乗越橋梁防音工事について

<証拠>によれば、右工事は昭和五〇年度工事として施工されたというのであるが、実際の竣工は遅れて昭和五一年一〇月である。

<証拠>によれば、右工事による減音効果は橋梁直近では約一〇ホンと認められるが、その直近には原告が居住しておらず、やや離れてはいるが藤本勇・洋子(ノ1、2)宅、高橋善三・久(ノ3、4)宅において二ホン、鬼頭くみ(ノ5)宅において一ホンの減音効果を受けていると認められる。

従つて、右原告らの昭和五一年一〇月以前の期間の被害の評価に関しては、代表騒音値に対し右減音効果に応じたプラス修正がなされるべきである。

(5) 古新架道橋防音工事について

古新架道橋には昭和四六年以前にもある程度の防音対策が実施されていたが、乙第二一〇号証の一、二によれば、昭和四九年一一月に無道床鉄桁の標準防音工法による工事が完了し、その効果として右工事前に比べ架道橋の直近において騒音値が約一〇ホン低減したことが認められる。

<証拠>によれば、右工事による影響の及ぶ原告らと減音効果の程度は、岡田英子・初子(タ15、16)、羽根田敏広・三千子・佳子(タ19、20、21)、大矢義治・浄子(タ85、86)、飯尾功・梢(タ87、88)、広田政市・ひさ子、政志・貴志子(タ89、90、91、92)、杉本陟雄・富子・昌子(タ93、94、95)宅付近において一〇ホンの低減、長野貫一・政子(タ22、23)宅付近において八ホンの低減、高畠保・朝枝(タ24、25)、坂野正行・美智代・正彦・勝己(タ73、74、75、76)、吉田か奈江(タ77)、橋本秀夫・とし・直行・千恵美(タ78、79、80、81)、西川留男(タ96)宅付近において五ホンの低減であることが認められる。

従つて、右原告らの昭和四九年一一月以前の期間の被害の評価に関しては、代表騒音値に対して右減音効果に応じたプラス修正がなされるべきである。

(6) 第2六番町架道橋第二次防音工事について

<証拠>によれば、右工事は昭和五二年一二月に完了し、工事前に比べて騒音値が架道橋直下において約一〇ホン、近傍において五ないし九ホン低減したことが認められる。

<証拠>によれば、右工事の効果が及ぶ原告らは浅井サイ子・正義(フ29、30)、秋山ヨシエ(フ31)、中村初子(フ32)、山田幹雄・い子(フ33、34)、服部惣一(フ36)、服部正綱・はるの(フ37、38)、丹羽耕一郎(フ39)、杉浦茂・都(フ40、41)、堀之内鉎子・靖史(フ42、43)であることが認められる。右原告らのうち中村初子(フ32)と杉浦茂・都(フ40、41)については代表値が甲第二三三号証によつて認定されているので、右工事完了の月の翌月以降の期間の被害の評価に関し代表騒音値のマイナス修正を、その余の原告らについては代表値が乙第三九三号証によつて認定されているので、右工事完了の月以前の期間の被害の評価に関し代表騒音値のプラス修正をすべきであり、原告ら世帯ごとの修正値はA第四表の「音源対策前・後修正値(架道橋等防音工)」欄記載のとおりとするのが相当である。

(7) 豊代架道橋防音工事について

<証拠>によれば、右工事は昭和五一年一月に完了したことが認められる。

<証拠>によれば、架道橋直下における減音効果は約一五ホンであり、付近に居住する成田陟(ト58)、鈴木朝二(ト59)、森田つる・愛作(ト60、61)、田島テル子(ト62)に対しそれぞれ一〇ホンの減音効果が及んでいると認められる。

従つて、右原告らの昭和五一年一月以前の被害の評価に関しては、代表騒音値に対して右減音効果に応じたプラス修正がなされるべきである。

(8) 山崎川橋梁防音工事について

<証拠>によれば、右工事は昭和五一年一月に完了したことが認められる。

<証拠>によれば、橋梁直下における減音効果は約一五ホンであり、付近に居住する伴野芳秋・さかえ・芳枝・光彦(ト75、76、77、78)につき一三ホン、加藤とめ(ト74)に対し一〇ホンの減音効果が及んでいることが認められる。

従つて、右原告らの昭和五一年一月以前の期間の被害の評価に関しては、代表騒音値に対して右減音効果に応じたプラス修正がなされるべきである。

(三) 前記のとおり代表騒音・振動値の中には当事者間に争いがないことにより原告らの主張権をもつて代表騒音・振動値としたものがある。しかし、それらの争いがない数値は当然一定の時点における測定に基づくことを前提にしているものであるから、該時点の前後において減速走行、音源対策等による状況の変化が存するときは、争いがないとの一事により右状況を無視し去るべきではなく、右争いのない数値についても前記(一)、(二)の修正を施すべきであると考えられる。

しかし、右(一)(二)による代表騒音・振動値を修正するについては、それ自体の認定に用いた資料如何によつて修正の方法に差異が生ずるものであり、音源対策による修正についてはこの点が重要であるところ、当事者間に争いのないものとして確定された右代表騒音・振動値は、原告らにおいて昭和五一年一二月から昭和五二年二月にかけての測定による値として主張したものを被告においても認めたものであり、右測定は甲第二三三号証として提出されていることが明らかであるから、右争いない代表値は甲第二三三号証によつて認定した値と同視し得るものということができる(ただし、メ64、65大河内方の騒音値については昭和四九年七、八月の測定値として主張されたものであるが、同原告方附近では右時期から昭和五二年二月頃までの間に新たな音源対策はなされていないから、これについても甲第二三三号証によつて認定したものと同視してさしつかえない。)。

従つて、当事者間に争いがないものとして確定された騒音・振動値の前記修正は、甲第二三三号証によつて認定されたものの修正と同様の方法によつた。

2原告らと被告との折衝の経過等

原告らは、新幹線開業以来の原、被告らの折衝過程において、被告が適切な対応をなさず、加害回避のためになすべき努力を怠り、ことさらに原告らの精神的苦痛を増大させてきたものである旨主張するので、原告らと被告との折衝の経過等についてここに概観する。

(一) 新幹線開業から昭和四九年四月まで

新幹線の開業(昭和三九年一〇月)間もなく沿線住民の一部から列車走行によるテレビの視聴妨害に対する苦情が出始め、原告森田愛作、同日比野儀重らがNHK及び被告に対して善処方申し入れたこと、熱田区の住民一一四名が昭和四〇年六月名古屋市に対して新幹線の騒音振動対策、テレビ映像障害の防止について陳情し、名古屋市が騒音の実態調査を実施したうえ同四五年一月被告に対して騒音防止についての改善事項につき文書で質問したところ、被告が同年三月明治小学校、古新架道橋付近等における防音対策を同四六年三月までに実施する予定である旨報告したこと、右原告森田らが中心となつて昭和四五年一〇月ころ「テレビ障害に抗議する会」「新幹線公害をなくす会」を結成し、それが同四六年一〇月「名古屋新幹線公害対策同盟」に、さらに同四七年八月「名古屋新幹線公害対策同盟連合会」(以下「連合会」という。)に発展し、以後新幹線公害追放のための各種運動を展開し、同四九年二月原告団を結成して同年三月三〇日日本訴提起にいたつたこと、また、名古屋市議会や愛知県環境部、日本弁護士連合会から被告に対しての対策の申し入れや意見書の提出があり、名古屋市長からも昭和四七年七月被告に対して減速等騒音振動防止のための対策をとるよう申し入れがなされたこと、その間被告において、テレビ障害についてはNHKと協定を結びアンテナの設置を委嘱したこと、名古屋市長らの申し入れに対し、減速は困難であるが防音壁を設置する旨等の回答をなし、また、原告らの結成した前記同盟や連合会と数回にわたり現地において交渉を重ねたこと及びその詳細等については、当裁判所の認定するところも原審と同一であるから原判決ⅰ一頁二行目からⅰ一八頁六行目<同四〇四頁四段三行目〜四〇七頁二段八行目>での記載を引用する。

(二) 昭和四九年五月から同五九年七月まで

<証拠>によれば、次の事実が認められる。

(1) 昭和四九年七月二日、連合会をはじめ全国各地の新幹線公害に対する反対運動の組織二一団体が参加して、本件訴訟の支援と新幹線公害の防止を目的とする「新幹線公害反対全国連絡協議会」が結成された。同協議会は同年八月一三日第一回総会を開き、翌一四日運輸省、環境庁及び被告に対し新幹線公害問題について対策の申し入れをした。

(2) 原告団及び連合会は原審判決言渡の翌日である昭和五五年九月一二日被告本社において高木国鉄総裁と直接交渉して対策を要望した。同総裁は同五六年六月一一日名古屋市内の沿線家屋を視察して原告らと懇談し、公害対策のための現地協議機関(いわゆる名古屋テーブル)を設けることの約束がなされた。

(3) その後昭和五七年七月二五日及び一〇月三日に連合会と被告との間において現地交渉が行われたが、新幹線公害問題について全面的な解決を求める原告らと、減速等本件訴訟の対象となつている事項を除外し、主として障害防止対策についての話し合いを求める被告との間で協議は進展をせず、以来連合会から被告に対して文書による交渉申し入れをなし、あるいは新幹線公害の全面解決をめざす要求書等を提出するに止まり、両者による直接交渉がなされないまま今日にいたつている。

(4) なお、昭和五九年二月三日原告団が中心となつて「名古屋新幹線公害の全面解決をめざす実行委員会」が結成され、以来同委員会は右公害問題につき訴訟の内外を通じて広く運動を進めるとの目的の下に署名活動、街頭宣伝活動及び各種団体への働きかけを行つているものである。

三受忍限度について

1原告らが受忍限度を超える被害を被つているか否かは、これまでに検討を加えた事項のすべてを総合して判断されるべきものであるが、判断の中心となるのは被害の性質・程度である。そして本件においては先に検討した新幹線列車走行に伴う騒音振動と各種被害との高度の相関性に鑑み、原告らの被害は直接的にはその居住敷地における屋外騒音振動の暴露としてこれを把握することが可能である。被害をこのように把えることにより、被害の拡大又は縮少につらなる原告ごとの個別事情はある程度捨象ないし平均化されざるを得ないが、反面本件のように多数の原告が関係する訴訟においては被害を共通の尺度によつて把握し得る点に合理性を見出すことができる。

このようにして、受忍限度判断は代表騒音・振動値を尺度として原告らに共通する一般基準を設定して行うことが可能となり、公共性、行政指針、地域性など被害自体とは関係のない事柄も原告らに共通のものとして右一般基準を設定するに際し考慮されることとなる。

2特定の原告あるいは特定の原告の一団のみに関係する考慮事項が存するときは、基本的受忍限度値に対する修正値を定めあるいは一般の受忍限度値に対し特別の受忍限度値を定めることによつてこれらを受忍限度判断に反映させることになるが、このような処理の要否が問題となるものに、後住原告、地域類型、障害防止対策としての防音工、防振工などがある。

(一) 先ず、いわゆる後住原告に関し修正値を設けるか否かについて考えるに、居住開始に際し騒音振動被害があることを認識し、かつこれを容認したと認められる者については加害の違法性が阻却されると解すべきであり、それにいたらない単なる後住原告については慰謝料の算定の際に考慮すれば足りるから、後住原告については受忍限度値の修正は行わないこととする。

(二) 行政上の基準においては、環境基準にせよ規制基準にせよ地域性による区分を設けるのが一般であることは前認定のとおりである。行政上の基準はその根底に土地利用の地域的区分を積極的に推進しようとする政策上の目的を有すると解されるから、基準の設定に際し地域区分を設けることは自然であるが、個別の被害の救済を目的とする民事の損害賠償に係る受忍限度判断において同程度の被害に対する救済につき地域性による区別をすることは、しかく当然のこととはいえない。

もつとも、土地の利用につき合理的な地域区分の設定を促進することは都市の健全な発展のため不可欠の要請であり、既に公法上は都市計画法等によりそのための種々の方策が講じられている以上、土地利用の態様に起因して不可避的に生ずるような被害に対する私法上の評価にこのことがある程度反映することもまた否定し難いところである。

しかしながら、原審及び当審における各検証の結果及び弁論の全趣旨によれば、本件七キロ区間の沿線地域については新幹線鉄道騒音に係る環境基準に定めるⅠ類型に該当する地域とⅡ類型に該当する地域との間に画然とした地域性の差を認め難いこと、右環境基準が設定されたのは前記のとおり昭和五〇年七月のことであつて、東海道新幹線の開業はもちろん、本件訴訟の提起よりも後のことであることにてらし、地域類型による受忍限度値の差は設けないのが相当である。

(三) 屋外騒音・振動値を尺度として受忍限度値を評定するとしても、実質的な被害との相関を考える際には主として屋内での生活を想定すべきであり、従つてそこでは騒音について家屋による減音効果が、振動については逆に増幅現象の存することが前提とされなければならない。

前認定のとおり、我国の一般的家屋構造を前提とした場合の家屋の減音効果は総合的には約一〇ホンの低減、同じ前提の場合の振動に対する増幅効果は約五デシベルの増加であるところ、前記のとおり被告の障害防止対策の提供を受け容れて家屋防音工事を施工した原告らについては、窓を閉じた状態での減音効果は一級防音工の場合一般に約三〇ホン減、二級防音工の場合は約二五ホン減、三級防音工の場合は約二〇ホン減であり、また同じく家屋防振工を施工した原告らについては家屋増幅現象がほぼ消失し、屋内振動値が地上値並みに低減する。そしてこれが被告の障害防止対策の効果であつてみれば、単なる原告ごとの家屋構造のばらつきとしてこれを捨象することは相当でなく、受忍限度判断に反映させるべきものである。その方法としては防音工又は防振工施工後の受忍限度値を修正することになるが、具体的な数値は後記のとおりである。

3以上の結果、本件における受忍限度判断は、騒音値及び振動値を尺度として、一般的受忍限度値及び防音工、防振工施工後の修正受忍限度値を定めたうえ、代表騒音・振動値(前記修正に係るものを含む。以下同じ。)がこれを超える原告につきその被害が受忍限度を超えているとみることになる。

なお、右受忍限度値は一列車通過時の騒音・振動値をもつて定められるが、もとより一列車が孤立して発する騒音振動についての受忍限度を定めるものではなく、一定の頻度のもとに連日走行する列車が発するものとしての騒音振動の受忍限度を一列車が発する騒音・振動値によつて表現するものであることはいうまでもない。

しかして、前記の諸考慮要素を総合的に検討した結果、当裁判所は、右一般的受忍限度値は騒音につき七三ホン、振動につき六四デシベルと定めるのが相当であり、防音工施工後における騒音の修正受忍限度値は七六ホン、防振工施工後における振動の修正受忍限度値は六九デシベルと定めるのが相当であると考える。

4原告ごとの受忍限度判断は次のとおりである。

原告らの本件損害賠償請求は、原審口頭弁論終結の日までの被害に基づくものとその翌日以降の被害に基づくものに区分される。まず、原審口頭弁論終結の日までの被害に基づくものについて判断するに、原告らの代表騒音・振動値をそれぞれ前記受忍限度値(障害防止対策としての防音工、防振工が完了した場合の前記修正受忍限度値を含む。以下同じ。)と対比すると、(主)第一表記載の原告らについては昭和四六年三月三〇日から原審口頭弁論終結の日である昭和五四年六月二二日(ただし、死亡原告、転出原告については各死亡・転出日)にいたる全期間又はそのうちの一部の期間においてその代表騒音値又は代表振動値(承継人である原告の場合は死亡原告の代表騒音・振動値)が受忍限度値を超えている。なお、昭和四六年三月二九日以前の被害については、後記のとおり、仮に賠償責任が生じていたとしても既に消滅時効が完成していると解されるから、受忍限度判断には立入らない。

右原告らを除くその余の原告ら((主)第三表に氏名記載)については右期間全体を通じてその代表騒音値、代表振動値がともに受忍限度を超えていない。

次に原審口頭弁論終結の日の翌日以降の被害にかかる請求についてみるに、右請求はさらに当審口頭弁論終結の日である昭和五九年七月一三日以前の被害にかかる請求と同月一四日以降に生ずべき被害にかかる請求(将来請求)とに区分される。そして、将来請求については後記のとおり訴えが不適法であると解されるから、これについての受忍限度判断はしない。

当審口頭弁論終結以前の被害にかかる損害賠償請求はさらに毎月二三日から翌月二二日まで(ただし、昭和五九年七月は一三日まで。転出・死亡原告の場合はその主張にかかる転出・死亡日の前日まで。)を単位期間として細分されている。右請求をしているのは第一当事者目録記載の原告らのうちB第四表記載の原告らである(第二当事者目録記載の原告らの右請求は当審における審理の対象となつていない。)ところ、これらの原告の代表騒音・振動値(承継人たる原告の場合は死亡原告の代表騒音・振動値)をそれぞれ前記受忍限度値と対比すると、(主)第二表記載の原告らについては各期間のすべて又はそのいずれかにおいてその代表騒音値又は代表振動値が受忍限度値を超えている((主)第二表の履行期別慰謝料額欄記載の各履行期は、代表騒音値又は代表振動値が当該期間中常に又はその一部において受忍限度値を超える単位期間の最終日の翌日である。)。

右原告らを除くその余のB第四表記載の原告ら((主)第四表に氏名記載)についてはいずれの期間についても代表騒音値、代表振動値がともに受忍限度を超えていないものである。

四損害賠償責任の成否

1前記受忍限度判断により受忍限度を超えて被害を被つたとされる原告らに対する関係では、何らかの違法阻却事由が存しない限り、被告の東海道新幹線鉄道の管理、運営行為は違法なものというべく、右違法性が肯定されることにより被告はそれらの原告に対しその被害が東海道新幹線鉄道の設置管理に瑕疵があつたために生じたものとして国賠法二条一項に基づく賠償責任を負うものといわなければならない。そして、本件においていわゆる後住原告に違法阻却事由としての被害の容認があつたとは認められないこと後記のとおりであり、またいずれの原告の関係においてもその他の違法阻却事由の存在をうかがわせる資料はない。

2原告らは国賠法二条一項に基づく賠償責任が認められない場合に備え予備的に民法七〇九条に基づく賠償責任を主張する。しかしながら、国賠法二条一項の責任は一種の無過失責任と解されるのに対し、民法七〇九条の責任は加害者に具体的な過失の存することを要件とするものであるから、受忍限度判断の結果国賠法二条一項の責任が否定された被害については、加害が意図的であるなど特段の事情の存しない限り、民法七〇九条の責任が肯定される余地はないものと解される。しかして、本件においては右特段の事情を認めるに足りる資料はない。

五被告の抗弁について

以上により被告において損害賠償責任を負うものとされた原告らについては、さらに賠償額の問題につき判断を進めることとなるが、ここで被告が主張する若干の論点について判断を加えることとする。

1一部請求、一律請求について

被告は、原告らが原審口頭弁論終結日までの慰謝料請求につき全体の損害額を明示しないままその一部の金額であるとして一〇〇万円の支払を請求することは、被告の防御を不当に困難ならしめ、訴訟上の衡平に反するものであるから不適法である旨主張する。しかしながら、原告らの右一〇〇万円の慰謝料請求は、被告による新幹線の営業開始時から原審口頭弁論終結時である昭和五四年六月二二日までに発生した慰謝料請求権について、その請求権全部についての発生原因を主張し、その慰謝料の額が少くとも一〇〇万円以上であるとして右請求をなしているものである。このような請求における審判の対象は右期間における慰謝料請求権全部の存否であり、その既判力は右請求権全体に及ぶと解すべきであるから、本訴により請求する金額が右慰謝料の一部の請求にすぎない旨の文言が存するからといつて、後日再び訴を提起して残額の請求をなすことは許されないものである。従つて、原告らの右請求が被告に対し格別の不利益を与えるものとは考えられず、訴訟上の衡平を欠くということもない。被告の右主張は採用することができない。

次に、被告は、慰謝料の額は原告ごとに個別的・具体的事情に応じて算定されるべきものであり、原告らすべて同額ということはありえないから、原告らの一律請求は不当であると主張する。たしかに、慰謝料の額が原則として原告ごとの被害の内容、程度、その他の諸事情を考慮して算定すべきものであることは被告主張のとおりである。しかし、原告らの請求が原告ごとの具体的事情の考慮を一切否定しているものとまでは認め難いところであり、また、原告らに共通して認められる性質の被害に対する慰謝料額が全員につき一定の金額を超えるものとして、原告ら全員につき一律同金額の範囲で請求をすることも、それが前述の意味における全部請求である限り何ら妨げないと解すべきであるから、被告の右主張も理由がない。

2消滅時効について

被告は、過去の慰謝料請求権のうち、本訴が提起された昭和四九年三月三〇日より三年を遡る同四六年三月二九日以前の損害については、既に消滅時効が完成しているとして時効を援用するので、この点について判断する。

被告の加害行為は、原告らに対する間欠的な騒音振動の侵襲であるところ、その物理的レベルを考慮するときは、一、二の列車の通過をとらえて直ちに損害賠償の効果を生ずる侵害行為にあたるとはいいがたいけれども、一日概ね上下合計二〇〇本の列車の運行している状況にいたれば、一日をもつて不法行為成立の単位期間と考えることに妨げはない。

右のように、本件加害行為は間欠的であつて、字義どおりの継続的加害行為ではないけれども、新幹線列車の運行によつて毎日新たな損害が生じているのであるから、社会通念上一種の継続的不法行為であると解することができる。しかして、原告らに対し騒音振動を及ぼしている右列車運行が被告によつてなされていることは、原告らにおいて営業開始後直ちに知り得たことは疑いの余地なく、また、右騒音振動の侵襲を日々体験している原告らがその被害が受忍限度を超えていることを知つていたことは本訴におけるその主張自体に徴し明らかである。

従つて本件においては、昭和四九年三月三〇日(本訴提起日)から三年を遡る同四六年三月三〇日までの三年分の原告らの慰謝料請求権は本訴提起によりその消滅時効が中断されたということができるが、昭和四九年三月二九日以前の慰謝料請求権は時効によつて消滅に帰したといわざるをえない(国賠法四条、民法七二四条)。

原告らは、その主張の慰謝料額は原審口頭弁論終結時における原告らの精神的苦痛を端的に評価したもので、過去の一年分ごとを加算したものではなく、被告の継続的加害による精神的苦痛が年々累進的に増大する特性を有することに鑑み現時点のものとして存在する耐え難さを慰謝する金額であるから時効の抗弁は理由がないと主張する。

しかしながら、原告ら主張のごとき、長期に亘る精神的苦痛の一時点におけるいわば「凝縮的効果」なるものの存在については、これを首肯するに足りる何らの事実的法律的根拠も認められず、本件のごとき継続的被害による損害は、前述のように全期間中日々発生し、消滅時効も日々進行するものと解するほかはない。なお、原告らは原審口頭弁論終結時までの慰謝料請求権を一個のものとして訴求していると解されるのであるが、この債権は実質上期間中日々発生した損害賠償請求権を包括するものとして再構成された権利たる性質を有するものであつてみれば、時効完成による消滅部分は右一個の包括的権利に対し一部対全部の関係に立つものであるから、右権利の一部のみの時効消滅を観念することも可能であつて、一個の債権としての訴求は何ら一部消滅の妨げにならないというべきである。原告らの反論は結局採用できない。

3後住原告について

(一) 原告らのうち、新幹線が営業運転を開始した昭和三九年一〇月一日以降に本件七キロ地域に居住を開始した原告(以下「後住原告」という。)、その居住開始時期及び居住開始の事情については、次のとおり付加・訂正するほか、当裁判所の認定も原判決の理由記載(J四九頁七行目からJ八八頁一〇行<同二三一頁三段二三行目〜二三六頁四段一六行目>まで)と同一であるから、これを引用する。

(1) 原判決J四九頁七行目に「右認定」とあるのを「前記第二、原告らについての項において認定」と改める。

(2) 原判決J八七頁一二行目に「藤田勇」とあるのを「藤本勇」と訂正する。

(3) 原判決J五九頁一〇行目の「甲第三五七号証」とある次に「当審における原告斉藤カヨ子本人尋問の結果」を、同J六三頁一三行目の「甲第四一一号証」とある次に「当審における原告原田奏本人尋問の結果」を、同J八一頁八行目の「甲第五二八号証」とある次に「当審における原告岩畑正夫本人尋問の結果」をそれぞれ加入する。

(二) 被告は、後住原告らが本件新幹線騒音振動による被害につき損害賠償を請求することは、危険への接近の理論の適用ないし過失相殺の法理により許されないと主張する。

しかしながら、被告はその先住性を理由として後住者に対し列車の運行による騒音振動を排出しうる権利を取得するというわけのものではないから、かかる騒音振動の軌道外への排出が一般的に違法となり得る場合であれば、被告が後住原告らに対し本件被害につき免責を主張するについては、おのずから制限が存するといわなければならない。さきに引用した大阪空港事件最高裁大法廷判決(多数意見)も危険への接近者に対しすべて加害者に免責が与えられるとは判示しておらず、危険への接近者が危険の存在を認識しながらあえてそれによる被害を容認していたときは、事情のいかんにより加害者の免責を認めるべき場合がないとはいえないといつているに止まるのである。

しかして、前記認定(原判決引用)にかかる後住原告らの本件七キロ地域への入居の時点及びその事情を勘案し、危険への接近の理論ないし過失相殺の法理の基礎をなす不法行為法における衡平の理念に照し、左記後住原告らに対しては被告はその先住性を主張し得ない(免責を受けられない)ものと判断するのが相当である。

ア  昭和四三年一〇月一日の新幹線ダイヤ改正前に本件七キロ地域に転入した後住原告ら

すなわち、さきに認定したように東海道新幹線開業当初は全列車一二両編成であり、列車本数も一日五六本(一時間四本)、東京大阪間所要時間ひかり四時間、こだま五時間であつたが、これが昭和四〇年一一月から走行速度が現行通りとなり、列車本数も一日一〇〇本に増加した。その後走行本数は逐年増加し、昭和四二年一〇月一二六本、同四三年一〇月一五四本、同四四年一〇月一八四本、同四五年一〇月一九八本、同四八年一〇月二一一本(いずれも一日)となり、列車編成も同四四年一二月から翌四五年三月にかけてひかりが全列車一六両に、同四七年六月から翌四八年八月にかけてこだまも同様一六両になつた。本件七キロ区間における列車の騒音振動がいわゆる社会問題化したのは昭和四六、七年ごろになつてからであり、また、右被害は長期に亘る家屋内での日常の不快感、生活妨害が主たるものであつて屋外における感得によつてはその実態(特に振動被害)を予測し難いという特質を有する。

右に述べたような事実を考慮すると、少なくとも昭和四三年一〇月のダイヤ改正前に本件七キロ地域に転入した原告らについては、入居後の列車本数等の激増により当初認識した騒音振動量から推測される被害の程度を超える被害を被つたものということができ、右後住原告らに入居後における新幹線列車増発の予測を期待することも無理であるから、右後住原告らに対しては被告の免責を認めるべきではない。

右後住原告を居住開始時の順序に挙げれば左の通りである。

猿渡両名(フ59、60)、山脇(チ26)、鈴木両名(チ36、37)、大嶽(チ8)、朝山(ト18)、下里(チ80)、加藤(ト26)、堀之内両名(フ42、43)、鈴木(メ80)、迫間両名(ト1、2)、浅井(ト45)、吉戸両名(ト28、29)、坂口(タ36)、石原(チ65)、村上(タ30)、杉本(フ26)、松山(チ49)、小倉(ノ34)、久野(ト8)、神谷両名(フ17、18)、山崎両名(ナ45、46)、吉田両名(フ2、3)、加藤(フ69)、山北両名(タ6、7)、巻木両名(チ51、52)、前沢両名(メ81、82)、大矢(ト63)、坂野(ト6)、鈴木(ト59)、小林(ト48)

イ  本件七キロ地域に居住する者と婚姻し、あるいは扶養看護する(又は受ける)ため同居の必要上転入して来た原告ら

危険への接近者が被害を受忍しなければならないとされる主な根拠は、危険の存する区域に元来関係を有しない者が新らたに土地建物を賃借、取得する等選択回避の自由ある行為により外部からあえて危険の範囲内に進入した事実からその者において被害を意に介しないことが窺われる場合においても加害者に免責を認めないことが衡平を失すると考えられることに存するのであるから、標記のごとき身分行為又は身分関係に起因する危険への接近についてまで加害者の免責を認めるのは妥当とはいえないのである。

かかる事情ある後住原告(ただし、アにおいて挙げた者を除く。)を居住開始の順序に挙げれば左の通りである。

村松両名(タ12、13)、川津(フ11)、前田(メ76)、藤本(ノ1)、藤田(ナ63)、奥村(ナ71)、村田(ノ24)、松山(チ50)

ウ  被告の南方貨物線建設に伴い従前の住居を立退くことを余儀なくされた原告

かかる事情ある後住原告(ただし、アにおいて挙げた者を除く。)を居住開始の順序に挙げれば左の通りである。

野呂(ト15)、森田両名(ト60、61)、田島(ト62)、森島(ト56)、可児(ト23)

エ  本件七キロ地域内における移動であつて、移動の際本件七キロ地域外へ転出しなかつたについて相当の理由あるもの

これにあたる後住原告は、

伊藤(タ68)、成瀬(タ70)、石原両名(チ62、63)、斉藤(タ42)、池山両名(メ5、7)、甲斐(メ6)である。

(三) 右(二)のアないしエにおいて被告に免責を得せしめることが相当でない後住原告について述べたが、これらを除き残る後住原告らを居住開始の順序に挙げると、

岩畑両名(ト32、33)、横井(タ52)、木戸(チ9)、杉山(ナ51)、水野(チ41)、原田(フ44)、山本(チ70)、成田(ト58)、坂本(ト49)

の一〇名となる。

これらの後住原告らは、その居住開始の時期に照し、本件騒音振動被害の危険につき全く認識がなかつたとは到底いい難いが、さりとて前記(二)のアに述べたような事情を参酌すると、入居に際しどの程度まで右被害を洞察しえていたのか疑わしい節もあり(<証拠>)、これら後住原告らが本件被害を容認していたとまでの心証は容易にこれをとりえないものである。

よつて、右後住原告らに対しては被告の免責を認めるべきではない。しかし、同原告らについては、その居住開始につき少なくとも過失があつたものとして、これを参酌することとし、個別の事情に応じて慰謝料額を減額することとする(なお、その余の前記後住原告らについてはその居住開始に過失があつたものとまで認めることはできないから、その居住開始の時期及び理由をもつて慰謝料の減額事由とすることは相当でない。)。

(四) 再転入原告について

(1) 新幹線開通後に一旦他へ転出し、再び他所から転入してきた原告、その転出入の時期及び再転入の事情については、次のとおり付加するほか、当裁判所の認定も原判決の理由記載(J八八頁一一行目からJ九五頁一三行目<同二三六頁四段一七行目〜二三七頁四段一二行目>まで)と同一であるからこれを引用する。

原判決J九五頁一三行目の後に、

「(五) 原告らのうち、原審口頭弁論終結日以降に一旦他へ転出し、再び他所から転入してきた原告は伊賀勝己(メ68)、吉戸友治(ト28)の二名(ただし、右の日以降の請求をしていない原告及び被告自身一時転出と認める原告を除く。)である。すなわち、甲第五〇七号証、第一一二六号証及び弁論の全趣旨によれば、原告伊賀勝己は昭和二一年五月以来現在地に居住しているが、昭和五八年二月一日から同五九年一月三一日まで東京都世田谷区上馬一丁目一五番五―八〇二号へ勤務上の都合により一時転出していたこと、甲第五二六号証、第一二二八号証、乙六七九号証の九二によれば、原告吉戸友治は昭和四〇年一一月以来現在地に居住していたが、昭和五五年四月二八日から名古屋市緑区鳴海町字鴻仏目七〇番地の六へ一時転出し、同五八年八月三一日から再び妻すみ子(ト29)のいる現在地へ転入してきたことがそれぞれ認められる。」を加入する。

(2)  新幹線開通以前から本件七キロ地域に居住していた原告も、一旦その地域から転出し、再び他所から転入してきた場合には、その事情いかんにより、後住者と同様に考慮すべきであるが、右認定事実(原判決引用分も含む)によれば、右再転入原告らは勤務、勉学、家庭事情等の理由により一時的に転出し、再び自己又は親族の住居に戻つたにすぎないものと認められるから、いずれもその再転入時期が新幹線開通後であることをもつて後住者とすることは相当でないと判断する。

4障害防止対策受入れ原告について

(一) 被告は、いわゆる障害防止対策を受け入れた原告とその同居の親族は被告との間において移転、防音又は防振工事の契約が成立したことによりその時までの被害にかかる賠償請求権を放棄したものと解すべき旨主張する。しかしながら、被告の障害防止対策の内容は、原告らに対する金員支払の方法によつてなされるものとはいえ、いずれも騒音・振動の暴露量を将来に向かつて低減させあるいは回避するためのものであるから、右対策受け入れの事実が原告らの被つた被害を過去に遡り回復させる性質のものとまでみることは困難である。また、当該契約に際し、原告らにおいて過去の賠償請求権を放棄する意思が存したと認むべき証拠も存しない。従つて、障害防止対策を受け入れた原告らがその対策受け入れの事実をもつて賠償請求権を放棄したと解することはできない。

(二) もつとも、被告の防音・防振工助成の内容及び効果は前認定のとおりであり、原告らの受忍限度判断をなすに当つてこれを考慮すべきこと前叙のとおりである。そして、受忍限度を超えるとされた原告らのうち、防音・防振工助成を受け入れた原告については、工事完了以降その被つていた被害を減少させることができたものであるから、右対策受け入れの事実は慰謝料額算定に当つて当然考慮すべきである。

(三) 被告は、障害防止対策の受入れを拒否している原告らについてその慰謝料を減額すべき旨主張する。

しかしながら、障害防止対策のうち移転対策の受入れは自己の生活の本拠を他に移すことであり、また防音防振工も居住家屋に相当の手入れ改造をもたらし、時には改築にまで及ぶこともあるのであるから、これに伴う重い負担、心労、不便等を考え合せるときただちにこれを受け入れないからといつて原告らを非難することはできない。まして、障害防止対策にはこれを原告らに強制しうべき法的根拠が存しないのみならず、原告らは本訴において発生源対策による騒音振動の低減を求め、その勝訴による障害防止対策の必要性の消滅を所期しているものであつて、その請求の当否の判断が極めて困難であることは本訴の経過自体に徴し明らかであるから、原告らが本件差止に希望をつなぎ、現在の段階において右対策受入れを拒否していることをもつて被害回避の可能性の放棄と解することも困難である。さらに、右対策を受け入れていない原告らは従前と変りなく本件騒音振動の被害を続けるものであることを参酌するとこれらの原告らについて慰謝料を否定し、あるいは減額することは相当でないといわなければならない。被告の主張は採用できない。

(四) また、被告は家屋補償を受けた原告及びその同居の親族らの慰謝料算定にあたり、その事実を斟酌すべきである旨主張する。しかし、被告が原告らに支払つた家屋補償費は、前認定のとおり家屋損傷の復旧費用の半額(平均約二三万円)であつて、その費用のうちに騒音振動暴露に対する慰謝料の性質を有する金員が含まれているとまでは認め難く、また、右補償費により家屋損傷部分が復旧されたとしても、当該原告に暴露される騒音振動量が軽減されるわけではなくそれ以前と同様の状態が継続するにすぎないものであるから、以後の被害が格別減少したとも認めることもできない。従つて、右程度の金額の家屋補償費受領の事実をもつて慰謝料の減額事由とすることは相当でないというべきである。

六損害賠償額の算定

1慰謝料

(一)  原告らの慰謝料額の算定にあたつては、一方において新幹線列車走行に伴う騒音振動と被害の内容程度との高度の相関性を考え、他方において加害行為が長期間に亘りその間原告ら側において存する諸事情にいちいち慰謝料額に反映されることの不可能な多種多様の変動が発生していることに鑑み、当裁判所は、原告ら居住敷地における代表騒音値、代表振動値(前記修正に係るものを含む。)及び居住期間をもつて右算定の主たる基礎として採用した。

ただし、後住原告の一部の者、被告の防音防振工の助成を受けた原告ら及びその家族について当該事実を慰謝料算定にあたつて参酌すべきことは前記のとおりであるが、その外本件七キロ区間の地域外に別に居住家屋を有している原告丹羽(フ39)、川津両名(チ13、14)、森田両名(ト60、61)、大嶽(チ8。同原告については甲第四四一号証、乙第四一一号証の二、三、原審における同人の供述により別に居住家屋があるものと認める。)についても右事実を同様参酌するのが相当である。右原告らについての慰謝料減額の程度は、被告の防振工助成を受けた原告らについてはその代表値から五デシベルを減じた振動値に対応する後記慰謝料基準額をもつてその算定の基礎とし、被告の防音工助成を受けた原告らについては慰謝料算定の基準額から七割を減じ、後住原告らについては、岩畑両名(ト32、33)につき二割、横井(タ52)、木戸(チ9)、杉山(ナ51)、水野(チ41)、原田(フ44)、山本(チ70)、坂本(ト49)につきいずれも三割、成田(卜58)につき五割をそれぞれ慰謝料算定の基準額から減じ、本件七キロ地域以外に別住居を有する前記原告丹羽、川津両名、大嶽については三割、同森田両名については昭和五九年四月から五割をそれぞれ慰謝料算定の基準額から減じるのが相当である。

なお、原告らのうち居住付近の暗騒音(暗振動)が高い一部原告らの存することは前記認定のとおりであるが、そこで認定された暗騒音はいずれも日中における測定値であつて、夜間における暗騒音はそれより低くなると認められるところ、主として夕方から夜間にかけての騒音が強い被害感を与える新幹線騒音の影響を評価するにあたつては右暗騒音の存在はさして重視するに及ばないと考えられること、また右暗騒音は高きは八〇ホンを超えるものも存するが、右は常時存在するものでもなく、これとは別に新幹線騒音が原告らに到達している場合が多い(従つて、当該原告については暗騒音に加え新幹線騒音による被害がある。)こと等を考慮すると、暗騒音(暗振動)の高い原告らについてもその事情を個別の慰謝料減額事由とすることは相当でないと考える。

また、原告らのうち一部の原告については、日照・通風阻害、落水・落石・粉塵被害、電波受信障害等の列車走行に伴う騒音振動以外の原因によつて生ずる被害を被つていることは前記認定のとおりである。しかしながら、右各被害の認定はいわゆる新幹線被害を総体的に把握するため騒音振動以外によつて生ずる被害についてこれを概括的に認定し得たにすぎないものであつて、本件に現われた全証拠によるも、右各被害の内容、程度を各原告ごとに具体的に認定することは困難である(日照阻害を例にとれば、当該原告宅の家屋構造や隣家との位置関係等の状況を明らかにする必要がある。)といわざるを得ないものである。そしてまた、右各被害はいずれも列車走行に伴う騒音振動によつて生ずる被害との間に直接の関連を見出すことも困難である。従つて、日照・通風阻害等の右各被害は本件の慰謝料算定の個別的増額事由として考慮することは相当でない。

(二)  慰謝料額は、できるだけ代表値の大きさ及び居住期間の長短に対応させるため、原告らの居住期間一か月につき代表騒音値九三ホン以上一万二〇〇〇円、九〇ホン以上九三ホン未満一万円、八五ホン以上九〇ホン未満八〇〇〇円、八〇ホン以上八五ホン未満六〇〇〇円、七四ホン以上八〇ホン未満四〇〇〇円、代表振動値八〇デシベル以上八〇〇〇円、七五デシベル以上八〇デシベル未満六〇〇〇円、七〇デシベル以上七五デシベル未満四〇〇〇円、六五デシベル以上七〇デシベル未満三〇〇〇円を基準として算定する。

月数計算、一か月に満たない日数の処理及び慰謝料額の修正計算については、計算をいたずらに煩瑣なものとすることなく必要な精度を得ることを目途として左の方法によつた。

原審口頭弁論終結の日(昭和五四年六月二二日)までの慰謝料については、慰謝料算定期間に含まれる暦月を単位として月数を計算することとし、右期間のはじめ又は終りに生じる端日数が一六日以上であるときはこれを一か月とし、一五日以下であるときは算入しない。転出入のあつた月は認定しうるが当該の日が確定できない場合は、その月の後半に転出入があつたものとして計算する。慰謝料増減事由が当該月の一五日までに発生したときはその月のはじめから、一六日以降に生じたときは翌月一日に発生したものとして処理をする。

原審口頭弁論終結の日の翌日以降は請求自体が毎月二三日から翌月二二日までを単位期間としているので右期間につき前記基準を準用する。右単位期間の中間において慰謝料増減事由が生じたときは、原審口頭弁論終結の例によるのを原則とするが、防音・防振工の完了による慰謝料の減額は、工事による騒音・振動の低減効果が単位期間の初日から生じたときはじめて行うこととする(ただし、この場合低減効果は工事完了の日から生ずるものとする。)。原告の死亡・転出、当審口頭弁論の終結により二二日前に単位期間が終了するときは以上の処理に加え日割計算をする。

なお、受忍限度を超える騒音、振動をともに受けている原告らについては、右基準及び方法によつて算出した各慰謝料額を合算するものとする。

(三) 原告らは、過去の慰謝料として、まず、原審口頭弁論終結の日までの慰謝料として一〇〇万円及びこれに対する遅延損害金として昭和四九年四月二日から支払ずみまで年五分の割合による金員の支払を求め、仮に昭和四九年四月一日までに発生した慰謝料の額が一〇〇万円に満たないときは同月二日以降同五四年六月二二日まで(原審係属中の期間)に発生した慰謝料及びこれに対する遅滞の時から支払ずみまでの遅延損害金の支払をも求めるという。

しかしながら、原告らが請求している慰謝料一〇〇万円は新幹線開業以来原審口頭弁論終結時までの間の原告らに対する騒音振動の暴露を一括してその原因とするものであり、一日、一か月を単位とし、あるいは訴状送達の日によつて前後に区分された期間内における被害に対応する慰謝料を併合して請求するものではないことはその主張自体から明らかである。元来、本件のごときいわゆる継続的不法行為においては、慰謝料は必ずしも右のように構成して請求しなければならぬものではなく、例えば、一か月、一日等を単位として細分し、多数の不法行為の成立を観念し、これに基づいて慰謝料を請求することも可能であるが、この場合には単位期間とその間の被害に対応する賠償請求額とを特定したうえ、その合計としての請求総額を開示することが請求の特定のために必要である(仮に、原告らの慰謝料一括請求の主張が、まず昭和四九年四月一日までの分に係る慰謝料を一括主張し、これが一〇〇万円に達しない場合を慮つて原審係属中の発生に係る慰謝料及びこれに対する遅延損害金を追加請求するという趣旨であるとすれば、原告らは両立し得る請求を予備的に追加したことになり、この場合は単純併合とみざるを得ないところ、これが前記の意味における一括請求であるのか、それとも細分併合請求であるのか、後者の場合その単位期間及びこれに対する請求額が、前者であるとしても請求総額さえ明らかにされていない本件においては、右追加にかかる請求は不特定のものであるといわざるをえないのである。)。

しかるに、原告らは、原審口頭弁論終結時までの慰謝料を一括して一個の債権として主張する途を選んだのであるから、右法律構成に基づく限りこれに対する遅延損害金は右口頭弁論終結の日の翌日からのみ起算し得るものと解される。けだし、昭和四九年四月一日までに発生した慰謝料の額が区分して確定されることのない(従つて、一〇〇万円に達したか否かも確定されない。)ところに、それに対する遅延損害金の発生を考える余地はないからである。

昭和四六年三月二九日以前の被害に関し消滅時効が完成していると解すべきことは前記のとおりである。従つて慰謝料額算定の関係においても、原告らの請求は、消滅時効の完成しない最初の日である昭和四六年三月三〇日から原審口頭弁論終結の日である昭和五四年六月二二日(ただし、原審係属中に本件七キロ区間からその地域外に転出した原告ら又は死亡した原告らについては転出又は死亡の日)までの間の加害行為を一括し、これに対し一〇〇万円を限度として慰謝料を請求するものとして取り扱うをもつて足りると解される。そして、これに対する遅延損害金はそれぞれの認容金額につき昭和五四年六月二二日の翌日(又は死亡、転出の翌日)からこれを付するものとする。

次に、原告らは、原審口頭弁論終結後の被害に基づく慰謝料の請求として、昭和五四年六月以降毎月二三日から翌月二二日までを請求の単位たる期間(一か月)として特定し、期間ごとに二万円の支払を請求しているが、これについては、当審口頭弁論終結の日にいたるまで、多数の請求が併合されて存在するわけである。それ故、認容される各慰謝料に対しては当該期間の最終日の翌日以降について遅延損害金を付するものとする。

(四) 以上により、当裁判所は、原告らに対する過去の慰謝料としては原審口頭弁論終結までの分について(主)第一表の慰謝料額欄記載の金額、原審口頭弁論終結の日の翌日以降の分について(主)第二表の履行期別慰謝料額欄記載の各金額をもつて相当と認める。しかして、これに対する民事法定利率による遅延損害金は(主)第一表においては遅延損害金起算日欄記載の日、(主)第二表においては履行期別慰謝料額欄記載の日からこれを付するものとする。

2弁護士費用

原告らが本件訴訟の提起・追行を弁護士たる本件訴訟代理人らに委任したことは記録上明らかであるところ、本件事案の難易度、審理の経過、認容額等諸般の事情を考慮した結果、原審分及び当審分の各弁護士費用として、(主)第一、二表弁護士費用欄記載の各金額(各慰謝料認容額の約一割相当額)を本件新幹線鉄道の設置・管理の瑕疵と相当因果関係ある損害と認め、右金額の限度で原告らの弁護士費用にかかる賠償請求を認容し、その余(慰謝料認容分のない原告らについては全部)は理由がないものとして棄却すべきものである。さらに原告らは、右賠償請求権のうち、原審の弁護士費用にかかる部分については原判決言渡の翌日である昭和五五年九月一二日から、当審の弁護士費用にかかる部分については本判決言渡日の翌日である昭和六〇年四月一三日から各支払ずみまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求めており、この請求は右各弁護士費用認容額分につき理由がある。

なお、本件差止請求に関する弁護士費用にかかる賠償請求については、既に説示したとおり右差止請求が棄却されるべきものであるから、右弁護士費用にかかる請求も失当として棄却すべきものである。

3本訴提起当時原告であつてその後死亡したいわゆる死亡原告について認められる損害賠償請求権については、前記第二、原告らについての項において認定したところに従い、各訴訟承継原告らがその相続分に応じてこれを相続したものと認められ、右認定に反する証拠はない。しかして、各承継原告が相続した金額は(主)第一、二表各該当欄記載のとおりである。

七将来の慰謝料請求について

原告ら(B第一表記載の原告)は、当審口頭弁論終結の日の翌日である昭和五九年七月一四日から、同原告ら肩書地所在の各居住敷地内に東海道新幹線列車の走行によつて発生する騒音及び振動を午前七時から午後九時までの間においては騒音六五ホン、振動毎秒0.5ミリメートル、午前六時から同七時まで及び午後九時から同一二時までの間においては騒音五五ホン、振動毎秒0.3ミリメートルを超えて侵入させることをやめるまでの間、一か月につき各二万円の割合による金員の支払を求めているので検討する。

右は将来における慰謝料を請求するものであるが、民訴法二二六条はおよそ将来発生する可能性ある給付請求権のすべてについて将来の給付の訴えを認めたものではなく、たとえ現在不法行為が行われており、かつ同一態様の行為が将来も継続することが予測される場合であつても、それが現在と同様に不法行為を構成するか否か及び賠償すべき損害の範囲などが流動性ある今後の複雑な事実関係の展開とそれらに対する法的評価に左右されるなど、損害賠償請求権の成否及びその額をあらかじめ一義的に明確に認定することができず、具体的に請求権が成立したとされる時点においてはじめてこれを認定することができるとともに、その場合における権利の成立要件の具備については債権者が立証すべきであつて事情の変動の立証の負担を債務者に課するのが不当であると考えられる場合においては、かかる将来の損害賠償請求権は将来の給付の訴えにおける請求権としての適格を有しないものと解するのが相当である(大阪空港最高裁大法廷判決民集三五巻一〇号一四〇〇頁参照)。

これを本件についてみるに、新幹線列車の走行に伴つて発生する騒音振動は列車走行状況、列車編成車両数、列車の整備状況等により大きく変動するものであること前認定のとおりであり、これらの事実関係は今後とも変動することが十分予測され、また被告による将来の発生源対策、障害防止対策の進展、原告ら自身に生ずる事情変更によつても、原告らが将来新幹線騒音振動によつて被る被害の有無及び程度は変動することをまぬがれないのである。しかも、右騒音振動によつて被る被害は既述の諸要因を総合判断したうえ、被害者において受忍すべきものとされる限度を超える場合にのみ損害賠償が認められるものであるから、現時点において将来の事実関係を把握し、具体的金額をもつてあらかじめその賠償額を認定することは到底困難であるといわなければならない。このような新幹線騒音振動による慰謝料請求権は、それが具体的に成立したとされる時点の事実関係に基づきその成立の有無及び内容を判断すべきであり、かつその成立要件の具備については原告らにおいてその立証責任を負うべき性質のものといわざるをえない。

従つて、前記将来の慰謝料請求は権利保護の要件を欠くものとして却下を免れないものである。

第八  民訴法一九八条二項の申立について

被告はB第五表記載の原告らに対して民訴法一九八条二項の裁判を求める旨申立をし、その理由として陳述した事実関係は同原告らの認めて争わないところである。右事実関係と本件記録によれば、右原告らは、昭和五五年九月一一日B第五表「第一次執行分」欄記載の金員を原判決が仮執行宣言を付して支払を命じた昭和五四年六月二二日までの損害金合計額(原判決添付Aの第一表合計欄)の執行として、また、昭和五五年九月一三日同表「第二次執行分」欄記載の金員を前記Aの第一表損害額欄記載の金員に対する昭和五四年六月二三日から同五五年九月一〇日までの遅延損害金の執行としてそれぞれ取立を完了したものであることが認められるところ、原判決中昭和五四年六月二二日までの損害金及びこれに対する遅延損害金の支払を命じた部分が本判決主文第一項の1記載のとおり変更を免れないことは前説示のとおりであるから、原判決に付された仮執行宣言が右変更により取り消された限度でその効力を失うべきことは明らかである。従つて、右原告らは被告に対し、仮執行として交付を受けた前記損害金合計額及び遅延損害金と本判決で認容される(主)第一表記載の損害金合計額(ただし、昭和五四年六月二二日までの分。転出・訴訟承継原告については同日までの遅延損害金を含む。)及び同表慰謝料額欄記載の金員に対する遅延損害金(ただし、昭和五四年六月二三日から同五五年九月一〇日までの分)との差額である別紙(主)第五表記載の各金員をいずれも返還し、かつ、同表「第一次執行分返還金」欄記載の金員についてはその仮執行の日の翌日である昭和五五年九月一二日から、同表「第二次執行分返還金」欄記載の金員についてはその仮執行の日の翌日である同月一四日からいずれも支払ずみまで民法所定年五分の割合による損害金を支払うべき義務があるというべきである。

第九  結論

以上の次第であつて、原告らの本訴請求のうち、(一)昭和五四年六月二二日までの損害にかかる賠償請求については、(主)第一表記載の原告らが同表合計欄記載の各金員及びその内同表慰謝料額欄記載の金員に対する同表遅延損害金起算日欄記載の日から、その内同表弁護士費用欄記載の金員に対する昭和五五年九月一二日から各支払ずみにいたるまで年五分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるからこれを認容すべきであるが、同表記載の原告らの昭和五四年六月二二日以前の損害にかかる賠償請求のその余の部分及び(主)第三表記載の原告らの右賠償請求の全部は理由がなく失当としてこれを棄却すべきであり、(二)昭和五四年六月二三日以降同五九年七月一三日以前の損害にかかる賠償請求については、(主)第二表記載の原告らが同表合計欄記載の各金員及びその内同表履行期別慰謝料額欄記載の各金員に対する同欄記載の各履行期から、その内同表弁護士費用欄記載の各金員に対する昭和六〇年四月一三日から各支払ずみにいたるまで年五分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるからこれを認容すべきであるが、同表記載の原告らの右期間中の損害にかかる賠償請求のその余の部分及び(主)第四表記載の原告らの右賠償請求の全部は理由がなく失当としてこれを棄却すべきであり、(三)B第一表記載の原告らの騒音振動の侵入禁止を求める請求及び当審における減速を求める新請求はいずれも理由がないから失当としてこれを棄却すべきであり、(四)右B第一表記載の原告らの昭和五九年七月一四日以降に生ずべき損害の賠償請求(いわゆる将来の請求)にかかる訴えは不適法であるからこれを却下すべきであり、(五)右B第一表記載の原告らの右差止請求に関する弁護士費用の賠償請求も理由がないから失当としてこれを棄却すべきものである。そこで、原判決主文第一ないし第三項(ただし、第二当事者目録記載の原告らの関係では被告敗訴の部分のみ)を右のとおりに変更し、被告の民訴法一九八条二項に基づく申立については(主)第五表記載の原告らに対し同表第一次執行分返還金欄記載の各金員及びこれに対する昭和五五年九月一二日から支払ずみにいたるまで年五分の割合による金員並びに同表第二次執行分返還金欄記載の各金員及びこれに対する昭和五五年九月一四日から支払ずみにいたるまで年五分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余は失当としてこれを棄却することとする。また、訴訟費用の負担については民訴法九六条、八九条、九二条、九三条を適用し、原告ら及び被告の仮執行宣言の申立はいずれも必要がないと認めてこれを却下する。

よつて、主文のとおり判決する。

(宮本聖司 清水信之 窪田季夫)

(損害賠償認容額等の説明)

一 (主)第一表について(原審分・昭46.3.30〜昭54.6.22)

1 認容原告は四〇九名(ただし、訴訟承継原告を除き、死亡原告を含む人数。以下同じ。)である。

2 認容賠償額は約二億九八九五万円(うち慰謝料額は約二億七一七六万円、うち弁護士費用は約二七一九万円)である。なお右金額は遅延損害金を含まない。

3 請求慰謝料額一〇〇万円に対する認容割合の内訳は、一〇〇万円五六名、八〇万円以上一〇〇万円未満八二名、六〇万円以上八〇万円未満八九名、四〇万円以上六〇万円未満一一九名、二〇万円以上四〇万円未満四三名、二〇万円未満二〇名であり、認容原告一人当りの平均慰謝料額は約六六万五〇〇〇円である。

4 全部棄却原告は一六名である。

二 (主)第二表について(当審分・昭54.6.23〜昭59.7.13)

1 認容原告は二六二名である。

2 認容賠償額は約八三〇九万円(うち慰謝料額は約七五五四万円、うち弁護士費用は約七五四万円)である。なお、右金額は遅延損害金を含まない。

3 全部棄却原告は四二名である。

三 原審分損害賠償認容額が原判決における認容額より減少した関係で、被告の民訴法一九八条二項による申立を一部認容した。その認容額は約二億一三九〇万円である。

(主) 第一表(損害賠償認容額一覧表(一))

原告

番号

氏名

慰謝料額

(円)

弁護士費用

(円)

合計

(円)

遅延損害金

起算日

備考

ナ4

安達邦彦

一七六、〇〇〇

一八、〇〇〇

一九四、〇〇〇

54.6.23

ナ6

伊藤くら

四八〇、〇〇〇

四八、〇〇〇

五二八、〇〇〇

ナ7

白井律子

三〇八、〇〇〇

三一、〇〇〇

三三九、〇〇〇

50.12.1

転出

ナ8

伊藤利夫

四八〇、〇〇〇

四八、〇〇〇

五二八、〇〇〇

54.6.23

ナ12

河俣えつ

五五〇、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇五、〇〇〇

ナ13

河俣守

五五〇、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇五、〇〇〇

ナ14

河俣鈴子

五五〇、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇五、〇〇〇

(ナ15)

(伊藤一郎)

(四八〇、〇〇〇)

(四八、〇〇〇)

(五二八、〇〇〇)

55.4.23死亡

1

伊藤増彦

九六、〇〇〇

九、六〇〇

一〇五、六〇〇

54.6.23

相続分五分の一

2

伊藤満年

九六、〇〇〇

九、六〇〇

一〇五、六〇〇

同  〃

3

今田眞知子

九六、〇〇〇

九、六〇〇

一〇五、六〇〇

同  〃

4

伊藤初茂

九六、〇〇〇

九、六〇〇

一〇五、六〇〇

54.6.23

相続分五分の一

5

大瀬良昌美

九六、〇〇〇

九、六〇〇

一〇五、六〇〇

同  〃

ナ16

伊藤初茂

四八〇、〇〇〇

四八、〇〇〇

五二八、〇〇〇

ナ17

大瀬良昌美

二五二、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七七、〇〇〇

49.9.27

転出

ナ18

木村満紀男

五五〇、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇五、〇〇〇

54.6.23

ナ19

木村敏子

五五〇、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇五、〇〇〇

ナ20

小島とみえ

一六八、〇〇〇

一七、〇〇〇

一八五、〇〇〇

ナ21

小島保次

一六八、〇〇〇

一七、〇〇〇

一八五、〇〇〇

ナ22

小島彰蔵

一六八、〇〇〇

一七、〇〇〇

一八五、〇〇〇

ナ23

長谷川重信

五六八、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二五、〇〇〇

ナ24

長谷川弘

五六八、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二五、〇〇〇

ナ25

長谷川清春

五六八、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二五、〇〇〇

ナ27

藤田道彰

五六八、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二五、〇〇〇

ナ28

藤田トキコ

五六八、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二五、〇〇〇

54.6.23

ナ31

村吉久子

二四六、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七一、〇〇〇

ナ32

山下虎男

五六八、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二五、〇〇〇

ナ33

山下すえ子

五六八、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二五、〇〇〇

ナ34

山下伸幸

四七六、〇〇〇

四八、〇〇〇

五二四、〇〇〇

52.7.19

転出

ナ35

山下耕二

五六八、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二五、〇〇〇

54.6.23

ナ39

渡辺兼光

二六〇、〇〇〇

二六、〇〇〇

二八六、〇〇〇

ナ40

渡辺たわ

二六〇、〇〇〇

二六、〇〇〇

二八六、〇〇〇

(ナ42)

(竹内綱助)

(二七三、〇〇〇)

(二七、〇〇〇)

(三〇〇、〇〇〇)

50.3.12死亡

1

竹内一子

二〇、二二二

二、〇〇〇

二二、二二二

50.3.13

相続分二七分の二

2

竹内恵利子

二〇、二二二

二、〇〇〇

二二、二二二

同  〃

3

竹内透

二〇、二二二

二、〇〇〇

二二、二二二

同  〃

4

竹内勝己

六〇、六六六

六、〇〇〇

六六、六六六

同     九分の二

(5)

(竹内こ志よう)

(九一、〇〇〇)

(九、〇〇〇)

(一〇〇、〇〇〇)

50.3.13

相続分  三分の一

(ナ41)

(竹内こ志よう)

(二七三、〇〇〇)

(二七、〇〇〇)

(三〇〇、〇〇〇)

52.4.29死亡

1

加藤猛

一九、五〇〇

六、五〇〇

一、九二八

六四二

二一、四二八

七、一四二

52.4.30

50.3.13

相続分一四分の一

(但し、右欄はこ志よう固有の損害金の相続分、左欄はこ志ようが綱助から相続した損害金の相続分である。以下同じ。)

2

畔上一二三

一九、五〇〇

六、五〇〇

一、九二八

六四二

二一、四二八

七、一四二

52.4.30

50.3.13

相続分一四分の一

3

山口芳郎

一九、五〇〇

六、五〇〇

一、九二八

六四二

二一、四二八

七、一四二

52.4.30

50.3.13

同  〃

4

加藤四郎

一九、五〇〇

六、五〇〇

一、九二八

六四二

二一、四二八

七、一四二

52.4.30

50.3.13

同  〃

5

青木夏世子

三九、〇〇〇

一三、〇〇〇

三、八五七

一、二八五

四二、八五七

一四、二八五

52.4.30

50.3.13

同   二一分の三

6

大須賀登紀子

一三、〇〇〇

四、三三三

一、二八五

四二八

一四、二八五

四、七六一

52.4.30

50.3.13

同   二一分の一

7

加藤よし江

二六、〇〇〇

八、六六六

二、五七一

八五七

二八、五七一

九、五二三

52.4.30

50.3.13

同   二一分の二

8

坪井みさを

七八、〇〇〇

二六、〇〇〇

七、七一四

二、五七一

八五、七一四

二八、五七一

52.4.30

50.3.13

同    七分の二

ナ43

永尾みつ江

六一四、〇〇〇

六一、〇〇〇

六七五、〇〇〇

54.6.23

ナ44

水野摩利子

五五〇、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇五、〇〇〇

ナ45

山﨑豊次

一六八、〇〇〇

一七、〇〇〇

一八五、〇〇〇

ナ46

山﨑すみ子

一六八、〇〇〇

一七、〇〇〇

一八五、〇〇〇

(ナ49)

(江口喜二)

(七〇〇、〇〇〇)

(七〇、〇〇〇)

(七七〇、〇〇〇)

53.7.14死亡

1

江口ふじ子

二三三、三三三

二三、三三三

二五六、六六六

53.7.15

相続分 三分の一

2

江口募

二三三、三三三

二三、三三三

二五六、六六六

同  〃

3

江口正輝

二三三、三三三

二三、三三三

二五六、六六六

同  〃

ナ51

杉山秀男

五七三、〇〇〇

五七、〇〇〇

六三〇、〇〇〇

54.6.23

後住性考慮

(ナ53)

(鈴木千之助)

(二四六、〇〇〇)

(二五、〇〇〇)

(二七一、〇〇〇)

51.7.25死亡

1

鈴木サク

八二、〇〇〇

八、三三三

九〇、三三三

51.7.26

相続分 三分の一

2

加藤美智子

三二、八〇〇

三、三三三

三六、一三三

同   一五分の二

3

鬼頭千枝子

三二、八〇〇

三、三三三

三六、一三三

同  〃

4

鈴木正誼

三二、八〇〇

三、三三三

三六、一三三

51.7.26

相続分一五分の二

5

濵田絹江

三二、八〇〇

三、三三三

三六、一三三

同  〃

6

竹内美貴子

三二、八〇〇

三、三三三

三六、一三三

同  〃

ナ54

鈴木正誼

二四六、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七一、〇〇〇

54.6.23

(ナ55)

(大矢種一)

(七八一、〇〇〇)

(七八、〇〇〇)

(八五九、〇〇〇)

58.5.12死亡

1

大矢志

三九〇、五〇〇

三九、〇〇〇

四二九、五〇〇

54.6.23

相続分  二分の一

2

近藤あや子

五五、七八五

五、五七一

六一、三五七

同    一四分の一

3

黄瀬弓子

五五、七八五

五、五七一

六一、三五七

同  〃

4

大矢泰敬

五五、七八五

五、五七一

六一、三五七

同  〃

5

鈴木輝子

五五、七八五

五、五七一

六一、三五七

同  〃

6

大矢龍夫

五五、七八五

五、五七一

六一、三五七

同  〃

7

大矢勇夫

五五、七八五

五、五七一

六一、三五七

同  〃

8

大矢五郎

五五、七八五

五、五七一

六一、三五七

同  〃

ナ60

藤田勇

五五四、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇九、〇〇〇

54.6.23

ナ61

藤田しづえ

五五四、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇九、〇〇〇

ナ62

藤田和弘

五五四、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇九、〇〇〇

ナ63

藤田操

五五四、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇九、〇〇〇

ナ66

長坂健一

五七一、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二八、〇〇〇

ナ67

長坂千代枝

五七一、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二八、〇〇〇

ナ68

奥村金吾

五八五、〇〇〇

五九、〇〇〇

六四四、〇〇〇

ナ69

奥村ちよ子

五八五、〇〇〇

五九、〇〇〇

六四四、〇〇〇

ナ70

奥村浩二

五〇七、〇〇〇

五一、〇〇〇

五五八、〇〇〇

ナ71

奥村秀子

五〇七、〇〇〇

五一、〇〇〇

五五八、〇〇〇

ナ72

鷲見斎

六七八、〇〇〇

六八、〇〇〇

七四六、〇〇〇

ナ73

鷲見鋤子

六七八、〇〇〇

六八、〇〇〇

七四六、〇〇〇

(ナ74)

(岡田あさの)

(五八二、〇〇〇)

(五八、〇〇〇)

(六四〇、〇〇〇)

転出後死亡

1

岡田修一

九七、〇〇〇

九、六六六

一〇六、六六六

51.8.1

相続分  六分の一

2

多賀こう

九七、〇〇〇

九、六六六

一〇六、六六六

同  〃

3

岡田丹治

九七、〇〇〇

九、六六六

一〇六、六六六

同  〃

4

加藤嘉和

九七、〇〇〇

九、六六六

一〇六、六六六

同  〃

5

岡田美津子

九七、〇〇〇

九、六六六

一〇六、六六六

同  〃

6

多賀正信

九七、〇〇〇

九、六六六

一〇六、六六六

同  〃

ナ75

岡田修一

八六二、〇〇〇

八六、〇〇〇

九四八、〇〇〇

54.6.23

ノ1

藤本勇

八二八、〇〇〇

八三、〇〇〇

九一一、〇〇〇

53.12.3

転出

ノ2

藤本洋子

八四二、〇〇〇

八四、〇〇〇

九二六、〇〇〇

54.1.21

ノ3

高橋善三

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

54.6.23

ノ4

高橋久

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

ノ5

鬼頭くみ

七七八、〇〇〇

七八、〇〇〇

八五六、〇〇〇

ノ7

吉川行男

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ8

吉川千代子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

ノ11

萩原千代子

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

ノ12

萩原鉦和

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

ノ13

萩原鉦彦

三七〇、〇〇〇

三七、〇〇〇

四〇七、〇〇〇

49.5.11

転出

ノ14

萩原由広

九七〇、〇〇〇

九七、〇〇〇

一、〇六七、〇〇〇

54.5.4

ノ15

鬼頭キヌヨ

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

ノ16

鬼頭正

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

(ノ17)

(水谷鉱太郎)

(一、〇〇〇、〇〇〇)

(一〇〇、〇〇〇)

(一、一〇〇、〇〇〇)

56.5.11死亡

1

水谷ゆきえ

五〇〇、〇〇〇

五〇、〇〇〇

五五〇、〇〇〇

54.6.23

相続分  二分の一

2

水谷孝平

八三、三三三

八、三三三

九一、六六六

同   一二分の一

3

水谷謙吉

八三、三三三

八、三三三

九一、六六六

同  〃

4

水谷繁

八三、三三三

八、三三三

九一、六六六

同  〃

5

近藤多恵

八三、三三三

八、三三三

九一、六六六

同  〃

6

水谷四郎

八三、三三三

八、三三三

九一、六六六

54.6.23

相続分一二分の一

7

水谷裕

八三、三三三

八、三三三

九一、六六六

同  〃

ノ18

水谷ゆきえ

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ19

水谷裕

九八〇、〇〇〇

九八、〇〇〇

一、〇七八、〇〇〇

(ノ20)

(松井源之助)

(一、〇〇〇、〇〇〇)

(一〇〇、〇〇〇)

(一、一〇〇、〇〇〇)

54.9.20死亡

1

高橋節子

一六六、六六六

一六、六六六

一八三、三三三

54.6.23

相続分  六分の一

2

松井正治

一六六、六六六

一六、六六六

一八三、三三三

同  〃

3

大野君子

一六六、六六六

一六、六六六

一八三、三三三

同  〃

4

松井澄子

一六六、六六六

一六、六六六

一八三、三三三

同  〃

5

松井次生

一六六、六六六

一六、六六六

一八三、三三三

同  〃

6

松井清

一六六、六六六

一六、六六六

一八三、三三三

同  〃

ノ22

村田よう

八四二、〇〇〇

八四、〇〇〇

九二六、〇〇〇

ノ23

村田勝彦

六九二、〇〇〇

六九、〇〇〇

七六一、〇〇〇

ノ24

村田たか子

六九二、〇〇〇

七九、〇〇〇

七六一、〇〇〇

54.6.23

ノ25

英一三

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ26

英登毛よ

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ30

山本類三

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ31

山本みね

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ32

山本秀夫

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ33

秋田かよ子

九二〇、〇〇〇

九二、〇〇〇

一、〇一二、〇〇〇

53.5.6

転出

(ノ34)

(小倉甚右衛門)

(六一七、〇〇〇)

(六二、〇〇〇)

(六七九、〇〇〇)

53.1.8死亡

1

小倉義一

八八、一四二

八、八五七

九七、〇〇〇

53.1.9

相続分 七分の一

2

藤田敏明

二九、三八〇

二、九五二

三二、三三三

同   二一分の一

3

藤田勝巳

二九、三八〇

二、九五二

三二、三三三

同  〃

4

藤田基和

二九、三八〇

二、九五二

三二、三三三

同  〃

5

小倉つゆ

八八、一四二

八、八五七

九七、〇〇〇

同    七分の一

6

小倉清次

八八、一四二

八、八五七

九七、〇〇〇

53.1.9

相続分 七分の一

7

小倉行夫

八八、一四二

八、八五七

九七、〇〇〇

同  〃

8

西本秋夫

八八、一四二

八、八五七

九七、〇〇〇

同  〃

9

小倉勇次

八八、一四二

八、八五七

九七、〇〇〇

同  〃

ノ35

小倉義一

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

54.6.23

ノ36

小倉さよ

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

ノ37

小倉良樹

六五九、〇〇〇

六六、〇〇〇

七二五、〇〇〇

(ノ38)

(斉藤三次)

(七四三、〇〇〇)

(七四、〇〇〇)

(八一七、〇〇〇)

58.7.26死亡

1

斉藤ツル

三七一、五〇〇

三七、〇〇〇

四〇八、五〇〇

54.6.23

相続分 二分の一

2

斉藤健

一二三、八三三

一二、三三三

一三六、一六六

同    六分の一

3

刑部紀子

一二三、八三三

一二、三三三

一三六、一六六

同  〃

4

斉藤充

一二三、八三三

一二、三三三

一三六、一六六

同  〃

ノ39

斉藤ツル

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

ノ40

斉藤充

五三三、〇〇〇

五三、〇〇〇

五八六、〇〇〇

52.9.2

転出

ノ43

岩田すみ

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

54.6.23

(ノ44)

(尾崎吉雄)

(四九七、〇〇〇)

(五〇、〇〇〇)

(五四七、〇〇〇)

52.2.28死亡

1

尾崎ふじ江

一六五、六六六

一六、六六六

一八二、三三三

52.3.1

相続分 三分の一

2

藤島千恵子

八二、八三三

八、三三三

九一、一六六

同    六分の一

3

大矢小夜子

八二、八三三

八、三三三

九一、一六六

同  〃

4

尾崎勝太郎

八二、八三三

八、三三三

九一、一六六

同  〃

5

坂比佐子

八二、八三三

八、三三三

九一、一六六

同  〃

ノ45

中島保

四四六、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九一、〇〇〇

54.6.23

ノ49

加藤房子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ50

加藤利三

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ51

加藤裕二

九五〇、〇〇〇

九五、〇〇〇

一、〇四五、〇〇〇

53.3.14

転出

ノ52

加藤靖

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

ノ53

永井勉

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

ノ54

永井米子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ55

永井長基

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

ノ56

永井見司

七二〇、〇〇〇

七二、〇〇〇

七九二、〇〇〇

51.4.2

転出

ノ57

石川なみ

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

54.6.23

ノ58

石川栄

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

ノ61

古川末廣

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

ノ62

古川千代子

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

ノ63

越後広代

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

タ2

細野弘

四四六、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九一、〇〇〇

タ3

細野富子

四四六、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九一、〇〇〇

タ4

森島静

九四一、〇〇〇

九四、〇〇〇

一、〇三五、〇〇〇

タ5

森島テル

九四一、〇〇〇

九四、〇〇〇

一、〇三五、〇〇〇

(タ6)

(山北一男)

(七六三、〇〇〇)

(七六、〇〇〇)

(八三九、〇〇〇)

56.3.24死亡

1

山北正司

一五二、六〇〇

一五、二〇〇

一六七、八〇〇

54.6.23

相続分 五分の一

2

山北昇司

一五二、六〇〇

一五、二〇〇

一六七、八〇〇

同  〃

3

杉本玲子

一五二、六〇〇

一五、二〇〇

一六七、八〇〇

同  〃

4

米谷桂子

一五二、六〇〇

一五、二〇〇

一六七、八〇〇

同  〃

タ7

山北昇司

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

タ8

佐藤省吾

四三七、〇〇〇

四四、〇〇〇

四八一、〇〇〇

タ9

佐藤登志子

四三七、〇〇〇

四四、〇〇〇

四八一、〇〇〇

タ12

松村正夫

四四六、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九一、〇〇〇

タ13

松村永子

四四六、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九一、〇〇〇

タ15

岡田英子

八六九、〇〇〇

八七、〇〇〇

九五六、〇〇〇

タ16

岡田初子

七六四、〇〇〇

七六、〇〇〇

八四〇、〇〇〇

タ19

羽根田敏廣

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ20

羽根田三千子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

タ21

羽根田佳子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ22

長野貫一

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ23

長野政子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ24

髙畠保

八八六、〇〇〇

八九、〇〇〇

九七五、〇〇〇

タ25

髙畠朝枝

八八六、〇〇〇

八九、〇〇〇

九七五、〇〇〇

タ28

夏目源吾

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

タ29

夏目瑳智代

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

タ30

村上豊彦

八六二、〇〇〇

八六、〇〇〇

九四八、〇〇〇

タ31

浅田正子

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

タ32

浅田修

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

タ34

坂口よ志子

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

タ35

坂口功

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

タ36

坂口千恵子

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

54.6.23

タ37

渡辺昌雄

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

タ40

服部左馬吉

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ41

加古行雄

五五一、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇六、〇〇〇

タ42

斉藤カヨ子

四九一、〇〇〇

四九、〇〇〇

五四〇、〇〇〇

タ43

中井清治

四四六、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九一、〇〇〇

タ45

橋本春一

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

タ46

橋本たみ子

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

タ47

長谷川園子

九一二、〇〇〇

九一、〇〇〇

一、〇〇三、〇〇〇

タ48

橋本定助

七九八、〇〇〇

八〇、〇〇〇

八七八、〇〇〇

タ49

神野守種

四四六、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九一、〇〇〇

タ50

神野由夫

四四六、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九一、〇〇〇

タ51

山本富男

七二八、〇〇〇

七三、〇〇〇

八〇一、〇〇〇

タ52

横井敬三

四八五、〇〇〇

四九、〇〇〇

五三四、〇〇〇

54.6.23

後住性考慮

タ53

佐野周三

一〇〇、〇〇〇

一〇、〇〇〇

一一〇、〇〇〇

タ54

磯部平

七九八、〇〇〇

八〇、〇〇〇

八七八、〇〇〇

タ55

宇佐美昭二

九七六、〇〇〇

九八、〇〇〇

一、〇七四、〇〇〇

タ56

宇佐美正江

九七六、〇〇〇

九八、〇〇〇

一、〇七四、〇〇〇

タ57

宇佐美英輔

九七六、〇〇〇

九八、〇〇〇

一、〇七四、〇〇〇

タ58

宇佐美秀子

六二五、〇〇〇

六三、〇〇〇

六八八、〇〇〇

51.4.13

転出

タ63

原田トシ子

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

54.6.23

タ68

伊藤祥

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

タ69

伊藤満枝

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

タ70

成瀬章治

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

タ71

宇佐美尚平

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

タ72

宇佐美多美子

七四三、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一七、〇〇〇

タ73

坂野正行

八五一、〇〇〇

八五、〇〇〇

九三六、〇〇〇

54.6.23

タ74

坂野美智代

八五一、〇〇〇

八五、〇〇〇

九三六、〇〇〇

タ75

坂野正彦

八五一、〇〇〇

八五、〇〇〇

九三六、〇〇〇

タ76

坂野勝己

八五一、〇〇〇

八五、〇〇〇

九三六、〇〇〇

タ77

吉田か奈江

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ78

橋本秀夫

九七九、〇〇〇

九八、〇〇〇

一、〇七七、〇〇〇

タ79

橋本とし

九七九、〇〇〇

九八、〇〇〇

一、〇七七、〇〇〇

タ80

橋本直行

九七九、〇〇〇

九八、〇〇〇

一、〇七七、〇〇〇

タ81

橋本千恵美

九七九、〇〇〇

九八、〇〇〇

一、〇七七、〇〇〇

タ85

大矢義治

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ86

大矢浄子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ87

飯尾功

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.19

転出

タ88

飯尾梢

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

タ89

広田政市

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

タ90

広田ひさ子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ91

広田政志

七〇五、〇〇〇

七一、〇〇〇

七七六、〇〇〇

50.6.23

転出

タ92

広田貴志子

九〇七、〇〇〇

九一、〇〇〇

九九八、〇〇〇

54.6.23

タ93

杉本陟雄

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ94

杉本富子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

タ95

杉本昌子

九一二、〇〇〇

九一、〇〇〇

一、〇〇三、〇〇〇

52.3.31

転出

タ96

西川留男

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

54.6.23

タ97

伊藤正秀

三九六、〇〇〇

四〇、〇〇〇

四三六、〇〇〇

フ1

冨田絹子

六二〇、〇〇〇

六二、〇〇〇

六二八、〇〇〇

フ2

吉田修一

九五二、〇〇〇

九五、〇〇〇

一、〇四七、〇〇〇

フ3

吉田弘子

九五二、〇〇〇

九五、〇〇〇

一、〇四七、〇〇〇

フ4

山田松壽郎

五四九、〇〇〇

五九、〇〇〇

六五三、〇〇〇

フ5

山崎守

七五四、〇〇〇

七五、〇〇〇

八二九、〇〇〇

54.6.23

フ6

冨田あい子

七一九、〇〇〇

七二、〇〇〇

七九一、〇〇〇

(フ8)

(川津利左エ門)

(三三八、〇〇〇)

(三四、〇〇〇)

(三七二、〇〇〇)

49.7.2死亡

1

川津シカ

一一二、六六六

一一、三三三

一二四、〇〇〇

49.7.3

相続分 三分の一

2

川津利夫

二二五、三三三

二二、六六六

二四八、〇〇〇

同    三分の二

フ9

川津シカ

八一八、〇〇〇

八二、〇〇〇

九〇〇、〇〇〇

54.6.23

フ10

川津利夫

八一八、〇〇〇

八二、〇〇〇

九〇〇、〇〇〇

フ11

川津和子

八一八、〇〇〇

八二、〇〇〇

九〇〇、〇〇〇

フ12

菱田とう

七二五、〇〇〇

七三、〇〇〇

七九八、〇〇〇

フ13

若松東策

九一七、〇〇〇

九二、〇〇〇

一、〇〇九、〇〇〇

フ15

鬼頭常雄

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ16

鬼頭志づ子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ17

神谷誠

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ18

神谷久江

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

フ19

鈴木五朗

九一六、〇〇〇

九二、〇〇〇

一、〇〇八、〇〇〇

防音・防振工助成

フ20

村上幸子

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

(フ21)

(恒川喜代二)

(六九〇、〇〇〇)

(六九、〇〇〇)

(七五九、〇〇〇)

51.5.18死亡

1

恒川きみ子

二三〇、〇〇〇

二三、〇〇〇

二五三、〇〇〇

51.5.19

相続分  三分の一

2

恒川誠二

一五三、三三三

一五、三三三

一六八、六六六

同     九分の二

3

恒川鉦行

一五三、三三三

一五、三三三

一六八、六六六

同  〃

4

恒川礼子

一五三、三三三

一五、三三三

一六八、六六六

同  〃

フ22

服部昭二

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

フ23

本多龍之

九一七、〇〇〇

九二、〇〇〇

一、〇〇九、〇〇〇

フ24

篠田小三郎

四二二、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六四、〇〇〇

フ25

篠田千代子

四二二、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六四、〇〇〇

フ26

杉本千晴

九一七、〇〇〇

九二、〇〇〇

一、〇〇九、〇〇〇

(フ27)

(田口亮太郎)

(一、〇〇〇、〇〇〇)

(一〇〇、〇〇〇)

(一、一〇〇、〇〇〇)

58.9.17死亡

1

阿部賀子

二五〇、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七五、〇〇〇

54.6.23

相続分  四分の一

2

田口清雄

二五〇、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七五、〇〇〇

同  〃

3

飯田富美子

二五〇、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七五、〇〇〇

同  〃

4

徳田敦子

二五〇、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七五、〇〇〇

同  〃

フ29

浅井サイ子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ30

浅井正義

八三六、〇〇〇

八四、〇〇〇

九二〇、〇〇〇

52.3.25

転出

(フ31)

(秋山ヨシエ)

(六八二、〇〇〇)

(六八、〇〇〇)

(七五〇、〇〇〇)

51.6.15死亡

1

浅井チヨ

四五、四六六

四、五三三

五〇、〇〇〇

51.6.16

相続分一五分の一

2

浅井眞由美

三六、三七三

三、六二六

四〇、〇〇〇

同   七五分の四

3

浅井三年

三六、三七三

三、六二六

四〇、〇〇〇

同  〃

4

浅井和子

一八、一八六

一、八一三

二〇、〇〇〇

同   七五分の二

5

神田笑子

一三六、四〇〇

一三、六〇〇

一五〇、〇〇〇

同     五分の一

6

斉ヤエ

一三六、四〇〇

一三、六〇〇

一五〇、〇〇〇

51.6.16

相続分  五分の一

7

浅井マサ子

二二、七三三

二、二六六

二五、〇〇〇

同   三〇分の一

8

浅井正勝

二二、七三三

二、二六六

二五、〇〇〇

同  〃

9

浅井義彦

二二、七三三

二、二六六

二五、〇〇〇

同  〃

10

浅井一雄

二二、七三三

二、二六六

二五、〇〇〇

同  〃

11

浅井正義

二二、七三三

二、二六六

二五、〇〇〇

同  〃

12

山崎由利子

二二、七三三

二、二六六

二五、〇〇〇

同  〃

13

浅井ミヨシ

一三六、四〇〇

一三、六〇〇

一五〇、〇〇〇

同    五分の一

フ32

中村初子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

フ33

山田幹雄

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ34

山田い子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ35

山田鶴一

九一七、〇〇〇

九二、〇〇〇

一、〇〇九、〇〇〇

フ36

服部惣一

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

53.7.1

転出

フ37

服部正綱

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

フ38

服部はるの

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ39

丹羽耕一郎

七八一、〇〇〇

七八、〇〇〇

八五九、〇〇〇

別住居考慮

フ40

杉浦茂

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ41

杉浦都

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ42

堀之内鉎子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ43

堀之内靖史

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ44

原田奏

二九〇、〇〇〇

二九、〇〇〇

三一九、〇〇〇

54.5.6

転出、後住性考慮

フ45

吉田久子

一〇五、〇〇〇

一一、〇〇〇

一一六、〇〇〇

54.6.23

フ47

増澤隆男

五二、〇〇〇

五、〇〇〇

五七、〇〇〇

フ48

石黒三郎

四二二、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六四、〇〇〇

フ49

武藤礒松

四二二、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六四、〇〇〇

(フ50)

(武藤キイ)

(四二二、〇〇〇)

(四二、〇〇〇)

(四六四、〇〇〇)

55.12.28死亡

1

武藤礒松

一四〇、六六六

一四、〇〇〇

一五四、六六六

54.6.23

相続分 三分の一

2

武藤勝雄

一四〇、六六六

一四、〇〇〇

一五四、六六六

同  〃

3

武藤富子

一四〇、六六六

一四、〇〇〇

一五四、六六六

同  〃

フ51

風岡すみ子

五二七、〇〇〇

五三、〇〇〇

五八〇、〇〇〇

フ52

富田弘

五二七、〇〇〇

五三、〇〇〇

五八〇、〇〇〇

フ53

青木良子

五二七、〇〇〇

五三、〇〇〇

五八〇、〇〇〇

フ54

内田信義

六九三、〇〇〇

六九、〇〇〇

七六二、〇〇〇

フ55

津村稔

三九六、〇〇〇

四〇、〇〇〇

四三六、〇〇〇

フ56

福本初子

九一七、〇〇〇

九二、〇〇〇

一、〇〇九、〇〇〇

フ57

近藤力男

七九八、〇〇〇

八〇、〇〇〇

八七八、〇〇〇

フ58

近藤れい子

七九八、〇〇〇

八〇、〇〇〇

八七八、〇〇〇

(フ59)

(猿渡義治)

(七五六、〇〇〇)

(七六、〇〇〇)

(八三二、〇〇〇)

54.6.7死亡

1

猿渡良子

二五二、〇〇〇

二五、三三三

二七七、三三三

54.6.8

相続分 三分の一

2

猿渡憲吾

一六八、〇〇〇

一六、八八八

一八四、八八八

同    九分の二

3

中岡妙子

一六八、〇〇〇

一六、八八八

一八四、八八八

同  〃

4

猿渡清司

一六八、〇〇〇

一六、八八八

一八四、八八八

同  〃

フ60

猿渡憲吾

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

54.6.23

フ61

土屋花

九五二、〇〇〇

九五、〇〇〇

一、〇四七、〇〇〇

フ62

土屋純男

九五二、〇〇〇

九五、〇〇〇

一、〇四七、〇〇〇

フ63

近藤宣彦

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

フ64

永田音吉

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

フ65

永田まち子

九九〇、〇〇〇

九九、〇〇〇

一、〇八九、〇〇〇

フ66

石黒正也

五〇一、〇〇〇

五〇、〇〇〇

五五一、〇〇〇

フ67

石黒静子

五〇一、〇〇〇

五〇、〇〇〇

五五一、〇〇〇

フ68

簑輪三朗

九二六、〇〇〇

九三、〇〇〇

一、〇一九、〇〇〇

フ69

加藤元治

六二〇、〇〇〇

六二、〇〇〇

六八二、〇〇〇

フ70

内藤八男

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

フ71

朽名守人

八九一、〇〇〇

八九、〇〇〇

九八〇、〇〇〇

(フ72)

(日比野よ志の)

(一、〇〇〇、〇〇〇)

(一〇〇、〇〇〇)

(一、一〇〇、〇〇〇)

58.8.13死亡

1

日比野儀重

五〇〇、〇〇〇

五〇、〇〇〇

五五〇、〇〇〇

54.6.23

相続分 二分の一

2

日比野義弘

六二、五〇〇

六、二五〇

六八、七五〇

同   一六分の一

3

日比野正夫

六二、五〇〇

六、二五〇

六八、七五〇

同  〃

4

日比野照臣

六二、五〇〇

六、二五〇

六八、七五〇

同  〃

5

日比野達男

六二、五〇〇

六、二五〇

六八、七五〇

同  〃

6

宮嵜弘子

六二、五〇〇

六、二五〇

六八、七五〇

同  〃

7

日比野信子

六二、五〇〇

六、二五〇

六八、七五〇

同  〃

8

田篠敏子

六二、五〇〇

六、二五〇

六八、七五〇

同  〃

9

日比野晴正

六二、五〇〇

六、二五〇

六八、七五〇

同  〃

フ73

日比野儀重

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

フ74

郷原豊

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

フ75

郷原照子

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

フ76

金子ナツ

四五〇、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九五、〇〇〇

54.3.7

転出

フ77

金子恒利

四五〇、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九五、〇〇〇

フ78

水野和子

四二二、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六四、〇〇〇

54.6.23

フ79

水野良一

四二二、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六四、〇〇〇

フ80

加藤定男

八九一、〇〇〇

八九、〇〇〇

九八〇、〇〇〇

チ5

中島東七

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

防音工助成

チ8

大嶽愛子

六四七、〇〇〇

六五、〇〇〇

七一二、〇〇〇

54.4.11

転出、別住居考慮

チ9

木戸あや子

四六〇、〇〇〇

四六、〇〇〇

五〇六、〇〇〇

54.6.23

後住性考慮

チ10

鈴木小枝子

二四五、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七〇、〇〇〇

53.12.6

転出

チ12

長谷川憲志

三九六、〇〇〇

四〇、〇〇〇

四三六、〇〇〇

54.6.23

(チ13)

(川津秀夫)

(二七七、〇〇〇)

(二八、〇〇〇)

(三〇五、〇〇〇)

55.4.7死亡

別住居考慮

1

川津敬子

九二、三三三

九、三三三

一〇一、六六六

54.6.23

相続分 三分の一

2

川津多佳子

九二、三三三

九、三三三

一〇一、六六六

同  〃

3

川津邦浩

九二、三三三

九、三三三

一〇一、六六六

同  〃

チ14

川津敬子

二七七、〇〇〇

二八、〇〇〇

三〇五、〇〇〇

別住居考慮

チ15

中村寛治

四七二、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一九、〇〇〇

52.11.1

転出

チ16

内藤悟

五〇一、〇〇〇

五〇、〇〇〇

五五一、〇〇〇

51.9.19

チ17

錦さだ子

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

54.6.23

(チ19)

(中野いさの)

(六九三、〇〇〇)

(六九、〇〇〇)

(七六二、〇〇〇)

56.1.30死亡

1

中野光夫

一一五、五〇〇

一一、五〇〇

一二七、〇〇〇

54.6.23

相続分 六分の一

2

竹川ちえ子

一一五、五〇〇

一一、五〇〇

一二七、〇〇〇

同  〃

3

中野廣

一一五、五〇〇

一一、五〇〇

一二七、〇〇〇

同  〃

4

中野武正

一一五、五〇〇

一一、五〇〇

一二七、〇〇〇

同  〃

5

中野正勝

一一五、五〇〇

一一、五〇〇

一二七、〇〇〇

同  〃

6

中野幸榮

一一五、五〇〇

一一、五〇〇

一二七、〇〇〇

同  〃

チ21

権田寛

七九二、〇〇〇

七九、〇〇〇

八七一、〇〇〇

チ22

山田幸子

六二三、〇〇〇

六二、〇〇〇

六八五、〇〇〇

52.11.6

転出

チ24

伊藤昌枝

一四〇、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五四、〇〇〇

54.6.23

チ25

鬼頭しづ子

五五二、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇七、〇〇〇

(チ26)

(山脇陽惟)

(七九八、〇〇〇)

(八〇、〇〇〇)

(八七八、〇〇〇)

54.10.2死亡

1

山脇君子

二六六、〇〇〇

二六、六六六

二九二、六六六

54.6.23

相続分 三分の一

2

山脇孝子

二六六、〇〇〇

二六、六六六

二九二、六六六

同  〃

3

山脇美佐子

二六六、〇〇〇

二六、六六六

二九二、六六六

同  〃

チ30

中野雄介

四三七、〇〇〇

四四、〇〇〇

四八一、〇〇〇

チ32

後藤守

五五二、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇七、〇〇〇

チ33

後藤梅子

五五二、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇七、〇〇〇

チ34

後藤広

五五二、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇七、〇〇〇

チ35

後藤とし江

五五二、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇七、〇〇〇

54.6.23

チ36

鈴木正一

八八二、〇〇〇

八八、〇〇〇

九七〇、〇〇〇

54.6.10

転出

チ37

鈴木一二三

八八二、〇〇〇

八八、〇〇〇

九七〇、〇〇〇

チ38

横田利彦

九四八、〇〇〇

九五、〇〇〇

一、〇四三、〇〇〇

54.6.23

チ39

横田喜久江

九四八、〇〇〇

九五、〇〇〇

一、〇四三、〇〇〇

チ40

内山あや子

五五二、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇七、〇〇〇

チ41

水野栄佑

二一八、〇〇〇

二二、〇〇〇

二四〇、〇〇〇

後住性考慮

(チ42)

(米田キミ子)

(四六六、〇〇〇)

(四七、〇〇〇)

(五一三、〇〇〇)

56.10.28死亡

1

望月登美子

一一六、五〇〇

一一、七五〇

一二八、二五〇

54.6.23

相続分 四分の一

2

森弘美

一一六、五〇〇

一一、七五〇

一二八、二五〇

同  〃

3

平田夏枝

一一六、五〇〇

一一、七五〇

一二八、二五〇

同  〃

4

米田正雄

一一六、五〇〇

一一、七五〇

一二八、二五〇

同  〃

チ47

松山周平

四八〇、〇〇〇

四八、〇〇〇

五二八、〇〇〇

50.3.21

転出

チ48

松山豊子

二四〇、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六四、〇〇〇

チ49

松山典且

二四〇、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六四、〇〇〇

チ50

松山和正

二四〇、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六四、〇〇〇

チ51

巻木一彦

七二八、〇〇〇

七三、〇〇〇

八〇一、〇〇〇

54.6.23

チ52

巻木日出子

七二八、〇〇〇

七三、〇〇〇

八〇一、〇〇〇

チ53

伊藤鈴子

八四九、〇〇〇

八五、〇〇〇

九三四、〇〇〇

チ54

植田義枝

九九六、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、〇九六、〇〇〇

チ56

日比朝一

八四九、〇〇〇

八五、〇〇〇

九三四、〇〇〇

チ58

日比和夫

八四九、〇〇〇

八五、〇〇〇

九三四、〇〇〇

チ59

岡村庄吉

九四八、〇〇〇

九五、〇〇〇

一、〇四三、〇〇〇

52.11.1

転出

チ60

岡村ふさ子

九四八、〇〇〇

九五、〇〇〇

一、〇四三、〇〇〇

チ61

岡村孝子

八一六、〇〇〇

八二、〇〇〇

八九八、〇〇〇

チ62

石原貞男

八五二、〇〇〇

八五、〇〇〇

九三七、〇〇〇

52.9.19

チ63

石原ゆき江

八五二、〇〇〇

八五、〇〇〇

九三七、〇〇〇

52.9.19

転出

チ64

石原正雄

八九二、〇〇〇

八九、〇〇〇

九八一、〇〇〇

53.12.8

チ65

石原つう

八九二、〇〇〇

八九、〇〇〇

九八一、〇〇〇

チ68

石原慶一

八二八、〇〇〇

八三、〇〇〇

九一一、〇〇〇

53.4.11

チ69

土方芳弘

九四八、〇〇〇

九五、〇〇〇

一、〇四三、〇〇〇

54.6.23

チ70

山本茂彦

七四二、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一六、〇〇〇

後住性考慮

チ71

渡邊道子

五七六、〇〇〇

五八、〇〇〇

六三四、〇〇〇

52.3.27

転出

チ72

渡邊敏彦

五七六、〇〇〇

五八、〇〇〇

六三四、〇〇〇

チ73

渡邊タミ子

五七六、〇〇〇

五八、〇〇〇

六三四、〇〇〇

チ74

渡邊富子

五七六、〇〇〇

五八、〇〇〇

六三四、〇〇〇

チ78

伊藤邦博

三九六、〇〇〇

四〇、〇〇〇

四三六、〇〇〇

54.6.23

(チ79)

(下里岩次郎)

(二八九、〇〇〇)

(二九、〇〇〇)

(三一八、〇〇〇)

50.2.1死亡

1

下里金一

四八、一六六

四、八三三

五三、〇〇〇

50.2.2

相続分 六分の一

2

犬飼時生

一六、〇五五

一、六一一

一七、六六六

同   一八分の一

3

増田照子

四八、一六六

四、八三三

五三、〇〇〇

同    六分の一

4

下里義光

四八、一六六

四、八三三

五三、〇〇〇

同  〃

5

下里義和

四八、一六六

四、八三三

五三、〇〇〇

同  〃

6

久野秀子

四八、一六六

四、八三三

五三、〇〇〇

同  〃

チ80

下里マスミ

四一七、〇〇〇

四二、〇〇〇

四五九、〇〇〇

54.6.23

チ81

下里信子

七八六、〇〇〇

七九、〇〇〇

八六五、〇〇〇

53.9.23

転出

チ82

杉本英雄

三一二、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四三、〇〇〇

54.6.23

チ83

藤田孝子

一四〇、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五四、〇〇〇

チ84

藤田信翁

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

メ1

金沢広昌

六四〇、〇〇〇

六四、〇〇〇

七〇四、〇〇〇

メ2

金沢守

六四〇、〇〇〇

六四、〇〇〇

七〇四、〇〇〇

メ5

池山茂

九八二、〇〇〇

九八、〇〇〇

一、〇八〇、〇〇〇

メ6

甲斐貞臣

八四四、〇〇〇

八四、〇〇〇

九二八、〇〇〇

54.6.23

メ7

池山捷彦

八一四、〇〇〇

八一、〇〇〇

八九五、〇〇〇

(メ14)

(鈴木ふく)

(四六六、〇〇〇)

(四七、〇〇〇)

(五一三、〇〇〇)

55.4.18死亡

1

鈴木繁光

九三、二〇〇

九、四〇〇

一〇二、六〇〇

54.6.23

相続分 五分の一

2

鈴木英治

九三、二〇〇

九、四〇〇

一〇二、六〇〇

同  〃

3

鈴木弘行

九三、二〇〇

九、四〇〇

一〇二、六〇〇

同  〃

4

浅野梅子

九三、二〇〇

九、四〇〇

一〇二、六〇〇

同  〃

5

宇佐美十一

九三、二〇〇

九、四〇〇

一〇二、六〇〇

同  〃

メ15

鈴木弘行

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

メ16

鈴木とみ子

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

メ17

竹内信三郎

一四〇、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五四、〇〇〇

メ18

伊藤鍬生

三七四、〇〇〇

三七、〇〇〇

四一一、〇〇〇

52.7.28

転出

メ21

鈴木ひさえ

五五〇、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇五、〇〇〇

50.4.2

メ22

鈴木清美

五五〇、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇五、〇〇〇

メ24

山田富佐

一四〇、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五四、〇〇〇

54.6.23

メ25

川端豊

七五三、〇〇〇

七五、〇〇〇

八二八、〇〇〇

54.4.7

転出

メ26

川端弘子

七五三、〇〇〇

七五、〇〇〇

八二八、〇〇〇

メ27

日下部豊子

七五三、〇〇〇

七五、〇〇〇

八二八、〇〇〇

メ28

川端八津子

七五三、〇〇〇

七五、〇〇〇

八二八、〇〇〇

メ32

服部貢

五五二、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇七、〇〇〇

50.1.30

メ33

服部代志江

七六八、〇〇〇

七七、〇〇〇

八四五、〇〇〇

51.8.5

メ34

大橋美代子

七二〇、〇〇〇

七二、〇〇〇

七九二、〇〇〇

51.4.1

メ35

池山三郎

五四七、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇二、〇〇〇

54.6.23

メ36

池山なみ子

五四七、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇二、〇〇〇

メ37

須原増右エ門

九三〇、〇〇〇

九三、〇〇〇

一、〇二三、〇〇〇

53.5.24

転出

メ38

中居三千男

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

54.6.23

メ39

水野茂一

五九四、〇〇〇

五九、〇〇〇

六五三、〇〇〇

54.6.23

メ40

水野やえ子

五九四、〇〇〇

五九、〇〇〇

六五三、〇〇〇

メ41

水野末吉

四四二、〇〇〇

四四、〇〇〇

四八六、〇〇〇

メ42

佐藤勇

六九三、〇〇〇

七〇、〇〇〇

七六三、〇〇〇

メ43

佐藤あい子

六九三、〇〇〇

七〇、〇〇〇

七六三、〇〇〇

メ52

佐藤由男

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

メ53

佐藤君代

七六三、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三九、〇〇〇

メ54

奥野作男

五七一、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二八、〇〇〇

(メ55)

(若尾とり)

(五二三、〇〇〇)

(五二、〇〇〇)

(五七五、〇〇〇)

転出後死亡

1

早野敏子

五二三、〇〇〇

五二、〇〇〇

五七五、〇〇〇

53.12.30

相続分全部

メ56

梅田公二

四四二、〇〇〇

四四、〇〇〇

四八六、〇〇〇

54.6.23

メ57

梅田年子

四四二、〇〇〇

四四、〇〇〇

四八六、〇〇〇

メ58

浜洲國義

五四九、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇四、〇〇〇

51.5.8

転出

メ59

浜洲きよ

五四九、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇四、〇〇〇

メ62

福田昭三

九二、〇〇〇

九、〇〇〇

一〇一、〇〇〇

54.6.23

メ63

福田郁代

九二、〇〇〇

九、〇〇〇

一〇一、〇〇〇

メ64

大河内清

九二、〇〇〇

九、〇〇〇

一〇一、〇〇〇

51.2.24

転出

メ65

大河内鈴子

九二、〇〇〇

九、〇〇〇

一〇一、〇〇〇

メ66

岩田浩

三一四、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四五、〇〇〇

51.11.10

メ67

岩田種子

三一四、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四五、〇〇〇

メ68

伊賀勝己

三九六、〇〇〇

四〇、〇〇〇

四三六、〇〇〇

54.6.23

メ71

小川久信

五二九、〇〇〇

五三、〇〇〇

五八二、〇〇〇

51.12.18

転出

メ72

小川隆光

四二一、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六三、〇〇〇

(メ73)

(千草恒男)

(七九二、〇〇〇)

(七九、〇〇〇)

(八七一、〇〇〇)

58.1.20死亡

1

前田香代

一九八、〇〇〇

一九、七五〇

二一七、七五〇

54.6.23

相続分 四分の一

2

千草美代子

一九八、〇〇〇

一九、七五〇

二一七、七五〇

同  〃

3

千草幸代

一九八、〇〇〇

一九、七五〇

二一七、七五〇

54.6.23

相続分 四分の一

4

千草長太郎

一九八、〇〇〇

一九、七五〇

二一七、七五〇

同  〃

メ74

千草美代子

七九二、〇〇〇

七九、〇〇〇

八七一、〇〇〇

メ75

千草幸代

七九二、〇〇〇

七九、〇〇〇

八七一、〇〇〇

メ76

前田繁

七六八、〇〇〇

七七、〇〇〇

八四五、〇〇〇

54.3.23

転出

メ77

前田香代

七六八、〇〇〇

七七、〇〇〇

八四五、〇〇〇

メ80

鈴木琴世

七七四、〇〇〇

七七、〇〇〇

八五一、〇〇〇

54.6.23

メ81

前沢哲郎

四九四、〇〇〇

四九、〇〇〇

五四三、〇〇〇

50.12.2

転出

メ82

前沢香枝子

四九四、〇〇〇

四九、〇〇〇

五四三、〇〇〇

ト1

迫間正市

一〇五、〇〇〇

一一、〇〇〇

一一六、〇〇〇

54.6.23

ト2

迫間きみ

一〇五、〇〇〇

一一、〇〇〇

一一六、〇〇〇

ト3

安井実雄

四五四、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九九、〇〇〇

ト4

安井みわ子

四五四、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九九、〇〇〇

ト5

坂野登

五四七、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇二、〇〇〇

ト6

坂野加代子

五四七、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇二、〇〇〇

ト8

久野冨七

七三九、〇〇〇

七四、〇〇〇

八一三、〇〇〇

ト14

折戸光男

七九八、〇〇〇

八〇、〇〇〇

八七八、〇〇〇

ト15

野呂保

七三五、〇〇〇

七四、〇〇〇

八〇九、〇〇〇

54.2.17

転出

ト18

朝山義彦

六〇〇、〇〇〇

六〇、〇〇〇

六六〇、〇〇〇

54.3.21

ト19

柳正行

七七六、〇〇〇

七八、〇〇〇

八五四、〇〇〇

54.5.10

ト21

柴田清人

七七六、〇〇〇

七八、〇〇〇

八五四、〇〇〇

54.5.1

ト23

可児薫

三〇八、〇〇〇

三一、〇〇〇

三三九、〇〇〇

54.6.23

ト30

山田マツ

三一二、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四三、〇〇〇

ト31

山田澤太郎

三一二、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四三、〇〇〇

ト32

岩畑正夫

二五〇、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七五、〇〇〇

後住性考慮

ト33

岩畑芙美子

二五〇、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七五、〇〇〇

ト34

石橋かね子

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

54.6.23

ト35

石橋正美

四六六、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

ト38

奥野すえ子

三九三、〇〇〇

三九、〇〇〇

四三二、〇〇〇

52.3.25

転出

ト39

奥野末男

三九三、〇〇〇

三九、〇〇〇

四三二、〇〇〇

ト46

中野松良

三一二、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四三、〇〇〇

54.6.23

ト47

中野順吉

三一二、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四三、〇〇〇

ト48

小林嘉代子

三一二、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四三、〇〇〇

54.3.21

転出

ト49

坂本真佐子

四八二、〇〇〇

四八、〇〇〇

五三〇、〇〇〇

54.3.27

同、後住性考慮

ト50

中井忠

一四〇、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五四、〇〇〇

54.6.23

ト53

中尾鈎吾

三一二、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四三、〇〇〇

ト54

中尾紀夫

三一二、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四三、〇〇〇

ト55

浅井高志

三一二、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四三、〇〇〇

ト58

成田陟

四三〇、〇〇〇

四三、〇〇〇

四七三、〇〇〇

後住性考慮

ト59

鈴木朝二

一、〇〇〇、〇〇〇

一〇〇、〇〇〇

一、一〇〇、〇〇〇

53.4.27

転出

ト60

森田つる

六二八、〇〇〇

六三、〇〇〇

六九一、〇〇〇

54.6.23

ト61

森田愛作

六二八、〇〇〇

六三、〇〇〇

六九一、〇〇〇

ト62

田島テル子

四九八、〇〇〇

五〇、〇〇〇

五四八、〇〇〇

ト63

大矢桂三

三九六、〇〇〇

四〇、〇〇〇

四三六、〇〇〇

ト69

小木曽安則

七〇〇、〇〇〇

七〇、〇〇〇

七七〇、〇〇〇

52.1.26

転出

ト70

小木曽信枝

七〇〇、〇〇〇

七〇、〇〇〇

七七〇、〇〇〇

ト71

小木曽正明

七〇〇、〇〇〇

七〇、〇〇〇

七七〇、〇〇〇

ト72

大野亘

五六〇、〇〇〇

五六、〇〇〇

六一六、〇〇〇

ト73

大野きみ子

五六〇、〇〇〇

五六、〇〇〇

六一六、〇〇〇

ト74

加藤とめ

五四四、〇〇〇

五四、〇〇〇

五九八、〇〇〇

54.6.23

ト75

伴野芳秋

九〇〇、〇〇〇

九〇、〇〇〇

九九〇、〇〇〇

ト76

伴野さかえ

九〇〇、〇〇〇

九〇、〇〇〇

九九〇、〇〇〇

ト77

伴野芳枝

九〇〇、〇〇〇

九〇、〇〇〇

九九〇、〇〇〇

54.6.23

ト78

伴野光彦

九〇〇、〇〇〇

九〇、〇〇〇

九九〇、〇〇〇

(主) 第二表(損害賠償認容額一覧表(二))

○ 備考欄の「転出」の記載に特に年月日を付記してあるものは、認定した転出日が原告ら主張の日と異ることを示す。

○ 同「防音」「防振」の記載は、当該原告において防音工助成、防振工助成を受けたことがその慰謝料額の算定において参酌されていることを示す。

原告

番号

氏名

履行期別慰謝料額(円)

(括弧内は慰謝料合計額)

弁護士費用

(円)

合計

(円)

備考

ナ6

伊藤くら

(ア)54.7~57.10の間毎月23日

四、〇〇〇

一六、〇〇〇

一七九、七〇〇

転出

(イ)57.11.21

三、七〇〇

(一六三、七〇〇)

ナ8

伊藤利夫

同右

一六、〇〇〇

一七九、七〇〇

ナ12

河俣えつ

(ア)54.7~57.12の間毎月23日

四、〇〇〇

一九、〇〇〇

二〇九、四〇〇

防音

(イ)58.1~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(一九〇、四〇〇)

ナ13

河俣守

同右

一九、〇〇〇

二〇九、四〇〇

ナ14

河俣鈴子

同右

一九、〇〇〇

二〇九、四〇〇

(ナ15)

(伊藤一郎)

【四〇、〇〇〇】

【四、〇〇〇】

1

伊藤増彦

(ア)54.7~55.4の間毎月23日

八〇〇

八〇〇

八、八〇〇

相続分1/5

(八、〇〇〇)

2

伊藤満年

同右

八〇〇

八、八〇〇

3

今田眞知子

同右

八〇〇

八、八〇〇

4

伊藤初茂

同右

八〇〇

八、八〇〇

5

大瀬良昌美

同右

八〇〇

八、八〇〇

ナ16

伊藤初茂

(ア)54.7~57.4の間毎月23日

四、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五〇、〇〇〇

(一三六、〇〇〇)

ナ18

木村満紀男

(ア)54.7~57.5の間毎月23日

四、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五四、九〇〇

転出

(イ)57.5.30

九〇〇

(一四〇、九〇〇)

ナ19

木村敏子

同右

一四、〇〇〇

一五四、九〇〇

ナ23

長谷川重信

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

四、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七五、五〇〇

防音

(イ)58.6~59.2の間毎月23日

六、〇〇〇

(ウ)59.3~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(エ)59.7.14

一、三〇〇

(二五〇、五〇〇)

ナ24

長谷川弘

同右

二五、〇〇〇

二七五、五〇〇

ナ25

長谷川清春

同右

二五、〇〇〇

二七五、五〇〇

ナ27

藤田道彰

(ア)54.7~58.4の間毎月23日

四、〇〇〇

一九、〇〇〇

二〇五、八〇〇

転出

(イ)58.5.14

二、八〇〇

(一八六、八〇〇)

ナ28

藤田トキコ

同右

一九、〇〇〇

二〇五、八〇〇

ナ32

山下虎男

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

四、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七五、五〇〇

防音

(イ)58.6~59.2の間毎月23日

六、〇〇〇

(ウ)59.3~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(エ)59.7.14

一、三〇〇

(二五〇、五〇〇)

ナ33

山下すえ子

同右

二五、〇〇〇

二七五、五〇〇

ナ35

山下耕二

(ア)54.7~56.2の間毎月23日

四、〇〇〇

八、〇〇〇

九一、六〇〇

転出

(イ)56.3.20

三、六〇〇

(八三、六〇〇)

ナ39

渡辺兼光

(ア)58.6~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

五、〇〇〇

五九、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(五四、八〇〇)

ナ40

渡辺たわ

同右

五、〇〇〇

五九、八〇〇

ナ43

永尾みつ江

(ア)54.7~55.3の間毎月23日

四、〇〇〇

五、〇〇〇

五七、四〇〇

防音

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(五二、四〇〇)

ナ44

水野摩利子

(ア)54.7~57.2の間毎月23日

四、〇〇〇

一三、〇〇〇

一四一、〇〇〇

(一二八、〇〇〇)

ナ51

杉山秀男

(ア)54.7~55.2の間毎月23日

二、八〇〇

六、〇〇〇

七〇、六〇〇

後住性

考慮

防音

(イ)55.3~59.6の間毎月23日

八〇〇

(ウ)59.7.14

六〇〇

(六四、六〇〇)

(ナ55)

(大矢種一)

【二〇一、〇〇〇】

【二〇、〇〇〇】

1

大矢志

(ア)54.7~56.7の間毎月23日

三、五〇〇

一〇、〇〇〇

一一〇、五〇〇

防音・防振

相続分2分の一

(イ)56.8~58.4の間毎月23日

六〇〇

(ウ)58.5.12

四〇〇

(一〇〇、五〇〇)

2

近藤あや子

(ア)54.7~56.7の間毎月23日

五〇〇

一、四二八

一五、七七〇

防音・防振

相続分二分の一

(イ)56.8~58.4の間毎月23日

八五

(ウ)58.5.12

五七

(一四、三四二)

3

黄瀬弓子

同右

一、四二八

一五、七七〇

4

大矢泰敬

同右

一、四二八

一五、七七〇

5

鈴木輝子

同右

一、四二八

一五、七七〇

6

大矢龍夫

同右

一、四二八

一五、七七〇

7

大矢勇夫

同右

一、四二八

一五、七七〇

8

大矢五郎

同右

一、四二八

一五、七七〇

ナ60

藤田勇

(ア)54.7~57.10の間毎月23日

四、〇〇〇

一六、〇〇〇

一七八、八〇〇

転出

(イ)57.11.14

二、八〇〇

(一六二、八〇〇)

ナ61

藤田しづえ

同右

一六、〇〇〇

一七八、八〇〇

ナ62

藤田和弘

同右

一六、〇〇〇

一七八、八〇〇

ナ63

藤田操

同右

一六、〇〇〇

一七八、八〇〇

ナ66

長坂健一

(ア)54.7~58.4の間毎月23日

四、〇〇〇

二〇、〇〇〇

二二〇、四〇〇

防音・防振

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(二〇〇、四〇〇)

ナ67

長坂千代枝

同右

二〇、〇〇〇

二二〇、四〇〇

ナ68

奥村金吾

(ア)54.7~58.4の間毎月23日

四、〇〇〇

二〇、〇〇〇

二二一、六〇〇

防音・防振

(イ)58.5~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(二〇一、六〇〇)

ナ69

奥村ちよ子

同右

二〇、〇〇〇

二二一、六〇〇

ナ70

奥村浩二

(ア)54.7~55.2の間毎月23日

四、〇〇〇

四、〇〇〇

三九、三〇〇

転出

(イ)55.3.18

三、三〇〇

(三五、三〇〇)

ナ71

奥村秀子

(ア)54.7~55.7の間毎月23日

四、〇〇〇

五、〇〇〇

五九、三〇〇

転出

(イ)55.8.10

二、三〇〇

(五四、三〇〇)

ナ75

岡田修一

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

八、〇〇〇

四九、〇〇〇

五三四、六〇〇

(イ)59.7.14

五、六〇〇

(四八五、六〇〇)

ノ3

高橋善三

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六六、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(二四二、八〇〇)

ノ4

高橋久

同右

二四、〇〇〇

二六六、八〇〇

ノ5

鬼頭くみ

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

七、〇〇〇

四四、〇〇〇

四八二、六〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

八、〇〇〇

(ウ)59.7.14

五、六〇〇

(四三八、六〇〇)

ノ7

吉川行男

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

一〇、〇〇〇

六一、〇〇〇

六六八、〇〇〇

(イ)59.7.14

七、〇〇〇

(六〇七、〇〇〇)

ノ8

吉川千代子

同右

六一、〇〇〇

六六八、〇〇〇

ノ11

萩原千代子

(ア)54.7~57.3の間毎月23日

一〇、〇〇〇

三三、〇〇〇

三六四、三〇〇

転出

(イ)57.3.27

一、三〇〇

(三三一、三〇〇)

ノ12

萩原鉦和

同右

三三、〇〇〇

三六四、三〇〇

ノ15

鬼頭キヌヨ

(ア)54.7~57.3の間毎月23日

一〇、〇〇〇

四六、〇〇〇

五〇九、〇〇〇

防音・防振

(イ)57.4~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(ウ)59.7.14

三、四〇〇

(四六三、〇〇〇)

ノ16

鬼頭正

同右

四六、〇〇〇

五〇九、〇〇〇

(ノ17)

(水谷鉱太郎)

【二二六、〇〇〇】

【二三、〇〇〇】

1

水谷ゆきえ

(ア)54.7~56.4の間毎月23日

五、〇〇〇

一一、五〇〇

一二四、五〇〇

相続分1/2

(イ)56.5.11

三、〇〇〇

(一一三、〇〇〇)

2

水谷孝平

(ア)54.7~56.4の間毎月23日

八三三

一、九一六

二〇、七四二

相続分1/12

(イ)56.5.11

五〇〇

(一八、八二六)

3

水谷謙吉

同右

一、九一六

二〇、七四二

4

水谷繁

同右

一、九一六

二〇、七四二

5

近藤多恵

同右

一、九一六

二〇、七四二

6

水谷四郎

同右

一、九一六

二〇、七四二

7

水谷裕

同右

一、九一六

二〇、七四二

ノ18

水谷ゆきえ

(ア)54.7~56.10の間毎月23日

一〇、〇〇〇

二八、〇〇〇

三〇八、三〇〇

転出

(イ)56.10.24

三〇〇

(二八〇、三〇〇)

ノ19

水谷裕

同右

二八、〇〇〇

三〇八、三〇〇

ノ22

村田よう

(ア)54.7~58.10の間毎月23日

八、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九七、五〇〇

防音・防振

(イ)58.11~59.6の間毎月23日

四、二〇〇

(ウ)59.7.14

二、九〇〇

(四五二、五〇〇)

ノ23

村田勝彦

同右

四五、〇〇〇

四九七、五〇〇

ノ24

村田たか子

同右

四五、〇〇〇

四九七、五〇〇

ノ25

英一三

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

一〇、〇〇〇

五九、〇〇〇

六五一、九〇〇

防音・防振

(イ)58.6~58.12の間毎月23日

一二、〇〇〇

(ウ)59.1~59.6の間毎月23日

五、八〇〇

(エ)59.7.14

四、一〇〇

(五九二、九〇〇)

ノ26

英登毛よ

同右

五九、〇〇〇

六五一、九〇〇

ノ30

山本類三

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

一〇、〇〇〇

六三、〇〇〇

六九七、四〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一二、〇〇〇

(ウ)59.7.14

八、四〇〇

(六三四、四〇〇)

ノ31

山本みね

同右

六三、〇〇〇

六九七、四〇〇

ノ32

山本秀夫

同右

六三、〇〇〇

六九七、四〇〇

ノ35

小倉義一

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

七、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六八、九〇〇

(イ)59.7.14

四、九〇〇

(四二四、九〇〇)

ノ36

小倉さよ

同右

四二、〇〇〇

四六六、九〇〇

ノ37

小倉良樹

同右

四二、〇〇〇

四六六、九〇〇

(ノ38)

(斉藤三次)

【三四三、七〇〇】

【三四、〇〇〇】

1

斉藤ツル

(ア)54.7~58.7の間毎月23日

三、五〇〇

一七、〇〇〇

一八八、八五〇

相続分1/2

(イ)58.7.26

三五〇

(一七一、八五〇)

2

斉藤健

(ア)54.7~58.7の間毎月23日

一、一六六

五、六六六

六二、九一六

相続分1/6

(イ)58.7.26

一一六

(五七、二五〇)

3

刑部紀子

同右

五、六六六

六二、九一六

4

斉藤充

同右

五、六六六

六二、九一六

ノ39

斉藤ツル

(ア)54.7~59.5の間毎月23日

七、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六二、一〇〇

防音

(イ)59.6.23

四、二〇〇

(ウ)59.7.14

二、九〇〇

(四二〇、一〇〇)

ノ45

中島保

(ア)54.7~58.4の間毎月23日

四、〇〇〇

二〇、〇〇〇

二二〇、四〇〇

防音

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(二〇〇、四〇〇)

ノ49

加藤房子

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

一〇、〇〇〇

六三、〇〇〇

六九七、四〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一二、〇〇〇

(ウ)59.7.14

八、四〇〇

(六三四、四〇〇)

ノ50

加藤利三

同右

六三、〇〇〇

六九七、四〇〇

ノ52

加藤靖

同右

六三、〇〇〇

六九七、四〇〇

ノ53

永井勉

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

一二、〇〇〇

七三、〇〇〇

八〇一、四〇〇

(イ)59.7.14

八、四〇〇

(七二八、四〇〇)

ノ54

永井米子

同右

七三、〇〇〇

八〇一、四〇〇

ノ55

永井良基

同右

七三、〇〇〇

八〇一、四〇〇

ノ57

石川なみ

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

七、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六六、九〇〇

(イ)59.7.14

四、九〇〇

(四二四、九〇〇)

ノ58

石川栄

同右

四二、〇〇〇

四六六、九〇〇

ノ61

古川末廣

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

七、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六六、九〇〇

(イ)59.7.14

四、九〇〇

(四二四、九〇〇)

ノ62

古川千代子

同右

四二、〇〇〇

四六六、九〇〇

ノ63

越後広代

(ア)54.7~56.4の間毎月23日

七、〇〇〇

一六、〇〇〇

一七五、六〇〇

転出

(イ)56.5.17

五、六〇〇

(一五九、六〇〇)

タ2

細野弘

(ア)54.7~56.12の間毎月23日

四、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五〇、四〇〇

防音

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(一三六、四〇〇)

タ3

細野富子

同右

一四、〇〇〇

一五〇、四〇〇

タ4

森島静

(ア)54.7~58.4の間毎月23日

九、〇〇〇

四四、〇〇〇

四八四、五〇〇

防音・防振

(イ)58.5~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(ウ)59.7.14

一、三〇〇

(四四〇、五〇〇)

タ5

森島テル

同右

四四、〇〇〇

四八四、五〇〇

タ8

佐藤省吾

(ア)54.7~55.7の間毎月23日

三、〇〇〇

四、〇〇〇

四四、二〇〇

転出

(イ)55.8.4

一、二〇〇

(四〇、二〇〇)

タ9

佐藤登志子

同右

四、〇〇〇

四四、二〇〇

タ15

岡田英子

(ア)54.7~56.7の間毎月23日

七、〇〇〇

二二、〇〇〇

二三九、八〇〇

防音・防振

(イ)56.8~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(二一七、八〇〇)

タ16

岡田初子

同右

二二、〇〇〇

二三九、八〇〇

タ19

羽根田敏廣

(ア)54.7~58.12の間毎月23日

九、〇〇〇

五〇、〇〇〇

五四八、一〇〇

防音・防振

(イ)59.1~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(ウ)59.7.14

一、三〇〇

(四九八、一〇〇)

タ20

羽根田三千子

同右

五〇、〇〇〇

五四八、一〇〇

タ21

羽根田佳子

同右

五〇、〇〇〇

五四八、一〇〇

タ22

長野貫一

(ア)54.7~56.5の間毎月23日

九、〇〇〇

二七、〇〇〇

三〇一、九〇〇

防音・防振

(イ)56.6~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(ウ)59.7.14

一、三〇〇

(二七四、九〇〇)

タ23

長野政子

同右

二七、〇〇〇

三〇一、九〇〇

タ24

高畠保

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

七、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一〇、〇〇〇

(ウ)59.7.14

七、〇〇〇

(四六六、〇〇〇)

タ25

高畠朝枝

同右

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

タ28

夏目源吾

(ア)54.7~55.11の間毎月23日

一〇、〇〇〇

一七、〇〇〇

一八九、三〇〇

転出

(イ)55.11.30

二、三〇〇

(一七二、三〇〇)

タ29

夏目瑳智代

同右

一七、〇〇〇

一八九、三〇〇

タ30

村上豊彦

(ア)54.7~56.6の間毎月23日

八、〇〇〇

三五、〇〇〇

三八九、四〇〇

防音・防振

(イ)56.7~58.5の間毎月23日

四、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(エ)59.7.14

三、四〇〇

(三五四、四〇〇)

タ31

浅田正子

(ア)54.7~55.12の間毎月23日

四、〇〇〇

一三、〇〇〇

一四四、五〇〇

防音

(イ)56.1~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(エ)59.7.14

一、三〇〇

(一三一、五〇〇)

タ32

浅田修

同右

一三、〇〇〇

一四四、五〇〇

タ34

坂口よ志子

(ア)54.7~57.3の間毎月23日

一〇、〇〇〇

四六、〇〇〇

五〇九、〇〇〇

防音・防振

(イ)57.4~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(ウ)59.7.14

三、四〇〇

(四六三、〇〇〇)

タ35

坂口功

同右

四六、〇〇〇

五〇九、〇〇〇

タ36

坂口千恵子

同右

四六、〇〇〇

五〇九、〇〇〇

タ37

渡辺昌雄

(ア)54.7~55.10の間毎月23日

七、〇〇〇

一二、〇〇〇

一二九、六〇〇

転出

(イ)55.11.17

五、六〇〇

(一一七、六〇〇)

タ40

服部左馬吉

(ア)54.7~58.3の間毎月23日

一〇、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九五、〇〇〇

転出

58.3.22

(四五〇、〇〇〇)

タ41

加古行雄

(ア)54.7~55.3の間毎月23日

四、〇〇〇

五、〇〇〇

五七、四〇〇

防音

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(五二、四〇〇)

タ42

斉藤カヨ子

(ア)54.7~55.3の間毎月23日

四、〇〇〇

五、〇〇〇

五七、四〇〇

防音

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(五二、四〇〇)

タ43

中井清治

(ア)54.7~56.8の間毎月23日

四、〇〇〇

一二、〇〇〇

一三二、四〇〇

防音

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(一二〇、四〇〇)

タ45

橋本春一

(ア)54.7~56.11の間毎月23日

七、〇〇〇

二五、〇〇〇

二七四、三〇〇

防音・防振

(イ)56.12~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(エ)59.7.14

一、三〇〇

(二四九、三〇〇)

タ46

橋本たみ子

同右

二五、〇〇〇

二七四、三〇〇

タ47

長谷川園子

(ア)54.7~54.12の間毎月23日

八、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四一、〇〇〇

防音・防振

(イ)55.1~56.12の間毎月23日

五、二〇〇

(ウ)57.1~58.5の間毎月23日

四、二〇〇

(エ)58.6~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(オ)59.7.14

三、四〇〇

(三一〇、〇〇〇)

タ48

橋本定助

(ア)54.7~56.9の間毎月23日

七、〇〇〇

二八、〇〇〇

三〇六、八〇〇

防音・防振

(イ)56.10~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(エ)59.7.14

三、四〇〇

(二七八、八〇〇)

タ49

神野守種

(ア)54.7~56.11の間毎月23日

四、〇〇〇

一五、〇〇〇

一六九、〇〇〇

防音

(イ)56.12~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(一五四、〇〇〇)

タ50

神野由夫

(ア)54.7~56.11の間毎月23日

四、〇〇〇

一三、〇〇〇

一四五、四〇〇

防音

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(一三二、四〇〇)

タ51

山本富男

(ア)54.7~56.7の間毎月23日

七、〇〇〇

二二、〇〇〇

二三八、一〇〇

防音・防振

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

三、〇〇〇

(ウ)59.7.14

二、一〇〇

(二一六、一〇〇)

タ52

横井敬三

(ア)54.7~57.9の間毎月23日

四、九〇〇

一九、〇〇〇

二一〇、一〇〇

後住性考慮

(一九一、一〇〇)

タ54

磯部平

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

七、〇〇〇

四七、〇〇〇

五一三、〇〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一〇、〇〇〇

(ウ)59.7.14

七、〇〇〇

(四六六、〇〇〇)

タ71

宇佐美尚平

(ア)54.7~57.3の間毎月23日

七、〇〇〇

三三、〇〇〇

三六三、五〇〇

防音

(イ)57.4~58.5の間毎月23日

三、〇〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

四、二〇〇

(エ)59.7.14

二、九〇〇

(三三〇、五〇〇)

タ72

宇佐美多美子

同右

三三、〇〇〇

三六三、五〇〇

タ73

坂野正行

(ア)54.7~57.3の間毎月23日

七、〇〇〇

二三、〇〇〇

二五七、六〇〇

転出

(イ)57.4.8

三、六〇〇

(二三四、六〇〇)

タ74

坂野美智代

同右

二三、〇〇〇

二五七、六〇〇

タ75

坂野正彦

同右

二三、〇〇〇

二五七、六〇〇

タ76

坂野勝己

同右

二三、〇〇〇

二五七、六〇〇

タ77

吉田か奈江

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

一二、〇〇〇

七六、〇〇〇

八三一、八〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一四、〇〇〇

(ウ)59.7.14

九、八〇〇

(七五五、八〇〇)

タ78

橋本秀夫

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

九、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇一、三〇〇

(イ)59.7.14

六、三〇〇

(五四六、三〇〇)

タ79

橋本とし

同右

五五、〇〇〇

六〇一、三〇〇

タ80

橋本直行

同右

五五、〇〇〇

六〇一、三〇〇

タ81

橋本千恵美

同右

五五、〇〇〇

六〇一、三〇〇

タ85

大矢義治

(ア)54.7~56.7の間毎月23日

九、〇〇〇

三三、〇〇〇

三六三、四〇〇

防音・防振

(イ)56.8~58.5の間毎月23日

一、八〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(エ)59.7.14

三、四〇〇

(三三〇、四〇〇)

タ86

大矢浄子

同右

三三、〇〇〇

三六三、四〇〇

タ89

広田政市

(ア)54.7~55.10の間毎月23日

九、〇〇〇

一五、〇〇〇

一六一、六〇〇

転出

55.10.31

(イ)55.11.5

二、六〇〇

(一四六、六六〇)

タ90

広田ひさ子

同右

一五、〇〇〇

一六一、六〇〇

タ92

広田貴志子

同右

一五、〇〇〇

一六一、六〇〇

タ93

杉本陟雄

(ア)54.7~56.7の間毎月23日

九、〇〇〇

二三、〇〇〇

二五四、一〇〇

転出

56.8.12

(イ)55.8.23

六、一〇〇

(二三一、一〇〇)

タ94

杉本富子

同右

二三、〇〇〇

二五四、一〇〇

タ96

西川留男

(ア)54.7~57.4の間毎月23日

四、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五〇、〇〇〇

(一三六、〇〇〇)

タ97

伊藤正秀

(ア)54.7~57.4の間毎月23日

四、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五〇、〇〇〇

(一三六、〇〇〇)

フ1

冨田絹子

(ア)54.7~58.4の間毎月23日

六、〇〇〇

三〇、〇〇〇

三三二、五〇〇

防音・防振

(イ)58.5~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(ウ)59.7.14

一、三〇〇

(三〇二、五〇〇)

フ2

吉田修一

(ア)54.7~56.7の間毎月23日

九、〇〇〇

二三、〇〇〇

二五〇、三〇〇

転出

(イ)56.7.31

二、三〇〇

(二二七、三〇〇)

フ3

吉田弘子

同右

二三、〇〇〇

二五〇、三〇〇

フ4

山田松壽郎

(ア)54.7~58.7の間毎月23日

六、〇〇〇

三二、〇〇〇

三四七、一〇〇

防音

(イ)58.8~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(ウ)59.7.14

一、三〇〇

(三一五、一〇〇)

フ5

山崎守

(ア)54.7~58.3の間毎月23日

七、〇〇〇

三七、〇〇〇

四一一、九〇〇

防音・防振

(イ)58.4~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

四、二〇〇

(エ)59.7.14

二、九〇〇

(三七四、九〇〇)

フ6

冨田あい子

(ア)54.7~57.8の間毎月23日

七、〇〇〇

三六、〇〇〇

三九七、三〇〇

防音

(イ)57.9~59.6の間毎月23日

四、二〇〇

(ウ)59.7.14

二、九〇〇

(三六一、三〇〇)

フ9

川津シカ

(ア)54.7~55.10の間毎月23日

八、〇〇〇

一三、〇〇〇

一四六、二〇〇

転出

(イ)55.11.12

五、二〇〇

(一三三、二〇〇)

フ10

川津利夫

同右

一三、〇〇〇

一四六、二〇〇

フ11

川津和子

同右

一三、〇〇〇

一四六、二〇〇

フ12

菱田とう

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

六、〇〇〇

四一、〇〇〇

四四六、三〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

九、〇〇〇

(ウ)59.7.14

六、三〇〇

(四〇五、三〇〇)

フ13

若松東策

(ア)54.7~55.7の間毎月23日

九、〇〇〇

二二、〇〇〇

二四〇、三〇〇

転出

56.8.30

(イ)55.10~56.8の間毎月23日

九、〇〇〇

(ウ)56.9.23

二、三〇〇

(二一八、三〇〇)

フ15

鬼頭常雄

(ア)54.7~57.6の間毎月23日

一二、〇〇〇

五八、〇〇〇

六三三、三〇〇

防音・防振

(イ)57.7~59.6の間毎月23日

五、八〇〇

(ウ)59.7.14

四、一〇〇

(五七五、三〇〇)

フ16

鬼頭志づ子

同右

五八、〇〇〇

六三三、三〇〇

フ17

神谷誠

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

一〇、〇〇〇

五九、〇〇〇

六五〇、二〇〇

転出

(イ)58.6~59.3の間毎月23日

一二、〇〇〇

(ウ)59.3.26

一、二〇〇

(五九一、二〇〇)

フ18

神谷久江

同右

五九、〇〇〇

六五〇、二〇〇

フ19

鈴木五朗

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

一、八〇〇

一五、〇〇〇

一六五、四〇〇

防音・防振

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(ウ)59.7.14

三、四〇〇

(一五〇、四〇〇)

フ20

村上幸子

(ア)54.7~56.10の間毎月23日

七、〇〇〇

三四、〇〇〇

三七五、六〇〇

防音

(イ)56.11~58.5の間毎月23日

四、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(エ)59.7.14

三、四〇〇

(三四一、六〇〇)

フ22

服部昭二

(ア)54.7~56.11の間毎月23日

一〇、〇〇〇

二九、〇〇〇

三二二、三〇〇

転出

(イ)56.12.3

三、三〇〇

(二九三、三〇〇)

フ23

本多龍之

(ア)54.7~56.6の間毎月23日

九、〇〇〇

三九、〇〇〇

四三一、二〇〇

防音

(イ)56.7~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(ウ)59.7.14

三、四〇〇

(三九二、二〇〇)

フ24

篠田小三郎

(ア)54.7~57.6の間毎月23日

四、〇〇〇

一六、〇〇〇

一七六、四〇〇

防音

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(一六〇、四〇〇)

フ25

篠田千代子

(ア)54.7~57.3の間毎月23日

四、〇〇〇

一五、〇〇〇

一六三、四〇〇

防音

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(一四八、四〇〇)

フ26

杉本千晴

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

九、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇一、三〇〇

(イ)59.7.14

六、三〇〇

(五四六、三〇〇)

(フ27)

(田口亮太郎)

【五〇八、一〇〇】

【五一、〇〇〇】

1

阿部賀子

(ア)54.7~58.8の間毎月23日

二、五〇〇

一二、七五〇

一三九、七七五

相続分1/4

(イ)58.9.17

二、〇二五

(一二七、〇二五)

2

田口清雄

同右

一二、七五〇

一三九、七七五

3

飯田富美子

同右

一二、七五〇

一三九、七七五

4

徳田敦子

同右

一二、七五〇

一三九、七七五

フ29

浅井サイ子

(ア)54.7~57.5の間毎月23日

九、〇〇〇

三六、〇〇〇

三九七、三〇〇

防音・防振

(イ)57.6~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(ウ)59.7.14

一、三〇〇

(三六一、三〇〇)

フ32

中村初子

(ア)54.7~57.3の間毎月23日

一二、〇〇〇

五七、〇〇〇

六二四、五〇〇

防音・防振

(イ)57.4~58.5の間毎月23日

五、四〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

七、〇〇〇

(エ)59.7.14

四、九〇〇

(五六七、五〇〇)

フ33

山田幹雄

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

九、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇一、三〇〇

(イ)59.7.14

六、三〇〇

(五四六、三〇〇)

フ34

山田い子

同右

五五、〇〇〇

六〇一、三〇〇

フ35

山田鶴一

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

九、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇一、三〇〇

(イ)59.7.14

六、三〇〇

(五四六、三〇〇)

フ37

服部正綱

(ア)54.7~57.2の間毎月23日

一〇、〇〇〇

四一、〇〇〇

四四七、一〇〇

防音・防振

(イ)57.3~59.6の間毎月23日

三、〇〇〇

(ウ)59.7.14

二、一〇〇

(四〇六、一〇〇)

フ38

服部はるの

同右

四一、〇〇〇

四四七、一〇〇

フ39

丹羽耕一郎

(ア)54.7~56.7の間毎月23日

五、六〇〇

二〇、〇〇〇

二二〇、七〇〇

別住居考慮

防音

(イ)56.8~59.6の間毎月23日

一、七〇〇

(ウ)59.7.14

一、二〇〇

(二〇〇、七〇〇)

フ40

杉浦茂

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

八、〇〇〇

四九、〇〇〇

五三四、六〇〇

(イ)59.7.14

五、六〇〇

(四八五、六〇〇)

フ41

杉浦都

同右

四九、〇〇〇

五三四、六〇〇

フ42

堀之内鉎子

(ア)54.7~56.12の間毎月23日

八、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四四、七〇〇

防音

(イ)57.1~59.6の間毎月23日

二、四〇〇

(ウ)59.7.14

一、七〇〇

(三一三、七〇〇)

フ43

堀之内靖史

同右

三一、〇〇〇

三四四、七〇〇

フ45

吉田久子

(ア)58.6~59.6の間毎月23日

三、〇〇〇

四、〇〇〇

四五、一〇〇

(イ)59.7.14

二、一〇〇

(四一、一〇〇)

フ48

石黒三郎

(ア)54.7~56.12の間毎月23日

四、〇〇〇

一六、〇〇〇

一七二、八〇〇

防音

(イ)57.1~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(一五六、八〇〇)

フ49

武藤礒松

(ア)54.7~58.2の間毎月23日

四、〇〇〇

二〇、〇〇〇

二一六、〇〇〇

防音

(イ)58.3~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(一九六、〇〇〇)

(フ50)

(武藤キイ)

【七二、六〇〇】

【七、〇〇〇】

1

武藤礒松

(ア)54.7~55.12の間毎月23日

一、三三三

二、三三三

二六、五二七

相続分1/3

(イ)55.12.28

二〇〇

(二四、一九四)

2

武藤勝雄

同右

二、三三三

二六、五二七

3

武藤富子

同右

二、三三三

二六、五二七

フ51

風岡すみ子

(ア)54.7~57.11の間毎月23日

四、〇〇〇

二三、〇〇〇

二五一、七〇〇

防音

(イ)57.12~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

四、二〇〇

(エ)59.7.14

二、九〇〇

(二二八、七〇〇)

フ54

内田信義

(ア)54.7~56.10の間毎月23日

七、〇〇〇

二〇、〇〇〇

二一六、〇〇〇

(一九六、〇〇〇)

フ55

津村稔

(ア)54.7~56.9の間毎月23日

四、〇〇〇

一一、〇〇〇

一一九、〇〇〇

(一〇八、〇〇〇)

フ57

近藤力男

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

七、〇〇〇

四四、〇〇〇

四八〇、四〇〇

防音・防振

(イ)58.6~59.1の間毎月23日

一〇、〇〇〇

(ウ)59.2~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(エ)59.7.14

三、四〇〇

(四三六、四〇〇)

フ58

近藤れい子

同右

四四、〇〇〇

四八〇、四〇〇

フ60

猿渡憲吾

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

七、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六一、六〇〇

転出

(イ)58.6~59.3の間毎月23日

九、〇〇〇

(ウ)59.3.25

六〇〇

(四一九、六〇〇)

(ア)54.7~57.5の間毎月23日

九、〇〇〇

フ61

土屋花

(イ)57.6.5

三、八〇〇

三二、〇〇〇

三五〇、八〇〇

転出

(三一八、八〇〇)

フ62

土屋純子

同右

三二、〇〇〇

三五〇、八〇〇

フ63

近藤宣彦

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

四、〇〇〇

二七、〇〇〇

二九七、二〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

六、〇〇〇

(ウ)59.7.14

四、二〇〇

(二七〇、二〇〇)

フ64

永田音吉

(ア)54.7~58.3の間毎月23日

一〇、〇〇〇

五三、〇〇〇

五七八、四〇〇

防音・防振

(イ)58.4~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(ウ)59.7.14

三、四〇〇

(五二五、四〇〇)

フ65

永田まち子

同右

五三、〇〇〇

五七八、四〇〇

フ66

石黒正也

(ア)54.7~57.11の間毎月23日

四、〇〇〇

二一、〇〇〇

二二六、一〇〇

防音

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

三、〇〇〇

(ウ)59.7.14

二、一〇〇

(二〇五、一〇〇)

フ67

石黒静子

同右

二一、〇〇〇

二二六、一〇〇

フ69

加藤元治

(ア)54.7~56.7の間毎月23日

六、〇〇〇

二一、〇〇〇

二三五、三〇〇

防音

(イ)56.8~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(ウ)59.7.14

一、三〇〇

(二一四、三〇〇)

フ70

内藤八男

(ア)54.7~56.11の間毎月23日

一〇、〇〇〇

四六、〇〇〇

五〇一、九〇〇

防音・防振

(イ)56.12~58.5の間毎月23日

四、八〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

五、八〇〇

(エ)59.7.14

四、一〇〇

(四五五、九〇〇)

フ71

朽名守人

(ア)54.7~56.12の間毎月23日

九、〇〇〇

三三、〇〇〇

三五八、三〇〇

防音・防振

(イ)57.1~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(ウ)59.7.14

一、三〇〇

(三二五、三〇〇)

(フ72)

(日比野よ志の)

【四七六、八〇〇】

【四八、〇〇〇】

1

日比野儀重

(ア)54.7~55.5の間毎月23日

五、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六二、四〇〇

相続分

1/2

(イ)55.8~58.7の間毎月23日

五、〇〇〇

(ウ)58.8.13

三、四〇〇

(二三八、四〇〇)

2

日比野義弘

(ア)54.7~55.5の間毎月23日

六二五

三、〇〇〇

三二、八〇〇

相続分

1/16

(イ)55.8~58.7の間毎月23日

六二五

(ウ)58.8.13

四二五

(二九、八〇〇)

3

日比野正夫

同右

三、〇〇〇

三二、八〇〇

4

日比野照臣

同右

三、〇〇〇

三二、八〇〇

5

日比野達雄

同右

三、〇〇〇

三二、八〇〇

6

宮嵜弘子

同右

三、〇〇〇

三二、八〇〇

7

日比野信子

同右

三、〇〇〇

三二、八〇〇

8

田篠敏子

同右

三、〇〇〇

三二、八〇〇

9

日比野晴正

同右

三、〇〇〇

三二、八〇〇

フ73

日比野儀重

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

一〇、〇〇〇

六一、〇〇〇

六六八、〇〇〇

(イ)59.7.14

七、〇〇〇

(六〇七、〇〇〇)

フ74

郷原豊

(ア)54.7~57.11の間毎月23日

七、〇〇〇

二九、〇〇〇

三一九、三〇〇

転出

(イ)57.12.7

三、三〇〇

(二九〇、三〇〇)

フ75

郷原照子

同右

二九、〇〇〇

三一九、三〇〇

フ78

水野和子

(ア)54.7~58.6の間毎月23日

四、〇〇〇

二一、〇〇〇

二二八、二〇〇

防音

(イ)58.7~59.6の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)59.7.14

八〇〇

(二〇七、二〇〇)

フ79

水野良一

同右

二一、〇〇〇

二二八、二〇〇

フ80

加藤定男

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

九、〇〇〇

五五、〇〇〇

六〇一、三〇〇

(イ)59.7.14

六、三〇〇

(五四六、三〇〇)

チ5

中島東七

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

七、八〇〇

四七、〇〇〇

五二〇、五〇〇

防音

(イ)59.7.14

五、五〇〇

(四七三、五〇〇)

チ12

長谷川憲志

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六六、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(二四二、八〇〇)

(チ13)

(川津秀夫)

【二六、六〇〇】

【三、〇〇〇】

1

川津敬子

(ア)54.7~55.3の間毎月23日

九三三

一、〇〇〇

九、八六三

別住居考慮

相続分1/3

(イ)55.4.7

四六六

(八、八六三)

2

川津多佳子

同右

一、〇〇〇

九、八六三

3

川津邦浩

同右

一、〇〇〇

九、八六三

チ14

川津敬子

(ア)54.7~55.3の間毎月23日

二、八〇〇

三、〇〇〇

二九、六〇〇

別住居

考慮

転出

(イ)55.4.8

一、四〇〇

(二六、六〇〇)

チ17

錦さだ子

(ア)54.7~56.8の間毎月23日

八、〇〇〇

二一、〇〇〇

二三三、四〇〇

転出

(イ)56.9.9

四、四〇〇

(二一二、四〇〇)

(チ19)

(中野いさの)

【一三四、六〇〇】

【一三、〇〇〇】

1

中野光夫

(ア)54.7~56.1の間毎月23日

一、一六六

二、一六六

二四、五八六

相続分

1/6

(イ)56.1.30

二六六

(二二、四二〇)

2

竹川ちえ子

同右

二、一六六

二四、五八六

3

中野廣

同右

二、一六六

二四、五八六

4

中野武正

同右

二、一六六

二四、五八六

5

中野正勝

同右

二、一六六

二四、五八六

6

中野幸榮

同右

二、一六六

二四、五八六

チ21

権田寛

(ア)54.7~55.5の間毎月23日

八、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六五、〇〇〇

転出

(イ)55.9~57.3の間毎月23日

八、〇〇〇

(ウ)57.3.27

一、〇〇〇

(二四一、〇〇〇)

チ25

鬼頭しづ子

(ア)54.7~57.6の間毎月23日

四、〇〇〇

一八、〇〇〇

一九九、九〇〇

防音

(イ)57.7~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(エ)59.7.14

一、三〇〇

(一八一、九〇〇)

チ30

中野雄介

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

三、〇〇〇

一八、〇〇〇

二〇〇、一〇〇

(イ)59.7.14

二、一〇〇

(一八二、一〇〇)

チ32

後藤守

(ア)54.7~55.7の間毎月23日

四、〇〇〇

一二、〇〇〇

一二九、五〇〇

防音

(イ)55.8~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(エ)59.7.14

一、三〇〇

(一一七、五〇〇)

チ33

後藤梅子

同右

一二、〇〇〇

一二九、五〇〇

チ34

後藤広

(ア)54.7~55.1の間毎月23日

四、〇〇〇

三、〇〇〇

三四、七〇〇

転出

55.2.20

(イ)55.2.23

三、七〇〇

(三一、七〇〇)

チ35

後藤とし江

同右

三、〇〇〇

三四、七〇〇

チ38

横田利彦

(ア)54.7~55.3の間毎月23日

八、〇〇〇

七、〇〇〇

七九、八〇〇

転出

(イ)55.3.26

八〇〇

(七二、八〇〇)

チ39

横田喜久江

同右

七、〇〇〇

七九、八〇〇

チ40

内山あや子

(ア)54.7~55.2の間毎月23日

四、〇〇〇

一〇、〇〇〇

一一三、五〇〇

防音

(イ)55.3~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(エ)59.7.14

一、三〇〇

(一〇三、五〇〇)

(チ42)

(米田キミコ)

【一一二、六〇〇】

【一一、〇〇〇】

1

望月登美子

(ア)54.7~56.10の間毎月23日

一、〇〇〇

二、七五〇

三〇、九〇〇

相続分

1/4

(イ)56.10.28

一五〇

(二八、一五〇)

2

森弘美

同右

二、七五〇

三〇、九〇〇

3

平田夏枝

同右

二、七五〇

三〇、九〇〇

4

米田正雄

同右

二、七五〇

三〇、九〇〇

チ51

巻木一彦

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

七、〇〇〇

四四、〇〇〇

四八二、六〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

八、〇〇〇

(ウ)59.7.14

五、六〇〇

(四三八、六〇〇)

チ52

巻木日出子

同右

四四、〇〇〇

四八二、六〇〇

チ53

伊藤鈴子

(ア)54.7~56.12の間毎月23日

七、〇〇〇

二一、〇〇〇

二三五、五〇〇

転出

(イ)57.1.12

四、五〇〇

(二一四、五〇〇)

チ54

植田義枝

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

九、〇〇〇

五六、〇〇〇

六一六、〇〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一〇、〇〇〇

(ウ)59.7.14

七、〇〇〇

(五六〇、〇〇〇)

チ56

日比朝一

(ア)54.7~55.4の間毎月23日

七、〇〇〇

二八、〇〇〇

三一〇、九〇〇

防音

(イ)55.5~59.6の間毎月23日

四、二〇〇

(ウ)59.7.14

二、九〇〇

(二八二、九〇〇)

チ58

日比和夫

同右

二八、〇〇〇

三一〇、九〇〇

チ69

土方芳弘

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

八、〇〇〇

五一、〇〇〇

五六四、〇〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

一〇、〇〇〇

(ウ)59.7.14

七、〇〇〇

(五一三、〇〇〇)

チ70

山本茂彦

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

七、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六六、九〇〇

後住性考慮

(イ)59.7.14

四、九〇〇

(四二四、九〇〇)

チ78

伊藤邦博

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六六、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(二四二、八〇〇)

チ80

下里マスミ

(ア)58.6~59.6の間毎月23日

三、〇〇〇

四、〇〇〇

四五、一〇〇

(イ)59.7.14

二、一〇〇

(四一、一〇〇)

チ82

杉本英雄

(ア)58.6~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

五、〇〇〇

五九、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(五四、八〇〇)

チ84

藤田信翁

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六六、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(二四二、八〇〇)

メ1

金沢広昌

(ア)54.7~56.5の間毎月23日

六、〇〇〇

一四、〇〇〇

一五四、一〇〇

転出

(イ)56.6.3

二、一〇〇

(一四〇、一〇〇)

メ2

金沢守

同右

一四、〇〇〇

一五四、一〇〇

メ5

池山茂

(ア)54.7~55.2の間毎月23日

一〇、〇〇〇

九、〇〇〇

九四、九〇〇

転出

(イ)55.3.11

五、九〇〇

(八五、九〇〇)

メ6

甲斐貞臣

(ア)54.7~55.3の間毎月23日

八、〇〇〇

七、〇〇〇

八一、三〇〇

転出

(イ)55.4.1

二、三〇〇

(七四、三〇〇)

メ7

池山捷彦

(ア)54.7~56.3の間毎月23日

八、〇〇〇

三七、〇〇〇

四〇四、九〇〇

56.3.23

以降池山三

郎(メ35)方

へ転居

(イ)56.4~58.5の間毎月23日

四、〇〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

七、〇〇〇

(エ)59.7.14

四、九〇〇

(三六七、九〇〇)

(メ14)

(鈴木ふく)

【三七、〇〇〇】

【四、〇〇〇】

1

鈴木繁光

(ア)54.7~55.3の間毎月23日

八〇〇

八〇〇

八、二〇〇

防音

相続分1/5

(イ)55.4.18

二〇〇

(七、四〇〇)

2

鈴木英治

同右

八〇〇

八、二〇〇

3

鈴木弘行

同右

八〇〇

八、二〇〇

4

浅野梅子

同右

八〇〇

八、二〇〇

5

宇佐美十一

同右

八〇〇

八、二〇〇

メ15

鈴木弘行

(ア)54.7~55.3の間毎月23日

四、〇〇〇

一一、〇〇〇

一一七、三〇〇

防音

(イ)55.4~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

一、八〇〇

(エ)59.7.14

一、三〇〇

(一〇六、三〇〇)

メ16

鈴木とみ子

同右

一一、〇〇〇

一一七、三〇〇

メ17

竹内信三郎

(ア)58.6~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

五、〇〇〇

五九、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(五四、八〇〇)

メ35

池山三郎

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

四、〇〇〇

二八、〇〇〇

三一一、九〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

七、〇〇〇

(ウ)59.7.14

四、九〇〇

(二八三、九〇〇)

メ36

池山なみ子

同右

二八、〇〇〇

三一一、九〇〇

メ38

中居三千男

(ア)54.7~55.6の間毎月23日

四、〇〇〇

五、〇〇〇

五八、一〇〇

防音

転出

(イ)55.7~55.10の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)55.11.1

三〇〇

(五三、一〇〇)

メ39

水野茂一

(ア)54.7~56.2の間毎月23日

六、〇〇〇

一三、〇〇〇

一三八、四〇〇

転出

(イ)56.3.20

五、四〇〇

(一二五、四〇〇)

メ40

水野やえ子

同右

一三、〇〇〇

一三八、四〇〇

メ41

水野末吉

(ア)54.7~56.10の間毎月23日

四、〇〇〇

一一、〇〇〇

一二三、八〇〇

転出

(イ)56.10.29

八〇〇

(一一二、八〇〇)

メ42

佐藤勇

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

七、〇〇〇

四二、〇〇〇

四六六、九〇〇

(イ)59.7.14

四、九〇〇

(四二四、九〇〇)

メ43

佐藤あい子

同右

四二、〇〇〇

四六六、九〇〇

メ52

佐藤由男

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

七、〇〇〇

四五、〇〇〇

四九七、三〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

九、〇〇〇

(ウ)59.7.14

六、三〇〇

(四五二、三〇〇)

メ53

佐藤君代

同右

四五、〇〇〇

四九七、三〇〇

メ54

奥野作男

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

四、〇〇〇

三一、〇〇〇

三四二、三〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

九、〇〇〇

(ウ)59.7.14

六、三〇〇

(三一一、三〇〇)

メ56

梅田公二

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六六、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(二四二、八〇〇)

メ57

梅田年子

同右

二四、〇〇〇

二六六、八〇〇

メ68

伊賀勝己

(ア)54.7~58.1の間毎月23日

四、〇〇〇

一九、〇〇〇

二一三、八〇〇

(イ)59.2~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

(ウ)59.7.14

二、八〇〇

(一九四、八〇〇)

メ80

鈴木琴世

(ア)54.7~56.5の間毎月23日

七、〇〇〇

一七、〇〇〇

一八三、二〇〇

転出

(イ)56.6.15

五、二〇〇

(一六六、二〇〇)

ト1

迫間正市

(ア)58.6~59.6の間毎月23日

三、〇〇〇

四、〇〇〇

四五、一〇〇

(イ)59.7.14

二、一〇〇

(四一、一〇〇)

ト2

迫間きみ

同右

四、〇〇〇

四五、一〇〇

ト3

安井実雄

(ア)54.7~57.8の間毎月23日

四、〇〇〇

二三、〇〇〇

二五一、六〇〇

防音

(イ)57.9~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

四、八〇〇

(エ)59.7.14

三、四〇〇

(二二八、六〇〇)

ト4

安井みわ子

同右

二三、〇〇〇

二五一、六〇〇

ト5

坂野登

(ア)54.7~58.3の間毎月23日

四、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六三、九〇〇

防音

(イ)58.4~58.5の間毎月23日

一、二〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

四、二〇〇

(エ)59.7.14

二、九〇〇

(二三九、九〇〇)

ト6

坂野加代子

同右

二四、〇〇〇

二六三、九〇〇

ト8

久野冨七

(ア)54.7~57.11の間毎月23日

七、〇〇〇

三六、〇〇〇

三九八、五〇〇

防音

(イ)57.12~58.5の間毎月23日

三、〇〇〇

(ウ)58.6~59.6の間毎月23日

四、二〇〇

(エ)59.7.14

二、九〇〇

(三六二、五〇〇)

ト14

折戸光男

(ア)54.7~56.12の間毎月23日

七、〇〇〇

二七、〇〇〇

二九四、五〇〇

防音・防振

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

四、二〇〇

(ウ)59.7.14

二、九〇〇

(二六七、五〇〇)

ト34

石橋かね子

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六六、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(二四二、八〇〇)

ト35

石橋正美

同右

二四、〇〇〇

二六六、八〇〇

ト53

中尾鈎吾

(ア)58.6~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

五、〇〇〇

五九、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(五四、八〇〇)

ト54

中尾紀夫

同右

五、〇〇〇

五九、八〇〇

ト60

森田つる

(ア)54.7~59.3の間毎月23日

四、〇〇〇

二四、〇〇〇

二五九、四〇〇

別住居考慮

(イ)59.4~59.6の間毎月23日

二、〇〇〇

(ウ)59.7.14

一、四〇〇

(二三五、四〇〇)

ト61

森田愛作

同右

二四、〇〇〇

二五九、四〇〇

ト63

大矢桂三

(ア)54.7~59.6の間毎月23日

四、〇〇〇

二四、〇〇〇

二六六、八〇〇

(イ)59.7.14

二、八〇〇

(二四二、八〇〇)

ト75

伴野芳秋

(ア)54.7~58.5の間毎月23日

四、〇〇〇

二七、〇〇〇

二九七、二〇〇

(イ)58.6~59.6の間毎月23日

六、〇〇〇

(ウ)59.7~14

四、二〇〇

(二七〇、二〇〇)

ト76

伴野さかえ

同右

二七、〇〇〇

二九七、二〇〇

ト77

伴野芳枝

同右

二七、〇〇〇

二九七、二〇〇

ト78

伴野光彦

同右

二七、〇〇〇

二九七、二〇〇

(主) 第三表(損害賠償請求棄却原告氏名一覧表)

フ46

市野留一

ト12

(ト11)

早川たに

(〃)

早川勇

ト24

(ト25)

加藤四郎

ト26

(〃)

加藤博秀

ト27

(〃)

加藤浩子

(〃)

樋江井照子

(〃)

池田美知子

(〃)

吉野敏子

ト28

吉戸友治

ト29

吉戸すみ子

ト42

浅井正男

ト43

浅井民子

ト44

浅井義則

ト45

浅井ヤエ

ト51

武内志げ

ト52

武内弘

ト56

森島辰男

(主) 第四表(損害賠償請求当審分棄却原告氏名一覧表)

ナ4

安達邦彦

ナ20

小島とみえ

ナ21

小島保次

ナ22

小島彰蔵

ナ31

村若久子

ナ45

山﨑豊次

ナ46

山﨑すみ子

ナ54

鈴木正誼

(ナ74)

多賀こう

(〃)

岡田丹治

(〃)

加藤嘉和

(〃)

岡田美津子

(〃)

多賀正信

タ53

佐野周三

フ46

市野留一

フ47

増澤隆男

チ24

伊藤昌枝

チ41

水野栄佑

チ83

藤田孝子

メ24

山田富佐

メ62

福田昭二

メ63

福田郁代

ト12

(ト11)

早川たに

(〃)

早川勇

ト23

可児薫

ト24

(ト25)

加藤四郎

卜26

(〃)

加藤博秀

(〃)

加藤浩子

(〃)

樋江井照子

(〃)

池田美知子

(〃)

吉野敏子

ト28

吉戸友治

ト29

吉戸すみ子

ト30

山田マツ

ト31

山田澤太郎

ト32

岩畑正夫

ト33

岩畑芙美子

卜42

浅井正男

ト43

浅井民子

ト44

浅井義則

ト45

浅井ヤエ

ト46

中野松良

ト47

中野順吉

ト50

中井忠

ト51

武内志げ

ト55

浅井高志

ト56

森島辰男

ト62

田島テル子

ト74

加藤とめ

(主) 第五表(仮執行分返還金額一覧表)

原告

番号

氏名

第一次執行分返還金

(円)

第二次執行分返還金

(円)

ナ4

安達邦彦

九五九、一一六

四四、二三五

ナ6

伊藤くら

七七九、六三三

三一、六六八

ナ7

白井律子

五二六、八七四

二二、八〇二

ナ8

伊藤利夫

七七九、六三三

三一、六六八

ナ12

河俣えつ

七〇二、六三三

二七、四〇一

ナ13

河俣守

七〇二、六三三

二七、四〇一

ナ14

河俣鈴子

七〇二、六三三

二七、四〇一

(ナ15)

(伊藤一郎)

1

伊藤増彦

一五五、九二六

六、三三三

2

伊藤満年

一五五、九二六

六、三三三

3

今田眞知子

一五五、九二六

六、三三三

4

伊藤初茂

一五五、九二六

六、三三三

5

大瀬良昌美

一五五、九二六

六、三三三

ナ16

伊藤初茂

七七九、六三三

三一、六六八

ナ17

大瀬良昌美

三五六、二六四

一五、七三六

ナ18

木村満紀男

七〇二、六三三

二七、四〇一

ナ19

木村敏子

七〇二、六三三

二七、四〇一

ナ20

小島とみえ

五八三、七四四

二六、四〇一

ナ21

小島保次

五八三、七四四

二六、四〇一

ナ22

小島彰蔵

五八三、七四四

二六、四〇一

ナ23

長谷川重信

六八二、六三三

二六、三〇四

ナ24

長谷川弘

六八二、六三三

二六、三〇四

ナ25

長谷川清春

六八二、六三三

二六、三〇四

ナ27

藤田道彰

六八二、六三三

二六、三〇四

ナ28

藤田トキコ

六八二、六三三

二六、三〇四

ナ31

村若久子

四九七、七四四

二一、六四七

ナ32

山下虎男

六八二、六三三

二六、三〇四

ナ33

山下すえ子

六八二、六三三

二六、三〇四

ナ34

山下伸幸

六四一、九四九

二七、〇八六

ナ35

山下耕二

六八二、六三三

二六、三〇四

ナ39

渡辺兼光

八六七、一一六

三九、一一四

ナ40

渡辺たわ

八六七、一一六

三九、一一四

ナ43

永尾みつ江

六三二、六三三

二三、五〇〇

ナ44

水野摩利子

七〇二、六三三

二七、四〇一

ナ45

山崎豊次

九六八、一一六

四四、七二二

ナ46

山崎すみ子

九六八、一一六

四四、七二二

ナ51

杉山秀男

六七七、六三三

二五、九九九

ナ54

鈴木正誼

八八二、一一六

三九、九六八

(ナ55)

(大矢種一)

1

大矢志

二二四、三一六

六、六六〇

2

近藤あや子

三二、〇四五

九五二

3

黄瀬弓子

三二、〇四五

九五二

4

大矢泰敬

三二、〇四五

九五二

5

鈴木輝子

三二、〇四五

九五二

6

大矢龍夫

三二、〇四五

九五二

7

大矢勇夫

三二、〇四五

九五二

8

大矢五郎

三二、〇四五

九五二

ナ60

藤田勇

六九八、六三三

二七、一五七

ナ61

藤田しづえ

六九八、六三三

二七、一五七

ナ62

藤田和弘

六九八、六三三

二七、一五七

ナ63

藤田操

六九八、六三三

二七、一五七

ナ66

長坂健一

六七九、六三三

二六、一二一

ナ67

長坂千代枝

六七九、六三三

二六、一二一

ナ68

奥村金吾

六六三、六三三

二五、二六八

ナ69

奥村ちよ子

六六三、六三三

二五、二六八

ナ70

奥村浩二

七一四、七五一

三〇、〇二二

ナ71

奥村秀子

七一四、七五一

三〇、〇二二

(ナ74)

(岡田あさの)

1

岡田修一

一〇一、五六九

四、二四一

2

多賀こう

一〇一、五六九

四、二四一

3

岡田丹治

一〇一、五六九

四、二四一

4

加藤嘉和

一〇一、五六九

四、二四一

5

岡田美津子

一〇一、五六九

四、二四一

6

多賀正信

一〇一、五六九

四、二四一

ナ75

岡田修一

三八五、五九八

八、三八二

ノ3

高橋善三

七九四、六三三

三二、五二二

ノ4

高橋久

七九四、六三三

三二、五二二

ノ5

鬼頭くみ

四七七、五九八

一三、五〇二

ノ7

吉川行男

二三三、五九八

ノ8

吉川千代子

二三三、五九八

ノ11

萩原千代子

二四四、五九八

五七九

ノ12

萩原鉦和

二四四、五九八

五七九

ノ13

萩原鉦彦

二七五、三六一

一二、〇八三

ノ14

萩原由広

二五九、九五五

一、七九八

ノ15

鬼頭キヌヨ

二三三、五九八

ノ16

鬼頭正

二三三、五九八

(ノ17)

(水谷鉱太郎)

1

水谷ゆきえ

一一六、七九九

2

水谷孝平

一九、四六七

3

水谷謙吉

一九、四六七

4

水谷繁

一九、四六七

5

近藤多恵

一九、四六七

6

水谷四郎

一九、四六七

7

水谷裕

一九、四六七

ノ18

水谷ゆきえ

二三三、五九八

ノ19

水谷裕

二四五、二一六

一、一八九

ノ22

村田よう

四〇七、五九八

九、六〇一

ノ23

村田勝彦

五三七、〇七三

一八、七四五

ノ24

村田たか子

五三七、〇七三

一八、七四五

ノ25

英一三

二三三、五九八

ノ26

英登毛よ

二三三、五九八

ノ30

山本類三

二三三、五九八

ノ31

山本みね

二三三、五九八

ノ32

山本秀夫

二三三、五九八

ノ33

秋田かよ子

二六九、五四九

四、八四六

ノ35

小倉義一

四九〇、六三三

一五、六三六

ノ36

小倉さよ

四九〇、六三三

一五、六三六

ノ37

小倉良樹

五六六、一二八

二〇、七五七

(ノ38)

(斉藤三次)

1

斉藤ツル

二四五、三一六

七、八一八

2

斉藤健

八一、七七二

二、六〇六

3

刑部紀子

八一、七七二

二、六〇六

4

斉藤充

八一、七七二

二、六〇六

ノ39

斉藤ツル

四九〇、六三三

一五、六三六

ノ40

斉藤充

四四八、六七〇

一八、〇〇六

ノ45

中島保

六六二、一一六

二七、七七六

ノ49

加藤房子

二三三、五九八

ノ50

加藤利三

二三三、五九八

ノ51

加藤裕二

二二七、九五五

三、〇一八

ノ52

加藤靖

二三三、五九八

ノ53

永井勉

二三三、五九八

ノ54

永井米子

二三三、五九八

ノ55

永井良基

二三三、五九八

ノ56

永井見司

三一七、二一〇

一一、八二八

ノ57

石川なみ

四九〇、六三三

一五、六三六

ノ58

石川栄

四九〇、六三三

一五、六三六

ノ61

古川末廣

四九〇、六三三

一五、六三六

ノ62

古川千代子

四九〇、六三三

一五、六三六

ノ63

越後広代

四九〇、六三三

一五、六三六

タ2

細野弘

八一六、六三三

三三、七四一

タ3

細野富子

八一六、六三三

三三、七四一

タ4

森島静

二九八、五九八

三、五六六

タ5

森島テル

二九八、五九八

三、五六六

タ8

佐藤省吾

六七二、一一六

二八、三二四

タ9

佐藤登志子

六七二、一一六

二八、三二四

タ15

岡田英子

三五一、六三三

七、九五五

タ16

岡田初子

四四〇、三二一

一四、一一二

タ19

羽根田敏廣

二三三、五九八

タ20

羽根田三千子

二三三、五九八

タ21

羽根田佳子

二三三、五九八

タ22

長野貫一

二三三、五九八

タ23

長野政子

二三三、五九八

タ24

髙畠保

三五八、五九八

六、九一九

タ25

髙畠朝枝

三五八、五九八

六、九一九

タ28

夏目源吾

二四四、五九八

五七九

タ29

夏目瑳智代

二四四、五九八

五七九

タ30

村上豊彦

三八五、五九八

八、三八二

タ31

浅田正子

八二〇、五九八

三二、五二二

タ32

浅田修

八二〇、五九八

三二、五二二

タ34

坂口よ志子

二四四、五九八

五七九

タ35

坂口功

二四四、五九八

五七九

タ36

坂口千恵子

二四四、五九八

五七九

タ37

渡辺昌雄

四九四、五九八

一四、四一七

タ40

服部左馬吉

二三三、五九八

タ41

加古行雄

七〇一、六三三

二七、三四〇

タ42

斉藤カヨ子

七六七、六三三

三〇、九九八

タ43

中井清治

八一六、六三三

三三、七四一

タ45

橋本春一

四九四、五九八

一四、四一七

タ46

橋本たみ子

四九四、五九八

一四、四一七

タ47

長谷川園子

三三〇、五九八

五、三三四

タ48

橋本定助

四五五、五九八

一二、二八三

タ49

神野守種

六六二、一一六

二七、七七六

タ50

神野由夫

六六二、一一六

二七、七七六

タ51

山本富男

五三二、五九八

一六、五五〇

タ52

横井敬三

七七三、六三三

三一、三六三

タ53

佐野周三

一、〇四三、一一六

四八、八六八

タ54

磯部平

四五五、五九八

一二、二八三

タ71

宇佐美尚平

四九〇、六三三

一五、六三六

タ72

宇佐美多美子

四九〇、六三三

一五、六三六

タ73

坂野正行

三九七、五九八

九、〇五二

タ74

坂野美智代

三九七、五九八

九、〇五二

タ75

坂野正彦

三九七、五九八

九、〇五二

タ76

坂野勝己

三九七、五九八

九、〇五二

タ77

吉田か奈江

二三三、五九八

タ78

橋本秀夫

二五六、五九八

一、二五〇

タ79

橋本とし

二五六、五九八

一、二五〇

タ80

橋本直行

二五六、五九八

一、二五〇

タ81

橋本千恵美

二五六、五九八

一、二五〇

タ85

大矢義治

二三三、五九八

タ86

大矢浄子

二三三、五九八

タ89

広田政市

二三三、五九八

タ90

広田ひさ子

二三三、五九八

タ91

広田政志

一三〇、六一〇

四、〇九〇

タ92

広田貴志子

二九四、一八一

五、六三九

タ93

杉本陟雄

二三三、五九八

タ94

杉本富子

二三三、五九八

タ95

杉本昌子

二二八、九〇四

五、三三四

タ96

西川留男

七九四、六三三

三二、五二二

タ97

伊藤正秀

八七一、六三三

三六、七八九

フ1

冨田絹子

六五一、五九八

二三、一三四

フ2

吉田修一

二八六、五九八

二、八九六

フ3

吉田弘子

二八六、五九八

二、八九六

フ4

山田松壽郎

六八〇、五九八

二四、七一九

フ5

山崎守

四七八、六三三

一四、九六五

フ7

冨田あい子

五一六、六三三

一七、〇九九

フ9

川津シカ

四三三、五九八

一一、〇六四

フ10

川津利夫

四三三、五九八

一一、〇六四

フ11

川津和子

四三三、五九八

一一、〇六四

フ12

菱田とう

五三五、五九八

一六、七三三

フ13

若松東策

三二四、五九八

五、〇二九

フ15

鬼頭常雄

二三三、五九八

フ16

鬼頭志づ子

二三三、五九八

フ17

神谷誠

二三三、五九八

フ18

神谷久江

二三三、五九八

フ19

鈴木五朗

三二五、五九八

五、〇九〇

フ20

村上幸子

四六八、六三三

一四、四一七

フ22

服部昭二

二三三、五九八

フ23

本多龍之

三二四、五九八

五、〇二九

フ24

篠田小三郎

八四三、六三三

三五、二〇四

フ25

篠田千代子

八四三、六三三

三五、二〇四

フ26

杉本千晴

三二四、五九八

五、〇二九

(フ27)

(田口亮太郎)

1

阿部賀子

五八、三九九

2

田口清雄

五八、三九九

3

飯田富美子

五八、三九九

4

徳田敦子

五八、三九九

フ29

浅井サイ子

二三三、五九八

フ30

浅井正義

一一七、九三四

九二五

フ32

中村初子

二三三、五九八

フ33

山田幹雄

二三三、五九八

フ34

山田い子

二三三、五九八

フ35

山田鶴一

二九八、六三三

五、〇二九

フ36

服部惣一

一五八、七二九

フ37

服部正綱

二三三、五九八

フ38

服部はるの

二三三、五九八

フ39

丹羽耕一郎

四四八、六三三

一三、三二〇

フ40

杉浦茂

二三三、五九八

フ41

杉浦都

二三三、五九八

フ42

堀之内鉎子

二三三、五九八

フ43

堀之内靖史

二三三、五九八

フ45

吉田久子

一、〇三七、一一六

四八、五六三

フ46

市野留一

一、一五三、一一六

五四、九六三

フ47

増澤隆男

一、〇九六、一一六

五一、七九四

フ48

石黒三郎

八四三、六三三

三五、二〇四

フ49

武藤礒松

六八九、一一六

二九、二三九

(フ50)

(武藤キイ)

1

武藤礒松

二二九、七〇六

九、七四七

2

武藤勝雄

二二九、七〇六

九、七四七

3

武藤富子

二二九、七〇六

九、七四七

フ51

風岡すみ子

七二七、六三三

二八、八〇三

フ54

内田信義

五四五、六三三

一八、六八四

フ55

津村稔

八七一、六三三

三六、七八九

フ56

福本初子

三二四、五九八

五、〇二九

フ57

近藤力男

四五五、五九八

一二、二八三

フ58

近藤れい子

四五五、五九八

一二、二八三

(フ59)

(猿渡義治)

1

猿渡良子

一六六、六八二

四、九四八

2

猿渡憲吾

一一一、一二二

三、二九八

3

中岡妙子

一一一、一二二

三、二九八

4

猿渡清司

一一一、一二二

三、二九八

フ60

猿渡憲吾

四九四、五九八

一四、四一七

フ61

土屋花

二八六、五九八

二、八九六

フ62

土屋純男

二八六、五九八

二、八九六

フ63

近藤宣彦

八二〇、五九八

三二、五二二

フ64

永田音吉

二四四、五九八

五七九

フ65

永田まち子

二四四、五九八

五七九

フ66

石黒正也

七五六、六三三

三〇、三八八

フ67

石黒静子

七五六、六三三

三〇、三八八

フ68

簑輪三朗

三一四、五九八

四、四八一

フ69

加藤元治

六五一、五九八

二三、一三四

フ70

内藤八男

二三三、五九八

フ71

朽名守人

三五三、五九八

六、六一四

(フ72)

(日比野よ志の)

1

日比野儀重

一一六、七九九

2

日比野義弘

一四、五九九

3

日比野正夫

一四、五九九

4

日比野照臣

一四、五九九

5

日比野達雄

一四、五九九

6

宮嵜弘子

一四、五九九

7

日比野信子

一四、五九九

8

田篠敏子

一四、五九九

9

日比野晴正

一四、五九九

フ73

日比野儀重

二三三、五九八

フ74

郷原豊

四六八、六三三

一四、四一七

フ75

郷原照子

四六八、六三三

一四、四一七

フ78

水野和子

六八九、一一六

二九、二三九

フ79

水野良一

六八九、一一六

二九、二三九

フ80

加藤定男

三五三、五九八

六、六一四

チ5

中島東七

二三三、五九八

チ8

大嶽愛子

六一一、七七五

二一、四八八

チ9

木戸あや子

八〇一、六三三

三二、八八七

チ10

鈴木小枝子

八〇六、二二九

三六、四一〇

チ12

長谷川憲志

八七一、六三三

三六、七八九

(チ13)

(川津秀夫)

1

川津敬子

二八二、七〇六

一二、六九三

2

川津多佳子

二八二、七〇六

一二、六九三

3

川津邦浩

二八二、七〇六

一二、六九三

チ14

川津敬子

八四八、一一六

三八、〇七八

チ15

中村寛治

七二三、二七五

三〇、六四四

チ16

内藤悟

四四六、三一五

一八、一七八

チ17

錦さだ子

二三三、五九八

(チ19)

(中野いさの)

1

中野光夫

九〇、九三八

三、一一四

2

竹川ちえ子

九〇、九三八

三、一一四

3

中野廣

九〇、九三八

三、一一四

4

中野武正

九〇、九三八

三、一一四

5

中野正勝

九〇、九三八

三、一一四

6

中野幸榮

九〇、九三八

三、一一四

チ21

権田寛

四六二、五九八

一二、六四九

チ21

山田幸子

五三二、三五〇

二〇、七〇八

チ24

伊藤昌枝

九九九、一一六

四六、四二九

チ25

鬼頭しづ子

七〇〇、六三三

二七、二七九

(チ26)

(山脇陽惟)

1

山脇君子

一四三、二一一

四、〇九四

2

山脇孝子

一四三、二一一

四、〇九四

3

山脇美佐子

一四三、二一一

四、〇九四

チ30

中野雄介

八二六、六三三

三四、二八九

チ32

後藤守

五四六、一一六

二一、三一四

チ33

後藤梅子

五四六、一一六

二一、三一四

チ34

後藤広

七〇〇、六三三

二七、二七九

チ35

後藤とし江

七〇〇、六三三

二七、二七九

チ36

鈴木正一

三三六、〇六三

七、一六三

チ37

鈴木一二三

三三六、〇六三

七、一六三

チ38

横田利彦

二九〇、五九八

三、一三九

チ39

横田喜久江

二九〇、五九八

三、一三九

チ40

内山あや子

七二六、五九八

二七、二七九

チ41

水野栄佑

九一三、一一六

四一、六七四

(チ42)

(米田キミ子)

1

望月登美子

一九八、六五八

八、一三一

2

森弘美

一九八、六五八

八、一三一

3

平田夏枝

一九八、六五八

八、一三一

4

米田正雄

一九八、六五八

八、一三一

チ47

松山周平

三四二、五三八

一四、五三六

チ48

松山豊子

一六五、三三六

六、八三六

チ49

松山典且

一六五、三三六

六、八三六

チ50

松山和正

一六五、三三六

六、八三六

チ51

巻木一彦

五三二、五九八

一六、五五〇

チ52

巻木日出子

五三二、五九八

一六、五五〇

チ53

伊藤鈴子

三七三、六三三

九、一七四

チ54

植田義枝

二一一、六三三

二一三

チ56

日比朝一

三七三、六三三

九、一七四

チ58

日比和夫

三七三、六三三

九、一七四

チ59

岡村庄吉

二一二、七九六

三、一三九

チ60

岡村ふさ子

二一二、七九六

三、一三九

チ61

岡村孝子

八九、一二五

チ62

石原貞男

三〇六、七四九

八、九九二

チ63

石原ゆき江

三〇六、七四九

八、九九二

チ64

石原正雄

三二八、五二七

六、五五三

チ65

石原つう

三二八、五二七

六、五五三

チ68

石原慶一

三七二、九一八

一〇、四五五

チ69

土方芳弘

二九〇、五九八

三、一三九

チ70

山本茂彦

四九一、六三三

一五、六九七

チ71

渡邊道子

六三五、〇五五

二五、八一六

チ72

渡邊敏彦

六三五、〇五五

二五、八一六

チ73

渡邊タミ子

六三五、〇五五

二五、八一六

チ74

渡邊富子

六三五、〇五五

二五、八一六

チ78

伊藤邦博

八七一、六三三

三六、七八九

チ80

下里マスミ

八四八、六三三

三五、五〇九

チ81

下里信子

四三九、二〇四

一三、〇一五

チ82

杉本英雄

九六四、六三三

四一、九〇九

チ83

藤田孝子

九九九、一一六

四六、四二九

チ84

藤田信翁

七九四、六三三

三二、五二二

メ1

金沢広昌

六二九、五九八

二一、九一五

メ2

金沢守

六二九、五九八

二一、九一五

メ5

池山茂

二二七、六三三

一、〇六七

メ6

甲斐貞臣

三七九、六三三

九、四七九

メ7

池山捷彦

四一二、六三三

一一、三〇八

(メ14)

(鈴木ふく)

1

鈴木繁光

一六四、一一九

六、五〇四

2

鈴木英治

一六四、一一九

六、五〇四

3

鈴木弘行

一六四、一一九

六、五〇四

4

浅野梅子

一六四、一一九

六、五〇四

5

宇佐美十一

一六四、一一九

六、五〇四

メ15

鈴木弘行

八二〇、五九八

三二、五二二

メ16

鈴木とみ子

八二〇、五九八

三二、五二二

メ17

竹内信三郎

九九九、一一六

四六、四二九

メ18

伊藤鍬生

七八六、六七六

三四、四九八

メ21

鈴木ひさえ

二六六、九八八

一一、〇四一

メ22

鈴木清美

二六六、九八八

一一、〇四一

メ24

山田富佐

一、一五三、六三三

五二、三九四

メ25

川端豊

四九七、六五六

一五、〇二六

メ26

川端弘子

四九七、六五六

一五、〇二六

メ27

日下部豊子

四九七、六五六

一五、〇二六

メ28

川端八津子

四九七、六五六

一五、〇二六

メ32

服部貢

五九九、九二〇

二七、〇二八

メ33

服部代志江

三七二、五三二

一三、八六一

メ34

大橋美代子

二九〇、三四五

一〇、四五四

メ35

池山三郎

七〇五、六三三

二七、五八四

メ36

池山なみ子

七〇五、六三三

二七、五八四

メ37

須原増右エ門

二六〇、二七七

四、二三七

メ38

中居三千男

七九四、六三三

三二、五二二

メ39

水野茂一

六八〇、五九八

二四、七一九

メ40

水野やえ子

六八〇、五九八

二四、七一九

メ41

水野末吉

八二一、六三三

三三、九八五

メ42

佐藤勇

三九〇、一一六

一二、七一九

メ43

佐藤あい子

三九〇、一一六

一二、七一九

メ52

佐藤由男

四六六、六三三

一四、四一七

メ53

佐藤君代

四六六、六三三

一四、四一七

メ54

奥野作男

七〇五、五九八

二六、一二一

(メ55)

(若尾とり)

1

早野敏子

七二〇、〇九六

二九、〇四七

メ56

梅田公二

八二一、六三三

三三、九八五

メ57

梅田年子

八二一、六三三

三三、九八五

メ58

浜洲國義

四七四、九二一

一九、二一五

メ59

浜洲きよ

四七四、九二一

一九、二一五

メ62

福田昭三

一、〇五二、一一六

四九、三五五

メ63

福田郁代

一、〇五二、一一六

四九、三五五

メ64

大河内清

五七七、九九七

二五、九一〇

メ65

大河内鈴子

五七七、九九七

二五、九一〇

メ66

岩田浩

六九五、一〇六

三〇、四〇一

メ67

岩田種子

六九五、一〇六

三〇、四〇一

メ68

伊賀勝己

七一七、一一六

三〇、八二四

メ71

小川久信

四五八、七二五

一八、六六四

メ72

小川隆光

三九五、六一八

一六、二七九

メ80

鈴木琴世

四五六、六三三

一三、七四六

メ81

前沢哲郎

五三一、九三一

二二、三四六

メ82

前沢香枝子

五三一、九三一

二二、三四六

ト1

迫間正市

一、〇三七、一一六

四八、五六三

ト2

迫間きみ

一、〇三七、一一六

四八、五六三

ト3

安井実雄

七七〇、九七〇

三三、二五三

ト4

安井みわ子

七七〇、九七〇

三三、二五三

ト5

坂野登

七〇五、六三三

二七、五八四

ト6

坂野加代子

七〇五、六三三

二七、五八四

ト8

久野冨七

四九四、六三三

一五、八八〇

(ト11)

(早川兼吉)

1

早川たに

五七六、五五八

二七、四八一

2

早川勇

五七六、五五八

二七、四八一

ト12

早川たに

一、一五三、一一六

五四、九六三

ト14

折戸光男

四二九、六三三

一二、二八三

ト15

野呂保

四八五、九四七

一六、一二四

ト18

朝山義彦

六三九、九〇七

二四、三五三

ト19

柳正行

四四八、九五六

一三、六二四

ト21

柴田清人

四七三、九六五

一三、六二四

ト23

可児薫

八〇二、〇〇七

三五、六〇三

ト24

加藤四郎

一、一五三、一一六

五四、九六二

(ト25)

(加藤孝子)

1

加藤四郎

五七六、五五八

二七、四八一

2

加藤浩子

一一五、三一一

五、四九六

3

加藤博秀

一一五、三一一

五、四九六

4

樋江井照子

一一五、三一一

五、四九六

5

池田美知子

一一五、三一一

五、四九六

6

吉野敏子

一一五、三一一

五、四九六

ト26

加藤博秀

一、一五三、一一六

五四、九六三

ト27

加藤浩子

一、一五三、一一六

五四、九六三

ト28

吉戸友治

一、一五三、一一六

五四、九六三

ト29

吉戸すみ子

一、一五三、一一六

五四、九六三

ト30

山田マツ

四二五、七四四

一七、六二三

ト31

山田澤太郎

四二五、七四四

一七、六二三

ト32

岩畑正夫

八七八、一一六

三九、七二四

ト33

岩畑芙美子

八七八、一一六

三九、七二四

ト34

石橋かね子

七九四、六三三

三二、五二二

ト35

石橋正美

七九四、六三三

三二、五二二

ト38

奥野すえ子

六七四、二〇五

二八、七五八

ト39

奥野末男

六七四、二〇五

二八、七五八

ト42

浅井正男

七六八、七四四

三六、六四二

ト43

浅井民子

七六八、七四四

三六、六四二

ト44

浅井義則

七六八、七四四

三六、六四二

ト45

浅井ヤエ

一、一五三、一一六

五四、九六三

ト46

中野松良

八一〇、一一六

三五、九四四

ト47

中野順吉

八一〇、一一六

三五、九四四

ト48

小林嘉代子

七七七、四一二

三四、二〇七

ト49

坂本真佐子

五一〇、四三六

二〇、五七二

ト50

中井忠

六一四、七四四

二八、一〇八

ト51

武内志げ

七六八、七四四

三六、六四二

ト52

武内弘

七三三、七三二

三四、五三三

ト53

中尾鈎吾

八一〇、一一六

三五、九四四

ト54

中尾紀夫

八一〇、一一六

三五、九四四

ト55

浅井高志

九六四、六三三

四一、九〇九

ト56

森島辰男

七六八、七四四

三六、六四二

ト59

鈴木朝二

一七五、七九〇

ト60

森田つる

六一六、六三三

二二、六四六

ト61

森田愛作

六一六、六三三

二二、六四六

ト62

田島テル子

六〇五、一一六

二四、六〇六

ト63

大矢桂三

八七一、六三三

三六、七八九

ト69

小木曽安則

二九六、一五九

一〇、〇四三

ト70

小木曽信枝

二九六、一五九

一〇、〇四三

ト71

小木曽正明

二九六、一五九

一〇、〇四三

ト72

大野亘

四五四、四八〇

一七、八九六

ト73

大野きみ子

四五四、四八〇

一七、八九六

ト74

加藤とめ

五五五、一一六

二一、八〇二

ト75

伴野芳秋

三一七、一二四

六、〇六五

ト76

伴野さかえ

三一七、一二四

六、〇六五

ト77

伴野芳枝

三一七、二一四

六、〇六五

ト78

伴野光彦

三一七、二一四

六、〇六五

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
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